目次 / 図形と方程式 / 数学II

第7章 不等式の表す領域

—— 直線や円が、平面を「こちら側」と「あちら側」に分ける ——

この章では、$x$,$y$ の不等式を満たす点 $(x,\ y)$ をすべて集めた部分「領域」を学びます。$y > f(x)$ はグラフの上側、$ax + by + c > 0$ は代入した値の符号、円の不等式は内部と外部、というように、これまでの直線・円・放物線が今度は平面を分ける「境界線」になります。いくつかの不等式を組み合わせた領域、$AB > 0$ の形の不等式の領域を図に表し、最後に、領域の包含関係を使って「$p$ ならば $q$」が正しいかを判定します。領域の中での最大・最小は第8章で扱います。

問題マップ記録を読み込み中…
未回答 25× 0○ 01か月定着 0

不等式の表す領域と、グラフの上側・下側

第6章では、等式を満たす点を集めると直線や円になることを見ました。この章では、不等式を満たす点 (x, y)(x,\ y) をすべて集めた部分を考えます。これを、その不等式の表す領域といいます。

たとえば yy>x{}> x を満たす点を集めてみます。xx=1{}= 1 と決めると、条件は yy>1{}> 1 です。つまり、縦の直線 xx=1{}= 1 の上で、直線 yy=x{}= x 上の点 (1, 1)(1,\ 1) より上にある点がすべて条件を満たします。xx をほかの値にしても同じで、どの縦の直線の上でも「直線 yy=x{}= x より上」が選ばれます。これを全部の xx について集めると、直線 yy=x{}= x の上側の部分になります。

同じ考え方は、直線以外のグラフにも使えます。yy=f(x){}= f(x) のグラフ上の点 (x, f(x))(x,\ f(x)) を基準にして、その真上にあるか真下にあるかを比べればよいからです。

領域の境目になっている線を境界線といいます。不等号が >>,<< なら境界線上の点は領域に含まれず、≧\geqq,≦\leqq なら含まれます。図では、境界線を含まないときは破線、含むときは実線で描くことが多く、答えには「境界線を含む(含まない)」と書き添えます。

公式1:グラフの上側・下側

関数 yy=f(x){}= f(x) のグラフを境界線として

  • yy>f(x){}> f(x) の表す領域は、グラフの上側
  • yy<f(x){}< f(x) の表す領域は、グラフの下側

また、定数 kk について

  • xx>k{}> k の表す領域は、直線 xx=k{}= k の右側
  • xx<k{}< k の表す領域は、直線 xx=k{}= k の左側

≧\geqq,≦\leqq のときは、境界線を含む。

二次関数 第7章では、x2x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3>0{}> 0 を「放物線 yy=x2{}= x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3 が xx 軸より上にある xx の範囲」として解きました。これは、xx 軸上の点 (x, 0)(x,\ 0) が領域 yy<x2{}< x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3(放物線の下側)に入る条件、と言いかえられます。二次不等式は、この章の領域を xx 軸の上だけで見たものだったわけです。

建物の高さの決まりに「道路斜線制限」というものがあります。道路の反対側の端から斜めに線を引き、建物がその線より上にはみ出してはいけない、というルールです(※勾配や適用される範囲は地域によって細かく違います)。建物のどの部分についても「その真上の斜線の高さより低いか」を比べる、というのが公式1と同じ見方です。建物が入ってよい部分は、斜線 yy=mx{}= mx+n{}+ n の下側 yy≦mx{}\leqq mx+n{}+ n にあたります。

x y O (2, 4) 直線上 (2, 1) 入る (2, 6) 入らない x = 2 y = 3x − 2 y < 3x − 2 (境界線を含まない)

yy>f(x){}> f(x) の領域は、どの縦の直線の上でもグラフの点より上にある部分、つまりグラフの上側だということです。

例題1:不等式の表す領域

次の不等式の表す領域を求めなさい。

(1) yy<3x{}< 3x−2{}- 2

(2) xx≧−1{}\geqq -1

(3) yy≧x2{}\geqq x^2−2x{}- 2x−3{}- 3


【解答】

(1) 公式1より、直線 y=3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ y = 3x}−2 の下側‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}- 2\ \text{の下側}}。境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}}。

たとえば xx=2{}= 2 のとき、直線上の点は (2, 4)(2,\ 4) です。点 (2, 1)(2,\ 1) は 11<4{}< 4 なので領域に入り、点 (2, 6)(2,\ 6) は 66>4{}> 4 なので入りません。

(2) 直線 x=−1 の右側‾\underline{\text{直線}\ x = -1\ \text{の右側}}。境界線を含む‾\underline{\text{境界線を含む}}。

xx=−1{}= -1 は yy 軸に平行な直線で、yy の値には何の条件もついていません。

(3) x2x^2−2x{}- 2x−3{}- 3=(x−1)2{}= (x - 1)^2−4{}- 4 なので、境界線は頂点 (1, −4)(1,\ -4) の放物線です。

公式1より、放物線 y=x2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}\text{放物線}\ y = x^2}−2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}- 2x}−3 の上側‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}- 3\ \text{の上側}}。境界線を含む‾\underline{\text{境界線を含む}}。

放物線の「上側」は、下に凸のグラフの内側(くぼみの側)です。たとえば点 (1, −3)(1,\ -3) は −3-3≧−4{}\geqq -4 を満たすので、この領域に入ります。

直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 で分けられた領域

2x2x−3y{}- 3y+6{}+ 6>0{}> 0 のように一般形で書かれた不等式は、yy について解けば公式1が使えます。ただし、yy の係数が負のときは、両辺を負の数で割ると不等号の向きが変わるので注意が必要です。

もっと手早い方法があります。第3章 j17 や第2章の小話3で、axax+by{}+ by+c{}+ c に点を代入した値の符号で「直線のどちら側か」がわかることに触れました。その理由を確かめておきます。

f(x, y)f(x,\ y)=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c とおきます。直線 f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 上にない 2 点を結ぶ線分の上で ff の値を追いかけると、ff は一次式なので、値はなめらかに一方向へ変わっていきます。途中で符号が変わるなら、その間で値が 00 になる点、つまり直線との交点があるはずです。逆に言えば、直線をまたがない限り、ff の符号は変わりません(厳密定義 定理1)。

そこで、直線上にない点を 1 つ選んで代入し、その符号を見れば、その点を含む側が ff>0{}> 0 の側なのか ff<0{}< 0 の側なのかが決まります。直線が原点を通らなければ、原点 (0, 0)(0,\ 0) を代入するのがいちばん楽です(f(0, 0)f(0,\ 0)=c{}= c)。

公式2:代入した値の符号

f(x, y)f(x,\ y)=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c とする。直線 ℓ:f(x, y)\ell : f(x,\ y)=0{}= 0 は平面を 2 つの部分に分け、一方では f(x, y)f(x,\ y)>0{}> 0、もう一方では f(x, y)f(x,\ y)<0{}< 0 となる。

  • ff>0{}> 0 の領域は、ℓ\ell 上にない点を 1 つ代入し、その値が正ならその点を含む側、負なら含まない側である。
  • ℓ\ell 上にない 2 点 A,B が ℓ\ell の反対側にある   ⟺  f(A) f(B)\iff f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})<0{}< 0
  • 線分 AB が ℓ\ell と共有点をもつ   ⟺  f(A) f(B)\iff f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})≦0{}\leqq 0

3 つ目は、端点 A または B が ℓ\ell 上にある場合(f(A)f(\mathrm{A})=0{}= 0 または f(B)f(\mathrm{B})=0{}= 0)も含めた言い方です。

川が町を 2 つに分けているとします。橋を渡らない限り、どれだけ歩き回っても自分は同じ岸にいます。自分の岸がどちらなのかを知るには、同じ岸にある目印の建物(原点)が右岸か左岸かを 1 つ知っていれば十分です。また、2 人が川の反対側にいるなら、2 人を結ぶ道はどこかで必ず川を渡ります。これが f(A) f(B)f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})<0{}< 0 の意味です。

直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 のどちら側かは、axax+by{}+ by+c{}+ c に点を代入した値の符号で決まり、原点などの点を 1 つ試せば領域がわかるということです。

例題2:一般形の不等式と、線分と直線の共有点

(1) 不等式 3x3x−2y{}- 2y+6{}+ 6>0{}> 0 の表す領域を求めなさい。

(2) 2 点 A(−1, 2)\mathrm{A}(-1,\ 2),B(3, 1)\mathrm{B}(3,\ 1) を結ぶ線分 AB と、直線 2x2x−y{}- y+k{}+ k=0{}= 0 が共有点をもつような定数 kk の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 境界線は直線 3x3x−2y{}- 2y+6{}+ 6=0{}= 0 で、原点を通りません。原点を代入すると 00−0{}- 0+6{}+ 6=6{}= 6>0{}> 0 なので、原点はこの領域に入ります。

よって、直線 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ 3x}−2y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}- 2y}+6=0 の、‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ 6 = 0\ \text{の、}} 原点を含む側‾\underline{\text{原点を含む側}}。境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}}。

確かめ yy について解くと、−2y-2y>−3x{}> -3x−6{}- 6 の両辺を −2-2 で割って(不等号の向きが変わる)yy<32x{}< \dfrac{3}{2}x+3{}+ 3 です。直線の下側で、原点 (0<3)(0 < 3) を含む側と一致します。

(2) f(x, y)f(x,\ y)=2x{}= 2x−y{}- y+k{}+ k とおくと

f(A)\displaystyle f(\mathrm{A})=−2\displaystyle {}= -2−2\displaystyle {}- 2+k\displaystyle {}+ k=k\displaystyle {}= k−4,\displaystyle {}- 4,f(B)\displaystyle f(\mathrm{B})=6\displaystyle {}= 6−1\displaystyle {}- 1+k\displaystyle {}+ k=k\displaystyle {}= k+5\displaystyle {}+ 5

公式2より、線分 AB が直線と共有点をもつ条件は f(A) f(B)f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})≦0{}\leqq 0 なので

(k−4)(k+5)\displaystyle (k - 4)(k + 5)≦0\displaystyle {}\leqq 0⟹−5≦k≦4‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{-5 \leqq k \leqq 4}

kk=4{}= 4 のときは A が、kk=−5{}= -5 のときは B が直線上にあります。直線 yy=2x{}= 2x+k{}+ k を上下に平行移動していくと、kk が −5-5 から 44 までの間だけ線分 AB を横切る、と見ることもできます。

円の内部・外部

第4章 公式5 で、点 P(x1, y1)\mathrm{P}(x_1,\ y_1) を円の方程式に代入した値 (x1−a)2(x_1 - a)^2+(y1−b)2{}+ (y_1 - b)^2−r2{}- r^2 は CP2\mathrm{CP}^2−r2{}- r^2 に等しく、その符号で点が円の内部にあるか外部にあるかがわかることを学びました。これを「点を集める」向きに読みかえると、円の不等式の表す領域になります。

公式3:円の内部・外部

中心 (a, b)(a,\ b),半径 rr の円を境界線として

  • (x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2<r2{}< r^2 の表す領域は、円の内部
  • (x−a)2(x - a)^2+(y−b)2{}+ (y - b)^2>r2{}> r^2 の表す領域は、円の外部

一般形 x2x^2+y2{}+ y^2+lx{}+ lx+my{}+ my+n{}+ n の場合も同じで、<0< 0 が内部、>0> 0 が外部である。≦\leqq,≧\geqq のときは、境界線(円周)を含む。

