目次 / 二次関数 / 数学I

第4章 二次関数の決定

—— 頂点・通る点・最大値などの条件から、式そのものを求める ——

第2章と第3章では、式が与えられていて、そのグラフや最大・最小を調べました。この章では向きが逆になります。「頂点が $(1,\ 3)$ で点 $(2,\ 5)$ を通る」「3 点を通る」「$x = 2$ で最大値 $4$ をとる」——こうした条件から、二次関数の式そのものを求めます。かぎになるのは、二次関数には $y = a(x - p)^2 + q$、$y = ax^2 + bx + c$、$y = a(x - \alpha)(x - \beta)$ という 3 つの書き方があり、**条件に合う形でおくと計算がいちばん短くなる**ことです。どの形でおくかを選ぶ目を養い、条件が足りないときに答えが 2 通りになることも確かめていきます。

問題マップ記録を読み込み中…
未回答 25× 0○ 01か月定着 0

条件に合う「式の形」を選ぶ

二次関数の式には、これまでに 3 つの書き方が出てきました。yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+q{}+ q(第2章)、yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c(第1章)、そして第2章の実践問題 j08 で xx 軸との交点を求めるときに使った yy=a(x−α)(x−β){}= a(x - \alpha)(x - \beta) の形です。どれも同じ放物線を表せますが、与えられた条件によって、書きやすさがまったく違います。

公式1:条件に合う式の形を選ぶ

求める二次関数を、次のようにおいてから条件を代入する。

与えられた条件おき方未知の文字
頂点 (p, q)(p,\ q)、軸 x=px = p、最大値・最小値y=a(x−p)2+qy = a(x - p)^2 + q(標準形)aa(軸だけなら aa,qq)
通る 3 点y=ax2+bx+cy = ax^2 + bx + c(一般形)aa,bb,cc
xx 軸との交点 (α, 0)(\alpha,\ 0),(β, 0)(\beta,\ 0)y=a(x−α)(x−β)y = a(x - \alpha)(x - \beta)(分解形)aa

未知の文字の個数と、使える条件の個数がそろえば、連立方程式を解いて決められる。

同じ 1 つの時刻でも、場面によって言い方を変えます。時刻表を見るときは「14 時 30 分」、友達との待ち合わせなら「午後 2 時半」、あわてているときは「あと 30 分で 3 時」。どれも同じ瞬間を指していますが、その場でいちばん役に立つ言い方は違います。二次関数の 3 つの形も同じで、頂点の話をしているときに一般形でおくと、わざわざ平方完成をやり直すはめになります。

もう 1 つ大事なのは、条件が足りないと式は 1 つに決まらないということです。下の図の左を見てください。頂点が (1, 3)(1,\ 3) という条件だけでは、aa の値が自由なので放物線は何本でも引けます。そこに「点 (2, 5)(2,\ 5) を通る」がもう 1 つ加わって、ようやく 1 本に決まります。右も同じで、xx 軸と (−2, 0)(-2,\ 0),(4, 0)(4,\ 0) で交わるだけでは決まりません。

頂点 (1, 3) を通る放物線 x y O 頂点 (1, 3) 1 2 (2, 5) a = 2 a = 1/2 a = −1 x 軸と (−2, 0)、(4, 0) で交わる放物線 x y O −2 4 a = 1/2 a = 1/4 a = −1/2

二次関数を決める問題では、まず条件を見て 3 つの形から選び、残った文字の個数と条件の個数がそろうようにおく、ということです。

例題1:どの形でおくかを選ぶ

次の (1)〜(4) の条件を満たす二次関数を求めるとき、式をどのようにおけばよいかを答えなさい。式そのものは求めなくてよいものとします。

(1) 頂点が (−1, 5)(-1,\ 5) で、点 (1, 1)(1,\ 1) を通る

(2) 3 点 (0, 2)(0,\ 2),(1, 0)(1,\ 0),(3, 8)(3,\ 8) を通る

(3) xx 軸と 2 点 (2, 0)(2,\ 0),(5, 0)(5,\ 0) で交わり、点 (0, 10)(0,\ 10) を通る

(4) 軸が直線 xx=3{}= 3 で、2 点 (1, 4)(1,\ 4),(4, −2)(4,\ -2) を通る


【解答】

(1) 頂点が分かっているので y=a(x+1)2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}y = a(x + 1)^2}+5‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ 5} とおきます。未知の文字は aa だけで、条件「点 (1, 1)(1,\ 1) を通る」が 1 つあるので決まります。

(2) 頂点も xx 軸との交点も分からず、通る点が 3 つあるので y=ax2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}y = ax^2}+bx‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}+ bx}+c‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}+ c} とおきます。文字 3 つ、条件 3 つです。

(3) xx 軸との交点が分かっているので y=a(x−2)(x−5)‾\underline{y = a(x - 2)(x - 5)} とおきます。文字は aa だけです。

(4) 軸は分かっていますが、頂点の yy 座標は分かりません。y=a(x−3)2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}y = a(x - 3)^2}+q‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ q} とおきます。文字 2 つ、条件(通る点)2 つです。

(3) を一般形でおいても解けますが、文字が 3 つになり、条件は 3 つ(xx 軸との交点 2 つと通る点 1 つ)なので、連立方程式が大きくなります。形を選ぶ目的は、計算を短くすることです。

頂点や軸が分かっているとき

公式2:頂点・軸から決める
  • 頂点 (p, q)(p,\ q) が分かっているとき、yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+q{}+ q とおき、通る点 1 つを代入して aa を求める。
  • 軸 xx=p{}= p だけが分かっているとき、yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+q{}+ q とおき、通る点 2 つを代入して aa,qq の連立方程式を解く。

最後に yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c の形に展開して答えることが多い。問題文が「二次関数を求めなさい」なら、どちらの形で答えてもよい。

第2章の実践問題 j11 で、「頂点と x2x^2 の係数が決まれば放物線はただ 1 つに決まる」ことを確かめました。裏を返せば、頂点だけでは足りない分がちょうど aa 1 つ分だということです。だから、通る点をもう 1 つ教えてもらえば足ります。

折りたたみの脚立を思い浮かべてください。てっぺんを部屋のどこに置くかを決めても、それだけでは形は決まりません。脚を大きく開いて低く構えることも、すぼめて高く立てることもできます。片方の脚先を床のこの位置、と決めた瞬間に開き具合が定まり、脚立の形が 1 つになります。てっぺんが頂点、開き具合が aa、脚先が「通る点」にあたります。

頂点が分かれば残る文字は aa だけなので通る点が 1 つ、軸だけなら文字は aa と qq の 2 つなので通る点が 2 つ必要だということです。

例題2:頂点・軸から決める

次の条件を満たす二次関数を求めなさい。

(1) 頂点が (1, 3)(1,\ 3) で、点 (2, 5)(2,\ 5) を通る

(2) 軸が直線 xx=1{}= 1 で、2 点 (0, 3)(0,\ 3),(3, 0)(3,\ 0) を通る


【解答】

(1) 頂点が (1, 3)(1,\ 3) なので

y\displaystyle y=a(x−1)2\displaystyle {}= a(x - 1)^2+3\displaystyle {}+ 3

とおきます。点 (2, 5)(2,\ 5) を通るので、xx=2{}= 2,yy=5{}= 5 を代入して

5\displaystyle 5=a(2−1)2\displaystyle {}= a(2 - 1)^2+3\displaystyle {}+ 3=a\displaystyle {}= a+3\displaystyle {}+ 3

より aa=2{}= 2 です。

y=2(x−1)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = 2(x - 1)^2}+3 (=2x2−4x+5)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 3 \ \left(= 2x^2 - 4x + 5\right)}

(2) 軸が xx=1{}= 1 なので、頂点の yy 座標を qq として

y\displaystyle y=a(x−1)2\displaystyle {}= a(x - 1)^2+q\displaystyle {}+ q

とおきます。2 点を代入すると

{a(0−1)2+q=3a(3−1)2+q=0\displaystyle \begin{cases} a(0 - 1)^2 + q = 3 \\ a(3 - 1)^2 + q = 0 \end{cases}すなわち\displaystyle \text{すなわち}{a+q=34a+q=0\displaystyle \begin{cases} a + q = 3 \\ 4a + q = 0 \end{cases}

下の式から上の式を引くと 3a3a=−3{}= -3 なので aa=−1{}= -1、これを aa+q{}+ q=3{}= 3 に入れて qq=4{}= 4 です。

y=−(x−1)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = -(x - 1)^2}+4 (=−x2+2x+3)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 4 \ \left(= -x^2 + 2x + 3\right)}

確かめとして、xx=3{}= 3 を入れると −(2)2-(2)^2+4{}+ 4=0{}= 0 となり、条件に合っています。

通る 3 点が分かっているとき

頂点も軸も分からず、通る点だけがいくつか分かっている場合は、一般形 yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c でおきます。文字が 3 つなので、条件も 3 つ、つまり通る点が 3 つ必要です。

公式3:3 点から決める

yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c とおき、3 点の座標をそれぞれ代入して、aa,bb,cc の連立 3 元 1 次方程式を解く。

  • xx=0{}= 0 の点(yy 軸との交点)があれば、cc がすぐ決まるので先に使う。
  • 残り 2 式は、片方の文字が消えるように引き算・足し算をすると速い。
x y O (0, −1) (1, 2) (−2, 5) 頂点 (−1/4, −9/8) y = 2x² + x − 1

喫茶店のレシートが 3 枚あるとします。どれも合計金額しか書いていませんが、「コーヒー 2 杯と紅茶 1 杯で 1150 円」「コーヒー 1 杯とケーキ 1 個で 950 円」のように、中身の組み合わせは分かります。品物の単価は 3 つとも分かりませんが、組み合わせの違う伝票が 3 枚あれば、単価を 1 つずつ割り出せます。aa,bb,cc が単価、3 つの点が 3 枚のレシートです。

通る 3 点が分かっているときは一般形でおき、3 つの式を連立させて aa,bb,cc を求めるということです。

例題3:3 点を通る二次関数

3 点 (0, −1)(0,\ -1),(1, 2)(1,\ 2),(−2, 5)(-2,\ 5) を通る二次関数を求めなさい。


【解答】

yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c とおき、3 点を代入します。

{c=−1a+b+c=24a−2b+c=5\begin{cases} c = -1 \\ a + b + c = 2 \\ 4a - 2b + c = 5 \end{cases}

