目次 / 図形と方程式 / 数学II

第2章 直線の方程式

—— 「傾き」と「通る 1 点」から、直線を 1 本の式で言い表す ——

第1章では、点を座標で表しました。この章では、点がまっすぐに並んだ図形である直線を方程式で表します。出発点は「傾きと、通る 1 点」です。そこから 2 点を通る直線、座標軸に平行な直線を求め、すべての直線をまとめて表せる一般形 $ax + by + c = 0$ との行き来を練習します。さらに、$x$ 軸・$y$ 軸との交点から直線を決める切片形と、文字 $k$ の値によらずに決まった点を通る直線の見つけ方を学びます。

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傾きと通る 1 点で決まる直線

中学校では、一次関数 yy=ax{}= ax+b{}+ b のグラフが直線になることを学びました。aa が傾き、bb が切片です。この章では記号を少し変えて、傾きを mm で表します(aa,bb は、あとで一般形の係数に使うためです)。

傾きとは、直線上を右へ進んだときに、どれだけ上がるかの割合でした。直線上の異なる 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2)(x1x_1≠x2{}\neq x_2)をとると

m\displaystyle m=y2−y1x2−x1\displaystyle {}= \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}

です。直線の上ではどの 2 点を選んでもこの値は変わりません(厳密定義の定理3)。

では、傾きが mm で、点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1) を通る直線の方程式を作りましょう。直線上の A 以外の点を P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とすると、A と P から計算した傾きも mm なので

y−y1x−x1\displaystyle \frac{y - y_1}{x - x_1}=m\displaystyle {}= m⟹y\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad y−y1\displaystyle {}- y_1=m(x−x1)\displaystyle {}= m(x - x_1)

となります。分母を払った右の式は、xx=x1{}= x_1,yy=y1{}= y_1(点 A そのもの)でも成り立つので、直線上のすべての点がこの式を満たします。

傾きは角度とも結びつきます。直線が xx 軸の正の向きとなす角を θ\theta(0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta<180∘{}< 180^\circ)とします。図のように横に x2x_2−x1{}- x_1 進むと縦に y2y_2−y1{}- y_1 進むので、三角比 第1・2章の tan⁡\tan の定義から mm=tan⁡θ{}= \tan\theta です。右上がりなら θ\theta は鋭角で mm>0{}> 0、右下がりなら鈍角で mm<0{}< 0 です。

x y O A(x₁, y₁) B(x₂, y₂) x₂ − x₁ y₂ − y₁ θ θ m = (y₂ − y₁) / (x₂ − x₁) = tan θ
公式1:傾きと通る 1 点で決まる直線

点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1) を通り、傾きが mm の直線の方程式は

y\displaystyle y−y1\displaystyle {}- y_1=m(x−x1)\displaystyle {}= m(x - x_1)

直線が xx 軸の正の向きとなす角を θ\theta とすると、mm=tan⁡θ{}= \tan\theta です(θ\theta≠90∘{}\neq 90^\circ)。

階段を思い浮かべてください。どの段も「奥へ 2525 cm 進むと、1818 cm 上がる」ように作られていれば、段の角を結んだ線はまっすぐになり、その傾きは 1825\dfrac{18}{25} です。途中で 1 段だけ高さが違うと、そこで線が折れてしまいます。「どこで測っても上がり方の割合が同じ」ことが、直線であることの正体です。公式1は、「スタートの段(点 A)」と「上がり方の割合(mm)」を伝えれば、階段全体の形が決まることを式にしたものです。

直線は「通る 1 点」と「傾き」で決まり、その方程式は yy−y1{}- y_1=m(x−x1){}= m(x - x_1) で、傾きは xx 軸の正の向きとなす角の tan⁡\tan でもあるということです。

例題1:傾きと通る点から直線を求める

次の直線の方程式を求めなさい。

(1) 点 (2, −1)(2,\ -1) を通り、傾きが 33 の直線

(2) 点 (−3, 4)(-3,\ 4) を通り、傾きが −12-\dfrac{1}{2} の直線

(3) 点 (−1, 2)(-1,\ 2) を通り、xx 軸の正の向きと 135∘135^\circ の角をなす直線


【解答】

(1) yy−(−1){}- (-1)=3(x−2){}= 3(x - 2) より yy+1{}+ 1=3x{}= 3x−6{}- 6、よって y=3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = 3x}−7‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 7}

(2) yy−4{}- 4=−12{x−(−3)}{}= -\dfrac{1}{2}\{x - (-3)\} より

y\displaystyle y=−12x\displaystyle {}= -\frac{1}{2}x−32\displaystyle {}- \frac{3}{2}+4\displaystyle {}+ 4⟹y=−12x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = -\frac{1}{2}x}+52‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ \frac{5}{2}}

(3) 傾きは tan⁡135∘\tan 135^\circ=−1{}= -1 です。yy−2{}- 2=−1⋅{x−(−1)}{}= -1 \cdot \{x - (-1)\} より y=−x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}y = -x}+1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}{}+ 1}

求めた式に通る点を代入して確かめる習慣をつけましょう。(2) なら xx=−3{}= -3 のとき yy=32{}= \dfrac{3}{2}+52{}+ \dfrac{5}{2}=4{}= 4 で、たしかに点 (−3, 4)(-3,\ 4) を通ります。

2 点を通る直線と、座標軸に平行な直線

異なる 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) を通る直線は、ただ 1 本に決まります。x1x_1≠x2{}\neq x_2 なら、まず 2 点から傾き y2−y1x2−x1\dfrac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1} を計算し、公式1に A の座標と一緒に入れれば方程式ができます。

注意が要るのは x1x_1=x2{}= x_2 のときです。2 点は縦に並んでいて、傾きの分母が 00 になり、傾きは考えられません。この直線上の点は、yy 座標がどんな値でも xx 座標はいつも x1x_1 なので、方程式は xx=x1{}= x_1 です。この直線は yy 軸に平行で、xx 軸に垂直です。

同じように、y1y_1=y2{}= y_2 のときは傾きが 00 で、公式1から yy=y1{}= y_1 となります。これは xx 軸に平行な直線です。

2 点を通る直線がわかると、3 点が一直線上にあるかも調べられます。3 点 A,B,C について、直線 AB の傾きと直線 AC の傾きが等しければ、2 本の直線は傾きも通る点 A も同じなので、同じ直線です。分母が 00 になる場合も含めて 1 つの式で書きたいときは、分母を払った形を使います。

公式2:2 点を通る直線と、3 点が一直線上にある条件

異なる 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) を通る直線の方程式は

x1\displaystyle x_1≠x2 のとき\displaystyle {}\neq x_2 \ \text{のとき}y\displaystyle y−y1\displaystyle {}- y_1=y2−y1x2−x1(x−x1)\displaystyle {}= \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}(x - x_1)x1\displaystyle x_1=x2 のとき\displaystyle {}= x_2 \ \text{のとき}x\displaystyle x=x1\displaystyle {}= x_1

点 (p, q)(p,\ q) を通り xx 軸に平行な直線は yy=q{}= q、yy 軸に平行な直線は xx=p{}= p です。

異なる 3 点 A,B,C(x3, y3)\mathrm{C}(x_3,\ y_3) が一直線上にあるための条件は

(x2−x1)(y3−y1)\displaystyle (x_2 - x_1)(y_3 - y_1)−(x3−x1)(y2−y1)\displaystyle {}- (x_3 - x_1)(y_2 - y_1)=0\displaystyle {}= 0

(x1x_1≠x2{}\neq x_2,x1x_1≠x3{}\neq x_3 なら「AB と AC の傾きが等しい」と同じ)

エスカレーターを作るときは、1 階の乗り口と 2 階の降り口の位置を先に決めます。2 か所が決まれば、「高さの差 ÷ 水平の距離」で傾きが決まり、あとはその傾きで乗り口からまっすぐ伸ばすだけです。公式2の 1 つ目の式は、「2 点から傾きを出す」と「1 点と傾きで直線を作る(公式1)」を順番にしているだけです。ただし、乗り口の真上に降り口がある場合は、エスカレーターではなくエレベーターになります。このときだけは傾きが使えず、xx=x1{}= x_1 という「縦の直線」で表します。

2 点を通る直線は、2 点から傾きを出して公式1に入れれば求められ、2 点の xx 座標が等しいときだけは xx=x1{}= x_1 になるということです。

例題2:2 点を通る直線

次の 2 点を通る直線の方程式を、それぞれ求めなさい。

(1) (1, 3)(1,\ 3),(4, −3)(4,\ -3)

(2) (−2, 5)(-2,\ 5),(−2, −1)(-2,\ -1)

(3) (−1, 2)(-1,\ 2),(3, 2)(3,\ 2)


【解答】

(1) 傾きは −3−34−1\dfrac{-3 - 3}{4 - 1}=−2{}= -2 です。yy−3{}- 3=−2(x−1){}= -2(x - 1) より y=−2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = -2x}+5‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 5}

(2) 2 点の xx 座標がどちらも −2-2 なので、x=−2‾\underline{x = -2}

(3) 2 点の yy 座標がどちらも 22 なので、傾きは 00 で y=2‾\underline{y = 2}

(1) で点 (4, −3)(4,\ -3) を公式1に入れても、yy+3{}+ 3=−2(x−4){}= -2(x - 4) から同じ yy=−2x{}= -2x+5{}+ 5 になります。どちらの点を使ってもかまいません。

例題3:3 点が一直線上にある条件

3 点 A(−1, 5)\mathrm{A}(-1,\ 5),B(2, −1)\mathrm{B}(2,\ -1),C(a, −5)\mathrm{C}(a,\ -5) が一直線上にあるように、定数 aa の値を定めなさい。


【解答】

直線 AB の傾きは −1−52−(−1)\dfrac{-1 - 5}{2 - (-1)}=−2{}= -2 で、方程式は yy−5{}- 5=−2(x+1){}= -2(x + 1)、つまり yy=−2x{}= -2x+3{}+ 3 です。C がこの直線上にあればよいので

−5\displaystyle -5=−2a\displaystyle {}= -2a+3\displaystyle {}+ 3⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=4\displaystyle {}= 4

よって a=4‾\underline{a = 4} です。

公式2の条件式を使っても確かめられます。

{2−(−1)}{−5−5}\displaystyle \{2 - (-1)\}\{-5 - 5\}−(a+1)(−1−5)\displaystyle {}- (a + 1)(-1 - 5)=−30\displaystyle {}= -30+6(a+1)\displaystyle {}+ 6(a + 1)=6a\displaystyle {}= 6a−24\displaystyle {}- 24

これが 00 になるのは aa=4{}= 4 のときで、同じ答えです。傾きを使う方法では「aa=−1{}= -1 なら AC の傾きが考えられない」と別に調べる必要がありますが、条件式ならその心配がありません(aa=−1{}= -1 のとき左辺は −24-24≠0{}\neq 0)。

一般形 ax + by + c = 0

公式1の直線は、式を移項すれば mxmx−y{}- y+(y1−mx1){}+ (y_1 - mx_1)=0{}= 0 となり、xx=x1{}= x_1 も xx−x1{}- x_1=0{}= 0 と書けます。どちらも

ax\displaystyle ax+by\displaystyle {}+ by+c\displaystyle {}+ c=0\displaystyle {}= 0

の形です。この形を直線の方程式の一般形といいます。aa=b{}= b=0{}= 0 だと式に xx も yy も残らないので、「aa,bb の少なくとも一方は 00 でない」とします。

