目次 / 図形と方程式 / 数学II

第3章 二直線の関係と点と直線の距離

—— 平行・垂直・交わりを係数で見分け、直線までの最短の長さを測る ——

第2章では、直線を 1 本ずつ方程式で表しました。この章では、2 本の直線の関係を調べます。2 直線が平行になる条件と垂直になる条件を傾きと係数で表し、ある点を通って与えられた直線に平行な直線・垂直な直線、直線に関して対称な点を求めます。次に、2 直線の交点と、交点を通る直線の表し方を学びます。最後に、点から直線までの距離を 1 本の式で求める「点と直線の距離の公式」を導き、平行な 2 直線の距離や三角形の面積に使います。

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2 直線が平行・垂直になる条件

2 本の直線 yy=m1x{}= m_1 x+n1{}+ n_1,yy=m2x{}= m_2 x+n2{}+ n_2 を考えます。

まず平行です。傾きは「右へ 1 進んだときに上がる量」なので、m1m_1=m2{}= m_2 なら 2 本の直線は同じ向きに伸びていきます。n1n_1≠n2{}\neq n_2 なら、どこまで行っても縦の間隔が ∣n1−n2∣\lvert n_1 - n_2 \rvert のままで、交わりません。n1n_1=n2{}= n_2 なら 2 本は重なって 1 本の直線になります(一致するといいます)。この章では、一致する場合も平行に含めて考え、区別したいときは「一致する場合を除く」と断ります。

次に垂直です。第2章 例題4 (3) で、傾き 32\dfrac{3}{2} と −23-\dfrac{2}{3} の 2 直線が垂直になり、傾きをかけると −1-1 になることを見ました。これが一般に成り立つことを確かめます。

平行移動しても、2 直線の向きは変わりません。そこで、原点を通る 2 直線 yy=m1x{}= m_1 x,yy=m2x{}= m_2 x で考えます(m1m_1≠m2{}\neq m_2)。xx=1{}= 1 の位置にある点 P(1, m1)\mathrm{P}(1,\ m_1),Q(1, m2)\mathrm{Q}(1,\ m_2) をとると、第1章の 2 点間の距離の公式より

OP2\displaystyle \mathrm{OP}^2=1\displaystyle {}= 1+m12,\displaystyle {}+ m_1^2,OQ2\displaystyle \mathrm{OQ}^2=1\displaystyle {}= 1+m22,\displaystyle {}+ m_2^2,PQ2\displaystyle \mathrm{PQ}^2=(m1−m2)2\displaystyle {}= (m_1 - m_2)^2

です。三平方の定理とその逆により、∠POQ\angle\mathrm{POQ}=90∘{}= 90^\circ となるのは OP2\mathrm{OP}^2+OQ2{}+ \mathrm{OQ}^2=PQ2{}= \mathrm{PQ}^2 のときで

2\displaystyle 2+m12\displaystyle {}+ m_1^2+m22\displaystyle {}+ m_2^2=m12\displaystyle {}= m_1^2−2m1m2\displaystyle {}- 2m_1 m_2+m22\displaystyle {}+ m_2^2⟺m1m2\displaystyle {}\Longleftrightarrow\qquad m_1 m_2=−1\displaystyle {}= -1

となります。

x y O P(1, m₁) Q(1, m₂) y = m₁x y = m₂x PQ = |m₁ − m₂| OP² + OQ² = PQ² ⇔ m₁m₂ = −1

傾きが考えられない縦の直線 xx=p{}= p は、横の直線 yy=q{}= q(傾き 00)とだけ垂直です。m1m2m_1 m_2=−1{}= -1 の式には 00 も「傾きなし」も入らないので、座標軸に平行な直線は別に考えます。

公式1:2 直線の平行・垂直(傾き)

2 直線 yy=m1x{}= m_1 x+n1{}+ n_1,yy=m2x{}= m_2 x+n2{}+ n_2 について

平行(一致を含む)\displaystyle \text{平行(一致を含む)}  ⟺  m1\displaystyle {}\iff m_1=m2\displaystyle {}= m_2垂直\displaystyle \text{垂直}  ⟺  m1m2\displaystyle {}\iff m_1 m_2=−1\displaystyle {}= -1

xx 軸に平行な直線 yy=q{}= q と yy 軸に平行な直線 xx=p{}= p は、いつも垂直です。

平行のほうは、スーパーの駐車場の斜めの白線を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。白線はどれも同じ角度で引かれていて、置かれた位置だけが少しずつずれています。だから、どこまで延ばしても互いにぶつかりません。「角度(傾き)が同じで、位置(切片)だけが違う」のが平行な直線です。

垂直のほうは、方眼ノートで試せます。「右へ 33 マス、上へ 22 マス」の矢印(傾き 23\dfrac{2}{3})を描いてから、ノートごと左へ 90∘90^\circ 回してみてください。矢印は「左へ 22 マス、上へ 33 マス」の向きになり、傾きは 3−2\dfrac{3}{-2}=−32{}= -\dfrac{3}{2} です。横と縦が入れかわり、片方の符号が変わるので、傾きは「逆数にしてマイナスをつけたもの」になります。かけると −1-1 になるのはそのためです。

2 直線は、傾きが等しければ平行で、傾きの積が −1-1 なら垂直だということです。

例題1:平行な直線・垂直な直線

(1) 点 A(4, −1)\mathrm{A}(4,\ -1) を通り、直線 yy=−2x{}= -2x+3{}+ 3 に平行な直線と垂直な直線の方程式を、それぞれ求めなさい。

(2) 2 点 P(1, 4)\mathrm{P}(1,\ 4),Q(5, −2)\mathrm{Q}(5,\ -2) を結ぶ線分 PQ の垂直二等分線の方程式を求めなさい。


【解答】

(1) 平行な直線の傾きは −2-2 なので、yy+1{}+ 1=−2(x−4){}= -2(x - 4) より y=−2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = -2x}+7‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 7}

垂直な直線の傾きを mm とすると、−2m-2m=−1{}= -1 より mm=12{}= \dfrac{1}{2} です。yy+1{}+ 1=12(x−4){}= \dfrac{1}{2}(x - 4) より y=12x‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = \dfrac{1}{2}x}−3‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- 3}

(2) 垂直二等分線は、PQ の中点を通り、PQ に垂直な直線です。中点は (1+52, 4−22)\left(\dfrac{1 + 5}{2},\ \dfrac{4 - 2}{2}\right)=(3, 1){}= (3,\ 1)、PQ の傾きは −2−45−1\dfrac{-2 - 4}{5 - 1}=−32{}= -\dfrac{3}{2} なので、垂直二等分線の傾きは 23\dfrac{2}{3} です。

y\displaystyle y−1\displaystyle {}- 1=23(x−3)\displaystyle {}= \frac{2}{3}(x - 3)⟹3y\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 3y−3\displaystyle {}- 3=2x\displaystyle {}= 2x−6\displaystyle {}- 6

よって 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}−3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 3y}−3=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 3 = 0} です。

第2章 例題4 (3) では、垂直二等分線を「PA2\mathrm{PA}^2=PB2{}= \mathrm{PB}^2」から求めました。(2) は「中点を通る」「垂直」という 2 つの性質から直接作る方法で、どちらでも同じ直線が得られます。

一般形で見る平行・垂直

直線が一般形 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 で与えられたときは、yy について解かなくても、係数から平行・垂直を判定できます。

2 直線 a1xa_1 x+b1y{}+ b_1 y+c1{}+ c_1=0{}= 0,a2xa_2 x+b2y{}+ b_2 y+c2{}+ c_2=0{}= 0 がどちらも縦の直線でない(b1b_1≠0{}\neq 0,b2b_2≠0{}\neq 0)とき、傾きは −a1b1-\dfrac{a_1}{b_1},−a2b2-\dfrac{a_2}{b_2} です。公式1に当てはめて分母を払うと

−a1b1\displaystyle -\frac{a_1}{b_1}=−a2b2\displaystyle {}= -\frac{a_2}{b_2}  ⟺  a1b2\displaystyle {}\iff a_1 b_2−a2b1\displaystyle {}- a_2 b_1=0,\displaystyle {}= 0,(−a1b1)(−a2b2)\displaystyle \left(-\frac{a_1}{b_1}\right)\left(-\frac{a_2}{b_2}\right)=−1\displaystyle {}= -1  ⟺  a1a2\displaystyle {}\iff a_1 a_2+b1b2\displaystyle {}+ b_1 b_2=0\displaystyle {}= 0

となります。分母を払った形は、縦の直線(bb=0{}= 0)を含めても正しいことが確かめられます(厳密定義の定理2)。

この見方をすると、「点 (x1, y1)(x_1,\ y_1) を通り、直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 に平行な直線・垂直な直線」もすぐに書けます。平行な直線は xx,yy の係数 aa,bb をそのまま使い、垂直な直線は係数を bb,−a-a に入れかえます(a⋅ba \cdot b+b⋅(−a){}+ b \cdot (-a)=0{}= 0)。

公式2:一般形での平行・垂直

2 直線 a1xa_1 x+b1y{}+ b_1 y+c1{}+ c_1=0{}= 0,a2xa_2 x+b2y{}+ b_2 y+c2{}+ c_2=0{}= 0 について

平行(一致を含む)\displaystyle \text{平行(一致を含む)}  ⟺  a1b2\displaystyle {}\iff a_1 b_2−a2b1\displaystyle {}- a_2 b_1=0\displaystyle {}= 0垂直\displaystyle \text{垂直}  ⟺  a1a2\displaystyle {}\iff a_1 a_2+b1b2\displaystyle {}+ b_1 b_2=0\displaystyle {}= 0

点 (x1, y1)(x_1,\ y_1) を通り、直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 に

平行な直線: a(x−x1)\displaystyle \text{平行な直線:}\ a(x - x_1)+b(y−y1)\displaystyle {}+ b(y - y_1)=0\displaystyle {}= 0垂直な直線: b(x−x1)\displaystyle \text{垂直な直線:}\ b(x - x_1)−a(y−y1)\displaystyle {}- a(y - y_1)=0\displaystyle {}= 0

製図に使う平行定規は、板の上を定規が滑るしくみで、どこまで動かしても定規の向きが変わりません。一般形で言えば、向きを決めているのは xx,yy の係数 aa,bb で、定数項 cc は「定規をどこまで滑らせたか」だけを表しています。平行な直線を作るときに aa,bb をそのまま使うのは、定規の向きを変えずに、通したい点まで滑らせることにあたります。垂直な線を引くときは、平行定規に三角定規の直角を当てます。式の上では、係数を bb,−a-a に入れかえるのがその三角定規です。

一般形では、a1b2a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1=0{}= 0 なら平行、a1a2a_1 a_2+b1b2{}+ b_1 b_2=0{}= 0 なら垂直で、平行な直線は係数 aa,bb をそのまま、垂直な直線は bb,−a-a にして作れるということです。

例題2:平行・垂直になる条件

2 直線 axax+2y{}+ 2y−1{}- 1=0{}= 0,xx+(a+1)y{}+ (a + 1)y+3{}+ 3=0{}= 0 が平行になるとき、垂直になるときの定数 aa の値を、それぞれ求めなさい。


【解答】

平行になる条件は、公式2より

a(a+1)\displaystyle a(a + 1)−1⋅2\displaystyle {}- 1 \cdot 2=0\displaystyle {}= 0⟹a2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a^2+a\displaystyle {}+ a−2\displaystyle {}- 2=0\displaystyle {}= 0⟹(a+2)(a−1)\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (a + 2)(a - 1)=0\displaystyle {}= 0

で、aa=−2,{}= -2, 1\ 1 です。

一致していないかを確かめます。aa=1{}= 1 のとき、2 直線は xx+2y{}+ 2y−1{}- 1=0{}= 0 と xx+2y{}+ 2y+3{}+ 3=0{}= 0 で、定数項が違うので一致しません。aa=−2{}= -2 のとき、2 直線は −2x-2x+2y{}+ 2y−1{}- 1=0{}= 0 と xx−y{}- y+3{}+ 3=0{}= 0 です。2 つ目の両辺に −2-2 をかけると −2x-2x+2y{}+ 2y−6{}- 6=0{}= 0 で、1 つ目とは定数項が違うので、これも一致しません。

よって、平行になるのは a=−2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}a = -2,} 1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 1} のときです。

垂直になる条件は、公式2より

a⋅1\displaystyle a \cdot 1+2(a+1)\displaystyle {}+ 2(a + 1)=0\displaystyle {}= 0⟹3a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 3a+2\displaystyle {}+ 2=0\displaystyle {}= 0

よって、垂直になるのは a=−23‾\underline{a = -\dfrac{2}{3}} のときです。

aa=−1{}= -1 のとき 2 つ目の直線は xx+3{}+ 3=0{}= 0(縦の直線)になりますが、公式2の条件式はこの場合もそのまま使えます。傾きで考えると、この場合を別に調べる必要があります。