上から順に ①,②,③ と呼ぶことにします。① を ②,③ に代入すると

{a+b=34a−2b=6\begin{cases} a + b = 3 \\ 4a - 2b = 6 \end{cases}

となります。下の式は両辺を 22 で割ると 2a2a−b{}- b=3{}= 3。これと aa+b{}+ b=3{}= 3 を足すと 3a3a=6{}= 6 なので aa=2{}= 2、aa+b{}+ b=3{}= 3 から bb=1{}= 1 です。

y=2x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}y = 2x^2}+x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}+ x}−1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}- 1}

答えが出たら、いちばん計算のじゃまになりそうな点で確かめます。xx=−2{}= -2 のとき 2×42 \times 4−2{}- 2−1{}- 1=5{}= 5 で、条件に合っています(上の図)。

xx 軸との交点が分かっているとき

グラフが xx 軸と 2 点 (α, 0)(\alpha,\ 0),(β, 0)(\beta,\ 0) で交わるということは、xx=α{}= \alpha,xx=β{}= \beta を代入すると yy が 00 になるということです。このとき、式は次の形に書けます。

公式4:xx 軸との交点から決める

グラフが xx 軸と 2 点 (α, 0)(\alpha,\ 0),(β, 0)(\beta,\ 0) で交わる二次関数は

y\displaystyle y=a(x−α)(x−β)\displaystyle {}= a(x - \alpha)(x - \beta)

と表せる。残る文字は aa だけなので、通る点がもう 1 つあれば決まる。

この形からは、次のこともすぐ読める。

  • 軸は 2 つの交点のちょうど真ん中、xx=α+β2{}= \dfrac{\alpha + \beta}{2}(第2章の teigi 定理4)
  • xx 軸から切り取る線分の長さは ∣β−α∣\lvert \beta - \alpha \rvert

一般形でおいてもできますが、文字が 3 つに増えます。分解形なら、xx 軸との交点という条件が式の形そのものに組みこまれているので、残る仕事は aa を 1 つ決めるだけです。

板に画びょうを 2 本打ち、輪ゴムを引っかけて指で下へ引っぱるところを想像してください。指をどれだけ強く引いても、輪ゴムは必ずこの 2 本の画びょうを通ります。変えられるのは「どれだけ深く垂れるか」だけ。xx 軸との交点が画びょう、aa が引っぱる強さです。

xx 軸との交点が分かっているときは yy=a(x−α)(x−β){}= a(x - \alpha)(x - \beta) とおけば、決めるのは aa だけで済むということです。

例題4:xx 軸との交点から決める

グラフが xx 軸と 2 点 (−2, 0)(-2,\ 0),(4, 0)(4,\ 0) で交わり、点 (2, −4)(2,\ -4) を通る二次関数を求めなさい。また、そのグラフの頂点を求めなさい。


【解答】

xx 軸との交点が (−2, 0)(-2,\ 0),(4, 0)(4,\ 0) なので

y\displaystyle y=a(x+2)(x−4)\displaystyle {}= a(x + 2)(x - 4)

とおきます。点 (2, −4)(2,\ -4) を通るので

−4\displaystyle -4=a(2+2)(2−4)\displaystyle {}= a(2 + 2)(2 - 4)=−8a\displaystyle {}= -8a

より aa=12{}= \dfrac{1}{2} です。よって y=12(x+2)(x−4)‾\underline{y = \dfrac{1}{2}(x + 2)(x - 4)}(=12x2= \dfrac{1}{2}x^2−x{}- x−4{}- 4)です。

頂点は、軸が 2 つの交点の真ん中 xx=−2+42{}= \dfrac{-2 + 4}{2}=1{}= 1 にあることを使うと速く求まります。xx=1{}= 1 のとき

y\displaystyle y=12(1+2)(1−4)\displaystyle {}= \frac{1}{2}(1 + 2)(1 - 4)=−92\displaystyle {}= -\frac{9}{2}頂点 (1, −92)‾\underline{\text{頂点}\ \left(1,\ -\frac{9}{2}\right)}

もちろん yy=12x2{}= \dfrac{1}{2}x^2−x{}- x−4{}- 4=12(x−1)2{}= \dfrac{1}{2}(x - 1)^2−92{}- \dfrac{9}{2} と平方完成しても同じです。

最大値・最小値が分かっているとき

第3章では「式から最大値・最小値を求める」ことを学びました。ここではその逆をたどります。かぎは、最大値・最小値の条件を、頂点の言葉に翻訳することです。

公式5:最大値・最小値から決める

定義域がないとき(xx がすべての実数をとるとき)

  • 「xx=p{}= p で最大値 MM をとる」   ⟺  \iff 「aa<0{}< 0 で、頂点が (p, M)(p,\ M)」
  • 「xx=p{}= p で最小値 mm をとる」   ⟺  \iff 「aa>0{}> 0 で、頂点が (p, m)(p,\ m)」

いずれも yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+M{}+ M(または +m+ m)とおける。

定義域があるときは、頂点とはかぎらない。第3章の公式2・公式4のとおり、軸と定義域の位置関係を調べ、最大・最小をとる xx を先に決めてから、その点での値を条件と等しいとおく。軸の位置が文字で動くなら場合分けする。

レシピに「しょうゆ 大さじ 1」と書いてあっても、はかりの目盛りはグラムです。まず「大さじ 1 は約 18 グラム」と直してから量ります。最大値・最小値の条件も同じで、そのままでは式に代入できません。「最大値が 44」を「頂点の yy 座標が 44(しかも上に凸)」と直してはじめて、yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+4{}+ 4 という式が書けます。単位をそろえてから計算する、という手順です。

なお、定義域があるときにこの翻訳をそのまま使うと間違えます。「00≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 で最大値 55」だからといって、頂点の yy 座標が 55 とはかぎらないからです。第3章で見たとおり、軸が定義域の外にあれば、最大になるのは端です。

最大値・最小値の条件は、定義域がなければ「頂点の座標と凸の向き」に翻訳でき、定義域があれば「どこで最大・最小になるか」を先に決めてから使うということです。

例題5:最大値から決める

(1) xx=2{}= 2 で最大値 44 をとり、点 (0, 0)(0,\ 0) を通る二次関数を求めなさい。

(2) 関数 yy=−x2{}= -x^2+2ax{}+ 2ax+b (0≦x≦3){}+ b \ (0 \leqq x \leqq 3) の最大値が 55、最小値が 11 となるように、定数 aa,bb の値を定めなさい。ただし 00≦a{}\leqq a≦3{}\leqq 3 とします。


【解答】

(1) 最大値をもつので上に凸、つまり aa<0{}< 0 です。頂点は (2, 4)(2,\ 4) なので

y\displaystyle y=a(x−2)2\displaystyle {}= a(x - 2)^2+4\displaystyle {}+ 4

とおきます。点 (0, 0)(0,\ 0) を通るので 00=4a{}= 4a+4{}+ 4 より aa=−1{}= -1 です。確かに aa<0{}< 0 なので、条件に合っています。

y=−(x−2)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = -(x - 2)^2}+4 (=−x2+4x)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 4 \ \left(= -x^2 + 4x\right)}

(2) 平方完成すると

y\displaystyle y=−(x2−2ax)\displaystyle {}= -(x^2 - 2ax)+b\displaystyle {}+ b=−(x−a)2\displaystyle {}= -(x - a)^2+a2\displaystyle {}+ a^2+b\displaystyle {}+ b

で、上に凸、軸は xx=a{}= a です。00≦a{}\leqq a≦3{}\leqq 3 より軸は定義域に入るので、最大は頂点です。

a2\displaystyle a^2+b\displaystyle {}+ b=5\displaystyle {}= 5⋯ (あ)\displaystyle \cdots\ \text{(あ)}

最小は、両端のうち軸から遠いほうでとります。定義域の中央 xx=32{}= \dfrac{3}{2} と軸 xx=a{}= a を比べて場合分けします。両端の値は f(0)f(0)=b{}= b,f(3)f(3)=−9{}= -9+6a{}+ 6a+b{}+ b です。

(i) 00≦a{}\leqq a<32{}< \dfrac{3}{2} のとき 遠いのは xx=3{}= 3 なので −9-9+6a{}+ 6a+b{}+ b=1{}= 1。(あ)から bb=5{}= 5−a2{}- a^2。これを代入すると

−9\displaystyle -9+6a\displaystyle {}+ 6a+5\displaystyle {}+ 5−a2\displaystyle {}- a^2=1\displaystyle {}= 1⟹ a2\displaystyle {}\Longrightarrow\ a^2−6a\displaystyle {}- 6a+5\displaystyle {}+ 5=0\displaystyle {}= 0⟹ (a−1)(a−5)\displaystyle {}\Longrightarrow\ (a - 1)(a - 5)=0\displaystyle {}= 0

aa=1{}= 1 または aa=5{}= 5 ですが、この場合の範囲 00≦a{}\leqq a<32{}< \dfrac{3}{2} に入るのは aa=1{}= 1 だけです。このとき bb=4{}= 4。

(ii) aa=32{}= \dfrac{3}{2} のとき 両端の値が等しく、f(0)f(0)=f(3){}= f(3)=b{}= b です。(あ)より bb=5{}= 5−94{}- \dfrac{9}{4}=114{}= \dfrac{11}{4} となり、11 になりません。よって不適です。

(iii) 32\dfrac{3}{2}<a{}< a≦3{}\leqq 3 のとき 遠いのは xx=0{}= 0 なので bb=1{}= 1。(あ)より a2a^2=4{}= 4、00≦a{}\leqq a≦3{}\leqq 3 なので aa=2{}= 2。これは範囲に入っています。

(a, b)=(1, 4),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(a,\ b) = (1,\ 4),} (2, 1)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (2,\ 1)}

念のため確かめます。(a, b)(a,\ b)=(1, 4){}= (1,\ 4) なら yy=−(x−1)2{}= -(x - 1)^2+5{}+ 5 で、f(1)f(1)=5{}= 5,f(0)f(0)=4{}= 4,f(3)f(3)=1{}= 1。(a, b)(a,\ b)=(2, 1){}= (2,\ 1) なら yy=−(x−2)2{}= -(x - 2)^2+5{}+ 5 で、f(2)f(2)=5{}= 5,f(0)f(0)=1{}= 1,f(3)f(3)=4{}= 4。どちらも最大値 55、最小値 11 です。答えが 2 通りあることに注意しましょう。第3章の実践問題 j20 と同じく、場合分けして出した解が、その場合の範囲に入っているかを必ず確かめます。