逆に、一般形の方程式が与えられたら、それは必ず直線を表します(厳密定義の定理4)。

yy=mx{}= mx+n{}+ n の形は傾きや切片が読みやすく、一般形は縦の直線も含めてすべての直線を 1 つの形で扱えます。分数を払って係数を整数にしやすいのも一般形のよいところです。

一般形は、第1章で見た「2 点から等しい距離にある点」の条件からも自然に出てきます。距離の 2 乗どうしを等しいとおくと、x2x^2 と y2y^2 が両辺から消えて、xx,yy の一次式が残りました。その点全体は直線になっているのです(例題4 (3))。

公式3:直線の方程式の一般形

すべての直線は

ax\displaystyle ax+by\displaystyle {}+ by+c\displaystyle {}+ c=0\displaystyle {}= 0(a≠0 または b≠0)\displaystyle (a \neq 0 \ \text{または}\ b \neq 0)

の形の方程式で表され、逆にこの形の方程式は直線を表します。

  • bb≠0{}\neq 0 のとき:傾き −ab-\dfrac{a}{b}、yy 切片 −cb-\dfrac{c}{b} の直線
  • bb=0{}= 0 のとき:yy 軸に平行な直線 xx=−ca{}= -\dfrac{c}{a}

両辺に 00 でない同じ数をかけても、表す直線は変わりません。

レシピの分量を思い出してください。カレーの材料が「2 人分」で書かれていても「4 人分」で書かれていても、材料の割合が同じなら同じ味のカレーができます。直線の一般形も同じで、2x2x−y{}- y+3{}+ 3=0{}= 0 と 4x4x−2y{}- 2y+6{}+ 6=0{}= 0 は、係数 a:b:ca : b : c の割合が同じなので同じ直線です(厳密定義の定理5)。答えを書くときは、係数を整数にそろえ、共通の約数で割っておくのが見やすい書き方です。

直線はすべて axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 の形で表せて、bb≠0{}\neq 0 なら yy について解けば傾きと切片が読み取れ、bb=0{}= 0 なら縦の直線になるということです。

例題4:一般形との行き来

(1) 直線 3x3x+2y{}+ 2y−6{}- 6=0{}= 0 の傾き、yy 切片、xx 切片を求めなさい。

(2) 直線 yy=23x{}= \dfrac{2}{3}x−12{}- \dfrac{1}{2} を、係数が整数の一般形で表しなさい。

(3) 2 点 A(−1, 3)\mathrm{A}(-1,\ 3),B(5, −1)\mathrm{B}(5,\ -1) から等しい距離にある点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) 全体が表す図形の方程式を求めなさい。


【解答】

(1) yy について解くと 2y2y=−3x{}= -3x+6{}+ 6、つまり yy=−32x{}= -\dfrac{3}{2}x+3{}+ 3 です。yy=0{}= 0 とおくと 3x3x=6{}= 6 で xx=2{}= 2。よって 傾き‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\text{傾き}} −32,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}\ -\dfrac{3}{2},}  y 切片 3,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ y\ \text{切片}\ 3,}  x 切片 2‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ x\ \text{切片}\ 2}

(2) 分母の 33 と 22 の最小公倍数 66 を両辺にかけて、6y6y=4x{}= 4x−3{}- 3。移項して 4x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}4x}−6y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 6y}−3=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 3 = 0}

(3) PA2\mathrm{PA}^2=PB2{}= \mathrm{PB}^2 より

(x+1)2\displaystyle (x + 1)^2+(y−3)2\displaystyle {}+ (y - 3)^2=(x−5)2\displaystyle {}= (x - 5)^2+(y+1)2\displaystyle {}+ (y + 1)^2x2\displaystyle x^2+2x\displaystyle {}+ 2x+y2\displaystyle {}+ y^2−6y\displaystyle {}- 6y+10\displaystyle {}+ 10=x2\displaystyle {}= x^2−10x\displaystyle {}- 10x+y2\displaystyle {}+ y^2+2y\displaystyle {}+ 2y+26\displaystyle {}+ 26

x2x^2,y2y^2 が消えて 12x12x−8y{}- 8y−16{}- 16=0{}= 0。両辺を 44 で割って 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}−2y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2y}−4=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4 = 0}

(3) の直線は、線分 AB の中点 (2, 1)(2,\ 1) を通ります(66−2{}- 2−4{}- 4=0{}= 0)。この直線の傾きは 32\dfrac{3}{2}、直線 AB の傾きは −23-\dfrac{2}{3} で、かけると −1-1 になります。実はこの直線は AB の垂直二等分線で、「傾きの積が −1-1」の意味は第3章で学びます。

切片形——座標軸との交点から直線を決める

直線が xx 軸と点 (a, 0)(a,\ 0) で、yy 軸と点 (0, b)(0,\ b) で交わるとき、aa を xx 切片、bb を yy 切片といいます。aa≠0{}\neq 0,bb≠0{}\neq 0 なら、2 点を通る直線として傾きは b−00−a\dfrac{b - 0}{0 - a}=−ba{}= -\dfrac{b}{a} で、yy 切片が bb なので

y\displaystyle y=−bax\displaystyle {}= -\frac{b}{a}x+b\displaystyle {}+ b

です。両辺を bb で割って移項すると、xx と yy が対等に並んだきれいな形になります。

x y O (a, 0) (0, b) x 切片 a y 切片 b x/a + y/b = 1
公式4:切片形

xx 切片が aa、yy 切片が bb の直線(aa≠0{}\neq 0,bb≠0{}\neq 0)の方程式は

xa\displaystyle \frac{x}{a}+yb\displaystyle {}+ \frac{y}{b}=1\displaystyle {}= 1

この直線と xx 軸・yy 軸で囲まれる三角形の面積は 12∣a∣∣b∣\dfrac{1}{2}\lvert a \rvert \lvert b \rvert です。

壁にはしごを立てかけた場面を横から見ると、はしごは 1 本の線分です。床のどこに足を置き(xx 切片)、壁のどの高さに当てるか(yy 切片)を決めれば、はしごの位置は 1 つに決まります。切片形は、この「床の位置」と「壁の高さ」をそのまま式に書きこむ形です。はしご・床・壁で作る直角三角形の面積がすぐに出せるのも、この形の便利なところです。

ただし、原点を通る直線は xx 切片も yy 切片も 00 なので、切片形では表せません。また、座標軸に平行な直線は、どちらかの軸と交わらないので切片が 1 つしかありません。「切片が等しい直線」のような問題では、この見落としに注意します(例題5 (2))。

xx 軸・yy 軸との交点が (a, 0)(a,\ 0),(0, b)(0,\ b) の直線は xa\dfrac{x}{a}+yb{}+ \dfrac{y}{b}=1{}= 1 で表せて、原点を通る直線だけはこの形に入らないということです。

例題5:切片形

(1) xx 切片が 44、yy 切片が −3-3 の直線の方程式を、一般形で求めなさい。

(2) 点 (2, 3)(2,\ 3) を通り、xx 切片と yy 切片が等しい直線の方程式を求めなさい。


【解答】

(1) 公式4より x4\dfrac{x}{4}+y−3{}+ \dfrac{y}{-3}=1{}= 1。両辺に 1212 をかけて 3x3x−4y{}- 4y=12{}= 12、よって 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}−4y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4y}−12=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 12 = 0}

(2) 切片が 00 かどうかで場合を分けます。

  • 切片がどちらも 00 のとき:直線は原点と点 (2, 3)(2,\ 3) を通るので、yy=32x{}= \dfrac{3}{2}x、つまり 3x3x−2y{}- 2y=0{}= 0 です。
  • 切片がどちらも aa(aa≠0{}\neq 0)のとき:xa\dfrac{x}{a}+ya{}+ \dfrac{y}{a}=1{}= 1、つまり xx+y{}+ y=a{}= a です。点 (2, 3)(2,\ 3) を通るので aa=5{}= 5 で、xx+y{}+ y−5{}- 5=0{}= 0 です。

よって 3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}3x}−2y=0,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2y = 0,}  x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ \ x}+y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ y}−5=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 5 = 0} の 2 本です。

切片形だけで考えると xx+y{}+ y−5{}- 5=0{}= 0 しか出てきません。原点を通る直線を忘れないことがポイントです。

k の値にかかわらず通る点

yy−2{}- 2=k(x−3){}= k(x - 3) という式で、kk にいろいろな値を入れてみます。kk=1{}= 1 なら yy=x{}= x−1{}- 1、kk=−2{}= -2 なら yy=−2x{}= -2x+8{}+ 8 で、どれも違う直線ですが、xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 を入れると両辺が 00 になるので、すべて点 (3, 2)(3,\ 2) を通ります。kk は傾きなので、この式は「点 (3, 2)(3,\ 2) を中心に回転する直線」を表しています。

では、(k+2)x(k + 2)x+(1−k)y{}+ (1 - k)y−k{}- k−8{}- 8=0{}= 0 のように、どこを通るのか見えにくい式ではどうでしょう。数と式 第9章で学んだ「kk の値にかかわらず成り立つ等式」の考え方を使います。式を kk について整理すると

k(x−y−1)\displaystyle k(x - y - 1)+(2x+y−8)\displaystyle {}+ (2x + y - 8)=0\displaystyle {}= 0

となり、xx−y{}- y−1{}- 1=0{}= 0 と 2x2x+y{}+ y−8{}- 8=0{}= 0 を同時に満たす点なら、kk が何であっても等式が成り立ちます(例題6)。

x y O (3, 2) k = 1 k = −2 x − y − 1 = 0 (k では表せない)
公式5:定数 k の値にかかわらず通る点(定点)

直線の方程式が文字 kk を含むとき、kk について整理して

k f(x, y)\displaystyle k\,f(x,\ y)+g(x, y)\displaystyle {}+ g(x,\ y)=0\displaystyle {}= 0

の形にします。これが kk の値にかかわらず成り立つ条件は

f(x, y)\displaystyle f(x,\ y)=0\displaystyle {}= 0かつ\displaystyle \text{かつ}g(x, y)\displaystyle g(x,\ y)=0\displaystyle {}= 0

で、この連立方程式の解がすべての直線が通る点(定点)です。

とくに、yy−q{}- q=k(x−p){}= k(x - p) は点 (p, q)(p,\ q) を通る直線のうち、yy 軸に平行な xx=p{}= p 以外のすべてを表します。

夜の海を照らす灯台を想像してください。光の筋は向きを変えながらぐるぐる回りますが、光が出てくる場所はいつも灯台の一点です。kk は光の筋の向きを決めるつまみで、つまみを回しても出発点は動きません。その「動かない一点」を探すには、つまみ kk が式に効かなくなる場所、つまり kk の係数 f(x, y)f(x,\ y) と残りの部分 g(x, y)g(x,\ y) がどちらも 00 になる場所を探せばよいのです。

ただし、灯台の光にも「どうしても向けられない向き」がある場合があります。k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 の形では、f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 という直線そのものは、どんな kk を選んでも表せません(図の赤い点線)。kk をどれほど大きくしても、gg の影響が小さくなるだけで消えはしないからです。

文字 kk を含む直線が kk によらずに通る点は、kk について整理し、kk の係数と残りの部分をともに 00 とおいた連立方程式を解けば求められるということです。

例題6:定点を通る直線

直線 (k+2)x(k + 2)x+(1−k)y{}+ (1 - k)y−k{}- k−8{}- 8=0{}= 0 は、定数 kk の値にかかわらず定点を通ります。その定点の座標を求めなさい。