一般形のときは、平方完成してから中心と半径を読み取ります。第4章と同じく、x2x^2,y2y^2 の係数が 11 でなければ、先にその数で割っておきます(正の数で割るので、不等号の向きは変わりません)。

スマートフォンの地図で「現在地から半径 500 m 以内のお店」を検索すると、アプリはお店ごとに現在地との距離を計算し、500 m と比べています。距離が 500 m より小さいお店だけを集めたものが、円の内部という領域です。ずっと遠くまで均一に広がる直線の「こちら側」とは違い、円の内部は境界線に囲まれたひとかたまりの部分になります。

円の不等式は、中心からの距離の 2 乗と半径の 2 乗の比較なので、<< なら円の内部、>> なら円の外部を表すということです。

例題3:円の不等式の表す領域

(1) 不等式 x2x^2+y2{}+ y^2−4x{}- 4x+6y{}+ 6y+9{}+ 9>0{}> 0 の表す領域を求めなさい。

(2) 点 (t, −2)(t,\ -2) が、円 x2x^2+y2{}+ y^2−4x{}- 4x+6y{}+ 6y+9{}+ 9=0{}= 0 の内部にあるような tt の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 平方完成すると

(x−2)2\displaystyle (x - 2)^2+(y+3)2\displaystyle {}+ (y + 3)^2>4\displaystyle {}> 4+9\displaystyle {}+ 9−9\displaystyle {}- 9=4\displaystyle {}= 4

です。よって、中心 (2, −3),半径 2 の円の外部‾\underline{\text{中心}\ (2,\ -3),\text{半径}\ 2\ \text{の円の外部}}。境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}}。

(2) 円の内部は (x−2)2(x - 2)^2+(y+3)2{}+ (y + 3)^2<4{}< 4 なので、点 (t, −2)(t,\ -2) を代入して

(t−2)2\displaystyle (t - 2)^2+1\displaystyle {}+ 1<4\displaystyle {}< 4⟹(t−2)2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (t - 2)^2<3\displaystyle {}< 3⟹−3\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -\sqrt{3}<t\displaystyle {}< t−2\displaystyle {}- 2<3\displaystyle {}< \sqrt{3}

よって 2‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}2}−3<t<2‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}{}- \sqrt{3} < t < 2}+3‾\underline{\rule[-0.1328em]{0em}{1.0400em}{}+ \sqrt{3}} です。

点 (t, −2)(t,\ -2) は横の直線 yy=−2{}= -2 の上を動きます。この直線と中心 (2, −3)(2,\ -3) の距離は 11 なので、円が切り取る弦の長さの半分は 4−1\sqrt{4 - 1}=3{}= \sqrt{3} です(第5章 公式2)。弦の両端 xx=2{}= 2±3{}\pm \sqrt{3} の間が答えになっています。

連立不等式の表す領域

いくつかの不等式を同時に満たす点の集まりは、それぞれの不等式の表す領域の共通部分です。二次関数 第7章の連立不等式で、数直線の上で共通部分をとったのと同じ考え方を、平面で行います。

一方、「AA または BB」の表す領域は、2 つの領域を合わせた部分(和集合)です(数と式 第5章)。

連立不等式の領域を描くときは、次の順に進めると間違いが減ります。

  1. 各不等式の境界線を描き、どちら側かを決める。
  2. 境界線どうしの交点を求める。
  3. すべての条件を満たす部分を選び、境界線・交点を含むかどうかを確かめる。

交点を含むかどうかは、その点を通るすべての境界線について「含む」ときだけ「含む」になります。

公式4:連立不等式の表す領域

不等式 pp,qq の表す領域をそれぞれ PP,QQ とすると

  • 連立不等式「pp かつ qq」の表す領域は、共通部分 P∩QP \cap Q
  • 「pp または qq」の表す領域は、和集合 P∪QP \cup Q

境界線が囲む多角形などの領域では、境界線の交点が頂点になる。

宝探しで、ヒントのカードを 1 枚ずつめくる場面を想像してください。1 枚目は「大きな木より北」、2 枚目は「池から 10 歩以内」。1 枚目だけなら探す範囲は広いままですが、2 枚目を重ねると、両方に当てはまる場所だけに絞られます。ヒントが「かつ」で増えるほど、領域は小さくなっていきます。

連立不等式の領域は、1 つずつの不等式の領域をすべて重ねた共通部分で、境界線の交点が角になるということです。

例題4:三角形の領域と面積

連立不等式

y\displaystyle y≧0,\displaystyle {}\geqq 0,y\displaystyle y≦2x,\displaystyle {}\leqq 2x,x\displaystyle x+y\displaystyle {}+ y≦6\displaystyle {}\leqq 6

の表す領域を D とします。

(1) D を求めなさい。

(2) D の面積を求めなさい。


【解答】

(1) それぞれの不等式の表す領域は

  • yy≧0{}\geqq 0:xx 軸の上側(境界線を含む)
  • yy≦2x{}\leqq 2x:直線 yy=2x{}= 2x の下側(境界線を含む)
  • xx+y{}+ y≦6{}\leqq 6:yy≦−x{}\leqq -x+6{}+ 6 なので、直線 yy=−x{}= -x+6{}+ 6 の下側(境界線を含む)

境界線どうしの交点は、次のとおりです。

  • yy=0{}= 0 と yy=2x{}= 2x:(0, 0)(0,\ 0)
  • yy=0{}= 0 と xx+y{}+ y=6{}= 6:(6, 0)(6,\ 0)
  • yy=2x{}= 2x と xx+y{}+ y=6{}= 6:3x3x=6{}= 6 より (2, 4)(2,\ 4)

3 つの条件をすべて満たすのは、この 3 点を頂点とする三角形の部分です。たとえば点 (2, 1)(2,\ 1) は、11≧0{}\geqq 0,11≦4{}\leqq 4,33≦6{}\leqq 6 ですべて満たします。

よって、D は 3 点 (0, 0),(6, 0),(2, 4)‾\underline{3\ \text{点}\ (0,\ 0),(6,\ 0),(2,\ 4)} を頂点とする三角形の周および内部‾\underline{\text{を頂点とする三角形の周および内部}} です。

(2) 底辺を xx 軸上の 66、高さを点 (2, 4)(2,\ 4) の yy 座標 44 として

12⋅6⋅4\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 6 \cdot 4=12‾\displaystyle {}= \underline{12}
x y O (2, 4) (6, 0) D y = 2x x + y = 6 y = 0

積の形の不等式 ABAB>0{}> 0

(x−2y+2)(x+y−4)(x - 2y + 2)(x + y - 4)>0{}> 0 のように、2 つの式の積の形をした不等式を考えます。数と式で学んだとおり、2 つの数の積が正になるのは、2 つが同符号のときです。つまり ABAB>0{}> 0 は

(A>0 かつ B>0)\displaystyle (A > 0\ \text{かつ}\ B > 0)または\displaystyle \text{または}(A<0 かつ B<0)\displaystyle (A < 0\ \text{かつ}\ B < 0)

と同じことです。

ABAB<0{}< 0 なら異符号の組合せです。つまり、積の形の不等式は「連立不等式を 2 組作って、または でつなぐ」ことで領域が求められます。

実際に描くときは、もっと楽な見方があります。2 本の境界線 AA=0{}= 0,BB=0{}= 0 で平面がいくつかの部分に分かれます。境界線を 1 本またぐと、AA か BB のどちらか一方だけの符号が変わるので、積 ABAB の符号も変わります。したがって、1 つの部分で符号を調べれば、あとは境界線をまたぐたびに交互に入れかわるのです。

公式5:積の形の不等式
AB\displaystyle AB>0\displaystyle {}> 0  ⟺  {A>0B>0または{A<0B<0\displaystyle {}\iff \begin{cases} A > 0 \\ B > 0 \end{cases} \text{または} \begin{cases} A < 0 \\ B < 0 \end{cases}AB\displaystyle AB<0\displaystyle {}< 0  ⟺  {A>0B<0または{A<0B>0\displaystyle {}\iff \begin{cases} A > 0 \\ B < 0 \end{cases} \text{または} \begin{cases} A < 0 \\ B > 0 \end{cases}

境界線 AA=0{}= 0,BB=0{}= 0 で分けられた部分の 1 つに点を代入して ABAB の符号を調べ、隣り合う部分では符号が入れかわることを使って領域を決める。

2 本の境界線が 1 点で交わると、平面は 4 つの部分に分かれ、向かい合う 2 つが同じ符号になります。和服の柄の「市松模様」は、隣り合うマスの色が必ず違う並べ方です。境界線で区切られた部分も、隣どうしで「入る」「入らない」が入れかわる市松模様になっています。

ただし、(x−1)2(x - 1)^2 のように 2 乗の因数があると、その境界線をまたいでも符号は変わりません。そのような式が出てきたら、公式5の前半(場合分け)に戻って確かめます。

ABAB>0{}> 0 の領域は、境界線で分けた部分の 1 つで符号を調べ、境界線をまたぐたびに「入る・入らない」を交互に塗り分ければ求められるということです。

例題5:積の形の不等式の表す領域

不等式 (x−2y+2)(x+y−4)(x - 2y + 2)(x + y - 4)>0{}> 0 の表す領域を求めなさい。


【解答】

境界線は、直線 ℓ:x\ell : x−2y{}- 2y+2{}+ 2=0{}= 0 と m:xm : x+y{}+ y−4{}- 4=0{}= 0 です。2 式を引くと −3y-3y+6{}+ 6=0{}= 0 で、交点は (2, 2)(2,\ 2) です。

この 2 直線で平面は 4 つの部分に分かれます。原点を代入すると

(0−0+2)(0+0−4)\displaystyle (0 - 0 + 2)(0 + 0 - 4)=−8\displaystyle {}= -8<0\displaystyle {}< 0

なので、原点を含む部分(2 直線の下の部分)は領域に入りません。境界線を 1 本またぐたびに符号が入れかわるので、原点を含む部分の左右の隣は入り、向かい側(2 直線の上の部分)は入りません。

場合分けによる確かめ ℓ\ell は yy=12x{}= \dfrac{1}{2}x+1{}+ 1、mm は yy=−x{}= -x+4{}+ 4 です。

  • xx−2y{}- 2y+2{}+ 2>0{}> 0 かつ xx+y{}+ y−4{}- 4>0{}> 0:ℓ\ell の下側かつ mm の上側(右の部分。たとえば (5, 1)(5,\ 1))
  • xx−2y{}- 2y+2{}+ 2<0{}< 0 かつ xx+y{}+ y−4{}- 4<0{}< 0:ℓ\ell の上側かつ mm の下側(左の部分。たとえば (0, 3)(0,\ 3))

よって、求める領域は、2 直線 xx−2y{}- 2y+2{}+ 2=0{}= 0,xx+y{}+ y−4{}- 4=0{}= 0 で分けられた 4 つの部分のうち、点 (5, 1) を含む右の部分‾\underline{\text{点}\ (5,\ 1)\ \text{を含む右の部分}} と 点 (0, 3) を含む左の部分‾\underline{\text{点}\ (0,\ 3)\ \text{を含む左の部分}} で、境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}} です。