第5章へ——交点を「求める」ために

この章では、xx 軸との交点が分かっているところから式を決めました。では逆に、式のほうが分かっているとき、xx 軸との交点はどうやって求めるのでしょうか。yy=0{}= 0 とおいた

ax2\displaystyle ax^2+bx\displaystyle {}+ bx+c\displaystyle {}+ c=0\displaystyle {}= 0

という方程式を解くことになります。これが二次方程式です。第5章では、因数分解・平方完成・解の公式という 3 つの解き方を身につけます。第2章の実践問題 j08 では因数分解できる場合だけを扱いましたが、x2x^2−4x{}- 4x+1{}+ 1=0{}= 0 のように因数分解しにくい式も、平方完成から導かれる解の公式で解けるようになります。そして、そもそも交点がいくつあるのか(00 個のこともあります)を判定するのが、第6章の判別式です。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

頂点が (2, −3)(2,\ -3) で、点 (0, 1)(0,\ 1) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=(x−2)2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}y = (x - 2)^2}−3‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}- 3}(11=4a{}= 4a−3{}- 3 より aa=1{}= 1)

自己採点:
記録を読み込み中…

問2

頂点が (−1, 4)(-1,\ 4) で、点 (1, 0)(1,\ 0) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=−(x+1)2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}y = -(x + 1)^2}+4‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ 4}(00=4a{}= 4a+4{}+ 4 より aa=−1{}= -1)

自己採点:
記録を読み込み中…

問3

3 点 (0, 3)(0,\ 3),(1, 2)(1,\ 2),(−1, 6)(-1,\ 6) を通る二次関数を求めなさい。

答えを見る
答え

y=x2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}y = x^2}−2x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}- 2x}+3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0085em}{}+ 3}(cc=3{}= 3,aa+b{}+ b=−1{}= -1,aa−b{}- b=3{}= 3)

自己採点:
記録を読み込み中…

問4

グラフが xx 軸と 2 点 (−1, 0)(-1,\ 0),(4, 0)(4,\ 0) で交わり、点 (0, −4)(0,\ -4) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=(x+1)(x−4)‾\underline{y = (x + 1)(x - 4)}(−4-4=a×1×(−4){}= a \times 1 \times (-4) より aa=1{}= 1)

自己採点:
記録を読み込み中…

問5

xx=3{}= 3 で最大値 55 をとり、点 (1, −3)(1,\ -3) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

y=−2(x−3)2‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}y = -2(x - 3)^2}+5‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0641em}{}+ 5}(頂点 (3, 5)(3,\ 5),−3-3=4a{}= 4a+5{}+ 5 より aa=−2{}= -2)

自己採点:
記録を読み込み中…

実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) 頂点が (1, 3)(1,\ 3) で、点 (2, 5)(2,\ 5) を通る

(2) 頂点が (−2, 1)(-2,\ 1) で、点 (0, −7)(0,\ -7) を通る

上の (1),(2) の条件を満たす二次関数を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(1) yy=2(x−1)2{}= 2(x - 1)^2+3 (=2x2−4x+5){}+ 3 \ (= 2x^2 - 4x + 5) (2) yy=−2(x+2)2{}= -2(x + 2)^2+1 (=−2x2−8x−7){}+ 1 \ (= -2x^2 - 8x - 7)

解説

どちらも頂点が分かっているので、標準形 yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+q{}+ q とおきます。残る文字は aa だけです。

(1) yy=a(x−1)2{}= a(x - 1)^2+3{}+ 3 に xx=2{}= 2,yy=5{}= 5 を代入して

5\displaystyle 5=a\displaystyle {}= a+3\displaystyle {}+ 3⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=2\displaystyle {}= 2 y=2(x−1)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = 2(x - 1)^2}+3 (=2x2−4x+5)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 3 \ \left(= 2x^2 - 4x + 5\right)}

(2) yy=a(x+2)2{}= a(x + 2)^2+1{}+ 1 に xx=0{}= 0,yy=−7{}= -7 を代入して

−7\displaystyle -7=4a\displaystyle {}= 4a+1\displaystyle {}+ 1⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=−2\displaystyle {}= -2 y=−2(x+2)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = -2(x + 2)^2}+1 (=−2x2−8x−7)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 1 \ \left(= -2x^2 - 8x - 7\right)}

(2) は yy 軸との交点が −7-7 で、頂点の yy 座標 11 より下にあります。上に凸になるのは自然な結果です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問2 ★

軸が直線 xx=2{}= 2 で、2 点 (0, 5)(0,\ 5),(3, −1)(3,\ -1) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=2(x−2)2{}= 2(x - 2)^2−3 (=2x2−8x+5){}- 3 \ (= 2x^2 - 8x + 5)

解説

軸だけが分かっているので、頂点の yy 座標を qq として yy=a(x−2)2{}= a(x - 2)^2+q{}+ q とおきます。文字は aa,qq の 2 つ、条件も 2 つです。

{a(0−2)2+q=5a(3−2)2+q=−1\displaystyle \begin{cases} a(0 - 2)^2 + q = 5 \\ a(3 - 2)^2 + q = -1 \end{cases}すなわち\displaystyle \text{すなわち}{4a+q=5a+q=−1\displaystyle \begin{cases} 4a + q = 5 \\ a + q = -1 \end{cases}

上から下を引くと 3a3a=6{}= 6 なので aa=2{}= 2、qq=−1{}= -1−a{}- a=−3{}= -3 です。

y=2(x−2)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = 2(x - 2)^2}−3 (=2x2−8x+5)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}- 3 \ \left(= 2x^2 - 8x + 5\right)}

確かめると、xx=0{}= 0 で 88−3{}- 3=5{}= 5、xx=3{}= 3 で 22−3{}- 3=−1{}= -1 です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問3 ★

3 点 (1, 0)(1,\ 0),(2, −3)(2,\ -3),(−1, 12)(-1,\ 12) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=x2{}= x^2−6x{}- 6x+5{}+ 5

解説

yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c とおいて 3 点を代入します。

{a+b+c=04a+2b+c=−3a−b+c=12\begin{cases} a + b + c = 0 \\ 4a + 2b + c = -3 \\ a - b + c = 12 \end{cases}

上から順に ①,②,③ とします。① と ③ は aa と cc が同じ形なので、① から ③ を引くと aa,cc が消えます。

2b\displaystyle 2b=−12\displaystyle {}= -12⟹ b\displaystyle {}\Longrightarrow\ b=−6\displaystyle {}= -6

これを ①,② に入れると aa+c{}+ c=6{}= 6,4a4a+c{}+ c=9{}= 9 となり、引き算して 3a3a=3{}= 3、aa=1{}= 1、cc=5{}= 5 です。

y=x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}y = x^2}−6x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}- 6x}+5‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}+ 5}

3 元の連立方程式は、同じ文字の組が現れる 2 式を先に組み合わせると速く解けます。ここでは xx=1{}= 1 と xx=−1{}= -1 の式が使えました。

自己採点:
記録を読み込み中…

問4 ★

グラフが xx 軸と 2 点 (−3, 0)(-3,\ 0),(1, 0)(1,\ 0) で交わり、yy 軸と点 (0, −6)(0,\ -6) で交わる二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=2(x+3)(x−1){}= 2(x + 3)(x - 1)(=2x2= 2x^2+4x{}+ 4x−6{}- 6)

解説

xx 軸との交点が分かっているので、分解形でおきます。

y\displaystyle y=a(x+3)(x−1)\displaystyle {}= a(x + 3)(x - 1)

点 (0, −6)(0,\ -6) を通るので

−6\displaystyle -6=a×3×(−1)\displaystyle {}= a \times 3 \times (-1)=−3a\displaystyle {}= -3a⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=2\displaystyle {}= 2

よって y=2(x+3)(x−1)‾\underline{y = 2(x + 3)(x - 1)}(=2x2= 2x^2+4x{}+ 4x−6{}- 6)です。

ちなみに軸は 2 つの交点の真ん中 xx=−3+12{}= \dfrac{-3 + 1}{2}=−1{}= -1、頂点は (−1, −8)(-1,\ -8) です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問5 ★

xx=−1{}= -1 で最大値 88 をとり、点 (1, 0)(1,\ 0) を通る二次関数を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=−2(x+1)2{}= -2(x + 1)^2+8 (=−2x2−4x+6){}+ 8 \ (= -2x^2 - 4x + 6)

解説

定義域がないので、「xx=−1{}= -1 で最大値 88」は「上に凸で、頂点が (−1, 8)(-1,\ 8)」と読みかえられます。

y\displaystyle y=a(x+1)2\displaystyle {}= a(x + 1)^2+8\displaystyle {}+ 8(a<0)\displaystyle (a < 0)

点 (1, 0)(1,\ 0) を通るので

0\displaystyle 0=4a\displaystyle {}= 4a+8\displaystyle {}+ 8⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=−2\displaystyle {}= -2

aa=−2{}= -2<0{}< 0 なので、確かに上に凸です。

y=−2(x+1)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}y = -2(x + 1)^2}+8 (=−2x2−4x+6)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.35em]{0em}{1.2141em}{}+ 8 \ \left(= -2x^2 - 4x + 6\right)}

aa の符号が条件と合っているかの確認を、最後に必ず入れましょう。

自己採点:
記録を読み込み中…

問6 ★

放物線 yy=2x2{}= 2x^2 を、xx 軸方向に pp,yy 軸方向に qq だけ平行移動すると、放物線 yy=2x2{}= 2x^2−8x{}- 8x+3{}+ 3 に重なります。定数 pp,qq の値を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

pp=2{}= 2,qq=−5{}= -5

解説

yy=2x2{}= 2x^2 を平行移動した放物線は yy=2(x−p)2{}= 2(x - p)^2+q{}+ q で、頂点は (p, q)(p,\ q) です。つまり、移動後の放物線の頂点を求めれば、それがそのまま pp,qq になります。

y\displaystyle y=2(x2−4x)\displaystyle {}= 2(x^2 - 4x)+3\displaystyle {}+ 3=2{(x−2)2−4}\displaystyle {}= 2\{(x - 2)^2 - 4\}+3\displaystyle {}+ 3=2(x−2)2\displaystyle {}= 2(x - 2)^2−5\displaystyle {}- 5

頂点は (2, −5)(2,\ -5) なので

p=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}p = 2,}q=−5‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\quad q = -5}