直線に関して対称な点

直線 ℓ\ell で紙を折ったとき、点 A がぴったり重なる点 B を、直線 ℓ\ell に関して A と対称な点といいます。第1章では「点に関して対称な点」を扱いました。今度は、折り目が直線になった場合です。

A と B が ℓ\ell に関して対称であるのは、ℓ\ell が線分 AB の垂直二等分線になっているときです。座標で書くと、次の 2 つの条件になります。

x y O A(−3, 2) B(1, 4) M(−1, 3) ℓ : 2x + y − 1 = 0
公式3:直線に関して対称な点

点 A と B(A は直線 ℓ\ell 上にない)が、直線 ℓ\ell に関して対称であるための条件は

  1. 直線 AB が ℓ\ell に垂直である(傾きの積が −1-1)
  2. 線分 AB の中点が ℓ\ell 上にある

の 2 つが成り立つことです。B の座標を (p, q)(p,\ q) とおき、1 と 2 から pp,qq の連立方程式を作って解きます。

図工の時間にしたデカルコマニーを思い出してください。紙の片側に絵の具を落とし、紙を半分に折ってから開くと、折り目をはさんで同じ模様が反対側に写ります。写った点は、もとの点から折り目へまっすぐ(垂直に)向かい、折り目を越えて同じだけ進んだところにあります。条件1は「まっすぐ向かう」、条件2は「同じだけ進む(折り目がちょうど真ん中)」を表しています。

直線 ℓ\ell に関して対称な点は、「AB が ℓ\ell に垂直」と「AB の中点が ℓ\ell 上」の 2 つの条件を連立して求めるということです。

例題3:直線に関して対称な点

直線 ℓ:2x\ell : 2x+y{}+ y−1{}- 1=0{}= 0 に関して、点 A(−3, 2)\mathrm{A}(-3,\ 2) と対称な点 B の座標を求めなさい。


【解答】

B(p, q)\mathrm{B}(p,\ q) とおきます。ℓ\ell の傾きは −2-2 です。

条件1(AB ⊥ ℓ\ell):直線 AB の傾きは q−2p+3\dfrac{q - 2}{p + 3} で、これと −2-2 の積が −1-1 なので

q−2p+3\displaystyle \frac{q - 2}{p + 3}=12\displaystyle {}= \frac{1}{2}⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p+3\displaystyle {}+ 3=2q\displaystyle {}= 2q−4\displaystyle {}- 4⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p−2q\displaystyle {}- 2q=−7\displaystyle {}= -7⋯(i)\displaystyle \cdots (\mathrm{i})

条件2(中点が ℓ\ell 上):AB の中点 (p−32, q+22)\left(\dfrac{p - 3}{2},\ \dfrac{q + 2}{2}\right) を ℓ\ell の式に代入して

2⋅p−32\displaystyle 2 \cdot \frac{p - 3}{2}+q+22\displaystyle {}+ \frac{q + 2}{2}−1\displaystyle {}- 1=0\displaystyle {}= 0⟹2p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2p+q\displaystyle {}+ q=6\displaystyle {}= 6⋯(ii)\displaystyle \cdots (\mathrm{ii})

(i) より pp=2q{}= 2q−7{}- 7。(ii) に代入すると 4q4q−14{}- 14+q{}+ q=6{}= 6 で qq=4{}= 4、pp=1{}= 1 です。よって B(1, 4)‾\underline{\mathrm{B}(1,\ 4)}

確かめると、AB の中点は (−1, 3)(-1,\ 3) で 2⋅(−1)2 \cdot (-1)+3{}+ 3−1{}- 1=0{}= 0 となり、たしかに ℓ\ell 上にあります。条件1は、分母を払った pp−2q{}- 2q=−7{}= -7 の形で使いました(pp=−3{}= -3 だと AB が縦になりますが、ℓ\ell は縦の直線に垂直ではないので、その心配はありません)。

2 直線の交点と、交点を通る直線

2 直線の交点は、2 つの方程式を同時に満たす点なので、連立方程式の解として求められます。連立方程式の解の個数は、2 直線の位置関係とぴったり対応しています。

2 直線の位置関係連立方程式の解係数の条件
1 点で交わるただ 1 組a1b2−a2b1≠0a_1 b_2 - a_2 b_1 \neq 0
平行で一致しない解なしa1b2−a2b1=0a_1 b_2 - a_2 b_1 = 0 で、定数項まで含めると比例しない
一致する無数(a2, b2, c2)(a_2,\ b_2,\ c_2) が (a1, b1, c1)(a_1,\ b_1,\ c_1) の 00 でない定数倍

第2章の例題6では、k(x−y−1)k(x - y - 1)+(2x+y−8){}+ (2x + y - 8)=0{}= 0 が、2 直線 xx−y{}- y−1{}- 1=0{}= 0,2x2x+y{}+ y−8{}- 8=0{}= 0 の交点を通ることを見ました。この考え方は、交点を通る直線を作るのにも使えます。

2 直線 f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0,g(x, y)g(x,\ y)=0{}= 0 が 1 点で交わるとします。交点では ff=0{}= 0 かつ gg=0{}= 0 なので、どんな kk に対しても k f(x, y)k\,f(x,\ y)+g(x, y){}+ g(x,\ y)=0{}= 0 が成り立ちます。しかもこの式は xx,yy の一次式で、xx と yy の係数が同時に 00 になることはありません(厳密定義の定理3)。つまり k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 は「交点を通る直線」を表します。kk の値は、もう 1 つの条件(通る点、傾きなど)から決めます。

公式4:2 直線の交点を通る直線

1 点で交わる 2 直線 f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0,g(x, y)g(x,\ y)=0{}= 0 があるとき、kk を定数として

k f(x, y)\displaystyle k\,f(x,\ y)+g(x, y)\displaystyle {}+ g(x,\ y)=0\displaystyle {}= 0

は、2 直線の交点を通る直線を表します。交点を通る直線のうち、f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 以外のすべてがこの形で表せます。

音楽のミキサーにたとえてみます。2 本のマイクの音 ff と gg を、つまみ kk で k:1k : 1 の割合で混ぜて出力するとします。2 本とも無音(ff=0{}= 0 かつ gg=0{}= 0)の場所では、つまみをどう回しても出力は無音のままです。これが「どの kk でも交点を通る」ということです。つまみを回すと出力が無音になる場所(直線)は変わるので、条件に合うようにつまみを合わせます。ただし、gg の音量は 11 に固定されているので、「ff の音だけ」の出力は作れません。ff=0{}= 0 そのものは k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 では表せない、というのはこのことです。

2 直線の交点は連立方程式の解で、交点を通る直線は k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 とおき、もう 1 つの条件から kk を決めて求めるということです。

例題4:2 直線の交点を通る直線

2 直線 xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0,2x2x−y{}- y+6{}+ 6=0{}= 0 の交点を通る、次の直線の方程式を求めなさい。

(1) 点 (5, 0)(5,\ 0) を通る直線

(2) 直線 xx−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0 に垂直な直線


【解答】

2 直線は、傾きが −1-1 と 22 で違うので 1 点で交わります。公式4より、交点を通る直線は

k(x+y−3)\displaystyle k(x + y - 3)+(2x−y+6)\displaystyle {}+ (2x - y + 6)=0\displaystyle {}= 0⋯(∗)\displaystyle \cdots (\ast)

と表せます(xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0 自身は(∗)(\ast)に含まれないので、あとで別に確かめます)。

(1) (∗)(\ast)が点 (5, 0)(5,\ 0) を通るので、k(5+0−3)k(5 + 0 - 3)+(10−0+6){}+ (10 - 0 + 6)=0{}= 0、つまり 2k2k+16{}+ 16=0{}= 0 で kk=−8{}= -8 です。(∗)(\ast)に代入して

−8x\displaystyle -8x−8y\displaystyle {}- 8y+24\displaystyle {}+ 24+2x\displaystyle {}+ 2x−y\displaystyle {}- y+6\displaystyle {}+ 6=0\displaystyle {}= 0⟹−6x\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -6x−9y\displaystyle {}- 9y+30\displaystyle {}+ 30=0\displaystyle {}= 0

両辺を −3-3 で割って 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}+3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y}−10=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 10 = 0}。点 (5, 0)(5,\ 0) は xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0 上にないので、見落としはありません。

(2) (∗)(\ast)を整理すると (k+2)x(k + 2)x+(k−1)y{}+ (k - 1)y+(−3k+6){}+ (-3k + 6)=0{}= 0 です。直線 xx−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0 と垂直になる条件は、公式2より

(k+2)⋅1\displaystyle (k + 2) \cdot 1+(k−1)⋅(−2)\displaystyle {}+ (k - 1) \cdot (-2)=0\displaystyle {}= 0⟹−k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -k+4\displaystyle {}+ 4=0\displaystyle {}= 0

で kk=4{}= 4 です。(∗)(\ast)に代入して 6x6x+3y{}+ 3y−6{}- 6=0{}= 0、よって 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}+y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ y}−2=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2 = 0}。xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0(傾き −1-1)は xx−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0(傾き 12\dfrac{1}{2})に垂直ではないので、ほかに答えはありません。

実際に交点を求めると、2 式を足して 3x3x+3{}+ 3=0{}= 0 から xx=−1{}= -1、yy=4{}= 4 で、交点は (−1, 4)(-1,\ 4) です。(1) の直線は −2-2+12{}+ 12−10{}- 10=0{}= 0、(2) の直線は −2-2+4{}+ 4−2{}- 2=0{}= 0 で、どちらもこの点を通ります。交点が簡単に求まるときは、交点を先に出して公式1や第2章の公式2を使ってもかまいません。k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 は、交点の座標が分数になるときや、文字を含むときに力を発揮します。

点と直線の距離

点 P から直線 ℓ\ell に垂線を下ろし、ℓ\ell との交点を H とします。H を垂線の足といい、線分 PH の長さを点 P と直線 ℓ\ell の距離といいます。ℓ\ell 上の H 以外の点 X をとると、三角形 PHX は H が直角の直角三角形なので、斜辺 PX は PH より長くなります。距離は「P から ℓ\ell 上の点までの最短の長さ」です。

この長さを、直線の係数と点の座標から直接求める公式を作ります。2 段階で考えます。

第 1 段:原点と直線の距離。 直線 ℓ:ax\ell : ax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 に原点 O から垂線を下ろします。垂線は O を通り ℓ\ell に垂直なので、公式2より bxbx−ay{}- ay=0{}= 0 です。H はこの 2 直線の交点なので

ax\displaystyle ax+by\displaystyle {}+ by=−c,\displaystyle {}= -c,bx\displaystyle bx−ay\displaystyle {}- ay=0\displaystyle {}= 0

を解きます。1 つ目に aa、2 つ目に bb をかけて足すと (a2+b2)x(a^2 + b^2)x=−ac{}= -ac、同じように yy も求めて

H(−aca2+b2, −bca2+b2)\mathrm{H}\left(-\frac{ac}{a^2 + b^2},\ -\frac{bc}{a^2 + b^2}\right)

です。よって

OH\displaystyle \mathrm{OH}=a2c2+b2c2(a2+b2)2\displaystyle {}= \sqrt{\frac{a^2c^2 + b^2c^2}{(a^2 + b^2)^2}}=c2a2+b2\displaystyle {}= \sqrt{\frac{c^2}{a^2 + b^2}}=∣c∣a2+b2\displaystyle {}= \frac{\lvert c \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}}

となります(cc=0{}= 0 なら ℓ\ell は O を通り、距離は 00 で、この式も 00 になります)。

第 2 段:一般の点と直線の距離。 点 P(x1, y1)\mathrm{P}(x_1,\ y_1) と ℓ\ell を、図形ごと xx 軸方向に −x1-x_1、yy 軸方向に −y1-y_1 だけ平行移動します。P は原点に移り、ℓ\ell は xx を xx+x1{}+ x_1 に、yy を yy+y1{}+ y_1 に置きかえた直線

a(x+x1)\displaystyle a(x + x_1)+b(y+y1)\displaystyle {}+ b(y + y_1)+c\displaystyle {}+ c=0\displaystyle {}= 0つまり\displaystyle \text{つまり}ax\displaystyle ax+by\displaystyle {}+ by+(ax1+by1+c)\displaystyle {}+ (ax_1 + by_1 + c)=0\displaystyle {}= 0

に移ります。平行移動では 2 点の座標の差が変わらないので、距離も変わりません。第 1 段の cc を ax1ax_1+by1{}+ by_1+c{}+ c に置きかえれば、求める距離が得られます。

x y O P(3, −2) H(−1/5, 2/5) d = 4 4x − 3y + 2 = 0 d = |4·3 − 3·(−2) + 2| / √(4² + (−3)²) = 20/5
公式5:点と直線の距離