交点 (2, 2)(2,\ 2) も境界線上にあるので含みません。

x y O (2, 2) (5, 1) (0, 3) + + − −(原点の側) x − 2y + 2 = 0 x + y − 4 = 0

領域と命題

数と式 第6章では、条件 pp,qq を満たすものの集合(真理集合)を PP,QQ とすると、

命題 p\displaystyle \text{命題}\ p⟹q が真\displaystyle {}\Longrightarrow q\ \text{が真}  ⟺  P\displaystyle {}\iff P⊂Q\displaystyle {}\subset Q

となることを学びました。xx,yy についての条件なら、真理集合は平面上の領域です。したがって、2 つの領域を図に描き、一方が他方にすっぽり含まれているかを見れば、命題の真偽がわかります。

含まれていなければ、はみ出した部分の点が反例になります。

公式6:領域と命題

xx,yy についての条件 pp,qq の表す領域を PP,QQ とすると

p\displaystyle p⟹q が真\displaystyle {}\Longrightarrow q\ \text{が真}  ⟺  P\displaystyle {}\iff P⊂Q\displaystyle {}\subset Q

PP のうち QQ に含まれない点があれば、それが反例である。円の内部と直線の片側の包含は、中心と直線の距離 dd と半径 rr の比較(第5章 公式1)で判断できる。

「この町に住んでいる人は、みんなこの県に住んでいる」と言い切れるのは、地図の上で町がすっぽり県の中に入っているからです。町が県境をまたいでいたら、はみ出した側に住む人が反例になります。命題の真偽を領域で調べるのは、この地図の見方そのものです。

「pp ならば qq」が正しいかは、pp の領域が qq の領域にすっぽり入るかを図で見ればわかり、はみ出した点が反例になるということです。

例題6:領域を使った命題の証明

実数 xx,yy について、次のことを示しなさい。

(1) x2x^2+y2{}+ y^2≦2{}\leqq 2 ならば xx+y{}+ y≦2{}\leqq 2 である。

(2) (1) の逆は成り立たない。


【解答】

(1) p:x2p : x^2+y2{}+ y^2≦2{}\leqq 2,q:xq : x+y{}+ y≦2{}\leqq 2 の表す領域を PP,QQ とします。

  • PP は、原点を中心とする半径 2\sqrt{2} の円の周および内部
  • QQ は、直線 xx+y{}+ y−2{}- 2=0{}= 0 の、原点を含む側(境界線を含む)

原点と直線 xx+y{}+ y−2{}- 2=0{}= 0 の距離は

d\displaystyle d=∣0+0−2∣12+12\displaystyle {}= \frac{\lvert 0 + 0 - 2 \rvert}{\sqrt{1^2 + 1^2}}=22\displaystyle {}= \frac{2}{\sqrt{2}}=2\displaystyle {}= \sqrt{2}

で、半径と等しいので、この直線は円に点 (1, 1)(1,\ 1) で接しています。円は接線の片側(中心のある側)にすべて収まり、接点 (1, 1)(1,\ 1) も QQ に含まれるので、PP⊂Q{}\subset Q です。

よって、公式6より pp⟹q{}\Longrightarrow q は真です。(証明終)

式による確かめ 2(x2+y2)2(x^2 + y^2)−(x+y)2{}- (x + y)^2=(x−y)2{}= (x - y)^2≧0{}\geqq 0 なので、pp が成り立つとき

(x+y)2\displaystyle (x + y)^2≦2(x2+y2)\displaystyle {}\leqq 2(x^2 + y^2)≦4\displaystyle {}\leqq 4

となり、xx+y{}+ y≦∣x+y∣{}\leqq \lvert x + y \rvert≦2{}\leqq 2 です。

(2) 逆は「xx+y{}+ y≦2{}\leqq 2 ならば x2x^2+y2{}+ y^2≦2{}\leqq 2」です。(x, y)(x,\ y)=(−3, 0){}= (-3,\ 0) は xx+y{}+ y=−3{}= -3≦2{}\leqq 2 を満たしますが、x2x^2+y2{}+ y^2=9{}= 9>2{}> 2 です。

QQ は円の外まで広がっているので、逆は成り立ちません。(証明終)

この章では、不等式が平面を「こちら側」と「あちら側」に分けることを、直線・放物線・円のそれぞれで確かめました。第8章では、こうして描いた領域の中を点が動くとき、xx+y{}+ y や x2x^2+y2{}+ y^2 のような式がとる最大値・最小値を求めます。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

不等式 yy>2x{}> 2x+1{}+ 1 の表す領域を求めなさい。

答えを見る
答え

直線 y=2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ y = 2x}+1 の上側‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ 1\ \text{の上側}}。境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}}

自己採点:
記録を読み込み中…

問2

不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦16{}\leqq 16 の表す領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

原点を中心とする‾\underline{\text{原点を中心とする}} 半径 4 の円の周および内部‾\underline{\text{半径}\ 4\ \text{の円の周および内部}}

自己採点:
記録を読み込み中…

問3

点 (3, −1)(3,\ -1) が、不等式 2x2x+5y{}+ 5y−1{}- 1<0{}< 0 の表す領域に含まれるかどうかを確かめなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

含まれない‾\underline{\text{含まれない}}(代入すると 66−5{}- 5−1{}- 1=0{}= 0 で、点は境界線上にある。<< なので境界線は含まない)

自己採点:
記録を読み込み中…

問4

連立不等式 xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0,xx+y{}+ y≦3{}\leqq 3 の表す領域の面積を求めなさい。

答えを見る
答え

92\dfrac{9}{2}(3 点 (0, 0)(0,\ 0),(3, 0)(3,\ 0),(0, 3)(0,\ 3) を頂点とする直角二等辺三角形)

自己採点:
記録を読み込み中…

問5

不等式 xyxy>0{}> 0 の表す領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

第 1 象限と第 3 象限‾\underline{\text{第 1 象限と第 3 象限}}。座標軸を含まない‾\underline{\text{座標軸を含まない}}(xx,yy が同符号)

自己採点:
記録を読み込み中…

実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

不等式 (1) 2x2x−3y{}- 3y+6{}+ 6<0{}< 0 と (2) yy≦−x2{}\leqq -x^2+4x{}+ 4x の表す領域を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(1) 直線 2x2x−3y{}- 3y+6{}+ 6=0{}= 0 の上側(原点を含まない側)。境界線を含まない

(2) 放物線 yy=−x2{}= -x^2+4x{}+ 4x の下側。境界線を含む

解説

(1) yy について解きます。−3y-3y<−2x{}< -2x−6{}- 6 の両辺を −3-3 で割ると、不等号の向きが変わって

y\displaystyle y>23x\displaystyle {}> \frac{2}{3}x+2\displaystyle {}+ 2

公式1より、直線 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ 2x}−3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}- 3y}+6=0 の上側‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ 6 = 0\ \text{の上側}} で、境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}} です。

原点を代入すると 66<0{}< 0 は成り立たないので、原点は領域に入りません。原点は直線の下側(00<2{}< 2)にあるので、「上側」と一致します(公式2)。

(2) −x2-x^2+4x{}+ 4x=−(x−2)2{}= -(x - 2)^2+4{}+ 4 なので、境界線は頂点 (2, 4)(2,\ 4) の上に凸の放物線です。

公式1より、放物線 y=−x2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}\text{放物線}\ y = -x^2}+4x の下側‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}+ 4x\ \text{の下側}} で、境界線を含む‾\underline{\text{境界線を含む}} です。上に凸の放物線では、下側がくぼみの内側になります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問2 ★

不等式 x2x^2+y2{}+ y^2+2x{}+ 2x−8y{}- 8y+8{}+ 8≧0{}\geqq 0 の表す領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

中心 (−1, 4)(-1,\ 4),半径 33 の円の周および外部

解説

平方完成すると

(x+1)2\displaystyle (x + 1)^2+(y−4)2\displaystyle {}+ (y - 4)^2≧1\displaystyle {}\geqq 1+16\displaystyle {}+ 16−8\displaystyle {}- 8=9\displaystyle {}= 9

中心 (−1, 4)(-1,\ 4) からの距離の 2 乗が 323^2 以上の点の集まりなので、公式3より

中心 (−1, 4),半径 3 の円の‾\underline{\text{中心}\ (-1,\ 4),\text{半径}\ 3\ \text{の円の}} 周および外部‾\underline{\text{周および外部}} です。

≧\geqq なので、円周(境界線)も含みます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問3 ★

2 点 A(2, 3)\mathrm{A}(2,\ 3),B(−1, a)\mathrm{B}(-1,\ a) が、直線 3x3x−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0 に関して反対側にあるような定数 aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

aa>−1{}> -1

解説

f(x, y)f(x,\ y)=3x{}= 3x−2y{}- 2y+1{}+ 1 とおくと

f(A)\displaystyle f(\mathrm{A})=6\displaystyle {}= 6−6\displaystyle {}- 6+1\displaystyle {}+ 1=1,\displaystyle {}= 1,f(B)\displaystyle f(\mathrm{B})=−3\displaystyle {}= -3−2a\displaystyle {}- 2a+1\displaystyle {}+ 1=−2a\displaystyle {}= -2a−2\displaystyle {}- 2

公式2より、反対側にある条件は f(A) f(B)f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})<0{}< 0 です。f(A)f(\mathrm{A})=1{}= 1>0{}> 0 なので、f(B)f(\mathrm{B})<0{}< 0 であればよく

−2a\displaystyle -2a−2\displaystyle {}- 2<0\displaystyle {}< 0⟹a>−1‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{a > -1}

aa=−1{}= -1 のときは f(B)f(\mathrm{B})=0{}= 0 で、B が直線上にあるので「反対側」とは言えません。

自己採点:
記録を読み込み中…

問4 ★

連立不等式 yy≧x2{}\geqq x^2,yy≦x{}\leqq x+2{}+ 2 の表す領域を D とします。D を求め、D に含まれる点のうち、xx 座標と yy 座標がともに整数である点の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

D は放物線 yy=x2{}= x^2 と直線 yy=x{}= x+2{}+ 2 で囲まれた部分(境界線を含む)。点の個数は 88 個

解説

yy≧x2{}\geqq x^2 は放物線の上側、yy≦x{}\leqq x+2{}+ 2 は直線の下側で、どちらも境界線を含みます。

境界線の交点は x2x^2=x{}= x+2{}+ 2、つまり (x+1)(x−2)(x + 1)(x - 2)=0{}= 0 から xx=−1,{}= -1, 2\ 2 で、(−1, 1)(-1,\ 1) と (2, 4)(2,\ 4) です。−1-1<x{}< x<2{}< 2 では x2x^2<x{}< x+2{}+ 2 なので、直線が放物線より上にあります。

よって、D は 放物線 y=x2 と直線 y=x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}\text{放物線}\ y = x^2\ \text{と直線}\ y = x}+2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}+ 2} で囲まれた部分‾\underline{\text{で囲まれた部分}}(境界線を含む‾\underline{\text{境界線を含む}})です。

D の点の xx 座標は −1-1≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 で、整数の xx ごとに x2x^2≦y{}\leqq y≦x{}\leqq x+2{}+ 2 を満たす整数 yy を数えます。

xxyy の範囲個数
−1-11≦y≦11 \leqq y \leqq 111
000≦y≦20 \leqq y \leqq 233
111≦y≦31 \leqq y \leqq 333
224≦y≦44 \leqq y \leqq 411

合計で 8 個‾\underline{8\ \text{個}} です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問5 ★