【解答】

与えられた式を kk について整理すると

k(x−y−1)\displaystyle k(x - y - 1)+(2x+y−8)\displaystyle {}+ (2x + y - 8)=0\displaystyle {}= 0

これが kk の値にかかわらず成り立つための条件は

x\displaystyle x−y\displaystyle {}- y−1\displaystyle {}- 1=0,\displaystyle {}= 0,2x\displaystyle 2x+y\displaystyle {}+ y−8\displaystyle {}- 8=0\displaystyle {}= 0

2 式を足すと 3x3x−9{}- 9=0{}= 0 で xx=3{}= 3、1 つ目の式から yy=2{}= 2 です。よって、定点は (3, 2)‾\underline{(3,\ 2)} です。

もとの式に xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 を代入すると、3(k+2)3(k + 2)+2(1−k){}+ 2(1 - k)−k{}- k−8{}- 8=3k{}= 3k+6{}+ 6+2{}+ 2−2k{}- 2k−k{}- k−8{}- 8=0{}= 0 となり、たしかに kk によらず成り立ちます。

この定点は、2 直線 xx−y{}- y−1{}- 1=0{}= 0 と 2x2x+y{}+ y−8{}- 8=0{}= 0 の交点です。「2 直線の交点を通る直線」は、第3章でもう一度取り上げます。

この章では、直線を「傾きと 1 点」「2 点」「一般形」「切片形」の 4 通りで表し、文字を含む直線が通る定点を求めました。第3章では、2 本の直線が平行・垂直になる条件、交点、そして点と直線の距離を調べます。例題4 (3) で見つけた「傾きの積が −1-1」の意味も、そこで明らかになります。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

点 (1, −2)(1,\ -2) を通り、傾きが 33 の直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y=3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = 3x}−5‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 5}(yy+2{}+ 2=3(x−1){}= 3(x - 1))

自己採点:
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問2

2 点 (0, 1)(0,\ 1),(2, 5)(2,\ 5) を通る直線の方程式を求めなさい。

答えを見る
答え

y=2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = 2x}+1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 1}(傾き 5−12−0\dfrac{5 - 1}{2 - 0}=2{}= 2、yy 切片 11)

自己採点:
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問3

点 (4, −3)(4,\ -3) を通り、xx 軸に垂直な直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=4‾\underline{x = 4}(yy 軸に平行な直線。xx 座標がいつも 44)

自己採点:
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問4

直線 2x2x−3y{}- 3y+6{}+ 6=0{}= 0 の傾きと yy 切片を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

傾き 23,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\text{傾き}\ \dfrac{2}{3},}  y 切片 2‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ y\ \text{切片}\ 2}(yy=23x{}= \dfrac{2}{3}x+2{}+ 2)

自己採点:
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問5

xx 切片が 33、yy 切片が 22 の直線の方程式を、一般形で求めなさい。

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答え

2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}+3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y}−6=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 6 = 0}(x3\dfrac{x}{3}+y2{}+ \dfrac{y}{2}=1{}= 1 の両辺に 66 をかける)

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) 点 (−2, 3)(-2,\ 3) を通り、傾きが −3-3 の直線

(2) 点 (3, 0)(3,\ 0) を通り、傾きが 13\dfrac{1}{3} の直線

(3) 点 (−1, −4)(-1,\ -4) を通り、xx 軸に平行な直線

上の (1)〜(3) の直線の方程式を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=−3x{}= -3x−3{}- 3 (2) yy=13x{}= \dfrac{1}{3}x−1{}- 1 (3) yy=−4{}= -4

解説

公式1を使います。

(1) yy−3{}- 3=−3{x−(−2)}{}= -3\{x - (-2)\} より yy=−3x{}= -3x−6{}- 6+3{}+ 3、よって y=−3x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = -3x}−3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 3}

(2) yy−0{}- 0=13(x−3){}= \dfrac{1}{3}(x - 3) より y=13x‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}y = \dfrac{1}{3}x}−1‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- 1}

(3) xx 軸に平行な直線は傾きが 00 で、yy 座標がいつも −4-4 なので y=−4‾\underline{y = -4}

(1) は xx=−2{}= -2 を代入すると yy=6{}= 6−3{}- 3=3{}= 3 で、点 (−2, 3)(-2,\ 3) を通ることが確かめられます。

自己採点:
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問2 ★

(1) (−3, 1)(-3,\ 1),(1, 9)(1,\ 9)

(2) (2, −1)(2,\ -1),(−4, 2)(-4,\ 2)

(3) (5, 2)(5,\ 2),(5, −7)(5,\ -7)

上の (1)〜(3) の 2 点を通る直線の方程式を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=2x{}= 2x+7{}+ 7 (2) yy=−12x{}= -\dfrac{1}{2}x (3) xx=5{}= 5

解説

公式2を使います。

(1) 傾きは 9−11−(−3)\dfrac{9 - 1}{1 - (-3)}=84{}= \dfrac{8}{4}=2{}= 2。yy−1{}- 1=2(x+3){}= 2(x + 3) より y=2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}y = 2x}+7‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 7}

(2) 傾きは 2−(−1)−4−2\dfrac{2 - (-1)}{-4 - 2}=3−6{}= \dfrac{3}{-6}=−12{}= -\dfrac{1}{2}。yy+1{}+ 1=−12(x−2){}= -\dfrac{1}{2}(x - 2) より yy=−12x{}= -\dfrac{1}{2}x+1{}+ 1−1{}- 1、よって y=−12x‾\underline{y = -\dfrac{1}{2}x}

(3) 2 点の xx 座標がどちらも 55 なので x=5‾\underline{x = 5}

(2) の直線は原点を通ります。xx=−4{}= -4 を代入すると yy=2{}= 2 で、もう 1 つの点も通ることが確かめられます。

自己採点:
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問3 ★

(1) 点 (2, 1)(2,\ 1) を通り、xx 軸の正の向きと 45∘45^\circ の角をなす直線の方程式

(2) 原点を通り、xx 軸の正の向きと 150∘150^\circ の角をなす直線の方程式

(3) 直線 yy=3 x{}= \sqrt{3}\,x+2{}+ 2 が xx 軸の正の向きとなす角 θ\theta(0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta<180∘{}< 180^\circ)

上の (1)〜(3) を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=x{}= x−1{}- 1 (2) yy=−33x{}= -\dfrac{\sqrt{3}}{3}x (3) θ\theta=60∘{}= 60^\circ

解説

公式1の mm=tan⁡θ{}= \tan\theta を使います。

(1) 傾きは tan⁡45∘\tan 45^\circ=1{}= 1。yy−1{}- 1=1⋅(x−2){}= 1 \cdot (x - 2) より y=x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}y = x}−1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}{}- 1}

(2) 傾きは tan⁡150∘\tan 150^\circ=−13{}= -\dfrac{1}{\sqrt{3}}=−33{}= -\dfrac{\sqrt{3}}{3}。原点を通るので y=−33x‾\underline{y = -\dfrac{\sqrt{3}}{3}x}

(3) 傾きが 3\sqrt{3} なので tan⁡θ\tan\theta=3{}= \sqrt{3}。0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta<180∘{}< 180^\circ でこれを満たすのは θ=60∘‾\underline{\theta = 60^\circ}

(2) は右下がりの直線で、θ\theta が鈍角なので傾きが負になります。

自己採点:
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問4 ★

(1) 直線 3x3x+4y{}+ 4y−12{}- 12=0{}= 0 の傾き、xx 切片、yy 切片

(2) 直線 yy=−23x{}= -\dfrac{2}{3}x+52{}+ \dfrac{5}{2} を、係数が整数の一般形で表した式

(3) 方程式 2x2x−5{}- 5=0{}= 0 が表す直線は、どの点を通り、どの座標軸に平行か

上の (1)〜(3) を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 傾き −34-\dfrac{3}{4}、xx 切片 44、yy 切片 33 (2) 4x4x+6y{}+ 6y−15{}- 15=0{}= 0 (3) 点 (52, 0)\left(\dfrac{5}{2},\ 0\right) を通り yy 軸に平行な直線 xx=52{}= \dfrac{5}{2}

解説

公式3を使います。

(1) yy について解くと 4y4y=−3x{}= -3x+12{}+ 12 より yy=−34x{}= -\dfrac{3}{4}x+3{}+ 3。yy=0{}= 0 とおくと 3x3x=12{}= 12 で xx=4{}= 4。よって 傾き‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\text{傾き}} −34,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}\ -\dfrac{3}{4},}  x 切片 4,‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ x\ \text{切片}\ 4,}  y 切片 3‾\underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ y\ \text{切片}\ 3}

(2) 両辺に 66 をかけて 6y6y=−4x{}= -4x+15{}+ 15。移項して 4x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}4x}+6y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 6y}−15=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 15 = 0}

(3) bb=0{}= 0 の場合で、xx=52{}= \dfrac{5}{2} です。yy がどんな値でも xx 座標は 52\dfrac{5}{2} なので、点 (52, 0) を通り‾\underline{\text{点}\ \left(\dfrac{5}{2},\ 0\right)\ \text{を通り}} y 軸に平行な直線‾\underline{y\ \text{軸に平行な直線}} です。

(1) は xx 切片 44、yy 切片 33 なので、切片形 x4\dfrac{x}{4}+y3{}+ \dfrac{y}{3}=1{}= 1 の両辺に 1212 をかけた式と同じです。

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問5 ★

(1) xx 切片が −2-2、yy 切片が 44 の直線の方程式を、一般形で求めなさい。

(2) 直線 5x5x−2y{}- 2y+10{}+ 10=0{}= 0 と xx 軸、yy 軸で囲まれる三角形の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 2x2x−y{}- y+4{}+ 4=0{}= 0 (2) 55

解説

公式4を使います。

(1) x−2\dfrac{x}{-2}+y4{}+ \dfrac{y}{4}=1{}= 1。両辺に 44 をかけて −2x-2x+y{}+ y=4{}= 4、移項して整えると 2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}2x}−y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- y}+4=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 4 = 0}

(2) yy=0{}= 0 とおくと 5x5x=−10{}= -10 で xx 切片は −2-2、xx=0{}= 0 とおくと −2y-2y=−10{}= -10 で yy 切片は 55 です。囲まれる三角形は直角をはさむ 2 辺の長さが 22 と 55 なので、面積は

12⋅∣−2∣⋅∣5∣\displaystyle \frac{1}{2} \cdot \lvert -2 \rvert \cdot \lvert 5 \rvert=5‾\displaystyle {}= \underline{5}

切片が負のときは、長さとして絶対値をとることに注意します。

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問6 ★

3 点 A(−2, −1)\mathrm{A}(-2,\ -1),B(1, 5)\mathrm{B}(1,\ 5),C(4, a)\mathrm{C}(4,\ a) が一直線上にあるときの定数 aa の値と、3 点 A\mathrm{A},B\mathrm{B},D(b, −7)\mathrm{D}(b,\ -7) が一直線上にあるときの定数 bb の値を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=11,{}= 11,bb=−5{}= -5

解説

まず直線 AB を求めます。傾きは 5−(−1)1−(−2)\dfrac{5 - (-1)}{1 - (-2)}=2{}= 2 で、yy−5{}- 5=2(x−1){}= 2(x - 1) より yy=2x{}= 2x+3{}+ 3 です。