点 P(x1, y1)\mathrm{P}(x_1,\ y_1) と直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 の距離 dd は

d\displaystyle d=∣ax1+by1+c∣a2+b2\displaystyle {}= \frac{\lvert ax_1 + by_1 + c \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}}

とくに、原点との距離は ∣c∣a2+b2\dfrac{\lvert c \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}} です。平行な 2 直線 axax+by{}+ by+c1{}+ c_1=0{}= 0,axax+by{}+ by+c2{}+ c_2=0{}= 0 の距離は、一方の直線上の点ともう一方の直線の距離で、∣c1−c2∣a2+b2\dfrac{\lvert c_1 - c_2 \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}} です。

分子の ax1ax_1+by1{}+ by_1+c{}+ c は、点 P の座標を直線の式の左辺に代入した値です。P が直線上にあれば 00 で、直線から離れるほど大きくなります。ただ、この値だけでは長さになりません。第2章で見たように、4x4x−3y{}- 3y+2{}+ 2=0{}= 0 と 8x8x−6y{}- 6y+4{}+ 4=0{}= 0 は同じ直線なのに、代入した値は 2 倍違うからです。

はかりの表示にたとえると、分子は「単位がわからない目盛りの数字」です。同じ荷物でも、キログラムの目盛りなら 22、グラムの目盛りなら 20002000 と出ます。本当の重さを知るには、目盛りの単位で割って換算しなければなりません。直線の式では、この単位にあたるのが a2+b2\sqrt{a^2 + b^2} で、係数を 2 倍にすると分子も分母も 2 倍になり、距離は変わりません。

点と直線の距離は、点の座標を直線の式の左辺に代入した値の絶対値を、a2+b2\sqrt{a^2 + b^2} で割れば求められるということです。

例題5:点と直線の距離

(1) 点 (3, −2)(3,\ -2) と直線 4x4x−3y{}- 3y+2{}+ 2=0{}= 0 の距離を求めなさい。

(2) 点 (1, 4)(1,\ 4) と直線 yy=2x{}= 2x+3{}+ 3 の距離を求めなさい。

(3) 平行な 2 直線 3x3x+4y{}+ 4y−2{}- 2=0{}= 0,3x3x+4y{}+ 4y+8{}+ 8=0{}= 0 の距離を求めなさい。


【解答】

(1) 公式5より

∣4⋅3−3⋅(−2)+2∣42+(−3)2\displaystyle \frac{\lvert 4 \cdot 3 - 3 \cdot (-2) + 2 \rvert}{\sqrt{4^2 + (-3)^2}}=∣20∣5\displaystyle {}= \frac{\lvert 20 \rvert}{5}=4‾\displaystyle {}= \underline{4}

(2) 直線を一般形に直すと 2x2x−y{}- y+3{}+ 3=0{}= 0 です。

∣2⋅1−4+3∣22+(−1)2\displaystyle \frac{\lvert 2 \cdot 1 - 4 + 3 \rvert}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}}=15\displaystyle {}= \frac{1}{\sqrt{5}}=55‾\displaystyle {}= \underline{\frac{\sqrt{5}}{5}}

(3) 1 つ目の直線上の点を 1 つ選びます。xx=2{}= 2 とすると 66+4y{}+ 4y−2{}- 2=0{}= 0 で yy=−1{}= -1、点 (2, −1)(2,\ -1) が 1 つ目の直線上にあります。この点と 2 つ目の直線の距離は

∣3⋅2+4⋅(−1)+8∣32+42\displaystyle \frac{\lvert 3 \cdot 2 + 4 \cdot (-1) + 8 \rvert}{\sqrt{3^2 + 4^2}}=105\displaystyle {}= \frac{10}{5}=2‾\displaystyle {}= \underline{2}

公式5の後半を使えば、∣−2−8∣5\dfrac{\lvert -2 - 8 \rvert}{5}=2{}= 2 とすぐに求まります。ただし、この形が使えるのは、2 つの式の xx,yy の係数がそろっているときだけです。

点と直線の距離は、三角形の面積を座標から求めるのにも使えます。1 辺を底辺とし、残りの頂点と底辺の直線の距離を高さにすればよいのです。

例題6:座標で三角形の面積を求める

3 点 A(1, 5)\mathrm{A}(1,\ 5),B(−2, −1)\mathrm{B}(-2,\ -1),C(4, 1)\mathrm{C}(4,\ 1) を頂点とする三角形 ABC の面積を求めなさい。


【解答】

辺 BC を底辺にします。

BC\displaystyle \mathrm{BC}=(4+2)2+(1+1)2\displaystyle {}= \sqrt{(4 + 2)^2 + (1 + 1)^2}=40\displaystyle {}= \sqrt{40}=210\displaystyle {}= 2\sqrt{10}

直線 BC の傾きは 1−(−1)4−(−2)\dfrac{1 - (-1)}{4 - (-2)}=13{}= \dfrac{1}{3} で、yy+1{}+ 1=13(x+2){}= \dfrac{1}{3}(x + 2) より xx−3y{}- 3y−1{}- 1=0{}= 0 です。高さは、A と直線 BC の距離で

∣1−3⋅5−1∣12+(−3)2\displaystyle \frac{\lvert 1 - 3 \cdot 5 - 1 \rvert}{\sqrt{1^2 + (-3)^2}}=1510\displaystyle {}= \frac{15}{\sqrt{10}}

よって、面積は

12⋅210⋅1510\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 2\sqrt{10} \cdot \frac{15}{\sqrt{10}}=15‾\displaystyle {}= \underline{15}

この計算を文字で行うと、原点 O と 2 点 (x1, y1)(x_1,\ y_1),(x2, y2)(x_2,\ y_2) を頂点とする三角形の面積が 12∣x1y2−x2y1∣\dfrac{1}{2}\lvert x_1 y_2 - x_2 y_1 \rvert になることがわかります(厳密定義の定理5)。A が原点に来るように平行移動すると、B,C は (−3, −6)(-3,\ -6),(3, −4)(3,\ -4) に移るので、12∣(−3)(−4)−3⋅(−6)∣\dfrac{1}{2}\lvert (-3)(-4) - 3 \cdot (-6) \rvert=12⋅30{}= \dfrac{1}{2} \cdot 30=15{}= 15 と、同じ答えが出ます。

この章では、2 直線の平行・垂直を傾きと係数で判定し、対称な点・交点を通る直線・点と直線の距離を求めました。第4章からは、直線の次に基本的な図形である円を方程式で表します。円と直線の位置関係(第5章)では、この章の点と直線の距離が「中心と直線の距離」として活躍します。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

点 (1, 2)(1,\ 2) を通り、直線 yy=4x{}= 4x−1{}- 1 に平行な直線の方程式を求めなさい。

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答え

y=4x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = 4x}−2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2}(傾き 44、yy−2{}- 2=4(x−1){}= 4(x - 1))

自己採点:
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問2

原点を通り、直線 yy=3x{}= 3x+2{}+ 2 に垂直な直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y=−13x‾\underline{y = -\dfrac{1}{3}x}(傾きを mm とすると 3m3m=−1{}= -1)

自己採点:
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問3

2 直線 xx+2y{}+ 2y−1{}- 1=0{}= 0,3x3x−y{}- y−10{}- 10=0{}= 0 の交点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(3, −1)‾\underline{(3,\ -1)}(2 つ目から yy=3x{}= 3x−10{}- 10 を 1 つ目に代入して 7x7x−21{}- 21=0{}= 0)

自己採点:
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問4

原点と直線 3x3x+4y{}+ 4y−10{}- 10=0{}= 0 の距離を求めなさい。

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答え

2‾\underline{2}(∣−10∣32+42\dfrac{\lvert -10 \rvert}{\sqrt{3^2 + 4^2}}=105{}= \dfrac{10}{5})

自己採点:
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問5

点 (1, −1)(1,\ -1) と直線 xx−2y{}- 2y+2{}+ 2=0{}= 0 の距離を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

5‾\underline{\sqrt{5}}(∣1+2+2∣1+4\dfrac{\lvert 1 + 2 + 2 \rvert}{\sqrt{1 + 4}}=55{}= \dfrac{5}{\sqrt{5}})

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) yy=3x{}= 3x−1{}- 1,6x6x−2y{}- 2y+5{}+ 5=0{}= 0

(2) 2x2x−5y{}- 5y+1{}+ 1=0{}= 0,5x5x+2y{}+ 2y−3{}- 3=0{}= 0

(3) xx−2y{}- 2y+3{}+ 3=0{}= 0,2x2x−y{}- y=0{}= 0

上の (1)〜(3) の 2 直線の関係が「平行」「垂直」「どちらでもない」のどれであるかを、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 平行 (2) 垂直 (3) どちらでもない

解説

(1) 2 つ目の直線を yy について解くと yy=3x{}= 3x+52{}+ \dfrac{5}{2} で、傾きはどちらも 33 です。切片が違うので一致せず、平行‾\underline{\text{平行}} です。

(2) 公式2で a1a2a_1 a_2+b1b2{}+ b_1 b_2=2⋅5{}= 2 \cdot 5+(−5)⋅2{}+ (-5) \cdot 2=0{}= 0 なので 垂直‾\underline{\text{垂直}} です。傾きで見ても 25⋅(−52)\dfrac{2}{5} \cdot \left(-\dfrac{5}{2}\right)=−1{}= -1 です。

(3) 傾きは 12\dfrac{1}{2} と 22 です。等しくないので平行ではなく、積は 11≠−1{}\neq -1 なので垂直でもありません。よって どちらでもない‾\underline{\text{どちらでもない}} です。

(3) のように「逆数どうし」でも、マイナスがつかなければ垂直にはなりません。

自己採点:
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問2 ★

点 (−3, 2)(-3,\ 2) を通り、直線 3x3x−2y{}- 2y+5{}+ 5=0{}= 0 に平行な直線と垂直な直線の方程式を、それぞれ一般形で求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

平行 3x3x−2y{}- 2y+13{}+ 13=0{}= 0、垂直 2x2x+3y{}+ 3y=0{}= 0

解説

公式2を使います。

平行な直線は xx,yy の係数をそのまま使って

3(x+3)\displaystyle 3(x + 3)−2(y−2)\displaystyle {}- 2(y - 2)=0\displaystyle {}= 0⟹3x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}−2y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2y}+13=0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 13 = 0}

垂直な直線は係数を bb=−2{}= -2,−a-a=−3{}= -3 にして

−2(x+3)\displaystyle -2(x + 3)−3(y−2)\displaystyle {}- 3(y - 2)=0\displaystyle {}= 0⟹−2x\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -2x−3y\displaystyle {}- 3y=0\displaystyle {}= 0

両辺に −1-1 をかけて 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}+3y=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y = 0} です。

傾きで確かめると、もとの直線は 32\dfrac{3}{2}、垂直な直線は −23-\dfrac{2}{3} で、積は −1-1 です。垂直な直線は原点を通っています。

自己採点:
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問3 ★

(1) 3x3x+2y{}+ 2y−7{}- 7=0{}= 0,xx−4y{}- 4y+7{}+ 7=0{}= 0

(2) 2x2x−3y{}- 3y+1{}+ 1=0{}= 0,4x4x−6y{}- 6y+2{}+ 2=0{}= 0

(3) xx−3y{}- 3y+1{}+ 1=0{}= 0,2x2x−6y{}- 6y+5{}+ 5=0{}= 0

上の (1)〜(3) の 2 直線の共有点を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 点 (1, 2)(1,\ 2) (2) 一致するので、直線 2x2x−3y{}- 3y+1{}+ 1=0{}= 0 上のすべての点 (3) 共有点はない

解説

(1) 2 つ目から xx=4y{}= 4y−7{}- 7。1 つ目に代入して 3(4y−7)3(4y - 7)+2y{}+ 2y−7{}- 7=0{}= 0、14y14y=28{}= 28 で yy=2{}= 2、xx=1{}= 1 です。共有点は 点 (1, 2)‾\underline{\text{点}\ (1,\ 2)} です。

(2) 2 つ目の式は 1 つ目の式の両辺を 2 倍したものなので、2 直線は一致します。共有点は 直線 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\text{直線}\ 2x}−3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}- 3y}+1=0 上のすべての点‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}+ 1 = 0\ \text{上のすべての点}} です。

(3) 2 つ目を 2 で割ると xx−3y{}- 3y+52{}+ \dfrac{5}{2}=0{}= 0 で、1 つ目と xx,yy の係数は同じですが定数項が違います。2 直線は平行で一致しないので、共有点はありません‾\underline{\text{共有点はありません}}。連立方程式を解こうとすると、1 つ目を 2 倍して引いたときに 00=3{}= 3 となり、解がないことがわかります。