連立不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦9{}\leqq 9,yy≧x{}\geqq x,yy≧−x{}\geqq -x の表す領域の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

94π\dfrac{9}{4}\pi

解説

x2x^2+y2{}+ y^2≦9{}\leqq 9 は原点中心・半径 33 の円の周および内部です。

yy≧x{}\geqq x は直線 yy=x{}= x の上側、yy≧−x{}\geqq -x は直線 yy=−x{}= -x の上側です。2 直線はどちらも原点を通り、傾きは 11 と −1-1 なので垂直です(第3章 公式1)。2 つの上側の共通部分は、原点から yy 軸の正の向きを中心に左右 45∘45^\circ ずつ開いた、角 90∘90^\circ の部分です(たとえば点 (0, 1)(0,\ 1) を含む)。

よって、領域は半径 33、中心角 90∘90^\circ の扇形で、面積は

π⋅32⋅90360\displaystyle \pi \cdot 3^2 \cdot \frac{90}{360}=94π‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{4}\pi}
自己採点:
記録を読み込み中…

問6 ★

不等式 (y−x)(y+x−4)(y - x)(y + x - 4)≦0{}\leqq 0 の表す領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

2 直線 yy=x{}= x,yy=−x{}= -x+4{}+ 4 で分けられた 4 つの部分のうち、点 (0, 2)(0,\ 2) を含む左の部分と点 (4, 2)(4,\ 2) を含む右の部分。境界線を含む

解説

境界線は yy=x{}= x と yy=−x{}= -x+4{}+ 4 で、交点は xx=−x{}= -x+4{}+ 4 から (2, 2)(2,\ 2) です。

公式5より、積が 00 以下になるのは、2 つの因数が異符号(または一方が 00)のときです。

  • yy−x{}- x≧0{}\geqq 0 かつ yy+x{}+ x−4{}- 4≦0{}\leqq 0:yy=x{}= x の上側かつ yy=−x{}= -x+4{}+ 4 の下側(左の部分)
  • yy−x{}- x≦0{}\leqq 0 かつ yy+x{}+ x−4{}- 4≧0{}\geqq 0:yy=x{}= x の下側かつ yy=−x{}= -x+4{}+ 4 の上側(右の部分)

点で確かめると、(0, 2)(0,\ 2) は (2)(−2)(2)(-2)=−4{}= -4≦0{}\leqq 0、(4, 2)(4,\ 2) は (−2)(2)(-2)(2)=−4{}= -4≦0{}\leqq 0 で、どちらも領域に入ります。上の部分の (2, 4)(2,\ 4) は (2)(2)(2)(2)=4{}= 4>0{}> 0 で入りません。1 つずつ境界線をまたぐたびに入る・入らないが入れかわっています。

よって、2 直線 yy=x{}= x,yy=−x{}= -x+4{}+ 4 で分けられた部分のうち、点 (0, 2) を含む左の部分‾\underline{\text{点}\ (0,\ 2)\ \text{を含む左の部分}} と 点 (4, 2) を含む右の部分‾\underline{\text{点}\ (4,\ 2)\ \text{を含む右の部分}} で、境界線を含みます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問7 ★

不等式 ∣x∣\lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert≦2{}\leqq 2 の表す領域の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

88

解説

xx≧0{}\geqq 0,yy≧0{}\geqq 0(第 1 象限と軸の上)では、不等式は xx+y{}+ y≦2{}\leqq 2 で、3 点 (0, 0)(0,\ 0),(2, 0)(2,\ 0),(0, 2)(0,\ 2) を頂点とする三角形になります。

xx を −x-x に変えても、yy を −y-y に変えても不等式は変わらないので、領域は xx 軸・yy 軸に関して対称です。ほかの象限でも同じ形の三角形が現れ、全体は 4 点 (2, 0)(2,\ 0),(0, 2)(0,\ 2),(−2, 0)(-2,\ 0),(0, −2)(0,\ -2) を頂点とする正方形(周および内部)になります。

対角線の長さがどちらも 44 なので、面積は

12⋅4⋅4\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 4 \cdot 4=8‾\displaystyle {}= \underline{8}

(第 1 象限の三角形の面積 22 の 44 倍、と考えてもかまいません。)

自己採点:
記録を読み込み中…

問8 ★

2 点 A(1, −2)\mathrm{A}(1,\ -2),B(3, 4)\mathrm{B}(3,\ 4) に対して、PA\mathrm{PA}<PB{}< \mathrm{PB} を満たす点 P の存在する領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

直線 xx+3y{}+ 3y−5{}- 5=0{}= 0 の、原点を含む側(下側)。境界線を含まない

解説

P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とおきます。PA\mathrm{PA},PB\mathrm{PB} は 00 以上なので、PA\mathrm{PA}<PB{}< \mathrm{PB}  ⟺  PA2{}\iff \mathrm{PA}^2<PB2{}< \mathrm{PB}^2 です。

(x−1)2\displaystyle (x - 1)^2+(y+2)2\displaystyle {}+ (y + 2)^2<(x−3)2\displaystyle {}< (x - 3)^2+(y−4)2\displaystyle {}+ (y - 4)^2

展開すると x2x^2,y2y^2 が消えて

−2x\displaystyle -2x+1\displaystyle {}+ 1+4y\displaystyle {}+ 4y+4\displaystyle {}+ 4<−6x\displaystyle {}< -6x+9\displaystyle {}+ 9−8y\displaystyle {}- 8y+16\displaystyle {}+ 16⟹4x\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 4x+12y\displaystyle {}+ 12y−20\displaystyle {}- 20<0\displaystyle {}< 0

つまり xx+3y{}+ 3y−5{}- 5<0{}< 0 です。原点を代入すると −5-5<0{}< 0 なので、原点を含む側です。

よって、直線 x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ x}+3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ 3y}−5=0 の、‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}- 5 = 0\ \text{の、}} 原点を含む側(下側)‾\underline{\text{原点を含む側(下側)}} で、境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}} です。

境界線は線分 AB の垂直二等分線(第6章 例題1と同じ形)で、A (1−6−5=−10<0)(1 - 6 - 5 = -10 < 0) はこの領域に入ります。「A に近い点の集まりは、垂直二等分線の A の側」ということです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問9 ★★

直線 yy=mx{}= mx−1{}- 1 が、2 点 A(2, 3)\mathrm{A}(2,\ 3),B(4, 1)\mathrm{B}(4,\ 1) を結ぶ線分 AB と共有点をもつような定数 mm の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

12\dfrac{1}{2}≦m{}\leqq m≦2{}\leqq 2

解説

f(x, y)f(x,\ y)=mx{}= mx−y{}- y−1{}- 1 とおくと

f(A)\displaystyle f(\mathrm{A})=2m\displaystyle {}= 2m−3\displaystyle {}- 3−1\displaystyle {}- 1=2m\displaystyle {}= 2m−4,\displaystyle {}- 4,f(B)\displaystyle f(\mathrm{B})=4m\displaystyle {}= 4m−1\displaystyle {}- 1−1\displaystyle {}- 1=4m\displaystyle {}= 4m−2\displaystyle {}- 2

公式2より、共有点をもつ条件は f(A) f(B)f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})≦0{}\leqq 0 なので

(2m−4)(4m−2)\displaystyle (2m - 4)(4m - 2)=4(m−2)(2m−1)\displaystyle {}= 4(m - 2)(2m - 1)≦0\displaystyle {}\leqq 0

よって 12≦m≦2‾\underline{\dfrac{1}{2} \leqq m \leqq 2} です。

図による確かめ 直線 yy=mx{}= mx−1{}- 1 はつねに点 (0, −1)(0,\ -1) を通ります(第2章 公式5)。この点と A を結ぶ直線の傾きは 3−(−1)2−0\dfrac{3 - (-1)}{2 - 0}=2{}= 2、B を結ぶ直線の傾きは 1−(−1)4−0\dfrac{1 - (-1)}{4 - 0}=12{}= \dfrac{1}{2} です。直線を点 (0, −1)(0,\ -1) のまわりに回すと、傾きがこの 2 つの間にあるときだけ線分 AB を横切ります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問10 ★★

連立不等式 x2x^2+y2{}+ y^2≦4{}\leqq 4,xx+y{}+ y≧2{}\geqq 2 の表す領域の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

π\pi−2{}- 2

解説

x2x^2+y2{}+ y^2≦4{}\leqq 4 は原点中心・半径 22 の円の周および内部、xx+y{}+ y≧2{}\geqq 2 は直線 xx+y{}+ y=2{}= 2 の、原点を含まない側(上側)です。

直線 xx+y{}+ y=2{}= 2 は点 (2, 0)(2,\ 0),(0, 2)(0,\ 2) を通り、この 2 点はどちらも円周上にあります(44+0{}+ 0=4{}= 4)。よって、領域は円周の一部と弦で囲まれた部分(弓形)です。

弦の両端 (2, 0)(2,\ 0),(0, 2)(0,\ 2) と原点を結ぶ半径は、xx 軸と yy 軸の上にあって垂直なので、中心角は 90∘90^\circ です。弓形の面積は、扇形から三角形を引いて

π⋅22⋅90360\displaystyle \pi \cdot 2^2 \cdot \frac{90}{360}−12⋅2⋅2\displaystyle {}- \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2=π‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}\pi}−2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}{}- 2}
自己採点:
記録を読み込み中…

問11 ★★

不等式 (x2+y2−4)(x+y)(x^2 + y^2 - 4)(x + y)≧0{}\geqq 0 の表す領域を求めなさい。また、この領域のうち、円 x2x^2+y2{}+ y^2=4{}= 4 の周および内部にある部分の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

円 x2x^2+y2{}+ y^2=4{}= 4 の外部で直線 xx+y{}+ y=0{}= 0 の上側にある部分と、円の内部で直線の下側にある部分(境界線を含む)。面積は 2π2\pi

解説

公式5より、積が 00 以上になるのは次のどちらかです(因数が 00 の点もすべて含む)。

  • x2x^2+y2{}+ y^2≧4{}\geqq 4 かつ xx+y{}+ y≧0{}\geqq 0:円の周および外部で、直線 yy=−x{}= -x の上側
  • x2x^2+y2{}+ y^2≦4{}\leqq 4 かつ xx+y{}+ y≦0{}\leqq 0:円の周および内部で、直線 yy=−x{}= -x の下側

よって、領域は 円の外部で‾\underline{\text{円の外部で}} 直線 x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ x}+y=0 の上側の部分‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ y = 0\ \text{の上側の部分}} と、円の内部で直線の下側の部分‾\underline{\text{円の内部で直線の下側の部分}} で、境界線(円周と直線)を含みます。

点で確かめると、(3, 0)(3,\ 0) は (9−4)(3)(9 - 4)(3)>0{}> 0、(−1, 0)(-1,\ 0) は (1−4)(−1)(1 - 4)(-1)>0{}> 0 で入り、(1, 0)(1,\ 0) は (1−4)(1)(1 - 4)(1)<0{}< 0 で入りません。境界線(円・直線)をまたぐたびに入れかわっています。

円の周および内部にある部分は、直線 xx+y{}+ y=0{}= 0 の下側の半円(直線は円の中心を通る)と、上側の円周(面積 00)です。よって面積は

12⋅π⋅22\displaystyle \frac{1}{2} \cdot \pi \cdot 2^2=2π‾\displaystyle {}= \underline{2\pi}
自己採点:
記録を読み込み中…

