問1 ★
赤玉 個と白玉 個が入った袋から、 個の玉を同時に取り出します。取り出した赤玉の個数を とするとき、 の確率分布、期待値 、分散 を求めなさい。
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,,,,,
個から 個を取り出す方法は 通りです。赤玉が 個のときは 通りなので
| 0 | 1 | 2 | 3 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 |
( は , は , は 通り。)
目次 / 数検対策(準2級・2級・準1級) / 数検2級
—— データの分析と統計 第6〜10章の「確率変数と確率分布・二項分布・正規分布・標本調査と推定・仮説検定」を、数検2級の出題形式で ——
数検2級の「統計的な推測」の類題です。確率分布と期待値・分散、$aX + b$ と独立な和、二項分布、確率密度関数、正規分布の標準化から、二項分布の正規近似、母平均・母比率の推定と検定、標本の大きさの決め方までを20問にまとめました。2次(数理技能)では、「$X$ は近似的に $N(m,\ \sigma^2)$ に従う」と分布を書いてから標準化すること、検定では帰無仮説・対立仮説・棄却域を先に書いてから $z_0$ と比べ、最後に「〜といえる/〜とは判断できない」と結論を文で書くことを練習します。正規分布表の値は、問題ごとに必要な分だけ問題文に載せています。
この章の問題は、「分布を決めて平均と標準偏差を出す力」と、「標準化して正規分布表で確率を読み、推定や検定の結論を言葉で書く力」の2本柱です。
難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=難問です。★から順に取り組みましょう。
問1 ★
赤玉 個と白玉 個が入った袋から、 個の玉を同時に取り出します。取り出した赤玉の個数を とするとき、 の確率分布、期待値 、分散 を求めなさい。
,,,,,
個から 個を取り出す方法は 通りです。赤玉が 個のときは 通りなので
| 0 | 1 | 2 | 3 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 |
( は , は , は 通り。)
問2 ★
確率変数 の期待値が 、標準偏差が であるとします。 として、 の期待値が 、標準偏差が となるような定数 , の値を求めなさい。
,
で、 なので
より
問3 ★
枚の硬貨を投げて、表が出れば 、裏が出れば とする確率変数を 、 個のさいころを投げて出る目を とします。硬貨とさいころは独立に投げるものとして、,, の値を求めなさい。
,,
について , なので です。
について , なので です。
と は独立なので、差の分散も分散の和になります。
問4 ★
フリースローの成功率が の選手が 回シュートします。各回の成否は独立であるとして、成功する回数が 回以上になる確率を小数で求めなさい。
成功回数を とすると、 は二項分布 に従います。
よって です。
問5 ★
確率変数 が二項分布 に従い、, であるとき、 と の値を求めなさい。
,
, です。2 つ目の式を 1 つ目で割ると
に代入して です。
問6 ★
確率変数 のとる値の範囲が で、確率密度関数が であるとき、定数 の値、、、 を求めなさい。
,,,
全体の確率は なので
問7 ★
ある工場で作るペットボトル飲料の内容量 (mL)は、正規分布 に従うとします。正規分布表の値 , を使って、 と を求めなさい。
,
とおくと、 は に従います。
のとき , のとき なので
のとき なので、左右対称を使って
問8 ★
ある町の住民から無作為に 人を選んで 日の歩行時間を調べたところ、平均値は 分でした。母標準偏差を 分として、この町の住民の歩行時間の母平均 に対する信頼度 の信頼区間を求めなさい。
(分)
標本平均の標準偏差は
信頼度 の信頼区間は なので
問9 ★★
個のさいころを 回投げるとき、 または の目が出る回数を とします。正規分布表の値 , を使い、正規分布で近似して、(1) ,(2) の値をそれぞれ求めなさい。
(1) (2)
回の試行で または の目が出る確率は なので、 は二項分布 に従います。
は大きいので、 は近似的に正規分布 に従います。 とおくと、 は近似的に に従います。
(1) のとき なので
(2) のとき , のとき なので
問10 ★★
ある市の有権者から無作為に 人を選んで調べたところ、 人がある政策に賛成でした。この市の有権者全体の賛成の割合 に対する信頼度 の信頼区間を、小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めなさい。
標本比率は です。 は大きいので、母比率の推定では標準偏差の を で置きかえて
信頼度 の信頼区間は なので
小数第4位を四捨五入して です。
問11 ★★
ある意見に賛成する人の母比率 を、信頼度 で推定します。信頼区間の幅(上端と下端の差)を 以下にするとき、(1) 賛成の割合がおよそ と見込まれている場合、(2) 見込みがまったくない場合の、標本の大きさ の最小値をそれぞれ求めなさい。ただし、 を用い、(1) では標本比率を とみなし、(2) では がとりうる最大の値で考えるとして、それぞれ求めなさい。
(1) (2)
信頼度 の信頼区間の幅は です。これが 以下なので
(1) のとき なので
は整数なので、最小値は です。
(2) なので、 がどんな値でも条件を満たすには を最大の として
よって最小値は です。見込みがないと、必要な人数が約 倍になります。
問12 ★★
ある商品のくじは、当たりの割合が と表示されています。このくじを無作為に 本引いたところ、当たりは 本でした。表示された当たりの割合は正しくないといえるかを、有意水準 と有意水準 のそれぞれで検定しなさい。正規分布表の値 , を用いて、それぞれの結論を求めなさい。
。有意水準 では棄却され、表示は正しくないといえる。有意水準 では棄却されず、正しくないとは判断できない。
当たりの母比率を とします。