(1)〜(3) は、2 直線が「1 点で交わる」「一致する」「平行で交わらない」の 3 つの場合にそれぞれ対応しています。

自己採点:
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問4 ★

(1) 点 (2, 5)(2,\ 5) と直線 12x12x+5y{}+ 5y−4{}- 4=0{}= 0

(2) 点 (−2, 1)(-2,\ 1) と直線 yy=−3x{}= -3x+5{}+ 5

(3) 点 (4, −2)(4,\ -2) と直線 xx=1{}= 1

上の (1)〜(3) の点と直線の距離を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 4513\dfrac{45}{13} (2) 10\sqrt{10} (3) 33

解説

公式5を使います。

(1) ∣12⋅2+5⋅5−4∣122+52\dfrac{\lvert 12 \cdot 2 + 5 \cdot 5 - 4 \rvert}{\sqrt{12^2 + 5^2}}=4513{}= \dfrac{45}{13}、よって 4513‾\underline{\dfrac{45}{13}}

(2) 一般形に直すと 3x3x+y{}+ y−5{}- 5=0{}= 0 です。

∣3⋅(−2)+1−5∣32+12\displaystyle \frac{\lvert 3 \cdot (-2) + 1 - 5 \rvert}{\sqrt{3^2 + 1^2}}=1010\displaystyle {}= \frac{10}{\sqrt{10}}=10‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{10}}

(3) xx−1{}- 1=0{}= 0 と見て aa=1{}= 1,bb=0{}= 0,cc=−1{}= -1 とすると、∣4−1∣1\dfrac{\lvert 4 - 1 \rvert}{\sqrt{1}}=3‾{}= \underline{3} です。

(3) は、縦の直線 xx=1{}= 1 までの距離なので、xx 座標の差 ∣4−1∣\lvert 4 - 1 \rvert を見るだけでも求められます。公式5は縦の直線にもそのまま使えます。

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問5 ★

直線 ℓ:x\ell : x−y{}- y+1{}+ 1=0{}= 0 に関して、点 A(4, 1)\mathrm{A}(4,\ 1) と対称な点 B の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

B(0, 5)\mathrm{B}(0,\ 5)

解説

B(p, q)\mathrm{B}(p,\ q) とおきます。ℓ\ell の傾きは 11 です。

AB ⊥ ℓ\ell より、AB の傾きは −1-1 なので

q−1p−4\displaystyle \frac{q - 1}{p - 4}=−1\displaystyle {}= -1⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p+q\displaystyle {}+ q=5\displaystyle {}= 5⋯(i)\displaystyle \cdots (\mathrm{i})

AB の中点 (p+42, q+12)\left(\dfrac{p + 4}{2},\ \dfrac{q + 1}{2}\right) が ℓ\ell 上にあるので

p+42\displaystyle \frac{p + 4}{2}−q+12\displaystyle {}- \frac{q + 1}{2}+1\displaystyle {}+ 1=0\displaystyle {}= 0⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p−q\displaystyle {}- q=−5\displaystyle {}= -5⋯(ii)\displaystyle \cdots (\mathrm{ii})

(i)+(ii) より 2p2p=0{}= 0 で pp=0{}= 0、(i) より qq=5{}= 5 です。よって B(0, 5)‾\underline{\mathrm{B}(0,\ 5)}

中点は (2, 3)(2,\ 3) で、22−3{}- 3+1{}+ 1=0{}= 0 となり ℓ\ell 上にあります。

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問6 ★

平行な 2 直線 2x2x−y{}- y+3{}+ 3=0{}= 0,4x4x−2y{}- 2y−9{}- 9=0{}= 0 の距離を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

352\dfrac{3\sqrt{5}}{2}

解説

2 つの式の xx,yy の係数がそろっていないので、2 つ目を 2 で割って 2x2x−y{}- y−92{}- \dfrac{9}{2}=0{}= 0 とします。公式5の後半より

∣3−(−92)∣22+(−1)2\displaystyle \frac{\left\lvert 3 - \left(-\dfrac{9}{2}\right) \right\rvert}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}}=1525\displaystyle {}= \frac{15}{2\sqrt{5}}=352‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3\sqrt{5}}{2}}

別の方法として、1 つ目の直線上の点 (0, 3)(0,\ 3) と 2 つ目の直線の距離を求めても

∣0−6−9∣42+(−2)2\displaystyle \frac{\lvert 0 - 6 - 9 \rvert}{\sqrt{4^2 + (-2)^2}}=1525\displaystyle {}= \frac{15}{2\sqrt{5}}

で、同じ値になります。係数をそろえずに ∣3−(−9)∣5\dfrac{\lvert 3 - (-9) \rvert}{\sqrt{5}} と計算するのはよくある間違いです。

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問7 ★

2 点 A(−2, 1)\mathrm{A}(-2,\ 1),B(4, 5)\mathrm{B}(4,\ 5) を結ぶ線分 AB の垂直二等分線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3x3x+2y{}+ 2y−9{}- 9=0{}= 0

解説

AB の中点は (−2+42, 1+52)\left(\dfrac{-2 + 4}{2},\ \dfrac{1 + 5}{2}\right)=(1, 3){}= (1,\ 3)、AB の傾きは 5−14+2\dfrac{5 - 1}{4 + 2}=23{}= \dfrac{2}{3} です。垂直二等分線の傾きは −32-\dfrac{3}{2} なので

y\displaystyle y−3\displaystyle {}- 3=−32(x−1)\displaystyle {}= -\frac{3}{2}(x - 1)⟹2y\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2y−6\displaystyle {}- 6=−3x\displaystyle {}= -3x+3\displaystyle {}+ 3

よって 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}+2y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 2y}−9=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 9 = 0} です。

A,B を左辺に代入すると −13-13 と 1313 になり、公式5で考えると A,B からの距離がどちらも 1313\dfrac{13}{\sqrt{13}} で等しいことが確かめられます。

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問8 ★

2 直線 xx−2y{}- 2y+6{}+ 6=0{}= 0,3x3x+y{}+ y−10{}- 10=0{}= 0 の交点と、原点を通る直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=2x{}= 2x

解説

2 直線の傾きは 12\dfrac{1}{2} と −3-3 で違うので、1 点で交わります。公式4より、交点を通る直線は

k(x−2y+6)\displaystyle k(x - 2y + 6)+(3x+y−10)\displaystyle {}+ (3x + y - 10)=0\displaystyle {}= 0

と表せます。原点を通るので 6k6k−10{}- 10=0{}= 0、kk=53{}= \dfrac{5}{3} です。代入して両辺を 3 倍すると

5(x−2y+6)\displaystyle 5(x - 2y + 6)+3(3x+y−10)\displaystyle {}+ 3(3x + y - 10)=0\displaystyle {}= 0⟹14x\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 14x−7y\displaystyle {}- 7y=0\displaystyle {}= 0

よって y=2x‾\underline{y = 2x} です。原点は xx−2y{}- 2y+6{}+ 6=0{}= 0 上にないので、見落としはありません。

交点を先に求めると、xx=2y{}= 2y−6{}- 6 を代入して 7y7y−28{}- 28=0{}= 0、交点は (2, 4)(2,\ 4) です。原点と (2, 4)(2,\ 4) を通る直線として yy=2x{}= 2x を求めることもできます。

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問9 ★★

(1) 平行である(一致する場合を除く) (2) 一致する (3) 垂直である

2 直線 xx+(a−1)y{}+ (a - 1)y+2{}+ 2=0{}= 0,axax+2y{}+ 2y+4{}+ 4=0{}= 0 が上の (1)〜(3) の条件を満たすような定数 aa の値を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) aa=−1{}= -1 (2) aa=2{}= 2 (3) aa=23{}= \dfrac{2}{3}

解説

公式2より、平行(一致を含む)になる条件は

1⋅2\displaystyle 1 \cdot 2−a(a−1)\displaystyle {}- a(a - 1)=0\displaystyle {}= 0⟹a2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a^2−a\displaystyle {}- a−2\displaystyle {}- 2=0\displaystyle {}= 0⟹(a−2)(a+1)\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (a - 2)(a + 1)=0\displaystyle {}= 0

で、aa=2,{}= 2, −1{}\ -1 です。それぞれの場合の 2 直線を書き出します。

  • aa=2{}= 2 のとき:xx+y{}+ y+2{}+ 2=0{}= 0 と 2x2x+2y{}+ 2y+4{}+ 4=0{}= 0。2 つ目は 1 つ目の 2 倍なので、一致します。
  • aa=−1{}= -1 のとき:xx−2y{}- 2y+2{}+ 2=0{}= 0 と −x-x+2y{}+ 2y+4{}+ 4=0{}= 0。2 つ目に −1-1 をかけると xx−2y{}- 2y−4{}- 4=0{}= 0 で、定数項が違うので一致しません。

よって (1) a=−1‾\underline{a = -1}、(2) a=2‾\underline{a = 2} です。

(3) 垂直になる条件は 1⋅a1 \cdot a+(a−1)⋅2{}+ (a - 1) \cdot 2=0{}= 0、つまり 3a3a−2{}- 2=0{}= 0 で、a=23‾\underline{a = \dfrac{2}{3}} です。

平行の条件 a1b2a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1=0{}= 0 は一致する場合も含むので、答えを出したら、もとの 2 直線を書いて一致しないかを必ず確かめます。

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問10 ★★

直線 ℓ:x\ell : x−y{}- y−1{}- 1=0{}= 0 に関して、直線 m:2xm : 2x+y{}+ y−11{}- 11=0{}= 0 と対称な直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx+2y{}+ 2y−10{}- 10=0{}= 0

解説

ℓ\ell と mm の交点は、yy=x{}= x−1{}- 1 を mm に代入して 3x3x−12{}- 12=0{}= 0、交点は C(4, 3)\mathrm{C}(4,\ 3) です。C は ℓ\ell 上にあるので、折り返しても動きません。求める直線は C を通ります。

次に、mm 上の C 以外の点を 1 つ選び、ℓ\ell に関して対称な点を求めます。mm 上の点 A(5, 1)\mathrm{A}(5,\ 1) をとり、対称な点を A′(p, q)\mathrm{A}'(p,\ q) とします。

ℓ\ell の傾きは 11 なので、AA′ の傾きは −1-1 で

q−1p−5\displaystyle \frac{q - 1}{p - 5}=−1\displaystyle {}= -1⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p+q\displaystyle {}+ q=6\displaystyle {}= 6

AA′ の中点 (p+52, q+12)\left(\dfrac{p + 5}{2},\ \dfrac{q + 1}{2}\right) が ℓ\ell 上にあるので

p+52\displaystyle \frac{p + 5}{2}−q+12\displaystyle {}- \frac{q + 1}{2}−1\displaystyle {}- 1=0\displaystyle {}= 0⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p−q\displaystyle {}- q=−2\displaystyle {}= -2

これを解いて pp=2{}= 2,qq=4{}= 4、A′(2, 4)\mathrm{A}'(2,\ 4) です。

求める直線は C(4, 3)(4,\ 3) と A′(2, 4)(2,\ 4) を通るので、傾きは 4−32−4\dfrac{4 - 3}{2 - 4}=−12{}= -\dfrac{1}{2} で

y\displaystyle y−3\displaystyle {}- 3=−12(x−4)\displaystyle {}= -\frac{1}{2}(x - 4)⟹x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x}+2y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 2y}−10=0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 10 = 0}

別解として、ℓ\ell に関する対称移動は「点 (x, y)(x,\ y) を点 (y+1, x−1)(y + 1,\ x - 1) に移す」ことを使う方法もあります。求める直線上の点 (X, Y)(X,\ Y) を折り返した点 (Y+1, X−1)(Y + 1,\ X - 1) が mm 上にあるので、2(Y+1)2(Y + 1)+(X−1){}+ (X - 1)−11{}- 11=0{}= 0、つまり XX+2Y{}+ 2Y−10{}- 10=0{}= 0 となり、同じ答えです。

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問11 ★★

点 A(3, 4)\mathrm{A}(3,\ 4) を通り、原点からの距離が 33 である直線の方程式を、すべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=3{}= 3,7x7x−24y{}- 24y+75{}+ 75=0{}= 0

解説

第2章 公式5で見たように、yy−4{}- 4=m(x−3){}= m(x - 3) の形では縦の直線 xx=3{}= 3 が表せないので、場合を分けます。

縦の直線 xx=3{}= 3 のとき:原点からの距離は 33 なので、条件を満たします。

傾き mm の直線のとき:yy−4{}- 4=m(x−3){}= m(x - 3) を一般形にすると mxmx−y{}- y+(4−3m){}+ (4 - 3m)=0{}= 0 です。原点からの距離が 33 なので、公式5より

∣4−3m∣m2+1\displaystyle \frac{\lvert 4 - 3m \rvert}{\sqrt{m^2 + 1}}=3\displaystyle {}= 3