第2章で学んだとおり、x2x^2 の係数は平行移動で変わりません。移動前と移動後で係数がどちらも 22 であることも確かめておきましょう。

自己採点:
記録を読み込み中…

問7 ★

放物線 yy=2x2{}= 2x^2 を平行移動したもので、頂点が xx 軸上にあり、点 (3, 8)(3,\ 8) を通る放物線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=2(x−1)2{}= 2(x - 1)^2 と yy=2(x−5)2{}= 2(x - 5)^2 の 2 つ

解説

yy=2x2{}= 2x^2 の平行移動なので x2x^2 の係数は 22 のままです。頂点が xx 軸上にあるとは、頂点の yy 座標が 00 ということなので、頂点を (p, 0)(p,\ 0) として

y\displaystyle y=2(x−p)2\displaystyle {}= 2(x - p)^2

とおけます。点 (3, 8)(3,\ 8) を通るので

8\displaystyle 8=2(3−p)2\displaystyle {}= 2(3 - p)^2⟹ (3−p)2\displaystyle {}\Longrightarrow\ (3 - p)^2=4\displaystyle {}= 4⟹ 3\displaystyle {}\Longrightarrow\ 3−p\displaystyle {}- p=±2\displaystyle {}= \pm 2

33−p{}- p=2{}= 2 から pp=1{}= 1、33−p{}- p=−2{}= -2 から pp=5{}= 5 です。よって y=2(x−1)2‾\underline{y = 2(x - 1)^2} と y=2(x−5)2‾\underline{y = 2(x - 5)^2} の 2 つです。

点 (3, 8)(3,\ 8) が頂点の右にある場合と左にある場合の 2 通りがあるので、答えも 2 つです。2 乗をはずすときの ±\pm を落とさないようにしましょう。

自己採点:
記録を読み込み中…

問8 ★

断面が放物線の形をしたトンネルがあります。地面との交わりの幅が 8 m8\ \text{m}、いちばん高いところの高さが 6 m6\ \text{m} です。トンネルの端から水平に 1 m1\ \text{m} だけ内側に入った地点の、天井の高さを求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

218 m\dfrac{21}{8}\ \text{m}

解説

いちばん高いところを頂点とみて、座標を自分で決めます。頂点を yy 軸上に置くと計算がいちばん楽になります。

頂点を (0, 6)(0,\ 6)、地面を xx 軸とすると、幅が 88 なので地面との交点は (−4, 0)(-4,\ 0) と (4, 0)(4,\ 0) です。頂点が (0, 6)(0,\ 6) なので

y\displaystyle y=ax2\displaystyle {}= ax^2+6\displaystyle {}+ 6

とおけます。xx=4{}= 4 のとき yy=0{}= 0 なので

16a\displaystyle 16a+6\displaystyle {}+ 6=0\displaystyle {}= 0⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=−38\displaystyle {}= -\frac{3}{8}

端から 1 m1\ \text{m} 内側は xx=3{}= 3(または xx=−3{}= -3)なので

y\displaystyle y=−38×9\displaystyle {}= -\frac{3}{8} \times 9+6\displaystyle {}+ 6=−278\displaystyle {}= -\frac{27}{8}+488\displaystyle {}+ \frac{48}{8}=218\displaystyle {}= \frac{21}{8} 218 m‾\underline{\frac{21}{8}\ \text{m}}

218\dfrac{21}{8}=2.625{}= 2.625 なので、約 2.6 m2.6\ \text{m} です。座標の置き方は自由なので、対称な形は頂点や中心を軸の上に置くと、式に xx の 1 次の項が出ずに済みます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問9 ★★

二次関数 yy=x2{}= x^2+bx{}+ bx+c{}+ c のグラフが点 (1, −2)(1,\ -2) を通り、その最小値が −3-3 であるとき、定数 bb,cc の値を定めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(b, c)(b,\ c)=(0, −3){}= (0,\ -3) と (b, c)(b,\ c)=(−4, 1){}= (-4,\ 1) の 2 組

解説

平方完成すると

y\displaystyle y=(x+b2)2\displaystyle {}= \left(x + \frac{b}{2}\right)^2+c\displaystyle {}+ c−b24\displaystyle {}- \frac{b^2}{4}

で、下に凸なので最小値は頂点の yy 座標です。条件は次の 2 つになります(上の式は点 (1, −2)(1,\ -2) を通ること、下の式は最小値が −3-3 であること)。

{1+b+c=−2c−b24=−3\begin{cases} 1 + b + c = -2 \\ c - \dfrac{b^2}{4} = -3 \end{cases}

上の式から cc=−3{}= -3−b{}- b。これを下の式に代入します。

−3\displaystyle -3−b\displaystyle {}- b−b24\displaystyle {}- \frac{b^2}{4}=−3\displaystyle {}= -3⟹ −b\displaystyle {}\Longrightarrow\ -b−b24\displaystyle {}- \frac{b^2}{4}=0\displaystyle {}= 0⟹ b2\displaystyle {}\Longrightarrow\ b^2+4b\displaystyle {}+ 4b=0\displaystyle {}= 0⟹ b(b+4)\displaystyle {}\Longrightarrow\ b(b + 4)=0\displaystyle {}= 0

bb=0{}= 0 のとき cc=−3{}= -3、bb=−4{}= -4 のとき cc=1{}= 1 です。

(b, c)=(0, −3),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(b,\ c) = (0,\ -3),} (−4, 1)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (-4,\ 1)}

確かめると、yy=x2{}= x^2−3{}- 3 は頂点 (0, −3)(0,\ -3) で xx=1{}= 1 のとき −2-2、yy=x2{}= x^2−4x{}- 4x+1{}+ 1=(x−2)2{}= (x - 2)^2−3{}- 3 は頂点 (2, −3)(2,\ -3) で xx=1{}= 1 のとき −2-2。どちらも条件を満たします。「点 (1, −2)(1,\ -2) が頂点の右にあるか左にあるか」の 2 通りだと考えても納得できます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問10 ★★

3 点 (0, 2)(0,\ 2),(2, 0)(2,\ 0),(3, 5)(3,\ 5) を通る二次関数を求めなさい。また、そのグラフの頂点を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=2x2{}= 2x^2−5x{}- 5x+2{}+ 2、頂点 (54, −98)\left(\dfrac{5}{4},\ -\dfrac{9}{8}\right)

解説

yy=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c とおきます。xx=0{}= 0 の点があるので、まず cc が決まります。

c\displaystyle c=2\displaystyle {}= 2

残り 2 点を代入して

{4a+2b+2=09a+3b+2=5\begin{cases} 4a + 2b + 2 = 0 \\ 9a + 3b + 2 = 5 \end{cases}

整理すると

{2a+b=−13a+b=1\begin{cases} 2a + b = -1 \\ 3a + b = 1 \end{cases}

引き算して aa=2{}= 2、bb=−1{}= -1−2a{}- 2a=−5{}= -5 です。

y=2x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}y = 2x^2}−5x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}- 5x}+2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{1.0585em}{}+ 2}

頂点は平方完成して求めます。

y\displaystyle y=2(x2−52x)\displaystyle {}= 2\left(x^2 - \frac{5}{2}x\right)+2\displaystyle {}+ 2=2{(x−54)2−2516}\displaystyle {}= 2\left\{\left(x - \frac{5}{4}\right)^2 - \frac{25}{16}\right\}+2\displaystyle {}+ 2=2(x−54)2\displaystyle {}= 2\left(x - \frac{5}{4}\right)^2−98\displaystyle {}- \frac{9}{8} 頂点 (54, −98)‾\underline{\text{頂点}\ \left(\frac{5}{4},\ -\frac{9}{8}\right)}

係数が整数でも、頂点が分数になることはよくあります。−2516-\dfrac{25}{16} に 22 を掛けて −258-\dfrac{25}{8}、それに 22=168{}= \dfrac{16}{8} を足して −98-\dfrac{9}{8} です。

自己採点:
記録を読み込み中…

問11 ★★

二次関数 f(x)f(x) が f(1)f(1)=f(5){}= f(5),f(2)f(2)=0{}= 0,f(0)f(0)=6{}= 6 を満たすとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

f(x)f(x)=34(x−3)2{}= \dfrac{3}{4}(x - 3)^2−34 (=34x2−92x+6){}- \dfrac{3}{4} \ \left(= \dfrac{3}{4}x^2 - \dfrac{9}{2}x + 6\right)

解説

一般形でおいて 3 式を連立させてもできますが、f(1)f(1)=f(5){}= f(5) をうまく使うともっと速く解けます。

第2章の teigi 定理4 のとおり、放物線上の同じ高さの 2 点の真ん中が軸です。f(1)f(1)=f(5){}= f(5) なので、軸は

x\displaystyle x=1+52\displaystyle {}= \frac{1 + 5}{2}=3\displaystyle {}= 3

です。そこで f(x)f(x)=a(x−3)2{}= a(x - 3)^2+q{}+ q とおきます。残りの 2 つの条件を代入して

{a(2−3)2+q=0a(0−3)2+q=6\begin{cases} a(2 - 3)^2 + q = 0 \\ a(0 - 3)^2 + q = 6 \end{cases}

整理すると

{a+q=09a+q=6\begin{cases} a + q = 0 \\ 9a + q = 6 \end{cases}

引き算すると 8a8a=6{}= 6 なので aa=34{}= \dfrac{3}{4}、qq=−34{}= -\dfrac{3}{4} です。

f(x)=34(x−3)2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.95em]{0em}{2.4000em}f(x) = \frac{3}{4}(x - 3)^2}−34 (=34x2−92x+6)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.95em]{0em}{2.4000em}{}- \frac{3}{4} \ \left(= \frac{3}{4}x^2 - \frac{9}{2}x + 6\right)}

確かめると f(1)f(1)=f(5){}= f(5)=3{}= 3−34{}- \dfrac{3}{4}=94{}= \dfrac{9}{4} で、確かに等しくなっています。「f(α)f(\alpha)=f(β){}= f(\beta)」という条件は、値そのものが分からなくても軸の位置を教えてくれる、ということです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問12 ★★