問12 ★★

xx の二次方程式 x2x^2−2ax{}- 2ax+b{}+ b=0{}= 0 が異なる 2 つの正の解をもつとき、点 (a, b)(a,\ b) の存在する領域を abab 平面上で求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

第 1 象限(aa>0{}> 0,bb>0{}> 0)のうち、放物線 bb=a2{}= a^2 の下側にある部分。境界線を含まない

解説

2 つの解を α\alpha,β\beta とすると、「異なる 2 つの正の解」の条件は、判別式と解と係数の関係から

  • 判別式:D4\dfrac{D}{4}=a2{}= a^2−b{}- b>0{}> 0
  • 解の和:α\alpha+β{}+ \beta=2a{}= 2a>0{}> 0
  • 解の積:αβ\alpha\beta=b{}= b>0{}> 0

の 3 つがすべて成り立つことです(解と係数の関係は数と式 第11章)。

これを abab 平面の領域として読むと、bb<a2{}< a^2 は放物線 bb=a2{}= a^2 の下側、aa>0{}> 0 は bb 軸の右側、bb>0{}> 0 は aa 軸の上側です。

よって、第 1 象限のうち、‾\underline{\text{第 1 象限のうち、}} 放物線 b=a2 の下側の部分‾\underline{\text{放物線}\ b = a^2\ \text{の下側の部分}}(境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}})です。

たとえば (a, b)(a,\ b)=(2, 3){}= (2,\ 3) はこの領域にあり、方程式 x2x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3=0{}= 0 の解は xx=1,{}= 1, 3\ 3 で、確かに異なる 2 つの正の解です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問13 ★★

rr を正の定数とします。実数 xx,yy についての命題「x2x^2+y2{}+ y^2<r2{}< r^2 ならば 2x2x+y{}+ y<5{}< 5」が真となるような rr の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

00<r{}< r≦5{}\leqq \sqrt{5}

解説

x2x^2+y2{}+ y^2<r2{}< r^2 の表す領域 PP は原点中心・半径 rr の円の内部(周を含まない)、2x2x+y{}+ y<5{}< 5 の表す領域 QQ は直線 2x2x+y{}+ y−5{}- 5=0{}= 0 の原点を含む側(境界線を含まない)です。公式6より、命題が真   ⟺  P\iff P⊂Q{}\subset Q です。

原点と直線の距離は dd=∣−5∣22+12{}= \dfrac{\lvert -5 \rvert}{\sqrt{2^2 + 1^2}}=5{}= \sqrt{5} で、直線に最も近い点は (2, 1)(2,\ 1) です。

rr≦5{}\leqq \sqrt{5} のとき PP の点はすべて原点からの距離が rr 未満、つまり 5\sqrt{5} 未満なので、直線上の点(原点からの距離が 5\sqrt{5} 以上)にはなりません。PP の点 X と原点を結ぶ線分も PP の中にあるので直線と交わらず、X は原点と同じ側、つまり QQ に入ります(公式2)。よって PP⊂Q{}\subset Q です。rr=5{}= \sqrt{5} のとき円は直線に (2, 1)(2,\ 1) で接しますが、PP は円周を含まないので、接点は PP に入りません。

rr>5{}> \sqrt{5} のとき 点 (2, 1)(2,\ 1) は 44+1{}+ 1=5{}= 5<r2{}< r^2 で PP に入りますが、2⋅22 \cdot 2+1{}+ 1=5{}= 5 なので QQ に入りません。これが反例です。

よって 0<r≦5‾\underline{0 < r \leqq \sqrt{5}} です。

等号 rr=5{}= \sqrt{5} を含むかどうかは、境界線を含むかどうかで決まります。x2x^2+y2{}+ y^2≦r2{}\leqq r^2 だったら、rr=5{}= \sqrt{5} は含みません。

自己採点:
記録を読み込み中…

問14 ★★

実数 xx,yy について、「∣x∣\lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert≦1{}\leqq 1 ならば x2x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1」が真であることを示し、その逆が偽であることを反例をあげて示しなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

∣x∣\lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert≦1{}\leqq 1 の正方形は単位円の周および内部に含まれるので真。逆の反例は (x, y)(x,\ y)=(45, 35){}= \left(\dfrac{4}{5},\ \dfrac{3}{5}\right) など

解説

p:∣x∣p : \lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert≦1{}\leqq 1,q:x2q : x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 の表す領域を PP,QQ とします。

PP は j07 と同じ考え方で、4 点 (1, 0)(1,\ 0),(0, 1)(0,\ 1),(−1, 0)(-1,\ 0),(0, −1)(0,\ -1) を頂点とする正方形の周および内部です。QQ は原点中心・半径 11 の円の周および内部です。正方形の 4 つの頂点は円周上にあり、正方形の辺は弦なので、正方形は円の中に収まります。よって PP⊂Q{}\subset Q で、命題は真です。

式による証明 pp が成り立つとき、∣x∣\lvert x \rvert,∣y∣\lvert y \rvert は 00 以上なので

x2\displaystyle x^2+y2\displaystyle {}+ y^2=∣x∣2\displaystyle {}= \lvert x \rvert^2+∣y∣2\displaystyle {}+ \lvert y \rvert^2≦∣x∣2\displaystyle {}\leqq \lvert x \rvert^2+2∣x∣∣y∣\displaystyle {}+ 2\lvert x \rvert \lvert y \rvert+∣y∣2\displaystyle {}+ \lvert y \rvert^2=(∣x∣+∣y∣)2\displaystyle {}= (\lvert x \rvert + \lvert y \rvert)^2≦1\displaystyle {}\leqq 1

となり、qq が成り立ちます。(証明終)

逆が偽であること 逆は「x2x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 ならば ∣x∣\lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert≦1{}\leqq 1」です。(x, y)(x,\ y)=(45, 35){}= \left(\dfrac{4}{5},\ \dfrac{3}{5}\right) は x2x^2+y2{}+ y^2=1625{}= \dfrac{16}{25}+925{}+ \dfrac{9}{25}=1{}= 1 で qq を満たしますが、∣x∣\lvert x \rvert+∣y∣{}+ \lvert y \rvert=75{}= \dfrac{7}{5}>1{}> 1 です。円のうち正方形からはみ出した部分の点が反例になります。(証明終)

自己採点:
記録を読み込み中…

問15 ★★

2 点 A(0, 0)\mathrm{A}(0,\ 0),B(6, 0)\mathrm{B}(6,\ 0) に対して、PA\mathrm{PA}≧2 PB{}\geqq 2\,\mathrm{PB} を満たす点 P の存在する領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

中心 (8, 0)(8,\ 0),半径 44 の円の周および内部

解説

P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とおきます。両辺とも 00 以上なので、PA\mathrm{PA}≧2 PB{}\geqq 2\,\mathrm{PB}  ⟺  PA2{}\iff \mathrm{PA}^2≧4 PB2{}\geqq 4\,\mathrm{PB}^2 です。

x2\displaystyle x^2+y2\displaystyle {}+ y^2≧4{(x−6)2+y2}\displaystyle {}\geqq 4\{(x - 6)^2 + y^2\}⟹0\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 0≧3x2\displaystyle {}\geqq 3x^2+3y2\displaystyle {}+ 3y^2−48x\displaystyle {}- 48x+144\displaystyle {}+ 144

33 で割って平方完成すると

x2\displaystyle x^2+y2\displaystyle {}+ y^2−16x\displaystyle {}- 16x+48\displaystyle {}+ 48≦0\displaystyle {}\leqq 0⟹(x−8)2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (x - 8)^2+y2\displaystyle {}+ y^2≦16\displaystyle {}\leqq 16

よって、中心 (8, 0),半径 4 の円の‾\underline{\text{中心}\ (8,\ 0),\text{半径}\ 4\ \text{の円の}} 周および内部‾\underline{\text{周および内部}} です。

境界線の円は PA:PB\mathrm{PA} : \mathrm{PB}=2:1{}= 2 : 1 のアポロニウスの円(第6章 公式2)で、AB を 2:12 : 1 に内分する点 (4, 0)(4,\ 0) と外分する点 (12, 0)(12,\ 0) を直径の両端とします。B は円の内部 (4<16)(4 < 16) にあり、「B に比べて A から十分遠い点」は、B を囲む円の内側に集まります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問16 ★★

3 点 A(1, 1)\mathrm{A}(1,\ 1),B(5, 2)\mathrm{B}(5,\ 2),C(2, 5)\mathrm{C}(2,\ 5) を頂点とする三角形の内部(周を含まない)を、連立不等式で表しなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx−4y{}- 4y+3{}+ 3<0{}< 0,xx+y{}+ y−7{}- 7<0{}< 0,4x4x−y{}- y−3{}- 3>0{}> 0

解説

3 辺を含む直線の方程式は、第2章 公式2 より

  • AB(傾き 14\dfrac{1}{4}):yy−1{}- 1=14(x−1){}= \dfrac{1}{4}(x - 1) より xx−4y{}- 4y+3{}+ 3=0{}= 0
  • BC(傾き −1-1):yy−2{}- 2=−(x−5){}= -(x - 5) より xx+y{}+ y−7{}- 7=0{}= 0
  • CA(傾き 44):yy−1{}- 1=4(x−1){}= 4(x - 1) より 4x4x−y{}- y−3{}- 3=0{}= 0

三角形の内部は、各辺について「向かい側の頂点と同じ側」です。公式2を使い、向かい側の頂点を代入して符号を調べます。

  • AB に C を代入:22−20{}- 20+3{}+ 3=−15{}= -15<0{}< 0
  • BC に A を代入:11+1{}+ 1−7{}- 7=−5{}= -5<0{}< 0
  • CA に B を代入:2020−2{}- 2−3{}- 3=15{}= 15>0{}> 0

よって、三角形の内部は

x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x}−4y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4y}+3<0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3 < 0,}x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\qquad x}+y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ y}−7<0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 7 < 0,}4x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\qquad 4x}−y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- y}−3>0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 3 > 0}

重心 (83, 83)\left(\dfrac{8}{3},\ \dfrac{8}{3}\right) を代入すると、順に −5-5,−53-\dfrac{5}{3},55 で、3 つとも満たします。

自己採点:
記録を読み込み中…

問17 ★★★

tt が実数全体を動くとき、直線 yy=2tx{}= 2tx−t2{}- t^2 が通過する領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

放物線 yy=x2{}= x^2 の下側。境界線を含む(yy≦x2{}\leqq x^2)

解説

点 (x, y)(x,\ y) を固定して考えます。この点を直線が通るのは、yy=2tx{}= 2tx−t2{}- t^2 を満たす実数 tt が存在するときです(第6章 厳密定義 定理4と同じ見方)。tt について整理すると

t2\displaystyle t^2−2xt\displaystyle {}- 2xt+y\displaystyle {}+ y=0\displaystyle {}= 0

これを tt の二次方程式とみると、実数解をもつ条件は

D4\displaystyle \frac{D}{4}=x2\displaystyle {}= x^2−y\displaystyle {}- y≧0\displaystyle {}\geqq 0⟹y\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad y≦x2\displaystyle {}\leqq x^2

よって、通過する領域は 放物線 y=x2 の下側‾\underline{\text{放物線}\ y = x^2\ \text{の下側}} で、境界線を含む‾\underline{\text{境界線を含む}} です。