両辺とも 00 以上なので、2 乗しても同値です。

(4−3m)2\displaystyle (4 - 3m)^2=9(m2+1)\displaystyle {}= 9(m^2 + 1)⟹16\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 16−24m\displaystyle {}- 24m+9m2\displaystyle {}+ 9m^2=9m2\displaystyle {}= 9m^2+9\displaystyle {}+ 9⟹m\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad m=724\displaystyle {}= \frac{7}{24}

このとき 724x\dfrac{7}{24}x−y{}- y+4{}+ 4−78{}- \dfrac{7}{8}=0{}= 0 で、両辺を 2424 倍して 7x7x−24y{}- 24y+75{}+ 75=0{}= 0 です。

よって、求める直線は x=3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,}  7x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ \ 7x}−24y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 24y}+75=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 75 = 0} の 2 本です。

m2m^2 の項が消えて mm が 1 つしか出てこないのは、もう 1 本が「傾きのない直線」だったからです。OA\mathrm{OA}=5{}= 5>3{}> 3 なので、条件を満たす直線は 2 本あるはずだと見当をつけておくと、見落としに気づけます。

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問12 ★★

3 点 A(−1, −2)\mathrm{A}(-1,\ -2),B(4, 0)\mathrm{B}(4,\ 0),C(1, 5)\mathrm{C}(1,\ 5) を頂点とする三角形 ABC の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

312\dfrac{31}{2}

解説

辺 BC を底辺にします。BC\mathrm{BC}=(1−4)2+(5−0)2{}= \sqrt{(1 - 4)^2 + (5 - 0)^2}=34{}= \sqrt{34} です。

直線 BC の傾きは 5−01−4\dfrac{5 - 0}{1 - 4}=−53{}= -\dfrac{5}{3} で、yy=−53(x−4){}= -\dfrac{5}{3}(x - 4)、つまり 5x5x+3y{}+ 3y−20{}- 20=0{}= 0 です。

A と直線 BC の距離(高さ)は

∣5⋅(−1)+3⋅(−2)−20∣52+32\displaystyle \frac{\lvert 5 \cdot (-1) + 3 \cdot (-2) - 20 \rvert}{\sqrt{5^2 + 3^2}}=3134\displaystyle {}= \frac{31}{\sqrt{34}}

よって、面積は 12⋅34⋅3134\dfrac{1}{2} \cdot \sqrt{34} \cdot \dfrac{31}{\sqrt{34}}=312‾{}= \underline{\dfrac{31}{2}} です。

厳密定義の定理5の式で確かめると、A が原点に来るように平行移動して B,C は (5, 2)(5,\ 2),(2, 7)(2,\ 7) になり、12∣5⋅7−2⋅2∣\dfrac{1}{2}\lvert 5 \cdot 7 - 2 \cdot 2 \rvert=312{}= \dfrac{31}{2} です。

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問13 ★★

直線 3x3x−4y{}- 4y+2{}+ 2=0{}= 0 に平行で、この直線との距離が 22 である直線の方程式を、すべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3x3x−4y{}- 4y+12{}+ 12=0{}= 0,3x3x−4y{}- 4y−8{}- 8=0{}= 0

解説

平行な直線は、係数 33,−4-4 をそのまま使って 3x3x−4y{}- 4y+c{}+ c=0{}= 0 とおけます。公式5の後半より

∣c−2∣32+(−4)2\displaystyle \frac{\lvert c - 2 \rvert}{\sqrt{3^2 + (-4)^2}}=2\displaystyle {}= 2⟹∣c−2∣\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \lvert c - 2 \rvert=10\displaystyle {}= 10

cc−2{}- 2=±10{}= \pm 10 より cc=12,{}= 12, −8{}\ -8 です。よって 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}−4y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4y}+12=0,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 12 = 0,}  3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ \ 3x}−4y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4y}−8=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 8 = 0} の 2 本です。

もとの直線の両側に 1 本ずつあることは、駐車場の白線を左右に同じ幅だけずらすところを思い浮かべると納得できます。

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問14 ★★

2 直線 2x2x+y{}+ y−4{}- 4=0{}= 0,xx+2y{}+ 2y+1{}+ 1=0{}= 0 の交点を通り、直線 3x3x−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0 に垂直な直線の方程式を、交点の座標を求めずに求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

2x2x+3y{}+ 3y=0{}= 0

解説

2 直線の傾きは −2-2 と −12-\dfrac{1}{2} で違うので、1 点で交わります。公式4より、交点を通る直線は

k(x+2y+1)\displaystyle k(x + 2y + 1)+(2x+y−4)\displaystyle {}+ (2x + y - 4)=0\displaystyle {}= 0

と表せます。整理すると (k+2)x(k + 2)x+(2k+1)y{}+ (2k + 1)y+(k−4){}+ (k - 4)=0{}= 0 です。

これが 3x3x−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0 に垂直になる条件は、公式2より

3(k+2)\displaystyle 3(k + 2)−2(2k+1)\displaystyle {}- 2(2k + 1)=0\displaystyle {}= 0⟹−k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -k+4\displaystyle {}+ 4=0\displaystyle {}= 0

で kk=4{}= 4 です。代入すると 6x6x+9y{}+ 9y+0{}+ 0=0{}= 0、よって 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}+3y=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y = 0} です。

k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 の形で表せない xx+2y{}+ 2y+1{}+ 1=0{}= 0(傾き −12-\dfrac{1}{2})は、3x3x−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0(傾き 32\dfrac{3}{2})と垂直ではないので、ほかに答えはありません。

確かめとして交点を求めると (3, −2)(3,\ -2) で、2⋅32 \cdot 3+3⋅(−2){}+ 3 \cdot (-2)=0{}= 0 より、求めた直線はたしかに交点を通ります。

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問15 ★★

点 A(5, 4)\mathrm{A}(5,\ 4) から直線 ℓ:x\ell : x+2y{}+ 2y−3{}- 3=0{}= 0 に下ろした垂線の足 H の座標と、線分 AH の長さを求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

H(3, 0)\mathrm{H}(3,\ 0),AH\mathrm{AH}=25{}= 2\sqrt{5}

解説

A を通り ℓ\ell に垂直な直線は、公式2より

2(x−5)\displaystyle 2(x - 5)−1⋅(y−4)\displaystyle {}- 1 \cdot (y - 4)=0\displaystyle {}= 0⟹2x\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2x−y\displaystyle {}- y−6\displaystyle {}- 6=0\displaystyle {}= 0

H はこの直線と ℓ\ell の交点です。yy=2x{}= 2x−6{}- 6 を ℓ\ell に代入して xx+4x{}+ 4x−12{}- 12−3{}- 3=0{}= 0、xx=3{}= 3、yy=0{}= 0 です。よって H(3, 0)‾\underline{\mathrm{H}(3,\ 0)}

AH\displaystyle \mathrm{AH}=(5−3)2+(4−0)2\displaystyle {}= \sqrt{(5 - 3)^2 + (4 - 0)^2}=20\displaystyle {}= \sqrt{20}=25‾\displaystyle {}= \underline{2\sqrt{5}}

公式5で確かめると、∣5+8−3∣1+4\dfrac{\lvert 5 + 8 - 3 \rvert}{\sqrt{1 + 4}}=105{}= \dfrac{10}{\sqrt{5}}=25{}= 2\sqrt{5} で一致します。距離だけなら公式5、足の位置も必要なら垂線との交点、と使い分けます。

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問16 ★★

3 直線 xx+y{}+ y−2{}- 2=0{}= 0,xx−2y{}- 2y+4{}+ 4=0{}= 0,axax+y{}+ y+a{}+ a−4{}- 4=0{}= 0 が三角形を作らないような定数 aa の値を、すべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−12,{}= -\dfrac{1}{2}, 1,\ 1, 2\ 2

解説

3 直線が三角形を作らないのは、次のどちらかのときです。

  • 3 直線のうち 2 本が平行(一致を含む)
  • 3 直線が 1 点で交わる

1 つ目と 2 つ目の直線は、傾きが −1-1 と 12\dfrac{1}{2} で平行ではありません。2 式を引くと 3y3y−6{}- 6=0{}= 0 で、交点は (0, 2)(0,\ 2) です。3 つ目の直線の傾きは −a-a です。

3 つ目が 1 つ目と平行:−a-a=−1{}= -1 より aa=1{}= 1。このとき 3 つ目は xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0 で、1 つ目とは一致しませんが、平行なので三角形はできません。

3 つ目が 2 つ目と平行:−a-a=12{}= \dfrac{1}{2} より aa=−12{}= -\dfrac{1}{2}。このとき 3 つ目は −12x-\dfrac{1}{2}x+y{}+ y−92{}- \dfrac{9}{2}=0{}= 0、つまり xx−2y{}- 2y+9{}+ 9=0{}= 0 で、2 つ目と平行です。

3 直線が 1 点で交わる:3 つ目が点 (0, 2)(0,\ 2) を通るので、22+a{}+ a−4{}- 4=0{}= 0 より aa=2{}= 2 です。

よって a=−12,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}a = -\dfrac{1}{2},} 1,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ 1,} 2‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ 2} です。

3 つ目の直線は a(x+1)a(x + 1)+(y−4){}+ (y - 4)=0{}= 0 と書けるので、aa によらず点 (−1, 4)(-1,\ 4) を通ります。この点を中心に回る直線が、ほかの 2 本と平行になる向きと、交点 (0, 2)(0,\ 2) を通る向きを探した、と見ることもできます。

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問17 ★★★

2 点 A(4, 3)\mathrm{A}(4,\ 3),B(6, 1)\mathrm{B}(6,\ 1) と直線 ℓ:y\ell : y=2x{}= 2x がある。点 P が ℓ\ell 上を動くとき、AP\mathrm{AP}+PB{}+ \mathrm{PB} の最小値と、そのときの点 P の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最小値 2132\sqrt{13}、P(158, 154)\mathrm{P}\left(\dfrac{15}{8},\ \dfrac{15}{4}\right)

解説

2x2x−y{}- y に A,B を代入すると 55>0{}> 0,1111>0{}> 0 なので、A と B は ℓ\ell に関して同じ側にあります。このままでは線分 AB が ℓ\ell と交わらないので、A を ℓ\ell に関して折り返します。

A と対称な点を A′(p, q)\mathrm{A}'(p,\ q) とします。ℓ\ell の傾きは 22 なので、AA′ の傾きは −12-\dfrac{1}{2} で

q−3p−4\displaystyle \frac{q - 3}{p - 4}=−12\displaystyle {}= -\frac{1}{2}⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad p+2q\displaystyle {}+ 2q=10\displaystyle {}= 10

AA′ の中点 (p+42, q+32)\left(\dfrac{p + 4}{2},\ \dfrac{q + 3}{2}\right) が ℓ\ell 上にあるので

q+32\displaystyle \frac{q + 3}{2}=2⋅p+42\displaystyle {}= 2 \cdot \frac{p + 4}{2}⟹2p\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2p−q\displaystyle {}- q=−5\displaystyle {}= -5

これを解いて pp=0{}= 0,qq=5{}= 5、A′(0, 5)\mathrm{A}'(0,\ 5) です。

P が ℓ\ell 上にあるとき、ℓ\ell は AA′ の垂直二等分線なので AP\mathrm{AP}=A′P{}= \mathrm{A'P} です。よって

AP\displaystyle \mathrm{AP}+PB\displaystyle {}+ \mathrm{PB}=A′P\displaystyle {}= \mathrm{A'P}+PB\displaystyle {}+ \mathrm{PB}≧A′B\displaystyle {}\geqq \mathrm{A'B}

で、等号は P が線分 A′B 上にあるときに成り立ちます。A′ は 2⋅02 \cdot 0−5{}- 5<0{}< 0、B は 1111>0{}> 0 で ℓ\ell の反対側にあるので、線分 A′B は ℓ\ell と交わり、その交点で最小になります。

A′B\displaystyle \mathrm{A'B}=(6−0)2+(1−5)2\displaystyle {}= \sqrt{(6 - 0)^2 + (1 - 5)^2}=52\displaystyle {}= \sqrt{52}=213\displaystyle {}= 2\sqrt{13}

直線 A′B は傾き 1−56−0\dfrac{1 - 5}{6 - 0}=−23{}= -\dfrac{2}{3} で、yy=−23x{}= -\dfrac{2}{3}x+5{}+ 5 です。yy=2x{}= 2x との交点は、2x2x=−23x{}= -\dfrac{2}{3}x+5{}+ 5 から 83x\dfrac{8}{3}x=5{}= 5、xx=158{}= \dfrac{15}{8}、yy=154{}= \dfrac{15}{4} です。

よって、最小値は 213‾\underline{2\sqrt{13}}、そのときの P は (158, 154)‾\underline{\left(\dfrac{15}{8},\ \dfrac{15}{4}\right)} です。