二次関数 f(x)f(x) が、すべての実数 xx について f(x+1)f(x + 1)−f(x){}- f(x)=4x{}= 4x+1{}+ 1 を満たし、f(0)f(0)=3{}= 3 であるとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

f(x)f(x)=2x2{}= 2x^2−x{}- x+3{}+ 3

解説

f(x)f(x)=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c (a≠0){}+ c \ (a \neq 0) とおいて、左辺を計算します。

f(x+1)\displaystyle f(x + 1)−f(x)\displaystyle {}- f(x)={a(x+1)2+b(x+1)+c}\displaystyle {}= \{a(x + 1)^2 + b(x + 1) + c\}−(ax2+bx+c)\displaystyle {}\qquad - (ax^2 + bx + c)=a(x2+2x+1)\displaystyle {}= a(x^2 + 2x + 1)+bx\displaystyle {}+ bx+b\displaystyle {}+ b+c\displaystyle {}+ c−ax2\displaystyle {}\qquad - ax^2−bx\displaystyle {}- bx−c\displaystyle {}- c=2ax\displaystyle {}= 2ax+a\displaystyle {}+ a+b\displaystyle {}+ b

これがすべての xx で 4x4x+1{}+ 1 と等しいので、恒等式です。数と式 第9章で学んだ係数比較を使います。

2a\displaystyle 2a=4,\displaystyle {}= 4,a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=1\displaystyle {}= 1

よって aa=2{}= 2,bb=−1{}= -1。さらに f(0)f(0)=c{}= c=3{}= 3 です。

f(x)=2x2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.1141em}f(x) = 2x^2}−x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.1141em}{}- x}+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.1141em}{}+ 3}

確かめます。f(1)f(1)−f(0){}- f(0)=4{}= 4−3{}- 3=1{}= 1 で 4×04 \times 0+1{}+ 1=1{}= 1、f(2)f(2)−f(1){}- f(1)=9{}= 9−4{}- 4=5{}= 5 で 4×14 \times 1+1{}+ 1=5{}= 5。合っています。f(x+1)f(x + 1)−f(x){}- f(x) が xx の一次式になることは、二次関数の特徴の 1 つです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問13 ★★

放物線 yy=x2{}= x^2−4x{}- 4x+7{}+ 7 を平行移動した放物線が、2 点 (0, 1)(0,\ 1),(3, 4)(3,\ 4) を通ります。この放物線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=(x−1)2 (=x2−2x+1){}= (x - 1)^2 \ (= x^2 - 2x + 1)

解説

平行移動しても x2x^2 の係数は変わらないので、求める放物線は

y\displaystyle y=(x−p)2\displaystyle {}= (x - p)^2+q\displaystyle {}+ q

と書けます。文字は pp,qq の 2 つ、条件も 2 つです。

{(0−p)2+q=1(3−p)2+q=4\begin{cases} (0 - p)^2 + q = 1 \\ (3 - p)^2 + q = 4 \end{cases}

上の式は p2p^2+q{}+ q=1{}= 1 です。

下から上を引くと、qq と p2p^2 がまとめて消えます。

(3−p)2\displaystyle (3 - p)^2−p2\displaystyle {}- p^2=3\displaystyle {}= 3⟹ 9\displaystyle {}\Longrightarrow\ 9−6p\displaystyle {}- 6p=3\displaystyle {}= 3⟹ p\displaystyle {}\Longrightarrow\ p=1\displaystyle {}= 1

qq=1{}= 1−p2{}- p^2=0{}= 0 です。

y=(x−1)2 (=x2−2x+1)‾\underline{y = (x - 1)^2 \ \left(= x^2 - 2x + 1\right)}

p2p^2 が両方の式に同じ形で出てくるので、引き算すれば pp の一次方程式になります。二次方程式を解かずに済む形に持ちこむのがコツです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問14 ★★

ホースの先を持ち上げて水をまきます。水は放物線を描いて飛び、ホースの先(高さ 1 m1\ \text{m})から水平に 2 m2\ \text{m} 進んだところで最高の高さ 3 m3\ \text{m} に達しました。ホースの先の真下を原点として、水が地面に落ちるまでの水平距離を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(2+6) m(2 + \sqrt{6})\ \text{m}

解説

水平距離を xx、高さを yy とすると、最高点が頂点なので (2, 3)(2,\ 3) が頂点です。

y\displaystyle y=a(x−2)2\displaystyle {}= a(x - 2)^2+3\displaystyle {}+ 3

ホースの先は xx=0{}= 0 で yy=1{}= 1 なので

1\displaystyle 1=4a\displaystyle {}= 4a+3\displaystyle {}+ 3⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=−12\displaystyle {}= -\frac{1}{2} y\displaystyle y=−12(x−2)2\displaystyle {}= -\frac{1}{2}(x - 2)^2+3\displaystyle {}+ 3

地面に落ちるのは yy=0{}= 0 のときです。

12(x−2)2\displaystyle \frac{1}{2}(x - 2)^2=3\displaystyle {}= 3⟹ (x−2)2\displaystyle {}\Longrightarrow\ (x - 2)^2=6\displaystyle {}= 6⟹ x\displaystyle {}\Longrightarrow\ x−2\displaystyle {}- 2=±6\displaystyle {}= \pm\sqrt{6}

xx=2{}= 2±6{}\pm \sqrt{6} ですが、水は前へ飛ぶので xx>2{}> 2 です。

(2+6) m‾\underline{(2 + \sqrt{6})\ \text{m}}

6\sqrt{6}≈2.449{}\approx 2.449 なので、約 4.4 m4.4\ \text{m} です。xx=2{}= 2−6{}- \sqrt{6}≈−0.449{}\approx -0.449 は、放物線を後ろへ延ばしたときに地面と交わる点で、この場面では意味がないので捨てます。

自己採点:
記録を読み込み中…

問15 ★★

放物線 yy=x2{}= x^2+ax{}+ ax+b{}+ b が点 (2, 1)(2,\ 1) を通り、その頂点が直線 yy=x{}= x−3{}- 3 上にあるとき、定数 aa,bb の値を定めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(a, b)(a,\ b)=(0, −3){}= (0,\ -3) と (a, b)(a,\ b)=(−6, 9){}= (-6,\ 9) の 2 組

解説

まず頂点を求めます。

y\displaystyle y=(x+a2)2\displaystyle {}= \left(x + \frac{a}{2}\right)^2+b\displaystyle {}+ b−a24\displaystyle {}- \frac{a^2}{4}頂点 (−a2, b−a24)\displaystyle \text{頂点}\ \left(-\frac{a}{2},\ b - \frac{a^2}{4}\right)

条件を式にします(上の式は点 (2, 1)(2,\ 1) を通ること、下の式は頂点が直線 yy=x{}= x−3{}- 3 上にあること)。

{4+2a+b=1b−a24=−a2−3\begin{cases} 4 + 2a + b = 1 \\ b - \dfrac{a^2}{4} = -\dfrac{a}{2} - 3 \end{cases}

下の式は「頂点の座標を yy=x{}= x−3{}- 3 に代入した」ものです。上の式から bb=−3{}= -3−2a{}- 2a。これを下の式に入れて

−3\displaystyle -3−2a\displaystyle {}- 2a−a24\displaystyle {}- \frac{a^2}{4}=−a2\displaystyle {}= -\frac{a}{2}−3\displaystyle {}- 3

両辺に 44 を掛けて整理します。

−12\displaystyle -12−8a\displaystyle {}- 8a−a2\displaystyle {}- a^2=−2a\displaystyle {}= -2a−12\displaystyle {}- 12⟹ a2\displaystyle {}\Longrightarrow\ a^2+6a\displaystyle {}+ 6a=0\displaystyle {}= 0⟹ a(a+6)\displaystyle {}\Longrightarrow\ a(a + 6)=0\displaystyle {}= 0

aa=0{}= 0 のとき bb=−3{}= -3、aa=−6{}= -6 のとき bb=9{}= 9 です。

(a, b)=(0, −3),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(a,\ b) = (0,\ -3),} (−6, 9)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (-6,\ 9)}

確かめます。yy=x2{}= x^2−3{}- 3 の頂点 (0, −3)(0,\ -3) は yy=x{}= x−3{}- 3 上にあり、xx=2{}= 2 で yy=1{}= 1。yy=x2{}= x^2−6x{}- 6x+9{}+ 9=(x−3)2{}= (x - 3)^2 の頂点 (3, 0)(3,\ 0) も yy=x{}= x−3{}- 3 上にあり、xx=2{}= 2 で yy=1{}= 1。どちらも条件を満たします。

自己採点:
記録を読み込み中…

問16 ★★

aa を 00 でない定数とします。関数 yy=ax2{}= ax^2+4x{}+ 4x+a{}+ a の最大値が 33 となるように、aa の値を定めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

aa=−1{}= -1

解説

定義域がないので、最大値をもつのは上に凸のとき、つまり aa<0{}< 0 のときだけです。このとき最大値は頂点の yy 座標になります。

平方完成します。

y\displaystyle y=a(x2+4ax)\displaystyle {}= a\left(x^2 + \frac{4}{a}x\right)+a\displaystyle {}+ a=a{(x+2a)2−4a2}\displaystyle {}= a\left\{\left(x + \frac{2}{a}\right)^2 - \frac{4}{a^2}\right\}+a\displaystyle {}+ a=a(x+2a)2\displaystyle {}= a\left(x + \frac{2}{a}\right)^2+a\displaystyle {}+ a−4a\displaystyle {}- \frac{4}{a}

最大値は aa−4a{}- \dfrac{4}{a} なので

a\displaystyle a−4a\displaystyle {}- \frac{4}{a}=3\displaystyle {}= 3

aa≠0{}\neq 0 なので両辺に aa を掛けて

a2\displaystyle a^2−4\displaystyle {}- 4=3a\displaystyle {}= 3a⟹ a2\displaystyle {}\Longrightarrow\ a^2−3a\displaystyle {}- 3a−4\displaystyle {}- 4=0\displaystyle {}= 0⟹ (a−4)(a+1)\displaystyle {}\Longrightarrow\ (a - 4)(a + 1)=0\displaystyle {}= 0

aa=4{}= 4 または aa=−1{}= -1 ですが、aa<0{}< 0 という条件があるので

a=−1‾\underline{a = -1}

確かめます。aa=−1{}= -1 のとき yy=−x2{}= -x^2+4x{}+ 4x−1{}- 1=−(x−2)2{}= -(x - 2)^2+3{}+ 3 で、最大値は 33。aa=4{}= 4 のとき yy=4x2{}= 4x^2+4x{}+ 4x+4{}+ 4 は下に凸なので最大値をもたず、不適です。最大値をもつこと自体が aa への条件になっているのが、この問題のかぎです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問17 ★★★