C がこの直線上にあるので、aa=2⋅4{}= 2 \cdot 4+3{}+ 3=11{}= 11。

D がこの直線上にあるので、−7-7=2b{}= 2b+3{}+ 3 より bb=−5{}= -5。

よって a=11,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 11,}  b=−5‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ \ b = -5} です。

確かめると、AC の傾きは 11−(−1)4−(−2)\dfrac{11 - (-1)}{4 - (-2)}=126{}= \dfrac{12}{6}=2{}= 2、AD の傾きは −7−(−1)−5−(−2)\dfrac{-7 - (-1)}{-5 - (-2)}=−6−3{}= \dfrac{-6}{-3}=2{}= 2 で、どちらも AB の傾きと等しくなっています。

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問7 ★

3 点 A(1, 4)\mathrm{A}(1,\ 4),B(−3, −2)\mathrm{B}(-3,\ -2),C(5, 0)\mathrm{C}(5,\ 0) を頂点とする三角形 ABC で、頂点 A を通る中線と、頂点 B を通る中線の方程式を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

A を通る中線 xx=1{}= 1、B を通る中線 yy=23x{}= \dfrac{2}{3}x

解説

中線は、頂点と向かい合う辺の中点を結ぶ線分です(第1章)。その線分を含む直線の方程式を求めます。

辺 BC の中点は (−3+52, −2+02)\left(\dfrac{-3 + 5}{2},\ \dfrac{-2 + 0}{2}\right)=(1, −1){}= (1,\ -1) です。A と xx 座標が同じ 11 なので、A を通る中線は x=1‾\underline{x = 1} です。

辺 CA の中点は (5+12, 0+42)\left(\dfrac{5 + 1}{2},\ \dfrac{0 + 4}{2}\right)=(3, 2){}= (3,\ 2) です。B(−3, −2)(-3,\ -2) との傾きは 2−(−2)3−(−3)\dfrac{2 - (-2)}{3 - (-3)}=23{}= \dfrac{2}{3} なので

y\displaystyle y−2\displaystyle {}- 2=23(x−3)\displaystyle {}= \frac{2}{3}(x - 3)⟹y=23x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{y = \frac{2}{3}x}

2 本の中線の交点は重心です。重心は (1−3+53, 4−2+03)\left(\dfrac{1 - 3 + 5}{3},\ \dfrac{4 - 2 + 0}{3}\right)=(1, 23){}= \left(1,\ \dfrac{2}{3}\right) で、xx=1{}= 1 の上にあり、yy=23⋅1{}= \dfrac{2}{3} \cdot 1=23{}= \dfrac{2}{3} も満たします。傾きの公式に当てはめる前に、xx 座標が等しくないかを見るのが大切です。

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問8 ★

直線 axax+3y{}+ 3y−6{}- 6=0{}= 0 が (1) 点 (2, 4)(2,\ 4) を通るとき、(2) 傾きが 22 であるときの定数 aa の値を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) aa=−3{}= -3 (2) aa=−6{}= -6

解説

(1) xx=2{}= 2,yy=4{}= 4 を代入して 2a2a+12{}+ 12−6{}- 6=0{}= 0、よって a=−3‾\underline{a = -3}

(2) yy の係数が 33≠0{}\neq 0 なので、公式3より傾きは −a3-\dfrac{a}{3} です。−a3-\dfrac{a}{3}=2{}= 2 より a=−6‾\underline{a = -6}

(2) を確かめると、−6x-6x+3y{}+ 3y−6{}- 6=0{}= 0 は yy=2x{}= 2x+2{}+ 2 で、傾きはたしかに 22 です。

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問9 ★★

直線 (k+2)x(k + 2)x+(1−2k)y{}+ (1 - 2k)y+4k{}+ 4k−7{}- 7=0{}= 0 が、定数 kk の値にかかわらず通る定点の座標を求めなさい。また、この定点を通る直線のうち、この式ではどの kk を選んでも表せない直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

定点 (2, 3)(2,\ 3)、表せない直線 xx−2y{}- 2y+4{}+ 4=0{}= 0

解説

kk について整理すると

k(x−2y+4)\displaystyle k(x - 2y + 4)+(2x+y−7)\displaystyle {}+ (2x + y - 7)=0\displaystyle {}= 0

kk の値にかかわらず成り立つ条件は、xx−2y{}- 2y+4{}+ 4=0{}= 0 かつ 2x2x+y{}+ y−7{}- 7=0{}= 0 です(公式5)。1 つ目から xx=2y{}= 2y−4{}- 4、2 つ目に代入して 4y4y−8{}- 8+y{}+ y−7{}- 7=0{}= 0、yy=3{}= 3,xx=2{}= 2。定点は (2, 3)‾\underline{(2,\ 3)} です。

次に、どの直線が表せるかを傾きで調べます。kk=12{}= \dfrac{1}{2} のとき、式は 52x\dfrac{5}{2}x−5{}- 5=0{}= 0 で、縦の直線 xx=2{}= 2 です。kk≠12{}\neq \dfrac{1}{2} のとき、傾きは

m\displaystyle m=−k+21−2k\displaystyle {}= -\frac{k + 2}{1 - 2k}=k+22k−1\displaystyle {}= \frac{k + 2}{2k - 1}

これを kk について解くと m(2k−1)m(2k - 1)=k{}= k+2{}+ 2 より (2m−1)k(2m - 1)k=m{}= m+2{}+ 2。mm≠12{}\neq \dfrac{1}{2} なら kk=m+22m−1{}= \dfrac{m + 2}{2m - 1} と、ちょうど 1 つの kk が見つかります。mm=12{}= \dfrac{1}{2} のときは 00=52{}= \dfrac{5}{2} となって kk がありません。

よって、定点を通る直線のうち表せないのは、傾き 12\dfrac{1}{2} の直線 yy−3{}- 3=12(x−2){}= \dfrac{1}{2}(x - 2)、つまり x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x}−2y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 2y}+4=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 4 = 0} です。これは kk の係数 f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 そのものです。

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問10 ★★

点 P(2, 1)\mathrm{P}(2,\ 1) を通る直線が、xx 軸の正の部分、yy 軸の正の部分とそれぞれ交わり、この直線と xx 軸、yy 軸で囲まれる三角形の面積が 44 になるとき、この直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx+2y{}+ 2y−4{}- 4=0{}= 0

解説

xx 切片を aa、yy 切片を bb(aa>0{}> 0,bb>0{}> 0)とすると、直線は xa\dfrac{x}{a}+yb{}+ \dfrac{y}{b}=1{}= 1 です(公式4)。

点 P を通るので 2a\dfrac{2}{a}+1b{}+ \dfrac{1}{b}=1{}= 1、両辺に abab をかけて 2b2b+a{}+ a=ab{}= ab。面積の条件は 12ab\dfrac{1}{2}ab=4{}= 4、つまり abab=8{}= 8 です。

よって aa+2b{}+ 2b=8{}= 8 で、aa=8{}= 8−2b{}- 2b を abab=8{}= 8 に代入すると

(8−2b)b\displaystyle (8 - 2b)b=8\displaystyle {}= 8⟹b2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad b^2−4b\displaystyle {}- 4b+4\displaystyle {}+ 4=0\displaystyle {}= 0⟹(b−2)2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (b - 2)^2=0\displaystyle {}= 0

bb=2{}= 2,aa=4{}= 4 で、どちらも正です。直線は x4\dfrac{x}{4}+y2{}+ \dfrac{y}{2}=1{}= 1、両辺に 44 をかけて x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x}+2y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 2y}−4=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 4 = 0} です。

bb の方程式が重解になったのは、面積 44 がこの種の三角形の面積の最小値だからです。abab=2b{}= 2b+a{}+ a≧22ab{}\geqq 2\sqrt{2ab}(相加平均と相乗平均の関係)から abab≧8{}\geqq 8 が導けます。

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問11 ★★

2 点 A(−3, 2)\mathrm{A}(-3,\ 2),B(1, 6)\mathrm{B}(1,\ 6) から等しい距離にある点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) 全体が表す直線の方程式を求めなさい。また、その直線上の点で、原点からの距離が 33 である点の座標をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

直線 xx+y{}+ y−3{}- 3=0{}= 0、点 (0, 3)(0,\ 3),(3, 0)(3,\ 0) の 2 つ

解説

PA2\mathrm{PA}^2=PB2{}= \mathrm{PB}^2 より

(x+3)2\displaystyle (x + 3)^2+(y−2)2\displaystyle {}+ (y - 2)^2=(x−1)2\displaystyle {}= (x - 1)^2+(y−6)2\displaystyle {}+ (y - 6)^2 6x\displaystyle 6x+9\displaystyle {}+ 9−4y\displaystyle {}- 4y+4\displaystyle {}+ 4=−2x\displaystyle {}= -2x+1\displaystyle {}+ 1−12y\displaystyle {}- 12y+36\displaystyle {}+ 36

(両辺の x2x^2,y2y^2 は消しました。)整理して 8x8x+8y{}+ 8y−24{}- 24=0{}= 0、両辺を 88 で割って x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}x}+y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}{}+ y}−3=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}{}- 3 = 0} です。線分 AB の中点 (−1, 4)(-1,\ 4) を代入すると −1-1+4{}+ 4−3{}- 3=0{}= 0 で、たしかに通ります。

この直線上の点は (t, 3−t)(t,\ 3 - t) と表せます。原点からの距離が 33 なので

t2\displaystyle t^2+(3−t)2\displaystyle {}+ (3 - t)^2=9\displaystyle {}= 9⟹2t2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 2t^2−6t\displaystyle {}- 6t=0\displaystyle {}= 0⟹t\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad t=0,\displaystyle {}= 0, 3\displaystyle \ 3

よって (0, 3),‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(0,\ 3),} (3, 0) の 2 つ‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (3,\ 0)\ \text{の 2 つ}} です。どちらも、A と B からの距離の 2 乗が 1313 で等しくなっています。

自己採点:
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問12 ★★

3 点 A(1, 1)\mathrm{A}(1,\ 1),B(a, 3)\mathrm{B}(a,\ 3),C(3, a)\mathrm{C}(3,\ a) が異なる 3 点で、しかも一直線上にあるように、定数 aa の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−1{}= -1

解説

公式2の条件式を使うと、場合分けなしで立式できます。

(a−1)(a−1)\displaystyle (a - 1)(a - 1)−(3−1)(3−1)\displaystyle {}- (3 - 1)(3 - 1)=0\displaystyle {}= 0⟹(a−1)2\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad (a - 1)^2=4\displaystyle {}= 4⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=−1,\displaystyle {}= -1, 3\displaystyle \ 3

aa=3{}= 3 のとき、B と C はどちらも (3, 3)(3,\ 3) となって一致し、「異なる 3 点」になりません。aa=−1{}= -1 のとき、B(−1, 3)\mathrm{B}(-1,\ 3),C(3, −1)\mathrm{C}(3,\ -1) で、3 点は異なります。

よって a=−1‾\underline{a = -1} です。

確かめると、AB の傾きは 3−1−1−1\dfrac{3 - 1}{-1 - 1}=−1{}= -1、AC の傾きは −1−13−1\dfrac{-1 - 1}{3 - 1}=−1{}= -1 で等しくなっています。傾きで立式すると aa=1{}= 1 の場合(AB が縦になる)を別に調べる必要があり、条件式のほうが安全です。