図形的な意味 yy=x2{}= x^2 上の点 (t, t2)(t,\ t^2) における接線は yy=2tx{}= 2tx−t2{}- t^2 です(放物線と連立すると (x−t)2(x - t)^2=0{}= 0 で重解)。つまり、この直線たちは放物線のすべての接線で、放物線の下側の点からは接線が 2 本(DD>0{}> 0)、放物線上の点からは 1 本引け、上側の点からは 1 本も引けません。

自己採点:
記録を読み込み中…

問18 ★★★

tt が 00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 の範囲を動くとき、直線 yy=2tx{}= 2tx−t2{}- t^2 が通過する領域を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

xx≦0{}\leqq 0 で 2x2x−1{}- 1≦y{}\leqq y≦0{}\leqq 0,00≦x{}\leqq x≦12{}\leqq \dfrac{1}{2} で 2x2x−1{}- 1≦y{}\leqq y≦x2{}\leqq x^2,12\dfrac{1}{2}≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1 で 00≦y{}\leqq y≦x2{}\leqq x^2,xx≧1{}\geqq 1 で 00≦y{}\leqq y≦2x{}\leqq 2x−1{}- 1 を満たす部分(境界線を含む)

解説

xx を 1 つ固定し、縦の直線の上で、直線が通る点の yy 座標の範囲を調べます。xx を固定したときの yy は tt の関数

h(t)\displaystyle h(t)=−t2\displaystyle {}= -t^2+2xt\displaystyle {}+ 2xt=−(t−x)2\displaystyle {}= -(t - x)^2+x2\displaystyle {}+ x^2(0≦t≦1)\displaystyle (0 \leqq t \leqq 1)

です。h(t)h(t) のグラフはつながっているので、yy は h(t)h(t) の最小値から最大値までのすべての値をとります(二次関数 第3章の最大・最小)。軸 tt=x{}= x の位置で場合分けします。端の値は h(0)h(0)=0{}= 0,h(1)h(1)=2x{}= 2x−1{}- 1 です。

xx≦0{}\leqq 0 のとき 軸が区間の左にあり、hh は減少します。最大 h(0)h(0)=0{}= 0、最小 h(1)h(1)=2x{}= 2x−1{}- 1 なので 2x2x−1{}- 1≦y{}\leqq y≦0{}\leqq 0。

00≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1 のとき 最大は頂点の h(x)h(x)=x2{}= x^2 です。最小は h(0)h(0) と h(1)h(1) の小さいほうで、xx≦12{}\leqq \dfrac{1}{2} なら 2x2x−1{}- 1≦0{}\leqq 0 より 2x2x−1{}- 1、xx≧12{}\geqq \dfrac{1}{2} なら 00 です。

  • 00≦x{}\leqq x≦12{}\leqq \dfrac{1}{2}:2x2x−1{}- 1≦y{}\leqq y≦x2{}\leqq x^2
  • 12\dfrac{1}{2}≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1:00≦y{}\leqq y≦x2{}\leqq x^2

xx≧1{}\geqq 1 のとき 軸が区間の右にあり、hh は増加します。最小 h(0)h(0)=0{}= 0、最大 h(1)h(1)=2x{}= 2x−1{}- 1 なので 00≦y{}\leqq y≦2x{}\leqq 2x−1{}- 1。

以上をまとめたものが答えで、境界線を含みます。

境界に現れた直線 yy=0{}= 0 と yy=2x{}= 2x−1{}- 1 は、tt=0{}= 0,tt=1{}= 1 のときの直線で、放物線 yy=x2{}= x^2 の点 (0, 0)(0,\ 0),(1, 1)(1,\ 1) における接線です(j17)。領域は、この 2 本の接線と、2 つの接点の間の放物線の弧で縁どられています。xx を固定して yy の範囲を調べるこの方法は、判別式が使いにくい「tt の範囲つき」の問題で役に立ちます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問19 ★★★

xx の二次方程式 x2x^2+ax{}+ ax+b{}+ b=0{}= 0 が、−1-1<x{}< x<1{}< 1 の範囲に異なる 2 つの解をもつとき、点 (a, b)(a,\ b) の存在する領域を abab 平面上で求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

−2-2<a{}< a<2{}< 2 の範囲で、放物線 bb=a24{}= \dfrac{a^2}{4} の下側、かつ 2 直線 bb=a{}= a−1{}- 1,bb=−a{}= -a−1{}- 1 の上側にある部分。境界線を含まない

解説

f(x)f(x)=x2{}= x^2+ax{}+ ax+b{}+ b とおきます。f(x)f(x) のグラフは下に凸なので、−1-1<x{}< x<1{}< 1 に異なる 2 つの解をもつ条件は、解の配置(二次関数 第8章)の 3 条件です。

  • 判別式:DD=a2{}= a^2−4b{}- 4b>0{}> 0,つまり bb<a24{}< \dfrac{a^2}{4}
  • 軸:−1-1<−a2{}< -\dfrac{a}{2}<1{}< 1,つまり −2-2<a{}< a<2{}< 2
  • 端の値:f(−1)f(-1)=1{}= 1−a{}- a+b{}+ b>0{}> 0 かつ f(1)f(1)=1{}= 1+a{}+ a+b{}+ b>0{}> 0,つまり bb>a{}> a−1{}- 1 かつ bb>−a{}> -a−1{}- 1

abab 平面で読むと、放物線 bb=a24{}= \dfrac{a^2}{4} の下側、2 直線 bb=a{}= a−1{}- 1,bb=−a{}= -a−1{}- 1 の上側、−2-2<a{}< a<2{}< 2 の共通部分です。

よって、求める領域は次の 4 つの条件をすべて満たす部分で、境界線を含まない‾\underline{\text{境界線を含まない}} です。

  • −2<a<2‾\underline{-2 < a < 2}
  • 放物線 b=a24 の下側‾\underline{\text{放物線}\ b = \dfrac{a^2}{4}\ \text{の下側}}
  • 直線 b=a‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7777em}\text{直線}\ b = a}−1 の上側‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7777em}{}- 1\ \text{の上側}}
  • 直線 b=−a‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7777em}\text{直線}\ b = -a}−1 の上側‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7777em}{}- 1\ \text{の上側}}

境界線の位置関係 a24\dfrac{a^2}{4}−(a−1){}- (a - 1)=(a2−1)2{}= \left(\dfrac{a}{2} - 1\right)^2≧0{}\geqq 0 なので、直線 bb=a{}= a−1{}- 1 は放物線に点 (2, 1)(2,\ 1) で接し、同様に bb=−a{}= -a−1{}- 1 は点 (−2, 1)(-2,\ 1) で接します。領域は、この 2 本の接線と放物線で囲まれた部分です。

軸の条件は省けません。たとえば (a, b)(a,\ b)=(3, 2.2){}= (3,\ 2.2) は判別式と端の値の条件を満たしますが、x2x^2+3x{}+ 3x+2.2{}+ 2.2=0{}= 0 の解はどちらも −1-1 より小さくなります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問20 ★★★

aa を実数の定数とします。実数 xx,yy についての命題「x2x^2+y2{}+ y^2≦1{}\leqq 1 ならば (x−a)2(x - a)^2+(y−2a)2{}+ (y - 2a)^2≦9{}\leqq 9」が真となるような aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

−255-\dfrac{2\sqrt{5}}{5}≦a{}\leqq a≦255{}\leqq \dfrac{2\sqrt{5}}{5}

解説

PP:原点 O 中心・半径 11 の円の周および内部、QQ:点 C(a, 2a)\mathrm{C}(a,\ 2a) 中心・半径 33 の円の周および内部 とします。公式6より、命題が真   ⟺  P\iff P⊂Q{}\subset Q です。

中心間の距離は dd=OC{}= \mathrm{OC}=a2+4a2{}= \sqrt{a^2 + 4a^2}=5 ∣a∣{}= \sqrt{5}\,\lvert a \rvert です。円 PP が円 QQ の中に(内接する場合も含めて)収まる条件は、第5章 公式5 より dd≦3{}\leqq 3−1{}- 1=2{}= 2 です。

dd≦2{}\leqq 2 なら PP⊂Q{}\subset Q PP の点 X について、CX\mathrm{CX}≦CO{}\leqq \mathrm{CO}+OX{}+ \mathrm{OX}≦d{}\leqq d+1{}+ 1≦3{}\leqq 3 なので X は QQ に入ります(三角形の 2 辺の和は他の 1 辺以上、第4章 厳密定義 定理6)。

dd>2{}> 2 なら反例がある O から見て C と反対向きに距離 11 進んだ点 X\mathrm{X}=(−ad, −2ad){}= \left(-\dfrac{a}{d},\ -\dfrac{2a}{d}\right) は PP の円周上にあり、C,O,X はこの順に一直線に並ぶので CX\mathrm{CX}=d{}= d+1{}+ 1>3{}> 3 です。X は QQ に入りません。

よって条件は 5 ∣a∣\sqrt{5}\,\lvert a \rvert≦2{}\leqq 2、つまり

∣a∣\displaystyle \lvert a \rvert≦25\displaystyle {}\leqq \frac{2}{\sqrt{5}}=255\displaystyle {}= \frac{2\sqrt{5}}{5}

より −255≦a≦255‾\underline{-\dfrac{2\sqrt{5}}{5} \leqq a \leqq \dfrac{2\sqrt{5}}{5}} です。

∣a∣\lvert a \rvert=255{}= \dfrac{2\sqrt{5}}{5} のとき、2 円は内接し、接点は PP と QQ の両方の周上にあるので、包含は保たれます。

自己採点:
記録を読み込み中…

数学小話コーナー

水の状態図——境界線の上では 2 つの姿が同居する

水は、温度と圧力によって氷(固体)・水(液体)・水蒸気(気体)と姿を変えます。横軸に温度、縦軸に圧力をとった平面を描くと、その平面は 3 つの領域に分かれます。この図を状態図といいます。

3 つの領域を分ける境界線には、それぞれ意味があります。液体と気体の境目は「沸騰する温度と圧力の組」、固体と液体の境目は「とける温度と圧力の組」です。1 気圧(約 101101 kPa)の横線をたどると、0 ∘C0\ ^\circ\mathrm{C} で固体と液体の境界線を、約 100 ∘C100\ ^\circ\mathrm{C} で液体と気体の境界線を横切ります。私たちがふだん知っている「00 度でこおり、100100 度で沸騰する」は、この横線と境界線の交点のことです。

境界線の上の点では、2 つの状態が同時に存在できます。沸騰しているお湯の中で、水と水蒸気がいっしょにあるのがその例です。この章の言葉で言えば、境界線は「両側の領域の両方に含まれる」ような線です。

3 本の境界線は 1 点で出会います。この点を三重点といい、水では温度 0.01 ∘C0.01\ ^\circ\mathrm{C}、圧力約 611611 Pa(1 気圧の 0.60.6 % ほど)です。ここでは氷・水・水蒸気の 3 つが共存します。3 つの領域の境界線がちょうど 1 点で交わるところは、例題4の三角形の頂点のように、複数の境界線の上にある特別な点です。

圧力が低いと、液体と気体の境界線はより低い温度のところを通ります。富士山の山頂(約 0.60.6 気圧)では、水は 90 ∘C90\ ^\circ\mathrm{C} に届かないうちに沸騰します(※気象条件で少し変わります)。