が正しいとき、標本比率 は近似的に正規分布 に従います。分母は帰無仮説の で計算して
は近似的に に従います。 なので
問13 ★★
内容量 g と表示された袋入りのナッツから、無作為に 袋を選んで重さを量ったところ、平均値は g、標準偏差は g でした。内容量は表示より少ないといえるかを、有意水準 と有意水準 のそれぞれで検定しなさい。正規分布表の値 , を用いて、それぞれの結論を求めなさい。
。有意水準 では棄却され、表示より少ないといえる。有意水準 では棄却されず、少ないとは判断できない。
内容量の母平均を とします。
は大きいので、母標準偏差の代わりに標本の標準偏差 を使います。 が正しいとき、標本平均 は近似的に に従い、 です。
は近似的に に従い、実際の値は
問14 ★★
箱の中に の札が 枚、 の札が 枚、 の札が 枚入っています。札を 枚引き、数を記録して箱に戻してから、もう 枚引きます。 回目、 回目の数をそれぞれ , とし、和 と積 を考えます。 の期待値と分散、 の期待値と分散を求めなさい。
,,,
, は同じ分布に従い、札を戻すので独立です。
| 1 | 2 | 3 | 計 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 |
和 :。独立なので です。
積 :独立なので です。
分散は で求めます。 で、 と も独立なので
積の分散は にはならないことに注意します( とは異なります)。
問15 ★★
ある模擬試験を 人が受験し、得点は正規分布 に従うとみなせるとします。正規分布表の値 , を用いて、(1) 点以上の受験者のおよその人数、(2) 上位 人に入るために必要なおよその得点(小数第1位を四捨五入)をそれぞれ求めなさい。
(1) 約 人 (2) 約 点
得点を とし、 とおくと、 は に従います。
(1) のとき なので
人数は なので、 です。
(2) 上位 人の割合は です。 となる は、 より です。
小数第1位を四捨五入して、 以上が必要です。
問16 ★★
母平均 、母標準偏差 の母集団から、大きさ の無作為標本を抽出します。標本平均を とし、正規分布表の値 , を用いて、(1) の期待値と標準偏差、(2) 、(3) をそれぞれ求めなさい。
(1) 期待値 ,標準偏差 (2) (3)
(1) , です。
は大きいので、 は近似的に正規分布 に従います。 は近似的に に従います。
(2) のとき なので
(3) , のとき , なので
問17 ★★★
あるパン屋では、限定パンを 個 円で仕入れて 円で売り、売れ残りは廃棄します。 日の注文数 の確率分布は次の表のとおりです。
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.25 | 0.15 | 1 |
仕入れる個数を ( の整数)とし、売れる個数は と の小さいほうとします。 日の利益の期待値を最大にする と、そのときの期待値を求めなさい。
,期待値 円
個仕入れたときの利益の期待値を とします。売れる個数を ( と の小さいほう)とすると、利益は なので、 です。
個から 個に増やすと、増やした 個は のときだけ売れるので
表から
| 1 | 2 | 3 | 4 | |
|---|---|---|---|---|
| 0.9 | 0.7 | 0.4 | 0.15 |
よって , で、 は で最大です。 なので
(直接計算しても、 のとき で、 です。)
問18 ★★★
母標準偏差が の母集団について、帰無仮説「母平均は である」を両側検定します。大きさ の無作為標本の標本平均が であったとき、(1) 有意水準 で帰無仮説が棄却されるような の最小値、(2) 有意水準 で棄却されるような の最小値を、 と を用いてそれぞれ求めなさい。
(1) (2)
帰無仮説 :,対立仮説 : とします。 が大きいとき、 のもとで は近似的に に従うので、 は近似的に に従います。実際の値は
(1) 棄却域は なので
は整数なので、最小値は です。
(2) 棄却域は なので
最小値は です。
同じ の差でも、標本が大きいほど「偶然とは考えにくい」と判断されます。有意であることは、差が大きいことを意味しない点に注意します。
問19 ★★★
大小 個のさいころを投げ、出た目のうち大きいほう(同じならその目)を 、小さいほう(同じならその目)を とします。,, を求めなさい。また、 と は独立でないことを示しなさい。
,,(独立でないことは解説を参照)
大小のさいころの目を , とします。 と は独立で、どちらも です。
: となるのは かつ のときなので です。よって
分子の和は
なので
:どの場合も は と同じ組なので、 です。和の期待値の公式から
:同じ理由で であり、, は独立なので
独立でないこと:もし , が独立なら が成り立つはずです。しかし
で、両者は等しくありません。よって と は独立ではありません。
(直接確かめることもできます。, ですが、 かつ は起こらないので です。)
問20 ★★★
従来の治療法の有効率は です。新しい治療法を 人に試し、有効だった人数を とします。「新しい治療法の有効率は より高い」と主張するための片側検定を考え、正規分布表の値 , を用いて、(1) 有意水準 で主張できる の最小値、(2) 有意水準 で主張できる の最小値、(3) 有効だった割合が のとき、 人の場合と 人の場合のそれぞれで有意水準 の結論をそれぞれ求めなさい。
(1) 人 (2) 人 (3) 人では で主張できない。 人では で主張できる。
有効率を とし、帰無仮説 :,対立仮説 :(右側検定)とします。
のもとで は に従い、, です。 が大きいので は近似的に に従い、 は近似的に に従います。
(1) 有意水準 の棄却域は なので
は整数なので、最小値は です。
(2) 棄却域は なので ,最小値は です。
(3) 標本比率 で考えると、 のもとで です。
同じ割合 でも、人数を 倍にすると が半分になり、 が 倍になって結論が変わります。
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