第1章 j19 では xx 軸で折り返しました。折り返す直線が斜めになっても、「対称な点を求めて一直線にする」という考え方は同じです。

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問18 ★★★

2 直線 ℓ1:x\ell_1 : x−2y{}- 2y+1{}+ 1=0{}= 0,ℓ2:2x\ell_2 : 2x−y{}- y+5{}+ 5=0{}= 0 のなす角の二等分線の方程式を、すべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx+y{}+ y+4{}+ 4=0{}= 0,xx−y{}- y+2{}+ 2=0{}= 0

解説

角の二等分線上の点は、角をはさむ 2 辺から等しい距離にあります(図形の性質で学んだ角の二等分線の性質)。逆に、2 直線から等しい距離にある点は、2 直線のなす角の二等分線上にあります。そこで、ℓ1\ell_1,ℓ2\ell_2 から等しい距離にある点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) 全体を求めます。

公式5より

∣x−2y+1∣12+(−2)2\displaystyle \frac{\lvert x - 2y + 1 \rvert}{\sqrt{1^2 + (-2)^2}}=∣2x−y+5∣22+(−1)2\displaystyle {}= \frac{\lvert 2x - y + 5 \rvert}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}}

分母はどちらも 5\sqrt{5} なので、∣x−2y+1∣\lvert x - 2y + 1 \rvert=∣2x−y+5∣{}= \lvert 2x - y + 5 \rvert、つまり

x\displaystyle x−2y\displaystyle {}- 2y+1\displaystyle {}+ 1=±(2x−y+5)\displaystyle {}= \pm(2x - y + 5)

です。

  • ++ のとき:−x-x−y{}- y−4{}- 4=0{}= 0、つまり xx+y{}+ y+4{}+ 4=0{}= 0
  • −- のとき:3x3x−3y{}- 3y+6{}+ 6=0{}= 0、つまり xx−y{}- y+2{}+ 2=0{}= 0

よって、求める二等分線は x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x}+y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ y}+4=0,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 4 = 0,}  x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ \ x}−y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- y}+2=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 2 = 0} の 2 本です。

2 直線の交点は (−3, −1)(-3,\ -1) で、どちらの二等分線もこの点を通ります。また、2 本の二等分線の傾きは −1-1 と 11 で、積が −1-1 なので互いに垂直です。2 直線が交わってできる 4 つの角は、隣どうしの角を足すと 180∘180^\circ なので、その半分どうしを足すと 90∘90^\circ になるからです。

「条件を満たす点全体を式で表す」考え方は、第6章の軌跡でくわしく学びます。

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問19 ★★★

直線 ℓ:(2k+1)x\ell : (2k + 1)x+(k−1)y{}+ (k - 1)y−4k{}- 4k+1{}+ 1=0{}= 0 と点 A(4, 5)\mathrm{A}(4,\ 5) がある。kk が実数全体を動くとき、点 A と直線 ℓ\ell の距離の最大値と、そのときの kk の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最大値 323\sqrt{2}(kk=−2{}= -2 のとき)

解説

ℓ\ell の式を kk について整理すると

k(2x+y−4)\displaystyle k(2x + y - 4)+(x−y+1)\displaystyle {}+ (x - y + 1)=0\displaystyle {}= 0

2x2x+y{}+ y−4{}- 4=0{}= 0 と xx−y{}- y+1{}+ 1=0{}= 0 を連立すると、足して 3x3x−3{}- 3=0{}= 0、xx=1{}= 1、yy=2{}= 2 です。ℓ\ell は kk によらず定点 Q(1, 2)\mathrm{Q}(1,\ 2) を通ります。

A から ℓ\ell に下ろした垂線の足を H とすると、三角形 AHQ(H と Q が異なるとき)は H が直角の直角三角形なので、AH\mathrm{AH}<AQ{}< \mathrm{AQ} です。H と Q が一致するときは AH\mathrm{AH}=AQ{}= \mathrm{AQ} です。よって

(A と ℓ の距離)\displaystyle (\text{A と } \ell \text{ の距離})≦AQ\displaystyle {}\leqq \mathrm{AQ}=(4−1)2+(5−2)2\displaystyle {}= \sqrt{(4 - 1)^2 + (5 - 2)^2}=32\displaystyle {}= 3\sqrt{2}

で、等号は ℓ\ell⊥AQ{}\perp \mathrm{AQ} のときに成り立ちます。

AQ の傾きは 5−24−1\dfrac{5 - 2}{4 - 1}=1{}= 1 なので、ℓ\ell の傾きが −1-1 になる kk を探します。ℓ\ell の傾きは −2k+1k−1-\dfrac{2k + 1}{k - 1}(kk≠1{}\neq 1)なので

−2k+1k−1\displaystyle -\frac{2k + 1}{k - 1}=−1\displaystyle {}= -1⟹2k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2k+1\displaystyle {}+ 1=k\displaystyle {}= k−1\displaystyle {}- 1⟹k\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad k=−2\displaystyle {}= -2

このとき ℓ\ell は −3x-3x−3y{}- 3y+9{}+ 9=0{}= 0、つまり xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0 で、たしかに Q を通り傾きは −1-1 です。公式5で A との距離を求めると ∣4+5−3∣2\dfrac{\lvert 4 + 5 - 3 \rvert}{\sqrt{2}}=62{}= \dfrac{6}{\sqrt{2}}=32{}= 3\sqrt{2} です。

よって、最大値は 32‾\underline{3\sqrt{2}}(k=−2‾\underline{k = -2} のとき)です。

距離を kk の式 ∣9k∣(2k+1)2+(k−1)2\dfrac{\lvert 9k \rvert}{\sqrt{(2k + 1)^2 + (k - 1)^2}} で表して最大値を調べることもできますが、「定点 Q を通る直線までの距離は AQ 以下」と図形で考えると、計算がずっと短くなります。

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問20 ★★★

三角形 ABC の各頂点から、向かい合う辺またはその延長に下ろした 3 本の垂線は、1 点で交わる。このことを、座標を用いて示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

A から BC に下ろした垂線を yy 軸、BC を xx 軸にとり、B,C からの垂線がどちらも点 (0, −bca)\left(0,\ -\dfrac{bc}{a}\right) を通ることを示す(解説を参照)。

解説

第1章 公式5にならって座標軸を置きます。直線 BC を xx 軸、A から BC に下ろした垂線を yy 軸にとり

A(0, a),\displaystyle \mathrm{A}(0,\ a),B(b, 0),\displaystyle \mathrm{B}(b,\ 0),C(c, 0)\displaystyle \mathrm{C}(c,\ 0)(a≠0, b≠c)\displaystyle (a \neq 0,\ b \neq c)

とおきます。A からの垂線は yy 軸、つまり直線 xx=0{}= 0 です。

B からの垂線:直線 AC は 2 点 (0, a)(0,\ a),(c, 0)(c,\ 0) を通るので、axax+cy{}+ cy−ac{}- ac=0{}= 0 と表せます(2 点を代入して確かめられます)。B を通り AC に垂直な直線は、公式2より

c(x−b)\displaystyle c(x - b)−a(y−0)\displaystyle {}- a(y - 0)=0\displaystyle {}= 0つまり\displaystyle \text{つまり}cx\displaystyle cx−ay\displaystyle {}- ay−bc\displaystyle {}- bc=0\displaystyle {}= 0

これと xx=0{}= 0 の交点は、−ay-ay−bc{}- bc=0{}= 0 より (0, −bca)\left(0,\ -\dfrac{bc}{a}\right) です。

C からの垂線:直線 AB は axax+by{}+ by−ab{}- ab=0{}= 0 で、C を通り AB に垂直な直線は

b(x−c)\displaystyle b(x - c)−ay\displaystyle {}- a y=0\displaystyle {}= 0つまり\displaystyle \text{つまり}bx\displaystyle bx−ay\displaystyle {}- ay−bc\displaystyle {}- bc=0\displaystyle {}= 0

これと xx=0{}= 0 の交点も (0, −bca)\left(0,\ -\dfrac{bc}{a}\right) です。

3 本の垂線はどれも点 (0, −bca)\left(0,\ -\dfrac{bc}{a}\right) を通るので、1 点で交わります。(証明終)

この点を三角形の垂心といいます(図形の性質 第2章)。∠A\angle\mathrm{A}=90∘{}= 90^\circ のときは、AB と AC の傾き −ab-\dfrac{a}{b},−ac-\dfrac{a}{c} の積が −1-1 なので bcbc=−a2{}= -a^2 となり、垂心は (0, a)(0,\ a)、つまり A 自身になります。直角三角形の垂心は直角の頂点です。

自己採点:
記録を読み込み中…

数学小話コーナー

2000 年ものの宿題——平行線の公準

この章では「傾きが等しければ平行」とあっさり書きました。けれども「平行」は、数学の歴史の中でもとくに長く議論されてきた言葉です。

紀元前 300 年ごろのユークリッド『原論』は、証明なしに認める約束(公準)を 5 つ置いています。1 つ目から 4 つ目は「2 点を結ぶ直線が引ける」「すべての直角は等しい」のように短いのに、5 つ目だけは長い文でした。現代の言葉に直すと、「2 本の直線に 1 本の直線が交わってできる同じ側の内角の和が 180∘180^\circ より小さければ、2 本の直線はその側で交わる」という内容です。これが平行線の公準で、次の形に言いかえられることが知られています。

「直線 ℓ\ell と、ℓ\ell 上にない点 P があるとき、P を通って ℓ\ell と交わらない直線はただ 1 本である」

この形は、1795 年に『原論』の教科書版を出したスコットランドのプレイフェアにちなんでプレイフェアの公理と呼ばれます(※同じ内容は古代の注釈にもすでに見られる)。この章の言葉で言えば、「点 P を通り、傾きが ℓ\ell と同じ直線はただ 1 本」ということです。

5 つ目の公準は、ほかの 4 つから証明できるはずだと多くの数学者が考え、2000 年近く挑戦が続きました。決着したのは 19 世紀です。ロシアのロバチェフスキー(1829 年)とハンガリーのボヤイ(1832 年)が、それぞれ独立に「P を通る平行線が 2 本以上ある」としても矛盾の起きない幾何学を発表しました。ガウスも同じ考えに早くから気づいていたものの、公表しなかったと手紙に書いています(※どこまで完成していたかは諸説あり)。平行線の公準は「証明できない約束」であり、別の約束を選ぶと別の幾何学ができるとわかったのです。こうした幾何学は非ユークリッド幾何学と呼ばれます。

豆知識

地球の表面では、2 点を結ぶ最短の道は、地球の中心を通る平面で切った大きな円(大円)の一部になります。これを「まっすぐな線」と考えると、平行線は 1 本もありません。赤道とどちらも直角に交わる 2 本の経線は、赤道の近くでは平行に見えますが、北極で必ず交わります。北極と、赤道上で経度が 90∘90^\circ 離れた 2 点を結ぶ三角形は、3 つの角がどれも 90∘90^\circ で、内角の和は 270∘270^\circ です。座標平面で「傾きが同じなら交わらない」「内角の和は 180∘180^\circ」が成り立つのは、平らな面の約束の上で考えているからです。

結び目 12 個の縄で直角を作る

広い地面に正確な直角を作るには、どうすればよいでしょうか。大きな三角定規はありません。よく紹介されるのが、等しい間隔で 12 個の結び目を作った輪の縄を使う方法です。結び目の間隔 33 つ分、44 つ分、55 つ分の 3 辺になるように縄をぴんと張ると、323^2+42{}+ 4^2=52{}= 5^2 なので、三平方の定理の逆により、長さ 33 と 44 の辺のあいだが直角になります。

古代エジプトでは、神殿や畑の区画を測る人々がこの方法を使ったとよくいわれます。ギリシャの文献に「縄を張る人」という呼び名が残っているのが根拠の 1 つですが、彼らが 3:4:53 : 4 : 5 の縄を使ったとはっきり書いた古代の記録は見つかっていません(※諸説あり)。

この縄の三角形を座標平面に置いて、この章の公式で確かめてみましょう。直角の頂点を原点に置き、長さ 33 の辺を傾き 43\dfrac{4}{3} の向きに張ると、その端は (95, 125)\left(\dfrac{9}{5},\ \dfrac{12}{5}\right) です。長さ 44 の辺を傾き −34-\dfrac{3}{4} の向きに張ると、その端は (−165, 125)\left(-\dfrac{16}{5},\ \dfrac{12}{5}\right) です。原点からの距離はそれぞれ 81+14425\sqrt{\dfrac{81 + 144}{25}}=3{}= 3、256+14425\sqrt{\dfrac{256 + 144}{25}}=4{}= 4 で、2 つの端は yy 座標が同じなので、あいだの距離は 95\dfrac{9}{5}+165{}+ \dfrac{16}{5}=5{}= 5 です。傾きの積は 43⋅(−34)\dfrac{4}{3} \cdot \left(-\dfrac{3}{4}\right)=−1{}= -1 で、公式1のとおり垂直になっています。三平方の定理の逆と公式1は、同じ直角を別の言葉で言い表しているのです。本文で公式1を導いたときも、三平方の定理の逆を使いました。