豆知識

三重点より低い圧力では、液体の領域がありません。そこで氷をゆっくり温めると、液体を通らずに固体の領域から気体の領域へ直接移ります(昇華)。インスタントコーヒーやお湯を注ぐだけのスープの「フリーズドライ(凍結乾燥)」は、食品を凍らせてから圧力を下げ、この道筋で水分だけを抜き取る技術です。

BMI の「普通体重」は 2 本の放物線のあいだ

健康診断でよく見る BMI(体格指数)は、体重を ww kg、身長を hh m として

BMI\displaystyle \text{BMI}=wh2\displaystyle {}= \frac{w}{h^2}

で計算します。日本肥満学会の基準では、BMI が 18.518.5 以上 2525 未満を「普通体重」としています(※基準は国や団体によって違います)。

横軸に身長 hh、縦軸に体重 ww をとると、普通体重の範囲は

18.5h2\displaystyle 18.5h^2≦w\displaystyle {}\leqq w<25h2\displaystyle {}< 25h^2(h>0)\displaystyle (h > 0)

という連立不等式の表す領域です。境界線は 2 本の放物線 ww=18.5h2{}= 18.5h^2 と ww=25h2{}= 25h^2 で、下の放物線は含み、上の放物線は含みません。身長 1.61.6 m なら 47.3647.36≦w{}\leqq w<64{}< 64、身長 1.71.7 m なら 53.46553.465≦w{}\leqq w<72.25{}< 72.25 です。

放物線にはさまれた帯は、身長が高くなるほど上下の幅が広がっていきます。背の高い人ほど「普通」とされる体重の幅が大きいのは、境界線が直線ではなく放物線だからです。

豆知識

小中学生の体格の目安には、ローレル指数 wh3×107\dfrac{w}{h^3} \times 10^7(ww は kg、hh は cm)が使われることがあります。こちらは分母が h3h^3 なので、境界線は放物線ではなく三次関数のグラフになります(※判定の区切りの値は資料によって違います)。同じ「身長と体重の平面の領域」でも、使う式によって境界線の形が変わります。

その点は多角形の内側か——半直線を引いて数える

地図アプリが「いまいる場所は何市か」を答えたり、配達アプリが「配達できる範囲の中か」を判定したりするとき、コンピュータは「点が多角形の内側にあるか」を調べています。市の境界は、何千もの頂点をもつ複雑な多角形です。

よく使われる方法は、点から一方向(たとえば右向き)に半直線を引き、多角形の辺と何回交わるかを数えるものです。奇数回なら内側、偶数回なら外側です。外側の遠くから点に向かって進むと、辺を 1 回横切るたびに「内側」と「外側」が入れかわるので、交わった回数の偶奇で最後の状態が決まる、という理屈です。例題5の「境界線をまたぐたびに入れかわる」と同じ考え方です。

たとえば、8 つの頂点 (0, 0)(0,\ 0),(6, 0)(6,\ 0),(6, 4)(6,\ 4),(4, 4)(4,\ 4),(4, 2)(4,\ 2),(2, 2)(2,\ 2),(2, 4)(2,\ 4),(0, 4)(0,\ 4) を順に結んだ「凹」の形の多角形を考えます。

  • 点 (1, 3)(1,\ 3) から右へ引くと、xx=2{}= 2,44,66 の 3 つの辺と交わります。奇数なので内側です。
  • くぼみの中の点 (3, 3)(3,\ 3) から右へ引くと、xx=4{}= 4,66 の 2 つの辺と交わります。偶数なので外側です。

1 本の辺と交わるかどうかは、「辺の両端が、横線 yy=y0{}= y_0 の反対側にあるか」、つまり 2 つの端点で yy−y0{}- y_0 の符号が違うかで判定できます。公式2の f(A) f(B)f(\mathrm{A})\,f(\mathrm{B})<0{}< 0 そのものです(※半直線が頂点をちょうど通る場合は、数え方の約束が別に必要です)。

この方法が正しい根拠は、「自分自身と交わらない閉じた曲線は、平面を内側と外側にちょうど 2 つに分ける」というジョルダンの曲線定理です。当たり前に見えるこの定理は、一般の曲線で証明するのがとても難しく、ジョルダンが 1887 年に示した証明には不十分な点があったとされ、1905 年にヴェブレンが厳密な証明を与えました(※評価には諸説あります)。

豆知識

このアプリの図にも使っている SVG には、図形の内側をどう塗るかを決める fill-rule という設定があり、evenodd(交わる回数の偶奇)と nonzero(辺の向きを考えて数える)の 2 種類があります。一筆書きの星形(五芒星)を描くと、evenodd では真ん中の五角形が塗られずに抜け、nonzero では塗りつぶされます。真ん中の点から半直線を引くと、辺と 2 回交わるからです。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の公式1〜6が使えれば十分です。「直線をまたがなければ符号が変わらない、は本当に言えるの?」「円の内部と直線の片側の包含は、どうやって証明するの?」「通過領域はなぜ判別式で求まるの?」が気になる人のために、根拠を紹介します。

この章では、第1〜6章の厳密定義(内分点の座標、直線と一次方程式の対応、点と直線の距離と恒等式 (a2+b2)(s2+t2)(a^2 + b^2)(s^2 + t^2)=(as+bt)2{}= (as + bt)^2+(bs−at)2{}+ (bs - at)^2、三角不等式、軌跡を集合として見る見方)と、数と式 第5・6章の集合・真理集合の用語を前提にします。

領域と半平面

定義1:領域・半平面

xx,yy についての条件 CC に対して、CC を満たす点 (x, y)(x,\ y) 全体の集合

D\displaystyle D={(x, y)∣(x, y) が C を満たす}\displaystyle {}= \{(x,\ y) \mid (x,\ y)\ \text{が}\ C\ \text{を満たす}\}

を、条件 CC の表す領域という。

aa,bb の少なくとも一方が 00 でないとき、f(x, y)f(x,\ y)=ax{}= ax+by{}+ by+c{}+ c について

H+\displaystyle H_+={(x, y)∣f(x, y)>0},\displaystyle {}= \{(x,\ y) \mid f(x,\ y) > 0\},H−\displaystyle H_-={(x, y)∣f(x, y)<0}\displaystyle {}= \{(x,\ y) \mid f(x,\ y) < 0\}

を、直線 ℓ:f(x, y)\ell : f(x,\ y)=0{}= 0 の定める(開いた)半平面という。

平面は H+H_+,ℓ\ell,H−H_- の 3 つに、重なりなく分かれます。どの点でも ff の値は正・00・負のどれか 1 つだからです。本文の「直線の両側」を正確に言うと、この H+H_+ と H−H_- のことです。

定理1:線分と符号

ℓ\ell 上にない 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) について、次が成り立つ。

(1) f(A)f(\mathrm{A}) と f(B)f(\mathrm{B}) が同符号ならば、線分 AB 上のすべての点で ff は同じ符号をとり、線分 AB は ℓ\ell と共有点をもたない。

(2) f(A)f(\mathrm{A}) と f(B)f(\mathrm{B}) が異符号ならば、線分 AB は ℓ\ell とただ 1 点で交わる。

証明 線分 AB 上の点は、00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 として、次の xx 座標・yy 座標をもつ点 Pt\mathrm{P}_t と表せる(第1章 定理4、tt=0{}= 0 で A、tt=1{}= 1 で B)。

x\displaystyle x=(1−t)x1\displaystyle {}= (1 - t)x_1+tx2,\displaystyle {}+ t x_2,y\displaystyle y=(1−t)y1\displaystyle {}= (1 - t)y_1+ty2\displaystyle {}+ t y_2

ff は一次式なので、代入して整理すると

f(Pt)\displaystyle f(\mathrm{P}_t)=(1−t) f(A)\displaystyle {}= (1 - t)\,f(\mathrm{A})+t f(B)\displaystyle {}+ t\,f(\mathrm{B})

となる(cc=(1−t)c{}= (1 - t)c+tc{}+ tc に注意)。

(1) f(A)f(\mathrm{A}),f(B)f(\mathrm{B}) がともに正なら、11−t{}- t と tt は 00 以上で同時には 00 にならないので、f(Pt)f(\mathrm{P}_t)>0{}> 0 である。ともに負のときも同様。

(2) f(A)f(\mathrm{A})=p{}= p,f(B)f(\mathrm{B})=q{}= q とすると pqpq<0{}< 0 である。f(Pt)f(\mathrm{P}_t)=p{}= p+t(q−p){}+ t(q - p)=0{}= 0 を解くと t0t_0=pp−q{}= \dfrac{p}{p - q} で、pp と pp−q{}- q は同符号かつ ∣p∣\lvert p \rvert<∣p−q∣{}< \lvert p - q \rvert なので 00<t0{}< t_0<1{}< 1 である。f(Pt)f(\mathrm{P}_t) は tt の一次式で qq−p{}- p≠0{}\neq 0 だから、00 になる tt は t0t_0 ただ 1 つである。(証明終)

(1) から、H+H_+ の 2 点を結ぶ線分は H+H_+ からはみ出しません。このように「中の 2 点を結ぶ線分がいつも中にある」集合を凸集合といいます。半平面は凸集合で、凸集合どうしの共通部分も凸集合なので、例題4の三角形や j16 の三角形の内部も凸集合です。

定理1から、本文の公式2がすべて導かれます。H+H_+ の点を 1 つ知れば、その点と線分で結んで ℓ\ell を横切らない点はすべて H+H_+ に属し、横切る点は H−H_- に属します。

定理2:半平面と「上側」

bb≠0{}\neq 0 のとき、mm=−ab{}= -\dfrac{a}{b},nn=−cb{}= -\dfrac{c}{b} とおくと、次が成り立つ。

  • bb>0{}> 0 なら H+H_+={(x, y)∣y>mx+n}{}= \{(x,\ y) \mid y > mx + n\} である。
  • bb<0{}< 0 なら H+H_+={(x, y)∣y<mx+n}{}= \{(x,\ y) \mid y < mx + n\} である。

bb=0{}= 0 のときは、aa>0{}> 0 なら H+H_+={(x, y) | x>−ca}{}= \left\{(x,\ y) \,\middle|\, x > -\dfrac{c}{a}\right\}、aa<0{}< 0 なら H+H_+={(x, y) | x<−ca}{}= \left\{(x,\ y) \,\middle|\, x < -\dfrac{c}{a}\right\} である。

証明 bb>0{}> 0 のとき、axax+by{}+ by+c{}+ c>0{}> 0 の両辺を正の数 bb で割ると yy+abx{}+ \dfrac{a}{b}x+cb{}+ \dfrac{c}{b}>0{}> 0、つまり yy>mx{}> mx+n{}+ n である。割り算は同値変形なので、2 つの集合は等しい。bb<0{}< 0 のときは負の数で割るので不等号の向きが変わる。bb=0{}= 0 のときも同様に aa で割ればよい。(証明終)

本文の公式1の「上側」は、この定理で「yy>mx{}> mx+n{}+ n を満たす点の集合」として定義されている、と読むこともできます。xx を固定するごとに縦の直線の上で点 (x, mx+n)(x,\ mx + n) より上を選ぶ、という本文の説明は、集合の式をそのまま言葉にしたものです。

円の内部

定理3:円の内部は凸集合

中心 C,半径 rr の円の内部 UU={P∣CP<r}{}= \{\mathrm{P} \mid \mathrm{CP} < r\} について、UU の 2 点を結ぶ線分は UU に含まれる。