頂点が xx 軸上にあり、2 点 (0, 1)(0,\ 1),(3, 4)(3,\ 4) を通る放物線の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=(x−1)2{}= (x - 1)^2 と yy=19(x+3)2{}= \dfrac{1}{9}(x + 3)^2 の 2 つ

解説

頂点が xx 軸上なので、頂点を (p, 0)(p,\ 0) として

y\displaystyle y=a(x−p)2\displaystyle {}= a(x - p)^2(a≠0)\displaystyle (a \neq 0)

とおきます。文字は aa,pp の 2 つ、条件も 2 つです。

{ap2=1a(3−p)2=4\begin{cases} ap^2 = 1 \\ a(3 - p)^2 = 4 \end{cases}

上の式を ①、下の式を ② とします。① より aa≠0{}\neq 0,pp≠0{}\neq 0 です。aa を消すために、② を ① で割ります。

(3−p)2p2\displaystyle \frac{(3 - p)^2}{p^2}=4\displaystyle {}= 4⟹ (3−pp)2\displaystyle {}\Longrightarrow\ \left(\frac{3 - p}{p}\right)^2=4\displaystyle {}= 4⟹ 3−pp\displaystyle {}\Longrightarrow\ \frac{3 - p}{p}=±2\displaystyle {}= \pm 2
  • 3−pp\dfrac{3 - p}{p}=2{}= 2 のとき、33−p{}- p=2p{}= 2p より pp=1{}= 1。① から aa=1{}= 1。
  • 3−pp\dfrac{3 - p}{p}=−2{}= -2 のとき、33−p{}- p=−2p{}= -2p より pp=−3{}= -3。① から 9a9a=1{}= 1、aa=19{}= \dfrac{1}{9}。

よって y=(x−1)2‾\underline{y = (x - 1)^2} と y=19(x+3)2‾\underline{y = \dfrac{1}{9}(x + 3)^2} の 2 つです。

確かめます。yy=(x−1)2{}= (x - 1)^2 は xx=0{}= 0 で 11、xx=3{}= 3 で 44。yy=19(x+3)2{}= \dfrac{1}{9}(x + 3)^2 は xx=0{}= 0 で 99\dfrac{9}{9}=1{}= 1、xx=3{}= 3 で 369\dfrac{36}{9}=4{}= 4。どちらも条件を満たします。

2 つの式を割り算して文字を 1 つ消すのは、aa が両方に 1 次で出てくるときに使える手です。連立方程式では、足す・引くだけでなく割ることも選択肢になります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問18 ★★★

aa を 00 でない定数とします。関数 f(x)f(x)=ax2{}= ax^2−2ax{}- 2ax+b (−1≦x≦2){}+ b \ (-1 \leqq x \leqq 2) の最大値が 1010、最小値が −2-2 となるように、定数 aa,bb の値を定めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(a, b)(a,\ b)=(3, 1){}= (3,\ 1) と (a, b)(a,\ b)=(−3, 7){}= (-3,\ 7) の 2 組

解説

平方完成すると

f(x)\displaystyle f(x)=a(x2−2x)\displaystyle {}= a(x^2 - 2x)+b\displaystyle {}+ b=a(x−1)2\displaystyle {}= a(x - 1)^2+b\displaystyle {}+ b−a\displaystyle {}- a

で、軸は xx=1{}= 1 です。aa の値によらず軸は定義域 −1-1≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 に入ります。両端の値は

f(−1)\displaystyle f(-1)=4a\displaystyle {}= 4a+b\displaystyle {}+ b−a\displaystyle {}- a=3a\displaystyle {}= 3a+b,\displaystyle {}+ b,f(2)\displaystyle f(2)=a\displaystyle {}= a+b\displaystyle {}+ b−a\displaystyle {}- a=b\displaystyle {}= b

です。軸 xx=1{}= 1 から遠いのは xx=−1{}= -1(距離 22)のほうなので、aa の符号で次のように分かれます。

(i) aa>0{}> 0(下に凸)のとき 頂点 xx=1{}= 1 で最小、軸から遠い xx=−1{}= -1 で最大です。

{b−a=−23a+b=10\begin{cases} b - a = -2 \\ 3a + b = 10 \end{cases}

下から上を引くと 4a4a=12{}= 12、aa=3{}= 3、bb=a{}= a−2{}- 2=1{}= 1。aa>0{}> 0 を満たします。

(ii) aa<0{}< 0(上に凸)のとき 頂点 xx=1{}= 1 で最大、xx=−1{}= -1 で最小です。

{b−a=103a+b=−2\begin{cases} b - a = 10 \\ 3a + b = -2 \end{cases}

下から上を引くと 4a4a=−12{}= -12、aa=−3{}= -3、bb=10{}= 10+a{}+ a=7{}= 7。aa<0{}< 0 を満たします。

(a, b)=(3, 1),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(a,\ b) = (3,\ 1),} (−3, 7)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (-3,\ 7)}

確かめます。aa=3{}= 3 なら f(x)f(x)=3(x−1)2{}= 3(x - 1)^2−2{}- 2 で f(1)f(1)=−2{}= -2,f(−1)f(-1)=10{}= 10,f(2)f(2)=1{}= 1。aa=−3{}= -3 なら f(x)f(x)=−3(x−1)2{}= -3(x - 1)^2+10{}+ 10 で f(1)f(1)=10{}= 10,f(−1)f(-1)=−2{}= -2,f(2)f(2)=7{}= 7。どちらも最大値 1010、最小値 −2-2 です。

x2x^2 の係数が文字のときは、凸の向きが決まらないので場合分けが必要になります。aa>0{}> 0 と断ってあれば (i) だけが答えです。

自己採点:
記録を読み込み中…

問19 ★★★

放物線 yy=−x2{}= -x^2+bx{}+ bx+c{}+ c が点 (0, 5)(0,\ 5) を通り、xx 軸から長さ 66 の線分を切り取るとき、定数 bb,cc の値を定めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

(b, c)(b,\ c)=(4, 5){}= (4,\ 5) と (b, c)(b,\ c)=(−4, 5){}= (-4,\ 5) の 2 組

解説

点 (0, 5)(0,\ 5) を通るので cc=5{}= 5 です。残りは bb を決めるだけになります。

「xx 軸から切り取る線分の長さ」は、xx 軸との 2 つの交点の間の距離です。平方完成して、軸からの距離で考えます。

y\displaystyle y=−(x2−bx)\displaystyle {}= -\left(x^2 - bx\right)+5\displaystyle {}+ 5=−(x−b2)2\displaystyle {}= -\left(x - \frac{b}{2}\right)^2+b24\displaystyle {}+ \frac{b^2}{4}+5\displaystyle {}+ 5

yy=0{}= 0 とおくと

(x−b2)2\displaystyle \left(x - \frac{b}{2}\right)^2=b24\displaystyle {}= \frac{b^2}{4}+5\displaystyle {}+ 5

放物線は軸 xx=b2{}= \dfrac{b}{2} に関して左右対称なので、2 つの交点は軸から等しい距離にあります。その距離(線分の長さの半分)が 33 になればよいので

b24\displaystyle \frac{b^2}{4}+5\displaystyle {}+ 5=32\displaystyle {}= 3^2=9\displaystyle {}= 9⟹ b24\displaystyle {}\Longrightarrow\ \frac{b^2}{4}=4\displaystyle {}= 4⟹ b2\displaystyle {}\Longrightarrow\ b^2=16\displaystyle {}= 16⟹ b\displaystyle {}\Longrightarrow\ b=±4\displaystyle {}= \pm 4 (b, c)=(4, 5),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(b,\ c) = (4,\ 5),} (−4, 5)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (-4,\ 5)}

確かめます。bb=4{}= 4 なら yy=−(x−2)2{}= -(x - 2)^2+9{}+ 9 で、xx 軸との交点は xx=2{}= 2±3{}\pm 3、つまり −1-1 と 55 で長さ 66。bb=−4{}= -4 なら yy=−(x+2)2{}= -(x + 2)^2+9{}+ 9 で、交点は −5-5 と 11 で長さ 66。2 つのグラフは yy 軸に関して対称になっています。

一般に、頂点が (p, q)(p,\ q) で xx 軸と交わる放物線が切り取る線分の長さは 2∣qa∣2\sqrt{\left\lvert \dfrac{q}{a} \right\rvert} です。ここでは ∣qa∣\sqrt{\left\lvert \dfrac{q}{a} \right\rvert}=3{}= 3 としたことになります。

自己採点:
記録を読み込み中…

問20 ★★★

放物線 CC は xx 軸と 2 点 A(−1, 0)\mathrm{A}(-1,\ 0),B(3, 0)\mathrm{B}(3,\ 0) で交わり、その頂点を P\mathrm{P} とします。三角形 PAB\mathrm{PAB} の面積が 1616 となるような CC の方程式を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

yy=2(x+1)(x−3){}= 2(x + 1)(x - 3) と yy=−2(x+1)(x−3){}= -2(x + 1)(x - 3) の 2 つ

解説

xx 軸との交点が分かっているので、分解形でおきます。

y\displaystyle y=a(x+1)(x−3)\displaystyle {}= a(x + 1)(x - 3)(a≠0)\displaystyle (a \neq 0)

頂点 P\mathrm{P} の xx 座標は 2 つの交点の真ん中 xx=−1+32{}= \dfrac{-1 + 3}{2}=1{}= 1 なので

P(1, a×2×(−2))\displaystyle \mathrm{P}\left(1,\ a \times 2 \times (-2)\right)=P(1, −4a)\displaystyle {}= \mathrm{P}(1,\ -4a)

三角形 PAB\mathrm{PAB} で、底辺 AB\mathrm{AB} は xx 軸上にあり、その長さは 33−(−1){}- (-1)=4{}= 4 です。高さは、P\mathrm{P} から xx 軸までの距離、つまり P\mathrm{P} の yy 座標の絶対値 ∣−4a∣\lvert -4a \rvert=4∣a∣{}= 4\lvert a \rvert です。

12×4×4∣a∣\displaystyle \frac{1}{2} \times 4 \times 4\lvert a \rvert=8∣a∣\displaystyle {}= 8\lvert a \rvert=16\displaystyle {}= 16⟹ ∣a∣\displaystyle {}\Longrightarrow\ \lvert a \rvert=2\displaystyle {}= 2⟹ a\displaystyle {}\Longrightarrow\ a=±2\displaystyle {}= \pm 2