豆知識

今の建築現場でも、建物の位置を地面に写す「遣り方(やりかた)」の作業で、33,44,55 の長さを使って直角を確かめることがあるそうです(※現場によって方法は異なる)。長方形の区画ができたら、2 本の対角線の長さを測って比べるのも定番の確認方法です。平行四辺形の対角線の長さが等しいのは長方形のときだけなので、対角線がそろえば 4 つの角が直角だとわかります。

地図の線を間引く——ダグラス・ポーカーの方法

スマートフォンで走ったコースを記録すると、GPS の位置が数秒ごとに保存され、1 時間で何千もの点がたまります。これをそのまま地図に描くと、データが重いうえに、細かいぶれまで描かれてしまいます。形を崩さずに点を減らす方法として広く使われているのが、ダグラス・ポーカーのアルゴリズムです。1972 年にラマーが、1973 年にダグラスとポーカーが地図学の雑誌で発表した方法で、点と直線の距離が主役です。

手順はこうです。

  1. 折れ線の最初の点と最後の点を直線で結ぶ。
  2. あいだの点のうち、その直線から最も遠い点を探す。
  3. その距離があらかじめ決めた許容幅 ε\varepsilon 以下なら、あいだの点をすべて捨てる。ε\varepsilon より大きければ、その点を残し、折れ線をその点で 2 つに分けて、それぞれに 1 からくり返す。

小さな例でやってみます。4 点 P0(0, 0)\mathrm{P}_0(0,\ 0),P1(2, 1)\mathrm{P}_1(2,\ 1),P2(4, 1)\mathrm{P}_2(4,\ 1),P3(6, 3)\mathrm{P}_3(6,\ 3) を、ε\varepsilon=0.5{}= 0.5 で間引きます。

P0\mathrm{P}_0 と P3\mathrm{P}_3 を結ぶ直線は xx−2y{}- 2y=0{}= 0 です。公式5で距離を測ると、P1\mathrm{P}_1 は ∣2−2∣5\dfrac{\lvert 2 - 2 \rvert}{\sqrt{5}}=0{}= 0、P2\mathrm{P}_2 は ∣4−2∣5\dfrac{\lvert 4 - 2 \rvert}{\sqrt{5}}≒0.89{}\fallingdotseq 0.89 です。0.890.89>0.5{}> 0.5 なので P2\mathrm{P}_2 を残し、P0\mathrm{P}_0∼P2{}\sim \mathrm{P}_2 と P2\mathrm{P}_2∼P3{}\sim \mathrm{P}_3 に分けます。

P0\mathrm{P}_0 と P2\mathrm{P}_2 を結ぶ直線は xx−4y{}- 4y=0{}= 0 で、P1\mathrm{P}_1 との距離は ∣2−4∣17\dfrac{\lvert 2 - 4 \rvert}{\sqrt{17}}≒0.49{}\fallingdotseq 0.49 です。0.50.5 以下なので P1\mathrm{P}_1 は捨てます。P2\mathrm{P}_2∼P3{}\sim \mathrm{P}_3 のあいだには点がありません。

結果は P0\mathrm{P}_0,P2\mathrm{P}_2,P3\mathrm{P}_3 の 3 点です。P1\mathrm{P}_1 は、はじめの直線 P0P3\mathrm{P}_0\mathrm{P}_3 から見ると距離 00 でしたが、線を分けたあとは直線 P0P2\mathrm{P}_0\mathrm{P}_2 から測り直されています。どの点を残すかは、いつも「今の直線から見た距離」で決まるのです。

豆知識

手順 2 で「最も遠い点」を探すとき、比べる直線は 1 本に決まっているので、分母の a2+b2\sqrt{a^2 + b^2} はどの点でも同じです。そのため、実際のプログラムでは、分子の ∣ax+by+c∣\lvert ax + by + c \rvert だけを比べて最も遠い点を選び、ε\varepsilon と比べるときだけ分母で割る、という工夫ができます。平方根の計算は足し算やかけ算よりずっと時間がかかるので、点が何万個もあるときには効いてきます。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の公式1〜5が使えれば十分です。「傾きの積が −1-1 になるのはなぜ?」「縦の直線が混じっても一般形の条件は正しいの?」「垂線の長さが本当にいちばん短いの?」が気になる人のために、根拠を紹介します。

この章では、第1章・第2章の厳密定義(直交座標、直線と一次方程式の対応、同じ直線を表す一般形)を前提にします。三平方の定理とその逆、平行移動で 2 点間の距離や角の大きさが変わらないことは、中学校と図形の性質で学んだものとして使います。

平行と垂直の定義

定義1:2 直線の平行・垂直

2 直線 ℓ1\ell_1,ℓ2\ell_2 が共有点をもたないか、または一致するとき、ℓ1\ell_1 と ℓ2\ell_2 は平行であるという。

2 直線 ℓ1\ell_1,ℓ2\ell_2 が 1 点で交わり、交わってできる角が直角であるとき、ℓ1\ell_1 と ℓ2\ell_2 は垂直であるという。

2 直線が 1 点で交わると 4 つの角ができますが、向かい合う角は等しく、隣り合う角の和は 180∘180^\circ なので、1 つが直角なら 4 つとも直角です。どの角で調べてもかまいません。

一致する場合を平行に含めるかどうかは、本によって違います。この章では、条件式 m1m_1=m2{}= m_2 や a1b2a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1=0{}= 0 と正確に対応させるために含めています。

傾きによる条件

定理1:傾きによる平行・垂直の条件

(1) 2 直線 ℓ1:y\ell_1 : y=m1x{}= m_1 x+n1{}+ n_1,ℓ2:y\ell_2 : y=m2x{}= m_2 x+n2{}+ n_2 が平行であるための必要十分条件は m1m_1=m2{}= m_2、垂直であるための必要十分条件は m1m2m_1 m_2=−1{}= -1 である。

(2) 縦の直線 xx=p{}= p と平行な直線は縦の直線だけであり、xx=p{}= p と垂直な直線は横の直線 yy=q{}= q だけである。

証明 (1) 平行について。共有点の xx 座標は m1xm_1 x+n1{}+ n_1=m2x{}= m_2 x+n2{}+ n_2、つまり (m1−m2)x(m_1 - m_2)x=n2{}= n_2−n1{}- n_1 の解である。m1m_1≠m2{}\neq m_2 ならこの解はただ 1 つで、2 直線は 1 点で交わるので平行ではない。m1m_1=m2{}= m_2 のとき、n1n_1=n2{}= n_2 なら 2 直線は一致し、n1n_1≠n2{}\neq n_2 なら解がなく共有点をもたない。どちらも平行である。

垂直について。m1m_1=m2{}= m_2 なら 2 直線は平行で、交わって角を作らないので垂直ではない。このとき m1m2m_1 m_2=m12{}= m_1^2≧0{}\geqq 0 なので m1m2m_1 m_2≠−1{}\neq -1 であり、主張は正しい。

以下 m1m_1≠m2{}\neq m_2 とし、交点を C とする。2 直線をともに C が原点に来るように平行移動すると、傾きは変わらず、角の大きさも変わらないので、ℓ1:y\ell_1 : y=m1x{}= m_1 x,ℓ2:y\ell_2 : y=m2x{}= m_2 x の場合を考えればよい。ℓ1\ell_1 上の点 P(1, m1)\mathrm{P}(1,\ m_1)、ℓ2\ell_2 上の点 Q(1, m2)\mathrm{Q}(1,\ m_2) をとると、O,P,Q は異なる 3 点で

OP2\displaystyle \mathrm{OP}^2+OQ2\displaystyle {}+ \mathrm{OQ}^2−PQ2\displaystyle {}- \mathrm{PQ}^2=(1+m12)\displaystyle {}= (1 + m_1^2)+(1+m22)\displaystyle {}+ (1 + m_2^2)−(m1−m2)2\displaystyle {}- (m_1 - m_2)^2=2(1+m1m2)\displaystyle {}= 2(1 + m_1 m_2)

である。三平方の定理とその逆より、∠POQ\angle\mathrm{POQ}=90∘{}= 90^\circ  ⟺  OP2{}\iff \mathrm{OP}^2+OQ2{}+ \mathrm{OQ}^2=PQ2{}= \mathrm{PQ}^2  ⟺  m1m2{}\iff m_1 m_2=−1{}= -1 となる。

(2) 平行について。縦でない直線 yy=mx{}= mx+n{}+ n は、xx=p{}= p と点 (p, mp+n)(p,\ mp + n) でただ 1 点で交わるので平行ではない。縦の直線 xx=p′{}= p' は、p′p'=p{}= p なら一致し、p′p'≠p{}\neq p なら共有点をもたないので、平行である。

垂直について。縦の直線どうしは平行なので垂直ではない。縦でない直線 ℓ:y\ell : y=mx{}= mx+n{}+ n と xx=p{}= p の交点を C(p, mp+n)\mathrm{C}(p,\ mp + n) とし、ℓ\ell 上の点 D(p+1, mp+n+m)\mathrm{D}(p + 1,\ mp + n + m)、xx=p{}= p 上の点 E(p, mp+n+1)\mathrm{E}(p,\ mp + n + 1) をとる。

CD2\displaystyle \mathrm{CD}^2+CE2\displaystyle {}+ \mathrm{CE}^2−DE2\displaystyle {}- \mathrm{DE}^2=(1+m2)\displaystyle {}= (1 + m^2)+1\displaystyle {}+ 1−{1+(m−1)2}\displaystyle {}- \{1 + (m - 1)^2\}=2m\displaystyle {}= 2m

なので、∠DCE\angle\mathrm{DCE}=90∘{}= 90^\circ  ⟺  m{}\iff m=0{}= 0 である。つまり、xx=p{}= p に垂直なのは横の直線だけである。(証明終)

三角比と三角関数 第9章では、2 直線のなす角 θ\theta を tan⁡θ\tan\theta=∣m1−m21+m1m2∣{}= \left\lvert \dfrac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right\rvert で求めました。定理1の m1m2m_1 m_2=−1{}= -1 は、この式の分母が 00 になって tan⁡θ\tan\theta が定まらない場合、つまり θ\theta=90∘{}= 90^\circ の場合にあたります。加法定理を使う道と、三平方の定理を使う道で、同じ条件にたどり着いたことになります。

一般形による条件

定理2:一般形による平行・垂直の条件

2 直線 ℓ1:a1x\ell_1 : a_1 x+b1y{}+ b_1 y+c1{}+ c_1=0{}= 0,ℓ2:a2x\ell_2 : a_2 x+b2y{}+ b_2 y+c2{}+ c_2=0{}= 0(どちらも xx,yy の係数の少なくとも一方は 00 でない)について

ℓ1 と ℓ2 が平行\displaystyle \ell_1 \text{ と } \ell_2 \text{ が平行}  ⟺  a1b2\displaystyle {}\iff a_1 b_2−a2b1\displaystyle {}- a_2 b_1=0,\displaystyle {}= 0,ℓ1 と ℓ2 が垂直\displaystyle \ell_1 \text{ と } \ell_2 \text{ が垂直}  ⟺  a1a2\displaystyle {}\iff a_1 a_2+b1b2\displaystyle {}+ b_1 b_2=0\displaystyle {}= 0

証明 DD=a1b2{}= a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1,EE=a1a2{}= a_1 a_2+b1b2{}+ b_1 b_2 とおく。第2章 厳密定義の定理4より、bb≠0{}\neq 0 の直線は傾き −ab-\dfrac{a}{b} の直線、bb=0{}= 0 の直線は縦の直線である。

b1b_1≠0{}\neq 0 かつ b2b_2≠0{}\neq 0 のとき。 定理1 (1) より、平行   ⟺  a1b1\iff \dfrac{a_1}{b_1}=a2b2{}= \dfrac{a_2}{b_2} で、両辺に b1b2b_1 b_2(≠0\neq 0)をかけると DD=0{}= 0 と同値である。垂直   ⟺  a1a2b1b2\iff \dfrac{a_1 a_2}{b_1 b_2}=−1{}= -1 で、両辺に b1b2b_1 b_2 をかけると EE=0{}= 0 と同値である。

b1b_1=0{}= 0 のとき。 このとき a1a_1≠0{}\neq 0 で、ℓ1\ell_1 は縦の直線であり、DD=a1b2{}= a_1 b_2,EE=a1a2{}= a_1 a_2 である。定理1 (2) より