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問13 ★★

直線 yy=(a−1)x{}= (a - 1)x+a{}+ a+2{}+ 2 が第 3 象限を通らないような、定数 aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−2-2≦a{}\leqq a≦1{}\leqq 1

解説

直線 yy=mx{}= mx+n{}+ n が第 3 象限(xx<0{}< 0 かつ yy<0{}< 0 の部分)を通らない条件を、傾き mm と切片 nn で考えます。

  • mm>0{}> 0 のとき:xx を負の方向へどんどん小さくすると yy もいくらでも小さくなるので、いつか xx<0{}< 0,yy<0{}< 0 の点を通ります。
  • mm≦0{}\leqq 0,nn<0{}< 0 のとき:xx=0{}= 0 で yy=n{}= n<0{}< 0 なので、xx が 00 より少しだけ小さい点でも yy<0{}< 0 で、第 3 象限を通ります。
  • mm≦0{}\leqq 0,nn≧0{}\geqq 0 のとき:xx<0{}< 0 なら mxmx≧0{}\geqq 0 なので yy=mx{}= mx+n{}+ n≧n{}\geqq n≧0{}\geqq 0 で、第 3 象限を通りません。

よって条件は mm≦0{}\leqq 0 かつ nn≧0{}\geqq 0 です。この問題では

a\displaystyle a−1\displaystyle {}- 1≦0,\displaystyle {}\leqq 0,a\displaystyle a+2\displaystyle {}+ 2≧0\displaystyle {}\geqq 0

より −2≦a≦1‾\underline{-2 \leqq a \leqq 1} です。

端を確かめると、aa=1{}= 1 のとき yy=3{}= 3(xx 軸に平行で上側)、aa=−2{}= -2 のとき yy=−3x{}= -3x(原点を通り第 2・第 4 象限を通る。原点はどの象限にも属さない)で、どちらも第 3 象限を通りません。

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問14 ★★

4 点 A(1, 1)\mathrm{A}(1,\ 1),B(6, 2)\mathrm{B}(6,\ 2),C(7, 6)\mathrm{C}(7,\ 6),D(2, 5)\mathrm{D}(2,\ 5) を頂点とする平行四辺形 ABCD があります。点 E(0, 1)\mathrm{E}(0,\ 1) を通り、この平行四辺形の面積を 2 等分する直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

5x5x−8y{}- 8y+8{}+ 8=0{}= 0

解説

平行四辺形は、対角線の交点を中心とする点対称な図形です。対角線の交点を通る直線で切ると、切り分けた 2 つの部分は中心に関して対称で、ぴったり重なるので、面積が等しくなります。

対角線の交点は AC の中点で、(1+72, 1+62)\left(\dfrac{1 + 7}{2},\ \dfrac{1 + 6}{2}\right)=(4, 72){}= \left(4,\ \dfrac{7}{2}\right) です(BD の中点 (6+22, 2+52)\left(\dfrac{6 + 2}{2},\ \dfrac{2 + 5}{2}\right) と一致することも確かめられます)。

E(0, 1)(0,\ 1) とこの点を通る直線の傾きは 72−14−0\dfrac{\frac{7}{2} - 1}{4 - 0}=58{}= \dfrac{5}{8} なので

y\displaystyle y=58x\displaystyle {}= \frac{5}{8}x+1\displaystyle {}+ 1⟹5x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}5x}−8y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 8y}+8=0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 8 = 0}

中心 (4, 72)\left(4,\ \dfrac{7}{2}\right) を代入すると 2020−28{}- 28+8{}+ 8=0{}= 0 で、たしかに通ります。

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問15 ★★

3 直線 2x2x−y{}- y−1{}- 1=0{}= 0,xx+y{}+ y−5{}- 5=0{}= 0,(a+1)x(a + 1)x+(a−2)y{}+ (a - 2)y+1{}+ 1=0{}= 0 が 1 点で交わるように、定数 aa の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=35{}= \dfrac{3}{5}

解説

はじめの 2 直線の交点を求めます。2 式を足すと 3x3x−6{}- 6=0{}= 0 で xx=2{}= 2、2 つ目の式から yy=3{}= 3。交点は (2, 3)(2,\ 3) です。

3 本目の直線がこの点を通ればよいので

2(a+1)\displaystyle 2(a + 1)+3(a−2)\displaystyle {}+ 3(a - 2)+1\displaystyle {}+ 1=0\displaystyle {}= 0⟹5a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad 5a−3\displaystyle {}- 3=0\displaystyle {}= 0

よって a=35‾\underline{a = \dfrac{3}{5}} です。

このとき 3 本目の直線は 85x\dfrac{8}{5}x−75y{}- \dfrac{7}{5}y+1{}+ 1=0{}= 0、両辺に 55 をかけて 8x8x−7y{}- 7y+5{}+ 5=0{}= 0 です。(2, 3)(2,\ 3) を代入すると 1616−21{}- 21+5{}+ 5=0{}= 0 で、たしかに通ります。

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問16 ★★

点 A(3, 4)\mathrm{A}(3,\ 4) を通る直線が、xx 軸と点 P で、yy 軸と点 Q で交わるとします。

(1) A が線分 PQ の中点であるとき

(2) A が線分 PQ を 1:21 : 2 に内分するとき

上の (1),(2) のそれぞれの場合について、直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 4x4x+3y{}+ 3y−24{}- 24=0{}= 0 (2) 8x8x+3y{}+ 3y−36{}- 36=0{}= 0

解説

P(p, 0)\mathrm{P}(p,\ 0),Q(0, q)\mathrm{Q}(0,\ q) とおきます。

(1) 中点の公式(第1章 公式3)より (p2, q2)\left(\dfrac{p}{2},\ \dfrac{q}{2}\right)=(3, 4){}= (3,\ 4) なので、pp=6{}= 6,qq=8{}= 8。直線は x6\dfrac{x}{6}+y8{}+ \dfrac{y}{8}=1{}= 1、両辺に 2424 をかけて 4x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}4x}+3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y}−24=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 24 = 0}

(2) PA:AQ\mathrm{PA} : \mathrm{AQ}=1:2{}= 1 : 2 なので、内分点の公式より、A の xx 座標は 2⋅p+1⋅03\dfrac{2 \cdot p + 1 \cdot 0}{3}=2p3{}= \dfrac{2p}{3}、yy 座標は 2⋅0+1⋅q3\dfrac{2 \cdot 0 + 1 \cdot q}{3}=q3{}= \dfrac{q}{3} です。A は (3, 4)(3,\ 4) なので、pp=92{}= \dfrac{9}{2},qq=12{}= 12。直線は 2x9\dfrac{2x}{9}+y12{}+ \dfrac{y}{12}=1{}= 1、両辺に 3636 をかけて 8x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}8x}+3y‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 3y}−36=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 36 = 0}

(2) を確かめると、A(3, 4)\mathrm{A}(3,\ 4) を代入して 2424+12{}+ 12−36{}- 36=0{}= 0 です。P に近い側で 11、Q に近い側で 22 なので、A は P 寄りにあり、xx 座標 33 は pp=92{}= \dfrac{9}{2} の 23\dfrac{2}{3} になっています。

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問17 ★★★

kk を定数とします。直線 yy=k(x−2){}= k(x - 2)+1{}+ 1 が、2 点 A(−1, 3)\mathrm{A}(-1,\ 3),B(4, 4)\mathrm{B}(4,\ 4) を結ぶ線分 AB(両端を含む)と共有点をもつような、kk の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk≦−23,{}\leqq -\dfrac{2}{3},32\dfrac{3}{2}≦k{}\leqq k

解説

この直線は kk によらず点 P(2, 1)\mathrm{P}(2,\ 1) を通り、傾きが kk です(公式5)。P を中心に直線を回して、線分 AB に当たる傾きの範囲を調べます。

PA の傾きは 3−1−1−2\dfrac{3 - 1}{-1 - 2}=−23{}= -\dfrac{2}{3}、PB の傾きは 4−14−2\dfrac{4 - 1}{4 - 2}=32{}= \dfrac{3}{2} です。また、直線 AB は yy=15(x+1){}= \dfrac{1}{5}(x + 1)+3{}+ 3 で、xx=2{}= 2 のとき yy=185{}= \dfrac{18}{5}>1{}> 1 なので、P の真上を通る縦の直線 xx=2{}= 2 は線分 AB と交わります。

したがって、直線 PB(傾き 32\dfrac{3}{2})から左回りに縦の向きを通って直線 PA(傾き −23-\dfrac{2}{3})まで回す間が、線分 AB に当たる範囲です。この間、傾きは 32\dfrac{3}{2} から大きくなり続け、縦の向きを越えると十分小さい負の値から −23-\dfrac{2}{3} まで増えます。縦の直線 xx=2{}= 2 はこの式では表せないので除くと

k≦−23,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}k \leqq -\frac{2}{3},}  32≦k‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ \frac{3}{2} \leqq k}

式でも確かめます。yy=k(x−2){}= k(x - 2)+1{}+ 1 と直線 AB の yy 座標の差を h(x)h(x)=k(x−2){}= k(x - 2)+1{}+ 1−{15(x+1)+3}{}- \left\{\dfrac{1}{5}(x + 1) + 3\right\} とすると、h(x)h(x) は xx の一次式(または定数)で、h(−1)h(-1)=−3k{}= -3k−2{}- 2,h(4)h(4)=2k{}= 2k−3{}- 3 です。区間 −1-1≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4 に h(x)h(x)=0{}= 0 となる xx がある条件は h(−1) h(4)h(-1)\,h(4)≦0{}\leqq 0 なので

(−3k−2)(2k−3)\displaystyle (-3k - 2)(2k - 3)≦0\displaystyle {}\leqq 0⟺(3k+2)(2k−3)\displaystyle {}\Longleftrightarrow\qquad (3k + 2)(2k - 3)≧0\displaystyle {}\geqq 0

これを解くと kk≦−23,{}\leqq -\dfrac{2}{3},32\dfrac{3}{2}≦k{}\leqq k で、同じ結果になります。

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問18 ★★★

3 点 A(0, 4)\mathrm{A}(0,\ 4),B(−2, 0)\mathrm{B}(-2,\ 0),C(6, 0)\mathrm{C}(6,\ 0) を頂点とする三角形 ABC があります。辺 BC 上の点 P(4, 0)\mathrm{P}(4,\ 0) を通り、三角形 ABC の面積を 2 等分する直線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

4x4x+7y{}+ 7y−16{}- 16=0{}= 0

解説

三角形 ABC の面積は 12⋅8⋅4\dfrac{1}{2} \cdot 8 \cdot 4=16{}= 16 なので、面積 88 ずつに分ければよいです。

まず、直線 PA で切った場合を調べます。三角形 APC の面積は 12⋅PC⋅4\dfrac{1}{2} \cdot \mathrm{PC} \cdot 4=12⋅2⋅4{}= \dfrac{1}{2} \cdot 2 \cdot 4=4{}= 4 で、88 より小さいです。したがって、求める直線は P から辺 AB と交わる向きに引いたもので、その交点を Q とすると、三角形 QBP の面積が 88 です。

Q の yy 座標を hh とすると、三角形 QBP は底辺 BP\mathrm{BP}=6{}= 6、高さ hh なので

12⋅6⋅h\displaystyle \frac{1}{2} \cdot 6 \cdot h=8\displaystyle {}= 8⟹h\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad h=83\displaystyle {}= \frac{8}{3}