求める方程式は次の 2 つです。

  • y=2(x+1)(x−3)‾\underline{y = 2(x + 1)(x - 3)}(=2x2= 2x^2−4x{}- 4x−6{}- 6)
  • y=−2(x+1)(x−3)‾\underline{y = -2(x + 1)(x - 3)}(=−2x2= -2x^2+4x{}+ 4x+6{}+ 6)

確かめます。aa=2{}= 2 なら頂点 (1, −8)(1,\ -8) で、高さ 88、面積は 12×4×8\dfrac{1}{2} \times 4 \times 8=16{}= 16。aa=−2{}= -2 なら頂点 (1, 8)(1,\ 8) で、同じく面積 1616 です。

頂点が xx 軸の下(下に凸)と上(上に凸)の 2 通りがあるので、答えも 2 つです。高さを −4a-4a と書いてしまうと aa=−2{}= -2 を見落とします。面積には絶対値、と覚えておきましょう。

自己採点:
記録を読み込み中…

数学小話コーナー

3 点で放物線が決まるから、面積が測れる——シンプソンの公式

曲線と xx 軸ではさまれた部分の面積を、手計算で見積もりたいとします。いちばん素朴なのは、両端を直線で結んで台形とみる方法です。ところが曲線が大きくふくらんでいると、台形ではかなりずれてしまいます。

そこで、両端に加えて真ん中の 1 点も使い、その 3 点を通る放物線で曲線を置きかえる方法が考えられました。この章で学んだとおり、3 点が決まれば放物線はただ 1 つに決まります。区間の幅の半分を hh、左端・中央・右端での高さを y0y_0,y1y_1,y2y_2 とすると、面積はおよそ

h3(y0+4y1+y2)\frac{h}{3}\left(y_0 + 4y_1 + y_2\right)

になります。中央の高さだけ 44 倍するのが目印で、これをシンプソンの公式といいます。

どのくらい当たるのか、yy=x2{}= x^2 の 00≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1 の部分で試してみましょう。hh=12{}= \dfrac{1}{2}、y0y_0=0{}= 0,y1y_1=14{}= \dfrac{1}{4},y2y_2=1{}= 1 なので

12×3(0+4×14+1)\displaystyle \frac{1}{2 \times 3}\left(0 + 4 \times \frac{1}{4} + 1\right)=16×2\displaystyle {}= \frac{1}{6} \times 2=13\displaystyle {}= \frac{1}{3}

本当の面積はちょうど 13\dfrac{1}{3}(微分積分の分野で求められます)で、誤差はゼロです。台形で計算すると 12(0+1)\dfrac{1}{2}(0 + 1)=12{}= \dfrac{1}{2} で、大きく外れます。yy=x2{}= x^2 のときに誤差が出ないのは当たり前で、3 点を通る放物線は yy=x2{}= x^2 そのものだからです。もとの曲線が放物線に近ければ近いほど、この公式はよく当たります。

豆知識

名前の由来はイギリスの数学者トーマス・シンプソン(1710〜1761)で、1743 年の著書で紹介しました。ただし、同じ形の式はケプラーやジェームズ・グレゴリーなど、もっと前の人たちも使っていたことが知られています(※誰が最初かには諸説あり)。おもしろいことに、この公式は放物線だけでなく、yy=x3{}= x^3 のような 3 次の曲線でも誤差がゼロになります。左右のずれがちょうど打ち消し合うからです。今でも船の設計では、船体をいくつもの断面に切り、その面積からシンプソンの公式で排水量(船が押しのける水の量)を計算しています。

秘密を 3 人で分ける——放物線を使った金庫の鍵

会社のいちばん大事なパスワードを、1 人に預けるのは不安です。かといって全員に配れば、誰か 1 人が漏らした時点でおしまいです。「5 人に分けて配り、そのうち3 人が集まれば復元でき、2 人以下では何も分からない」ようにできないでしょうか。

1979 年、イスラエルの暗号研究者アディ・シャミアが、二次関数を使ってこれを実現しました。手順はおどろくほど単純です。

秘密の数を 55 としましょう。二次関数

f(x)\displaystyle f(x)=2x2\displaystyle {}= 2x^2+3x\displaystyle {}+ 3x+5\displaystyle {}+ 5

を用意します。定数項が秘密の数、つまり f(0)f(0)=5{}= 5 です。残りの係数 22 と 33 は、サイコロを振るように適当に決めます。そして 5 人に、f(1)f(1)=10{}= 10,f(2)f(2)=19{}= 19,f(3)f(3)=32{}= 32,f(4)f(4)=49{}= 49,f(5)f(5)=70{}= 70 という値を 1 つずつ配ります。

3 人が集まれば、(1, 10)(1,\ 10),(2, 19)(2,\ 19),(3, 32)(3,\ 32) のように 3 点がそろうので、この章の公式3 のとおり二次関数が 1 つに決まります。あとは xx=0{}= 0 を入れれば、秘密の 55 が出てきます。

では 2 人ではどうでしょうか。(1, 10)(1,\ 10) と (2, 19)(2,\ 19) しかないと、条件が 2 つで文字が 3 つなので決まりません。しかも困ったことに、秘密の数をどんな値だと思ってもつじつまが合います。たとえば「秘密は 00 だ」と仮定すると f(x)f(x)=−12x2{}= -\dfrac{1}{2}x^2+212x{}+ \dfrac{21}{2}x がぴったり当てはまり、f(1)f(1)=10{}= 10,f(2)f(2)=19{}= 19 を満たします。手がかりが 1 つ足りないと、候補が減るどころか、まったくしぼれないのです。

豆知識

このシャミアは、数と式 第2章の小話に出てきた RSA 暗号の「S」と同じ人物です。3 人ではなく kk 人で復元したければ、kk−1{}- 1 次の関数を使えばよく、この仕組みはシャミアの秘密分散と呼ばれます。暗号資産の財布の鍵を複数人で分けて保管するときや、インターネットの住所録(DNS)の大もとの鍵を、世界各地の鍵の持ち主のうち何人かが集まらないと使えないようにする仕組みなどに応用されています(※運用の詳しい人数や手順は組織によって違う)。なお、実際の計算は小数や分数を避けるため、割り算が必ずできる特別な数の世界(有限体)の上で行います。

20 秒の無重力を作る——放物線を描いて飛ぶ飛行機

宇宙飛行士の訓練や宇宙実験の予行演習では、地上で無重力の状態を作る必要があります。使われるのは、なんと飛行機です。上向きに急上昇したあと、エンジンの推力を空気抵抗を打ち消すぶんだけに絞ると、機体はボールを投げ上げたときとまったく同じ動きをします。このとき機内は自由落下の状態になり、人も物もふわりと浮きます。

飛行機がこのとき描く軌道が放物線なので、パラボリックフライト(放物線飛行)と呼ばれます。高さは時間の二次関数になり、乗っている人にとっての「無重力」は、上昇の途中から頂点を通って下降に移るまで続きます。

さて、ここからが二次関数の決定です。「無重力を 2020 秒間つくりたい」と決めたら、どう飛べばよいでしょうか。頂点までの上昇に 1010 秒、そこから下降に 1010 秒かけることになります。上向きの速さは 11 秒あたり約 9.89.8 メートルずつ減っていくので、放物線に入る瞬間に必要な上向きの速さは

9.8×10\displaystyle 9.8 \times 10=98 (メートル毎秒)\displaystyle {}= 98 \ (\text{メートル毎秒})

です。その 1010 秒間に上がる高さは

98×10\displaystyle 98 \times 10−4.9×102\displaystyle {}- 4.9 \times 10^2=980\displaystyle {}= 980−490\displaystyle {}- 490=490 (メートル)\displaystyle {}= 490 \ (\text{メートル})

つまり、頂点は入り口より約 490490 メートル高いところにあります。「ほしい秒数」を決めると、速さも高さも逆算できる。条件から放物線を決める、この章そのものの計算です。

豆知識

NASA の訓練機には「ボミット・コメット(嘔吐彗星)」という、ありがたくない愛称がついています。1 回の飛行で放物線を 30〜40 回くり返すため、多くの人が気分を悪くするからです(※回数は運航によって異なる)。映画『アポロ 13』(1995 年)で宇宙船内の無重力に見える場面は、合成ではなく、この飛行機の中で実際に撮影されました。日本でも専用の航空機を使った微小重力実験が行われてきました。落下塔で数秒間、放物線飛行で 20 秒ほど。それ以上長く無重力を保ちたければ、やはり宇宙へ出るしかありません。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、公式1〜5の手順が使えれば十分です。「3 点を通る二次関数はただ 1 つ」と言い切ってよいのはなぜか、連立方程式は必ず解けるのか、「文字の個数と条件の個数がそろえば決まる」は本当にいつでも正しいのか——が気になる人のために、根拠を示します。

定義1:2 次以下の関数と、恒等的に等しいこと

実数 aa,bb,cc を用いて f(x)f(x)=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c と表される関数を、2 次以下の関数という。aa≠0{}\neq 0 のとき、ff は二次関数である。

2 つの関数 ff,gg が、すべての実数 xx について f(x)f(x)=g(x){}= g(x) を満たすとき、ff と gg は恒等的に等しいといい、ff=g{}= g と書く。

一次関数や定数関数も「2 次以下の関数」に含めておくと、場合分けをせずに議論が進みます。まず、係数と関数の対応が 1 対 1 であることを確かめます。

定理1:恒等的に 00 になる条件

f(x)f(x)=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c について

すべての実数 x で f(x)\displaystyle \text{すべての実数}\ x\ \text{で}\ f(x)=0\displaystyle {}= 0  ⟺  a\displaystyle {}\iff a=b\displaystyle {}= b=c\displaystyle {}= c=0\displaystyle {}= 0

証明 (⟸\Longleftarrow)明らかである。

(⟹\Longrightarrow)xx=0{}= 0 を代入して cc=0{}= 0。xx=1{}= 1 を代入して aa+b{}+ b+c{}+ c=0{}= 0、xx=−1{}= -1 を代入して aa−b{}- b+c{}+ c=0{}= 0。cc=0{}= 0 なので aa+b{}+ b=0{}= 0 かつ aa−b{}- b=0{}= 0 となり、辺々を足して aa=0{}= 0、引いて bb=0{}= 0 を得る。(証明終)