証明 C を原点にとってよい(第1章 定理2、距離は座標軸の置き方によらない)。A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) を UU の点とし、Pt\mathrm{P}_t を定理1と同じくとる。実数 uu,vv と 00≦t{}\leqq t≦1{}\leqq 1 について

((1−t)u+tv)2\displaystyle \bigl((1 - t)u + tv\bigr)^2=(1−t)u2\displaystyle {}= (1 - t)u^2+tv2\displaystyle {}+ tv^2−t(1−t)(u−v)2\displaystyle {}- t(1 - t)(u - v)^2

が成り立つ(右辺を展開すると左辺になる)。t(1−t)(u−v)2t(1 - t)(u - v)^2≧0{}\geqq 0 なので、((1−t)u+tv)2\bigl((1 - t)u + tv\bigr)^2≦(1−t)u2{}\leqq (1 - t)u^2+tv2{}+ tv^2 である。これを xx 座標と yy 座標に使って加えると

OPt 2\displaystyle \mathrm{OP}_t^{\,2}≦(1−t)(x12+y12)\displaystyle {}\leqq (1 - t)(x_1^2 + y_1^2)+t(x22+y22)\displaystyle {}+ t(x_2^2 + y_2^2)<(1−t)r2\displaystyle {}< (1 - t)r^2+tr2\displaystyle {}+ tr^2=r2\displaystyle {}= r^2

よって Pt\mathrm{P}_t∈U{}\in U である。(証明終)

同じ計算で、円の周および内部(円板)も凸集合であることがわかります。本文の j13 で「PP の点と原点を結ぶ線分も PP の中にある」と使ったのは、この性質です。

包含関係と命題

本文の公式6は、数と式 第6章の「pp⟹q{}\Longrightarrow q が真   ⟺  P\iff P⊂Q{}\subset Q」を、領域に当てはめたものです。ここでは、円板と半平面、円板と円板の包含を、図に頼らずに証明します。

定理4:円板が半平面に含まれる条件

rr>0{}> 0,a2a^2+b2{}+ b^2>0{}> 0,cc<0{}< 0 とする。円板 PP={(x, y)∣x2+y2≦r2}{}= \{(x,\ y) \mid x^2 + y^2 \leqq r^2\} と、原点を含む閉じた半平面 QQ={(x, y)∣ax+by+c≦0}{}= \{(x,\ y) \mid ax + by + c \leqq 0\} について

P\displaystyle P⊂Q\displaystyle {}\subset Q  ⟺  r\displaystyle {}\iff r≦∣c∣a2+b2\displaystyle {}\leqq \frac{\lvert c \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}}

右辺は原点と直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 の距離 dd である。

証明 ss=a2+b2{}= \sqrt{a^2 + b^2} とおく。第3章 定理4 の恒等式

(a2+b2)(x2+y2)\displaystyle (a^2 + b^2)(x^2 + y^2)=(ax+by)2\displaystyle {}= (ax + by)^2+(bx−ay)2\displaystyle {}+ (bx - ay)^2

より、(ax+by)2(ax + by)^2≦s2(x2+y2){}\leqq s^2(x^2 + y^2)、つまり axax+by{}+ by≦sx2+y2{}\leqq s\sqrt{x^2 + y^2} である。

(⟸\Longleftarrow) rr≦d{}\leqq d=−cs{}= \dfrac{-c}{s} とする。(x, y)(x,\ y)∈P{}\in P ならば axax+by{}+ by≦sx2+y2{}\leqq s\sqrt{x^2 + y^2}≦sr{}\leqq sr≦−c{}\leqq -c なので、axax+by{}+ by+c{}+ c≦0{}\leqq 0 で、(x, y)(x,\ y)∈Q{}\in Q である。

(⟹\Longrightarrow) rr>d{}> d とする。点 X\mathrm{X}=(ras, rbs){}= \left(\dfrac{ra}{s},\ \dfrac{rb}{s}\right) は原点からの距離が rr なので PP に属するが、a⋅rasa \cdot \dfrac{ra}{s}+b⋅rbs{}+ b \cdot \dfrac{rb}{s}+c{}+ c=rs{}= rs+c{}+ c>ds{}> ds+c{}+ c=0{}= 0 なので QQ に属さない。よって PP⊄Q{}\not\subset Q である。(証明終)

本文の例題6は aa=b{}= b=1{}= 1,cc=−2{}= -2,rr=2{}= \sqrt{2} で、rr=d{}= d の場合です。このとき PP⊂Q{}\subset Q ですが、(⟹\Longrightarrow) の証明の点 X はちょうど接点 (1, 1)(1,\ 1) になり、「ぎりぎり含まれる」ことがわかります。

PP を開いた円板(x2x^2+y2{}+ y^2<r2{}< r^2)、QQ を開いた半平面(axax+by{}+ by+c{}+ c<0{}< 0)にしても、同じ条件 rr≦d{}\leqq d が得られます。(⟸\Longleftarrow) では axax+by{}+ by≦sx2+y2{}\leqq s\sqrt{x^2 + y^2}<sr{}< sr≦−c{}\leqq -c となり、(⟹\Longrightarrow) では X の代わりに、dd<ρ{}< \rho<r{}< r を満たす ρ\rho で点 (ρas, ρbs)\left(\dfrac{\rho a}{s},\ \dfrac{\rho b}{s}\right) をとれば反例になります。j13 の答えが rr≦5{}\leqq \sqrt{5} と等号を含むのはこのためです。

定理5:円板が円板に含まれる条件

中心 C1\mathrm{C}_1,半径 r1r_1 の円板 PP と、中心 C2\mathrm{C}_2,半径 r2r_2 の円板 QQ(どちらも周を含む)について、ee=C1C2{}= \mathrm{C}_1\mathrm{C}_2 とすると

P\displaystyle P⊂Q\displaystyle {}\subset Q  ⟺  e\displaystyle {}\iff e≦r2\displaystyle {}\leqq r_2−r1\displaystyle {}- r_1

証明 (⟸\Longleftarrow) X\mathrm{X}∈P{}\in P ならば、三角不等式(第4章 定理6)より C2X\mathrm{C}_2\mathrm{X}≦C2C1{}\leqq \mathrm{C}_2\mathrm{C}_1+C1X{}+ \mathrm{C}_1\mathrm{X}≦e{}\leqq e+r1{}+ r_1≦r2{}\leqq r_2 なので X\mathrm{X}∈Q{}\in Q である。

(⟹\Longrightarrow) ee>r2{}> r_2−r1{}- r_1 とする。

  • ee>0{}> 0 のとき、C2\mathrm{C}_2 から C1\mathrm{C}_1 へ向かう向きの長さ 11 の向き (u, v)(u,\ v) をとり、X\mathrm{X}=C1{}= \mathrm{C}_1+r1(u, v){}+ r_1(u,\ v) とおく。X は PP の周上にあり、C2\mathrm{C}_2,C1\mathrm{C}_1,X はこの順に一直線上に並ぶので C2X\mathrm{C}_2\mathrm{X}=e{}= e+r1{}+ r_1>r2{}> r_2 である。
  • ee=0{}= 0 のとき、r1r_1>r2{}> r_2 なので、C1\mathrm{C}_1 から距離 r1r_1 の点 X は C2X\mathrm{C}_2\mathrm{X}=r1{}= r_1>r2{}> r_2 を満たす。

いずれの場合も X は PP に属し QQ に属さないので、PP⊄Q{}\not\subset Q である。(証明終)

ee=r2{}= r_2−r1{}- r_1>0{}> 0 は、第5章 公式5 の「内接する」場合です。j20 はこの定理で r1r_1=1{}= 1,r2r_2=3{}= 3,ee=5 ∣a∣{}= \sqrt{5}\,\lvert a \rvert とした問題でした。

通過領域

j17・j18 の「直線が通過する領域」は、第6章 厳密定義 定理4 の「媒介変数の軌跡」と同じ形の集合です。

定義2:通過領域

実数 tt を含む方程式 F(x, y, t)F(x,\ y,\ t)=0{}= 0 が、tt∈I{}\in I(II は実数の集合)の各値に対して図形 ℓt\ell_t を表すとき

W\displaystyle W=⋃t∈Iℓt\displaystyle {}= \bigcup_{t \in I} \ell_t

を、ℓt\ell_t の通過領域という。すなわち、点 (x, y)(x,\ y) が WW に属するのは、F(x, y, t)F(x,\ y,\ t)=0{}= 0 を満たす tt∈I{}\in I が存在するとき、またそのときに限る。

「すなわち」以下の言いかえは、「点 (x, y)(x,\ y) がどれかの ℓt\ell_t に乗っている」ことと「その点について FF=0{}= 0 となる tt が見つかる」ことが同じだから成り立ちます。こうして、図形の集まりの問題が「tt の方程式が II に解をもつ条件」という、二次関数 第8章(解の配置)と同じ種類の問題に言いかえられます。

定理6:放物線の接線の通過領域

ℓt:y\ell_t : y=2tx{}= 2tx−t2{}- t^2 とする。

(1) ℓt\ell_t は放物線 yy=x2{}= x^2 の点 (t, t2)(t,\ t^2) における接線である。

(2) II が実数全体のとき、WW={(x, y)∣y≦x2}{}= \{(x,\ y) \mid y \leqq x^2\} である。さらに、yy<x2{}< x^2 の点を通る ℓt\ell_t はちょうど 2 本、yy=x2{}= x^2 の点を通る ℓt\ell_t はちょうど 1 本である。

証明 (1) x2x^2−(2tx−t2){}- (2tx - t^2)=(x−t)2{}= (x - t)^2≧0{}\geqq 0 で、等号は xx=t{}= t のときだけなので、ℓt\ell_t と放物線の共有点は (t, t2)(t,\ t^2) ただ 1 つで、放物線は ℓt\ell_t の上側にある。放物線と直線を連立した二次方程式が重解 xx=t{}= t をもつので、ℓt\ell_t は接線である(二次関数 第6章)。

(2) 点 (x0, y0)(x_0,\ y_0) を通る ℓt\ell_t の tt は、t2t^2−2x0t{}- 2x_0 t+y0{}+ y_0=0{}= 0 の実数解である。この方程式の判別式は 4(x02−y0)4(x_0^2 - y_0) なので、実数解の個数は y0y_0<x02{}< x_0^2 なら 22、y0y_0=x02{}= x_0^2 なら 11、y0y_0>x02{}> x_0^2 なら 00 である。異なる tt は傾き 2t2t が異なる別の直線を与えるので、解の個数がそのまま直線の本数である。(証明終)

(1) の「放物線は接線の上側にある」を言いかえると、放物線の上側の点は、どの接線から見ても上側にあり、どの接線にも乗りません。これが WW に入らない理由を図で見たものです。円の外の点から接線が 2 本引けた(第5章 定理4)のと同じように、放物線の「外」(下側)の点からは接線が 2 本引ける、というのが (2) の内容です。

領域の問題は、このように「点を 1 つ固定して、条件を満たす相手(tt や直線)が存在するかを調べる」ことで、これまでの方程式・不等式の道具に帰着できます。第8章の最大・最小でも、「式の値が kk になる点が領域の中に存在するか」という同じ考え方を使います。

この章の学習が終わったら

学習完了テストを受ける