直線 AB は傾き 4−00−(−2)\dfrac{4 - 0}{0 - (-2)}=2{}= 2、yy 切片 44 で yy=2x{}= 2x+4{}+ 4 です。yy=83{}= \dfrac{8}{3} とおくと xx=−23{}= -\dfrac{2}{3} で、Q(−23, 83)\mathrm{Q}\left(-\dfrac{2}{3},\ \dfrac{8}{3}\right) は辺 AB 上(−2-2≦x{}\leqq x≦0{}\leqq 0)にあります。

直線 PQ の傾きは 83−0−23−4\dfrac{\frac{8}{3} - 0}{-\frac{2}{3} - 4}=83⋅(−314){}= \dfrac{8}{3} \cdot \left(-\dfrac{3}{14}\right)=−47{}= -\dfrac{4}{7} なので

y\displaystyle y=−47(x−4)\displaystyle {}= -\frac{4}{7}(x - 4)⟹4x‾\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}4x}+7y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 7y}−16=0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}- 16 = 0}

Q を代入すると −83-\dfrac{8}{3}+563{}+ \dfrac{56}{3}−16{}- 16=16{}= 16−16{}- 16=0{}= 0 で、たしかに通ります。

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問19 ★★★

三角形 OAB で、辺 OA を 2:12 : 1 に内分する点を P、辺 OB の中点を Q、辺 AB を 1:21 : 2 に外分する点を R とします。3 点 P,Q,R が一直線上にあることを、座標を使って示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

O を原点、直線 OA を xx 軸にとって P,Q,R の座標を求め、公式2の条件式が 00 になることを示す(解説を参照)。

解説

第1章 公式5にならって、O を原点、直線 OA を xx 軸にとり、A(3a, 0)\mathrm{A}(3a,\ 0)(aa>0{}> 0),B(b, c)\mathrm{B}(b,\ c)(cc≠0{}\neq 0)とおきます。A の座標を 3a3a としたのは、2:12 : 1 に分けたときに分数を出さないためです。

第1章 公式3より

P(2a, 0),\displaystyle \mathrm{P}(2a,\ 0),Q(b2, c2)\displaystyle \mathrm{Q}\left(\frac{b}{2},\ \frac{c}{2}\right)

R は AB を 1:21 : 2 に外分するので、R の xx 座標は −2⋅3a+1⋅b1−2\dfrac{-2 \cdot 3a + 1 \cdot b}{1 - 2}=6a{}= 6a−b{}- b、yy 座標は −2⋅0+1⋅c1−2\dfrac{-2 \cdot 0 + 1 \cdot c}{1 - 2}=−c{}= -c で、R(6a−b, −c)\mathrm{R}(6a - b,\ -c) です。

cc≠0{}\neq 0 より Q は xx 軸上になく、P と Q は異なる点です。R も P と異なります(yy 座標が −c-c≠0{}\neq 0)。公式2の条件式の左辺を P を基準に計算すると

(b2−2a)(−c−0)\displaystyle \left(\frac{b}{2} - 2a\right)(-c - 0)−(6a−b−2a)(c2−0)\displaystyle {}- (6a - b - 2a)\left(\frac{c}{2} - 0\right)=−bc2\displaystyle {}= -\frac{bc}{2}+2ac\displaystyle {}+ 2ac−2ac\displaystyle {}- 2ac+bc2\displaystyle {}+ \frac{bc}{2}=0\displaystyle {}= 0

よって、3 点 P,Q,R は一直線上にあります。(証明終)

傾きで比べると、bb=4a{}= 4a のとき PQ が縦になって場合分けが必要になります。条件式を使えば、その心配はいりません。この結果は、図形の性質で学んだメネラウスの定理の逆

OPPA⋅ARRB⋅BQQO\displaystyle \frac{\mathrm{OP}}{\mathrm{PA}} \cdot \frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}} \cdot \frac{\mathrm{BQ}}{\mathrm{QO}}=21⋅12⋅11\displaystyle {}= \frac{2}{1} \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{1}=1\displaystyle {}= 1

からも確かめられます。

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問20 ★★★

放物線 yy=x2{}= x^2 上の異なる 2 点 A(α, α2)\mathrm{A}(\alpha,\ \alpha^2),B(β, β2)\mathrm{B}(\beta,\ \beta^2) を通る直線の方程式を、α\alpha,β\beta を用いて表しなさい。また、直線 AB が点 (0, 2)(0,\ 2) を通るように A,B が動くとき、線分 AB の中点 M の yy 座標の最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=(α+β)x{}= (\alpha + \beta)x−αβ{}- \alpha\beta、M の yy 座標の最小値 22

解説

α\alpha≠β{}\neq \beta なので、AB の傾きは

β2−α2β−α\displaystyle \frac{\beta^2 - \alpha^2}{\beta - \alpha}=(β−α)(β+α)β−α\displaystyle {}= \frac{(\beta - \alpha)(\beta + \alpha)}{\beta - \alpha}=α\displaystyle {}= \alpha+β\displaystyle {}+ \beta

公式1より yy−α2{}- \alpha^2=(α+β)(x−α){}= (\alpha + \beta)(x - \alpha)、展開して yy=(α+β)x{}= (\alpha + \beta)x−α2{}- \alpha^2−αβ{}- \alpha\beta+α2{}+ \alpha^2、よって y=(α+β)x‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}y = (\alpha + \beta)x}−αβ‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- \alpha\beta}

直線 AB が (0, 2)(0,\ 2) を通るので、22=−αβ{}= -\alpha\beta、つまり αβ\alpha\beta=−2{}= -2 です。ss=α{}= \alpha+β{}+ \beta とおくと、M の yy 座標は

α2+β22\displaystyle \frac{\alpha^2 + \beta^2}{2}=(α+β)2−2αβ2\displaystyle {}= \frac{(\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta}{2}=s2+42\displaystyle {}= \frac{s^2 + 4}{2}

ここで、α\alpha,β\beta は tt の二次方程式 t2t^2−st{}- st−2{}- 2=0{}= 0 の 2 つの解です。判別式は s2s^2+8{}+ 8>0{}> 0 なので、ss がどんな実数でも異なる 2 つの実数解があり、ss はすべての実数値をとれます。

よって s2+42\dfrac{s^2 + 4}{2} は ss=0{}= 0 のとき最小で、最小値は 2‾\underline{2} です。このとき α\alpha,β\beta は ±2\pm\sqrt{2} で、A(−2, 2)\mathrm{A}(-\sqrt{2},\ 2),B(2, 2)\mathrm{B}(\sqrt{2},\ 2)(または A と B を入れかえたもの)、直線 AB は yy=2{}= 2 です。

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数学小話コーナー

「寸」「パーミル」「12 分の 1」——傾きの言い方いろいろ

傾きは、数学の外でもいろいろな単位で使われています。どれも中身は「横に進んだ長さに対する、上がった高さの割合」、つまりこの章の mm=tan⁡θ{}= \tan\theta です。

日本家屋の屋根は、昔から寸勾配で表されてきました。水平に 10 寸(1 尺)進むあいだに何寸上がるかを言う呼び方で、「4 寸勾配」なら傾きは 410\dfrac{4}{10}=0.4{}= 0.4、角度にすると約 21.8∘21.8^\circ です。10 寸上がる「10 寸勾配」はちょうど 45∘45^\circ で、大工さんは直角を表す「矩(かね)」の字をあてて**矩勾配(かねこうばい)**と呼びます。

鉄道では、傾きが小さいので 1000 分の 1 を単位にした**パーミル(‰)**を使います。「25 ‰」は、1000 m 進むあいだに 25 m 上がる坂です。かつて信越本線の横川駅と軽井沢駅のあいだにあった碓氷峠(うすいとうげ)の区間は 66.7 ‰ で、JR の線路で最も急な坂として知られていました。専用の機関車を連結して上り下りしていましたが、1997 年の長野新幹線(今の北陸新幹線)の開業にあわせて廃止されました。今、日本でレールと車輪の摩擦だけで上る鉄道のうち最も急なのは、箱根登山鉄道の 80 ‰ だといわれます(※「最も急」の数え方は資料により異なる)。

建物の入口にある車いす用のスロープも、傾きの上限が法令で決められています。基本は「勾配 12 分の 1 以下」で、高さ 1 m を上るには、水平に 12 m 以上進む長さが必要です(※高さの低いスロープなど、条件によって別の基準もある)。角度にすると約 4.8∘4.8^\circ です。数字だけ見ると小さく感じますが、車いすを自分の腕で押して上る人にとっては、これでも十分に重い坂なのです。

豆知識

東京の高尾山にあるケーブルカーの最も急な場所は、608 ‰ だと案内されています。tan⁡θ\tan\theta=0.608{}= 0.608 となる角度は約 31.3∘31.3^\circ です。ケーブルカーは車輪の摩擦ではなく、ワイヤーで車両を引き上げるので、こんな急坂も上れます。同じ「坂」でも、寸・%・‰・分数と、使う場面に合わせて言い方が変わりますが、どれも tan⁡θ\tan\theta を別の単位で書いているだけです。

2 点で決まる線——墨壺と line のふるさと

大工さんの道具に、**墨壺(すみつぼ)**があります。糸車に巻いた糸を、墨をたっぷり含んだ綿の中を通して引き出す道具です。糸の先の小さな針を材木の一方の端に刺し、もう一方の端で糸をぴんと張って、指で糸をつまみ上げてはじくと、材木の上にまっすぐな黒い線が一瞬で写ります。長い材木に定規を何本も継いで線を引くより、ずっと正確で速い方法です。

墨壺の仕組みは、「2 点を決めれば、そのあいだを通る直線はただ 1 本に決まる」という事実そのものです。紀元前 300 年ごろにまとめられたユークリッドの『原論』でも、「任意の点から任意の点へ直線を引くことができる」ことが、証明なしに認める約束(公準)の 1 番目に置かれています。この章の公式2が、2 点から直線の方程式をただ 1 つ作れるのも、この約束が土台にあるからです。

英語の line(線)という言葉も、糸と深い関係があります。line はラテン語の linea から来ていて、linea のもとの意味は「亜麻(あま)の糸」でした。亜麻はラテン語で linum といい、布の「リネン(linen)」も同じ仲間の言葉です。ぴんと張った糸こそが、昔の人にとっていちばん身近な「まっすぐ」だったのでしょう。一次方程式のことを英語で linear equation(線の方程式)と呼ぶのは、そのグラフが直線になるからです。

豆知識

定規そのものがまっすぐかどうかは、どうやって確かめればよいでしょうか。紙に 2 点を打ち、定規で 2 点を結ぶ線を引きます。次に定規を裏返して、同じ 2 点を結ぶ線をもう一度引きます。定規がわずかに曲がっていると、裏返したときに曲がりが反対向きになるので、2 本の線がふくらんだ形にずれます。2 本がぴったり重なれば、定規はまっすぐです。ここでも「2 点を通る直線は 1 本だけ」という性質が使われています。

画面に直線を描く——ブレゼンハムの方法

パソコンやスマートフォンの画面は、**画素(ピクセル)**と呼ばれる小さな四角の集まりです。画面に直線を描くときは、直線に近い画素を選んで色を塗ります。いちばん素直なやり方は、xx を 1 つずつ進めて yy=mx{}= mx+n{}+ n を計算し、四捨五入した位置の画素を塗る方法です。けれども、小数のかけ算を何万回もくり返すのは、昔のコンピュータにはとても重い仕事でした。