これが、数と式 第9章で学んだ係数比較の根拠です。ff=g{}= g ならば差 ff−g{}- g が恒等的に 00 なので、係数どうしがすべて等しくなります。実践問題 j12 で使ったのは、この性質です。

定理2:3 点を通る 2 次以下の関数はただ 1 つ

x1x_1,x2x_2,x3x_3 を相異なる実数とする。2 次以下の関数 ff,gg が

f(x1)\displaystyle f(x_1)=g(x1),\displaystyle {}= g(x_1),f(x2)\displaystyle f(x_2)=g(x2),\displaystyle {}= g(x_2),f(x3)\displaystyle f(x_3)=g(x3)\displaystyle {}= g(x_3)

を満たすならば、ff=g{}= g である。

証明 hh=f{}= f−g{}- g とおくと、hh も 2 次以下の関数で、h(x1)h(x_1)=h(x2){}= h(x_2)=h(x3){}= h(x_3)=0{}= 0 である。h(x)h(x)=ax2{}= ax^2+bx{}+ bx+c{}+ c とおく。

h(x1)\displaystyle h(x_1)−h(x2)\displaystyle {}- h(x_2)=a(x12−x22)\displaystyle {}= a(x_1^2 - x_2^2)+b(x1−x2)\displaystyle {}+ b(x_1 - x_2)=(x1−x2){a(x1+x2)+b}\displaystyle {}= (x_1 - x_2)\{a(x_1 + x_2) + b\}=0\displaystyle {}= 0

x1x_1≠x2{}\neq x_2 なので a(x1+x2)a(x_1 + x_2)+b{}+ b=0{}= 0。同じ計算を x2x_2,x3x_3 について行うと a(x2+x3)a(x_2 + x_3)+b{}+ b=0{}= 0。この 2 式を引いて

a(x1−x3)\displaystyle a(x_1 - x_3)=0\displaystyle {}= 0

x1x_1≠x3{}\neq x_3 なので aa=0{}= 0。すると bb=0{}= 0、さらに h(x1)h(x_1)=0{}= 0 から cc=0{}= 0 となる。定理1より hh は恒等的に 00、すなわち ff=g{}= g である。(証明終)

これが「3 点を通る二次関数を求めなさい」という問題で、答えが 1 つだと言い切れる根拠です。公式3 の連立方程式を解いて答えが 1 組出たら、ほかに答えはありません。xx 座標が相異なることが効いていることにも注意しましょう。同じ xx 座標の点を 2 つ与えられても、条件は増えません。

では、3 点を通る関数は必ず存在するのでしょうか。連立方程式を解いてみるまで分からない、というのでは落ち着きません。実は、答えを直接書き下す式があります。

定理3:ラグランジュの補間式

x1x_1,x2x_2,x3x_3 を相異なる実数、y1y_1,y2y_2,y3y_3 を任意の実数とする。

L(x)\displaystyle L(x)=y1⋅(x−x2)(x−x3)(x1−x2)(x1−x3)\displaystyle {}= y_1 \cdot \frac{(x - x_2)(x - x_3)}{(x_1 - x_2)(x_1 - x_3)}+y2⋅(x−x1)(x−x3)(x2−x1)(x2−x3)\displaystyle {}+ y_2 \cdot \frac{(x - x_1)(x - x_3)}{(x_2 - x_1)(x_2 - x_3)}+y3⋅(x−x1)(x−x2)(x3−x1)(x3−x2)\displaystyle {}+ y_3 \cdot \frac{(x - x_1)(x - x_2)}{(x_3 - x_1)(x_3 - x_2)}

は 2 次以下の関数で、L(x1)L(x_1)=y1{}= y_1,L(x2)L(x_2)=y2{}= y_2,L(x3)L(x_3)=y3{}= y_3 を満たす。

証明 xix_i が相異なるので、どの分母も 00 ではなく、式は意味をもつ。各項は xx の 2 次式(または定数倍)なので、LL は 2 次以下の関数である。

xx=x1{}= x_1 を代入すると、第 1 項の分数は (x1−x2)(x1−x3)(x1−x2)(x1−x3)\dfrac{(x_1 - x_2)(x_1 - x_3)}{(x_1 - x_2)(x_1 - x_3)}=1{}= 1 となり、第 2 項と第 3 項は分子に因数 (x−x1)(x - x_1) を含むので 00 になる。よって L(x1)L(x_1)=y1{}= y_1。x2x_2,x3x_3 についても同様である。(証明終)

定理2と定理3を合わせると、「相異なる 3 点を通る 2 次以下の関数は、存在してただ 1 つ」が言えました。例題3 の 3 点 (0, −1)(0,\ -1),(1, 2)(1,\ 2),(−2, 5)(-2,\ 5) をこの式に入れると

L(x)\displaystyle L(x)=−1⋅(x−1)(x+2)(0−1)(0+2)\displaystyle {}= -1 \cdot \frac{(x - 1)(x + 2)}{(0 - 1)(0 + 2)}+2⋅x(x+2)1⋅3\displaystyle {}+ 2 \cdot \frac{x(x + 2)}{1 \cdot 3}+5⋅x(x−1)(−2)(−3)\displaystyle {}+ 5 \cdot \frac{x(x - 1)}{(-2)(-3)}=(x−1)(x+2)2\displaystyle {}= \frac{(x - 1)(x + 2)}{2}+2x(x+2)3\displaystyle {}+ \frac{2x(x + 2)}{3}+5x(x−1)6\displaystyle {}+ \frac{5x(x - 1)}{6}

となり、通分して整理すると 2x22x^2+x{}+ x−1{}- 1 です。連立方程式を解くより手間はかかりますが、yy の値が文字のままでも書けるのが強みです。

ただし、ここまで言えたのは「2 次以下の関数」についてです。本当に二次関数(x2x^2 の係数が 00 でない)になるかは、別の話です。

定理4:二次関数になる条件

相異なる xx 座標をもつ 3 点を通る 2 次以下の関数 LL について

L が二次関数である\displaystyle L\ \text{が二次関数である}  ⟺  3 点が同一直線上にない\displaystyle {}\iff 3\ \text{点が同一直線上にない}

証明 (⟹\Longrightarrow の対偶)3 点が同一直線上にあるとし、その直線を yy=mx{}= mx+n{}+ n とする。g(x)g(x)=mx{}= mx+n{}+ n は 2 次以下の関数で 3 点を通るので、定理2より LL=g{}= g。よって LL の x2x^2 の係数は 00 で、LL は二次関数ではない。

(⟸\Longleftarrow の対偶)LL が二次関数でないとすると L(x)L(x)=bx{}= bx+c{}+ c と書けるので、3 点はすべて直線 yy=bx{}= bx+c{}+ c の上にある。(証明終)

3 点として (0, 0)(0,\ 0),(1, 1)(1,\ 1),(2, 2)(2,\ 2) を選んでしまうと、出てくるのは yy=x{}= x で、二次関数にはなりません。問題を作る側は、この点に気をつけています。

最後に、公式1で述べた「文字の個数と条件の個数がそろえば決まる」を吟味します。実はこれは目安であって、いつでも正しいわけではありません。

定理5:軸と 2 点では決まらない場合

軸が xx=p{}= p である放物線 yy=a(x−p)2{}= a(x - p)^2+q (a≠0){}+ q \ (a \neq 0) が、xx 座標の異なる 2 点 (x1, y1)(x_1,\ y_1),(x2, y2)(x_2,\ y_2) を通るとする。

(i) x1x_1+x2{}+ x_2≠2p{}\neq 2p(2 点が軸に関して対称な位置にない)ならば、aa,qq の組はただ 1 つに定まる。ただし放物線になるのは y1y_1≠y2{}\neq y_2 のときである。

(ii) x1x_1+x2{}+ x_2=2p{}= 2p(2 点が軸に関して対称な位置にある)ならば、y1y_1≠y2{}\neq y_2 のとき条件を満たす放物線は存在せず、y1y_1=y2{}= y_2 のとき無数に存在する。

証明 条件は aa,qq についての連立 1 次方程式

{a(x1−p)2+q=y1a(x2−p)2+q=y2\begin{cases} a(x_1 - p)^2 + q = y_1 \\ a(x_2 - p)^2 + q = y_2 \end{cases}

である。辺々を引くと

a{(x1−p)2−(x2−p)2}\displaystyle a\left\{(x_1 - p)^2 - (x_2 - p)^2\right\}=y1\displaystyle {}= y_1−y2,\displaystyle {}- y_2,(x1−p)2\displaystyle (x_1 - p)^2−(x2−p)2\displaystyle {}- (x_2 - p)^2=(x1−x2)(x1+x2−2p)\displaystyle {}= (x_1 - x_2)(x_1 + x_2 - 2p)

(i) x1x_1≠x2{}\neq x_2 かつ x1x_1+x2{}+ x_2≠2p{}\neq 2p のとき、aa の係数は 00 でないので

a\displaystyle a=y1−y2(x1−x2)(x1+x2−2p)\displaystyle {}= \frac{y_1 - y_2}{(x_1 - x_2)(x_1 + x_2 - 2p)}

と定まり、qq も定まる。aa≠0{}\neq 0 となるのは y1y_1≠y2{}\neq y_2 のときである。

(ii) x1x_1+x2{}+ x_2=2p{}= 2p のとき、上の式の左辺は 00 になる。y1y_1≠y2{}\neq y_2 なら 00=y1{}= y_1−y2{}- y_2≠0{}\neq 0 となって矛盾し、解は存在しない。y1y_1=y2{}= y_2 なら 2 式は同じ条件 qq=y1{}= y_1−a(x1−p)2{}- a(x_1 - p)^2 になり、00 でない aa をどう選んでも条件を満たす。(証明終)

(ii) は、実は第2章の teigi 定理4 で見たことの言い直しです。放物線は軸に関して対称なので、軸から等距離にある 2 点は必ず同じ高さになります。だから「軸に関して対称な 2 点で高さが違う」という条件は、そもそも矛盾しています。逆に高さが同じなら、その条件はどの放物線でも自動的に満たされてしまい、何も情報を与えません。

条件の個数を数えるのは大切ですが、数がそろっていても、条件どうしが重なっていれば決まらないのです。実践問題 j02 では軸が xx=2{}= 2、2 点が xx=0{}= 0 と xx=3{}= 3 で、00+3{}+ 3=3{}= 3≠4{}\neq 4 だったので (i) の場合にあたり、ただ 1 つに決まりました。

この章の学習が終わったら

学習完了テストを受ける