ℓ2 が ℓ1 と平行\displaystyle \ell_2 \text{ が } \ell_1 \text{ と平行}  ⟺  ℓ2 が縦\displaystyle {}\iff \ell_2 \text{ が縦}  ⟺  b2\displaystyle {}\iff b_2=0\displaystyle {}= 0  ⟺  D\displaystyle {}\iff D=0\displaystyle {}= 0ℓ2 が ℓ1 と垂直\displaystyle \ell_2 \text{ が } \ell_1 \text{ と垂直}  ⟺  ℓ2 が横\displaystyle {}\iff \ell_2 \text{ が横}  ⟺  a2\displaystyle {}\iff a_2=0\displaystyle {}= 0  ⟺  E\displaystyle {}\iff E=0\displaystyle {}= 0

である(ℓ2\ell_2 が横の直線であることは、a2a_2=0{}= 0 と同値である)。

b2b_2=0{}= 0 のときも、ℓ1\ell_1 と ℓ2\ell_2 の役割を入れかえれば同じである(DD は符号が変わるだけ、EE は変わらない)。(証明終)

DD=0{}= 0 のとき、2 直線が一致するかどうかは定数項まで見る必要があります。第2章 厳密定義の定理5より、一致するのは (a2, b2, c2)(a_2,\ b_2,\ c_2)=k(a1, b1, c1){}= k(a_1,\ b_1,\ c_1) となる 00 でない kk があるときです。

交点と、交点を通る直線

定理3:交点と、交点を通る直線

定理2の記号で、f(x, y)f(x,\ y)=a1x{}= a_1 x+b1y{}+ b_1 y+c1{}+ c_1,g(x, y)g(x,\ y)=a2x{}= a_2 x+b2y{}+ b_2 y+c2{}+ c_2 とし、DD=a1b2{}= a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1 とおく。

(1) DD≠0{}\neq 0 のとき、ℓ1\ell_1 と ℓ2\ell_2 はただ 1 点

X0(b1c2−b2c1D, c1a2−c2a1D)\mathrm{X}_0\left(\frac{b_1 c_2 - b_2 c_1}{D},\ \frac{c_1 a_2 - c_2 a_1}{D}\right)

で交わる。DD=0{}= 0 のとき、ℓ1\ell_1 と ℓ2\ell_2 は共有点をもたないか、一致する。

(2) DD≠0{}\neq 0 のとき、どの実数 kk に対しても、k f(x, y)k\,f(x,\ y)+g(x, y){}+ g(x,\ y)=0{}= 0 は X0\mathrm{X}_0 を通る直線を表す。逆に、X0\mathrm{X}_0 を通る直線で ℓ1\ell_1 と異なるものは、ある kk を用いてこの形に表される。

証明 (1) (x, y)(x,\ y) が 2 直線の共有点であるとする。ff=0{}= 0 の両辺に b2b_2、gg=0{}= 0 の両辺に b1b_1 をかけて引くと

(a1b2−a2b1)x\displaystyle (a_1 b_2 - a_2 b_1)x+(c1b2−c2b1)\displaystyle {}+ (c_1 b_2 - c_2 b_1)=0\displaystyle {}= 0

同様に、ff=0{}= 0 の両辺に a2a_2、gg=0{}= 0 の両辺に a1a_1 をかけて引くと

(b1a2−b2a1)y\displaystyle (b_1 a_2 - b_2 a_1)y+(c1a2−c2a1)\displaystyle {}+ (c_1 a_2 - c_2 a_1)=0\displaystyle {}= 0

となる。DD≠0{}\neq 0 なら、共有点は X0\mathrm{X}_0 以外にありえない。逆に X0\mathrm{X}_0 の座標を ff に代入すると

a1(b1c2−b2c1)+b1(c1a2−c2a1)D\displaystyle \frac{a_1(b_1 c_2 - b_2 c_1) + b_1(c_1 a_2 - c_2 a_1)}{D}+c1\displaystyle {}+ c_1=−c1(a1b2−a2b1)D\displaystyle {}= \frac{-c_1(a_1 b_2 - a_2 b_1)}{D}+c1\displaystyle {}+ c_1=0\displaystyle {}= 0

であり、gg についても同様に 00 になるので、X0\mathrm{X}_0 はたしかに共有点である。DD=0{}= 0 のときは、定理2より 2 直線は平行なので、定義1より共有点をもたないか一致する。

(2) k fk\,f+g{}+ g=(ka1+a2)x{}= (ka_1 + a_2)x+(kb1+b2)y{}+ (kb_1 + b_2)y+(kc1+c2){}+ (kc_1 + c_2) である。xx,yy の係数がともに 00 だとすると、a2a_2=−ka1{}= -ka_1,b2b_2=−kb1{}= -kb_1 で、DD=a1(−kb1){}= a_1(-kb_1)−(−ka1)b1{}- (-ka_1)b_1=0{}= 0 となり、DD≠0{}\neq 0 に反する。よって、第2章 厳密定義の定理4より、k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 は直線を表す。X0\mathrm{X}_0 では ff=g{}= g=0{}= 0 なので、この直線は X0\mathrm{X}_0 を通る。

逆に、X0\mathrm{X}_0 を通り ℓ1\ell_1 と異なる直線 hh をとる。hh 上に X0\mathrm{X}_0 と異なる点 R(r, s)\mathrm{R}(r,\ s) をとる。もし f(r, s)f(r,\ s)=0{}= 0 なら、R と X0\mathrm{X}_0 はともに ℓ1\ell_1 上にもあり、異なる 2 点を通る直線はただ 1 本なので hh=ℓ1{}= \ell_1 となって仮定に反する。よって f(r, s)f(r,\ s)≠0{}\neq 0 であり、kk=−g(r, s)f(r, s){}= -\dfrac{g(r,\ s)}{f(r,\ s)} とおくと、直線 k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 は X0\mathrm{X}_0 と R を通る。異なる 2 点を通る直線はただ 1 本なので、これは hh に一致する。(証明終)

(2) の後半は、第2章 厳密定義の定理6(直線の束)を、「交点を通る直線」の言葉で言い直したものです。ℓ1\ell_1 だけが除かれるのは、kk をどれだけ大きくしても gg の分が消えないからでした。ℓ1\ell_1 も含めて表したいときは、第2章のように λf\lambda f+μg{}+ \mu g=0{}= 0(λ\lambda,μ\mu は同時には 00 でない)とします。

点と直線の距離

定義2:垂線の足と、点と直線の距離

点 P と直線 ℓ\ell があるとき、P を通り ℓ\ell に垂直な直線と ℓ\ell の交点 H を、P から ℓ\ell に下ろした垂線の足という。線分 PH の長さを、点 P と直線 ℓ\ell の距離という。P が ℓ\ell 上にあるときは H\mathrm{H}=P{}= \mathrm{P} とし、距離は 00 とする。

ℓ:ax\ell : ax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 のとき、P を通り ℓ\ell に垂直な直線は b(x−x1)b(x - x_1)−a(y−y1){}- a(y - y_1)=0{}= 0 です(定理2で a⋅ba \cdot b+b⋅(−a){}+ b \cdot (-a)=0{}= 0)。この 2 直線の DD は a⋅(−a)a \cdot (-a)−b⋅b{}- b \cdot b=−(a2+b2){}= -(a^2 + b^2)≠0{}\neq 0 なので、定理3より H はただ 1 つに決まります。

定理4:点と直線の距離の公式と最短性

点 P(x1, y1)\mathrm{P}(x_1,\ y_1) と直線 ℓ:ax\ell : ax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0(aa,bb の少なくとも一方は 00 でない)について、ee=ax1{}= ax_1+by1{}+ by_1+c{}+ c とおく。ℓ\ell 上のすべての点 X に対して

PX\displaystyle \mathrm{PX}≧∣e∣a2+b2\displaystyle {}\geqq \frac{\lvert e \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}}

が成り立ち、等号が成り立つのは X が P から ℓ\ell に下ろした垂線の足 H のときに限る。とくに、P と ℓ\ell の距離は ∣e∣a2+b2\dfrac{\lvert e \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}} である。

証明 X の座標を (x, y)(x,\ y) とし、ss=x{}= x−x1{}- x_1,tt=y{}= y−y1{}- y_1 とおく。X は ℓ\ell 上にあるので

as\displaystyle as+bt\displaystyle {}+ bt=(ax+by)\displaystyle {}= (ax + by)−(ax1+by1)\displaystyle {}- (ax_1 + by_1)=−c\displaystyle {}= -c−(ax1+by1)\displaystyle {}- (ax_1 + by_1)=−e\displaystyle {}= -e

である。ここで、展開して比べると確かめられる恒等式

(a2+b2)(s2+t2)\displaystyle (a^2 + b^2)(s^2 + t^2)=(as+bt)2\displaystyle {}= (as + bt)^2+(bs−at)2\displaystyle {}+ (bs - at)^2

を使うと

PX2\displaystyle \mathrm{PX}^2=s2\displaystyle {}= s^2+t2\displaystyle {}+ t^2=e2+(bs−at)2a2+b2\displaystyle {}= \frac{e^2 + (bs - at)^2}{a^2 + b^2}≧e2a2+b2\displaystyle {}\geqq \frac{e^2}{a^2 + b^2}

となり、不等式が得られる。等号が成り立つのは bsbs−at{}- at=0{}= 0、つまり

b(x−x1)\displaystyle b(x - x_1)−a(y−y1)\displaystyle {}- a(y - y_1)=0\displaystyle {}= 0

のときである。これは P を通り ℓ\ell に垂直な直線(定義2のあとで見た直線)の方程式である。したがって、等号が成り立つのは、X が ℓ\ell 上にあり、かつ P を通る垂線上にあるとき、つまり X = H のときに限る。H で等号が成り立つので、PH\mathrm{PH}=∣e∣a2+b2{}= \dfrac{\lvert e \rvert}{\sqrt{a^2 + b^2}} である。(証明終)

証明に使った恒等式は、数と式 第10章のコーシー・シュワルツの不等式 (a2+b2)(s2+t2)(a^2 + b^2)(s^2 + t^2)≧(as+bt)2{}\geqq (as + bt)^2 の、等号とのずれまで書き出した形です。点と直線の距離の公式は、本文では「平行移動して、原点から垂線の足を求める」方法で、ベクトル 第6章では「正射影」で導きました。定理4はそれらと違い、「垂線の足までの長さがいちばん短い」ことまで、式の変形だけで一緒に示しています。

座標による三角形の面積

定理5:座標による三角形の面積

原点 O と 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) が一直線上にないとき、三角形 OAB の面積 SS は

S\displaystyle S=12∣x1y2−x2y1∣\displaystyle {}= \frac{1}{2}\lvert x_1 y_2 - x_2 y_1 \rvert

である。一般に、3 点 (p1, q1)(p_1,\ q_1),(p2, q2)(p_2,\ q_2),(p3, q3)(p_3,\ q_3) を頂点とする三角形の面積は、x1x_1=p2{}= p_2−p1{}- p_1,y1y_1=q2{}= q_2−q1{}- q_1,x2x_2=p3{}= p_3−p1{}- p_1,y2y_2=q3{}= q_3−q1{}- q_1 とおいて、同じ式で求められる。

証明 A は O と異なるので、x1x_1,y1y_1 の少なくとも一方は 00 でない。直線 OA は y1xy_1 x−x1y{}- x_1 y=0{}= 0 で表される(O と A を代入すると 00 になり、第2章 厳密定義の定理4 (2) より直線を表す)。OA を底辺とすると、高さは B と直線 OA の距離なので、定理4より

S\displaystyle S=12⋅x12+y12⋅∣y1x2−x1y2∣y12+(−x1)2\displaystyle {}= \frac{1}{2} \cdot \sqrt{x_1^2 + y_1^2} \cdot \frac{\lvert y_1 x_2 - x_1 y_2 \rvert}{\sqrt{y_1^2 + (-x_1)^2}}=12∣x1y2−x2y1∣\displaystyle {}= \frac{1}{2}\lvert x_1 y_2 - x_2 y_1 \rvert

後半は、頂点 (p1, q1)(p_1,\ q_1) が原点に来るように平行移動すれば、面積を変えずに前半の場合に帰着する。(証明終)

O,A,B が一直線上にあるときは、B が直線 OA 上にあるので x1y2x_1 y_2−x2y1{}- x_2 y_1=0{}= 0 となり、「面積 00」と考えれば式はそのまま成り立ちます。これは、第2章 厳密定義の定理2(3 点が一直線上にある条件)で A を原点にしたものです。x1y2x_1 y_2−x2y1{}- x_2 y_1 は、大学で学ぶ「行列式」と呼ばれる量の、いちばん小さな場合にあたります。本文の DD=a1b2{}= a_1 b_2−a2b1{}- a_2 b_1 も同じ形をしています。

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