1962 年ごろ、アメリカの IBM 社で働いていたジャック・ブレゼンハムは、紙に図を描く機械(プロッタ)を動かすために、整数の足し算と引き算だけで直線に沿った点を選ぶ方法を考えました。1965 年に論文として発表されたこの方法は、今もブレゼンハムのアルゴリズムと呼ばれています(※考案の年は資料により異なる)。

考え方の中心は、この章の一般形です。原点から点 (5, 2)(5,\ 2) まで線を引くとしましょう。直線は 2x2x−5y{}- 5y=0{}= 0 で、f(x, y)f(x,\ y)=2x{}= 2x−5y{}- 5y とおくと、直線より下の点では ff>0{}> 0、上の点では ff<0{}< 0 になります。xx を 1 つ進めるたびに、画素を「同じ高さ」にするか「1 つ上」にするかを選べばよく、その 2 つの画素のちょうど中間の点で ff の符号を調べます。

  • xx=1{}= 1:中間の点 (1, 0.5)(1,\ 0.5) で ff=−0.5{}= -0.5<0{}< 0。直線は中間より下を通るので、同じ高さ yy=0{}= 0
  • xx=2{}= 2:中間の点 (2, 0.5)(2,\ 0.5) で ff=1.5{}= 1.5>0{}> 0。直線は中間より上を通るので、1 つ上げて yy=1{}= 1
  • 同じように続けると、xx=3,{}= 3, 4,\ 4, 5\ 5 で yy=1,{}= 1, 2,\ 2, 2\ 2

選ばれた画素は (0, 0)(0,\ 0),(1, 0)(1,\ 0),(2, 1)(2,\ 1),(3, 1)(3,\ 1),(4, 2)(4,\ 2),(5, 2)(5,\ 2) で、yy=0.4x{}= 0.4x を四捨五入した結果と一致します。0.50.5 が気になるなら、ff を 2 倍して扱えば整数だけで済みます。さらに、xx が 1 増えると ff は 22 増え、yy が 1 増えると 55 減るので、毎回かけ算をしなくても、前の値に足し引きするだけで次の値が出せるのです(ここで紹介したのは、中間の点を使って説明し直した形です)。

豆知識

「axax+by{}+ by+c{}+ c の符号で、点が直線のどちら側にあるかが分かる」という性質は、第7章「不等式の表す領域」で本格的に学びます。画面の直線がギザギザ(ジャギー)に見えるのは、画素が四角いからです。今のコンピュータは、直線からの近さに応じて境目の画素を中間の色で塗るアンチエイリアスという工夫で、ギザギザを目立たなくしています。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の公式1〜5が使えれば十分です。「傾きはどの 2 点で測っても同じなの?」「一次方程式は本当にいつも直線になるの?」「kk で表せない直線があるのはなぜ?」が気になる人のために、根拠を紹介します。

この章では、第1章の厳密定義(直交座標・内分点と外分点の座標)を前提にします。「直線」は図形としての直線で、異なる 2 点 A,B を通る直線はただ 1 本だけある(小話2の公準)ものとします。

直線上の点を数で表す

定理1:直線上の点の座標

異なる 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) を通る直線を AB とし、uu=x2{}= x_2−x1{}- x_1,vv=y2{}= y_2−y1{}- y_1 とおく。点 P が直線 AB 上にあるための必要十分条件は、ある実数 tt を用いて

P(x1+tu, y1+tv)\mathrm{P}(x_1 + tu,\ y_1 + tv)

と表されることである。

証明 直線 AB 上の点 P は、A と一致するか、B と一致するか、線分 AB を内分する点か、線分 AB を外分する点かのどれかである。第1章の定理4(内分点・外分点の座標)を使う。

  • P が A のとき tt=0{}= 0、B のとき tt=1{}= 1 とすればよい。
  • P が AB を m:nm : n に内分するとき、P の xx 座標は nx1+mx2m+n\dfrac{nx_1 + mx_2}{m + n}=x1{}= x_1+mm+nu{}+ \dfrac{m}{m + n}u で、yy 座標も同様なので、tt=mm+n{}= \dfrac{m}{m + n}(00<t{}< t<1{}< 1)とすればよい。
  • P が AB を m:nm : n に外分するとき、P の xx 座標は −nx1+mx2m−n\dfrac{-nx_1 + mx_2}{m - n}=x1{}= x_1+mm−nu{}+ \dfrac{m}{m - n}u なので、tt=mm−n{}= \dfrac{m}{m - n} とすればよい。mm>n{}> n なら tt>1{}> 1、mm<n{}< n なら tt<0{}< 0 である。

逆に、実数 tt が与えられたとする。tt=0,{}= 0, 1\ 1 なら P は A,B である。00<t{}< t<1{}< 1 なら mm=t{}= t,nn=1{}= 1−t{}- t とすると mm+n\dfrac{m}{m + n}=t{}= t なので、P は AB を t:(1−t)t : (1 - t) に内分する点である。tt>1{}> 1 なら mm=t{}= t,nn=t{}= t−1{}- 1 とすると mm−n\dfrac{m}{m - n}=t{}= t、tt<0{}< 0 なら mm=−t{}= -t,nn=1{}= 1−t{}- t とすると mm−n\dfrac{m}{m - n}=−t−1{}= \dfrac{-t}{-1}=t{}= t なので、P は AB を m:nm : n に外分する点である。いずれの場合も P は直線 AB 上にある。(証明終)

定理1の tt は、「A から B へ向かう動きを何回分進んだか」を表す数です。ベクトル 第6章の直線のベクトル方程式 p⃗\vec{p}=a⃗{}= \vec{a}+t(b⃗−a⃗){}+ t(\vec{b} - \vec{a}) を、成分で書いたものと同じ形になっています。

定理2:3 点が一直線上にある条件

定理1の記号で、点 P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) が直線 AB 上にあるための必要十分条件は

u(y−y1)\displaystyle u(y - y_1)−v(x−x1)\displaystyle {}- v(x - x_1)=0\displaystyle {}= 0

である。

証明 P が直線 AB 上にあるとき、定理1より xx−x1{}- x_1=tu{}= tu,yy−y1{}- y_1=tv{}= tv なので、左辺は u⋅tvu \cdot tv−v⋅tu{}- v \cdot tu=0{}= 0 となる。

逆に、左辺が 00 であるとする。A と B は異なるので、uu,vv の少なくとも一方は 00 でない。

  • uu≠0{}\neq 0 のとき、tt=x−x1u{}= \dfrac{x - x_1}{u} とおくと xx=x1{}= x_1+tu{}+ tu であり、条件より yy−y1{}- y_1=v(x−x1)u{}= \dfrac{v(x - x_1)}{u}=tv{}= tv となる。
  • uu=0{}= 0 のとき、vv≠0{}\neq 0 であり、条件は −v(x−x1)-v(x - x_1)=0{}= 0 なので xx=x1{}= x_1=x1{}= x_1+tu{}+ tu(tt は何でもよい)。そこで tt=y−y1v{}= \dfrac{y - y_1}{v} とおけば yy=y1{}= y_1+tv{}+ tv となる。

どちらの場合も P は定理1の形に表されるので、直線 AB 上にある。(証明終)

本文の公式2で「3 点が一直線上にある条件」とした式は、定理2の (x, y)(x,\ y) に C の座標を入れたものです。分母を使わないので、uu=0{}= 0 の場合も区別せずに扱えます。

傾きと角

定義1:傾き

yy 軸に平行でない直線 ℓ\ell 上に異なる 2 点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1),B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) をとるとき、

y2−y1x2−x1\frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}

を直線 ℓ\ell の傾きという。yy 軸に平行な直線には傾きを定めない。

ℓ\ell が yy 軸に平行でなければ、ℓ\ell 上の異なる 2 点の xx 座標は必ず異なります(等しければ、定理2より ℓ\ell は縦の直線 xx=x1{}= x_1 になってしまいます)。だから分母は 00 になりません。ただし、この定義が意味をもつには、値が「どの 2 点を選んだか」によらないことを確かめる必要があります。

定理3:傾きは 2 点の選び方によらない

yy 軸に平行でない直線 ℓ\ell 上のどの異なる 2 点をとっても、定義1の値は等しい。さらに、ℓ\ell が xx 軸の正の向きとなす角を θ\theta(0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta<180∘{}< 180^\circ)とすると、傾きは tan⁡θ\tan\theta に等しい。

証明 ℓ\ell 上の異なる 2 点 A,B を 1 組固定し、uu=x2{}= x_2−x1{}- x_1(≠0\neq 0),vv=y2{}= y_2−y1{}- y_1 とする。定理2より、ℓ\ell 上の点 (x, y)(x,\ y) はすべて

y\displaystyle y−y1\displaystyle {}- y_1=vu(x−x1)\displaystyle {}= \frac{v}{u}(x - x_1)

を満たす。ℓ\ell 上の別の異なる 2 点 C(x3, y3)\mathrm{C}(x_3,\ y_3),D(x4, y4)\mathrm{D}(x_4,\ y_4) について、この式の差をとると y4y_4−y3{}- y_3=vu(x4−x3){}= \dfrac{v}{u}(x_4 - x_3) となる。x4x_4≠x3{}\neq x_3 なので、y4−y3x4−x3\dfrac{y_4 - y_3}{x_4 - x_3}=vu{}= \dfrac{v}{u} であり、C,D から計算した傾きは A,B から計算した傾きに等しい。

次に角について。本文の「xx 軸の正の向きとなす角」θ\theta は、正確には次のように定める。ℓ\ell 上の点 A を中心とする半径 11 の円と ℓ\ell の 2 つの交点のうち、yy 座標の大きいほう(yy 座標が等しいときは xx 座標の大きいほう)を E として、E(x1+cos⁡θ, y1+sin⁡θ)\mathrm{E}(x_1 + \cos\theta,\ y_1 + \sin\theta) と表す角である(三角比と三角関数 第2章の、半径 11 の半円による定義を、中心を A に移したもの)。ℓ\ell は yy 軸に平行でないので θ\theta≠90∘{}\neq 90^\circ、つまり cos⁡θ\cos\theta≠0{}\neq 0 である。A と E から計算した傾きは

(y1+sin⁡θ)−y1(x1+cos⁡θ)−x1\displaystyle \frac{(y_1 + \sin\theta) - y_1}{(x_1 + \cos\theta) - x_1}=sin⁡θcos⁡θ\displaystyle {}= \frac{\sin\theta}{\cos\theta}=tan⁡θ\displaystyle {}= \tan\theta

であり、前半より、これが ℓ\ell の傾きに等しい。(証明終)

tan⁡θ\tan\theta は 0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta<90∘{}< 90^\circ で 00 以上のすべての値を、90∘90^\circ<θ{}< \theta<180∘{}< 180^\circ で負のすべての値を、ちょうど 1 回ずつとります。したがって、傾きと角 θ\theta(θ\theta≠90∘{}\neq 90^\circ)は 1 対 1 に対応し、縦の直線は θ\theta=90∘{}= 90^\circ に対応します。

直線と一次方程式

定理4:直線と一次方程式の対応

(1) どの直線も、ある実数 aa,bb,cc(aa,bb の少なくとも一方は 00 でない)を用いた方程式 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 で表される。

(2) 逆に、aa,bb の少なくとも一方が 00 でないとき、方程式 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 を満たす点 (x, y)(x,\ y) 全体は 1 本の直線である。

証明 (1) 直線上に異なる 2 点 A,B をとる。定理2の式を展開すると

−vx\displaystyle -vx+uy\displaystyle {}+ uy+(vx1−uy1)\displaystyle {}+ (vx_1 - uy_1)=0\displaystyle {}= 0

となり、aa=−v{}= -v,bb=u{}= u,cc=vx1{}= vx_1−uy1{}- uy_1 とおけばよい。uu,vv の少なくとも一方は 00 でないので、aa,bb の少なくとも一方も 00 でない。

(2) bb≠0{}\neq 0 のとき、方程式を満たす 2 点 A(0, −cb)\mathrm{A}\left(0,\ -\dfrac{c}{b}\right),B(1, −a+cb)\mathrm{B}\left(1,\ -\dfrac{a + c}{b}\right) をとる。これらは異なる点で、uu=1{}= 1,vv=−ab{}= -\dfrac{a}{b} である。定理2より、直線 AB の条件は

1⋅(y+cb)\displaystyle 1 \cdot \left(y + \frac{c}{b}\right)+ab(x−0)\displaystyle {}+ \frac{a}{b}(x - 0)=0\displaystyle {}= 0

で、両辺に bb をかけると axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 と一致する。両辺に 00 でない数をかけても解の集合は変わらないので、方程式の解全体は直線 AB である。

bb=0{}= 0 のときは aa≠0{}\neq 0 で、方程式は xx=−ca{}= -\dfrac{c}{a} と同じである。2 点 A(−ca, 0)\mathrm{A}\left(-\dfrac{c}{a},\ 0\right),B(−ca, 1)\mathrm{B}\left(-\dfrac{c}{a},\ 1\right) をとると uu=0{}= 0,vv=1{}= 1 で、定理2の条件は −(x+ca)-\left(x + \dfrac{c}{a}\right)=0{}= 0 となり、方程式と一致する。(証明終)

定理4 (1) の (a, b)(a,\ b)=(−v, u){}= (-v,\ u) は、ベクトル 第6章で見た法線ベクトル(直線に垂直なベクトル)です。(u, v)(u,\ v) が直線の向きを表すので、成分を入れかえて片方の符号を変えると、それに垂直な向きになります。この事実は、第3章で「2 直線が垂直になる条件」として座標の言葉で扱います。

定理5:同じ直線を表す一般形

axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 と a′xa'x+b′y{}+ b'y+c′{}+ c'=0{}= 0(どちらも xx,yy の係数の少なくとも一方が 00 でない)が同じ直線を表すための必要十分条件は、00 でない実数 kk があって

a′\displaystyle a'=ka,\displaystyle {}= ka,b′\displaystyle b'=kb,\displaystyle {}= kb,c′\displaystyle c'=kc\displaystyle {}= kc

となることである。

証明 この条件が成り立てば、2 つ目の方程式は 1 つ目の両辺を kk 倍したものなので、解全体は同じである。

逆に、2 つの方程式の解全体が同じ直線 ℓ\ell であるとする。

bb≠0{}\neq 0 のとき、定理4 (2) の証明の 2 点 (0, −cb)\left(0,\ -\dfrac{c}{b}\right),(1, −a+cb)\left(1,\ -\dfrac{a + c}{b}\right) は ℓ\ell 上にあるので、2 つ目の方程式も満たす。

−b′cb\displaystyle -\frac{b'c}{b}+c′\displaystyle {}+ c'=0,\displaystyle {}= 0,a′\displaystyle a'−b′(a+c)b\displaystyle {}- \frac{b'(a + c)}{b}+c′\displaystyle {}+ c'=0\displaystyle {}= 0

1 つ目から c′c'=b′bc{}= \dfrac{b'}{b}c、これを 2 つ目に代入して a′a'=b′ba{}= \dfrac{b'}{b}a。kk=b′b{}= \dfrac{b'}{b} とおけば a′a'=ka{}= ka,b′b'=kb{}= kb,c′c'=kc{}= kc である。もし kk=0{}= 0 なら a′a'=b′{}= b'=0{}= 0 となって仮定に反するので、kk≠0{}\neq 0 である。

bb=0{}= 0 のとき、aa≠0{}\neq 0 で、2 点 (−ca, 0)\left(-\dfrac{c}{a},\ 0\right),(−ca, 1)\left(-\dfrac{c}{a},\ 1\right) が ℓ\ell 上にある。2 つ目の方程式に代入して差をとると b′b'=0{}= 0、さらに c′c'=a′ac{}= \dfrac{a'}{a}c を得る。kk=a′a{}= \dfrac{a'}{a} とおけばよく、b′b'=0{}= 0 と仮定より a′a'≠0{}\neq 0 なので kk≠0{}\neq 0 である。(証明終)

本文の「レシピの分量」の例えは、この定理のことです。一般形の係数は、直線 1 本に対して「割合 a:b:ca : b : c」だけが決まります。

定点を通る直線の全体

定理6:k の値にかかわらず成り立つ条件と、直線の束

f(x, y)f(x,\ y)=a1x{}= a_1x+b1y{}+ b_1y+c1{}+ c_1,g(x, y)g(x,\ y)=a2x{}= a_2x+b2y{}+ b_2y+c2{}+ c_2 とする。

(1) 点 (x0, y0)(x_0,\ y_0) で、等式 k f(x0, y0)k\,f(x_0,\ y_0)+g(x0, y0){}+ g(x_0,\ y_0)=0{}= 0 がすべての実数 kk について成り立つための必要十分条件は、f(x0, y0)f(x_0,\ y_0)=0{}= 0 かつ g(x0, y0)g(x_0,\ y_0)=0{}= 0 である。

(2) DD=a1b2{}= a_1b_2−a2b1{}- a_2b_1≠0{}\neq 0 とする。このとき 2 直線 ff=0{}= 0,gg=0{}= 0 はただ 1 つの共有点をもつ(第3章で扱う)。その点を P(x0, y0)\mathrm{P}(x_0,\ y_0) とすると、P を通る直線のうち f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 以外のものは、ちょうど 1 つの実数 kk によって k f(x, y)k\,f(x,\ y)+g(x, y){}+ g(x,\ y)=0{}= 0 と表される。f(x, y)f(x,\ y)=0{}= 0 はどの kk でも表されない。

証明 (1) f(x0, y0)f(x_0,\ y_0)=p{}= p,g(x0, y0)g(x_0,\ y_0)=q{}= q とおく。kpkp+q{}+ q=0{}= 0 がすべての kk で成り立つなら、kk=0{}= 0 として qq=0{}= 0、kk=1{}= 1 として pp+q{}+ q=0{}= 0 より pp=0{}= 0。逆は明らかである(数と式 第9章の恒等式の考え方)。

(2) まず、k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 はいつも直線を表す。xx,yy の係数は (ka1+a2, kb1+b2)(ka_1 + a_2,\ kb_1 + b_2) で、これが (0, 0)(0,\ 0) になるとすると a2a_2=−ka1{}= -ka_1,b2b_2=−kb1{}= -kb_1 から DD=a1(−kb1){}= a_1(-kb_1)−(−ka1)b1{}- (-ka_1)b_1=0{}= 0 となり、仮定に反するからである。(1) より、この直線は P を通る。

P を通る直線 axax+by{}+ by+c{}+ c=0{}= 0 を 1 つとる。連立方程式

a1λ\displaystyle a_1\lambda+a2μ\displaystyle {}+ a_2\mu=a,\displaystyle {}= a,b1λ\displaystyle b_1\lambda+b2μ\displaystyle {}+ b_2\mu=b\displaystyle {}= b

は、DD≠0{}\neq 0 なので、ただ 1 組の解 λ\lambda=ab2−a2bD{}= \dfrac{ab_2 - a_2b}{D},μ\mu=a1b−ab1D{}= \dfrac{a_1b - ab_1}{D} をもつ(代入すれば確かめられる)。直線が P を通ることから cc=−(ax0+by0){}= -(ax_0 + by_0) であり、同じく c1c_1=−(a1x0+b1y0){}= -(a_1x_0 + b_1y_0),c2c_2=−(a2x0+b2y0){}= -(a_2x_0 + b_2y_0) なので

λc1\displaystyle \lambda c_1+μc2\displaystyle {}+ \mu c_2=−{(λa1+μa2)x0\displaystyle {}= -\bigl\{(\lambda a_1 + \mu a_2)x_0+(λb1+μb2)y0}\displaystyle {}\qquad + (\lambda b_1 + \mu b_2)y_0\bigr\}=−(ax0+by0)\displaystyle {}= -(ax_0 + by_0)=c\displaystyle {}= c

となる。よって axax+by{}+ by+c{}+ c=λf(x, y){}= \lambda f(x,\ y)+μg(x, y){}+ \mu g(x,\ y) が恒等的に成り立つ。

  • μ\mu≠0{}\neq 0 なら、両辺を μ\mu で割って、この直線は kk=λμ{}= \dfrac{\lambda}{\mu} として k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 と表される。
  • μ\mu=0{}= 0 なら、この直線は λf\lambda f=0{}= 0(λ\lambda≠0{}\neq 0)、つまり ff=0{}= 0 そのものである。

最後に、ff=0{}= 0 がどの kk でも表されないことを示す。もし k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 が ff=0{}= 0 と同じ直線なら、定理5より 00 でない ss があって k fk\,f+g{}+ g=sf{}= s f、つまり gg=(s−k)f{}= (s - k)f となる。gg の xx,yy の係数は (0, 0)(0,\ 0) ではないので ss−k{}- k≠0{}\neq 0 であり、(a2, b2)(a_2,\ b_2)=(s−k)(a1, b1){}= (s - k)(a_1,\ b_1) から DD=0{}= 0 となって仮定に反する。

kk がただ 1 つであることを示す。k fk\,f+g{}+ g=0{}= 0 と k′ fk'\,f+g{}+ g=0{}= 0 が同じ直線なら、定理5より 00 でない ss があって、恒等的に k′ fk'\,f+g{}+ g=s(k f+g){}= s(k\,f + g)、つまり (k′−sk)f(k' - sk)f=(s−1)g{}= (s - 1)g が成り立つ。ss≠1{}\neq 1 なら gg=k′−sks−1f{}= \dfrac{k' - sk}{s - 1}f となり、上と同じく DD=0{}= 0 が出て仮定に反する。よって ss=1{}= 1 で、(k′−k)f(k' - k)f=0{}= 0 が恒等的に成り立つ。ff の xx,yy の係数は (0, 0)(0,\ 0) でないので、k′k'=k{}= k である。(証明終)

条件 DD=a1b2{}= a_1b_2−a2b1{}- a_2b_1≠0{}\neq 0 は、2 直線 ff=0{}= 0,gg=0{}= 0 が平行でも一致でもなく、ただ 1 点で交わるための条件です。このことは第3章で扱います。本文の例題6では ff=x{}= x−y{}- y−1{}- 1,gg=2x{}= 2x+y{}+ y−8{}- 8 で、DD=1⋅1{}= 1 \cdot 1−2⋅(−1){}- 2 \cdot (-1)=3{}= 3≠0{}\neq 0 です。

定理6の λf\lambda f+μg{}+ \mu g=0{}= 0(λ\lambda,μ\mu の少なくとも一方が 00 でない)の形で書けば、P を通るすべての直線をもれなく表せます。kk 1 つで書く形は、λ:μ\lambda : \mu の比のうち μ\mu=0{}= 0 にあたる 1 本だけを取りこぼしている、というのが本文の「灯台の光が向けられない向き」の正体です。

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