目次 / 二次関数 / 数学I

第1章 関数とグラフ

—— 「入れると 1 つ出てくる」しくみを座標平面で眺める ——

中学では y = 2x + 1 や y = x² を「1次関数」「2乗に比例する関数」として学びました。この分野では、それらを「関数」という 1 つの考え方でとらえ直し、二次関数のグラフ・最大と最小・方程式・不等式へと進みます。第1章はその土台づくりです。関数の記号 f(x)、座標平面と象限、定義域・値域と最大・最小を一次関数で確かめたあと、絶対値を含む関数の折れ線グラフを描きます。最後に放物線 y = ax² の形を整理して、第2章の平方完成と平行移動につなげます。

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関数とは——入れると 1 つ出てくる

中学では、yy=2x{}= 2x+1{}+ 1 や yy=x2{}= x^2 のように「xx の値を決めると yy の値が決まる」関係を関数と呼びました。高校でも考え方は変わりません。ただし「ただ 1 つ決まる」ことをはっきり意識し、関数を表す専用の記号を使います。

公式1:関数と記号 f(x)

2 つの変数 xx,yy があり、xx の値を決めるとそれに対応して yy の値がただ 1 つ決まるとき、yy は xx の関数であるという。

  • yy が xx の関数であることを yy=f(x){}= f(x) と書く(ff は function の頭文字)。
  • xx=a{}= a のときの yy の値を f(a)f(a) と書き、xx=a{}= a における関数の値という。f(x)f(x) の式の xx に aa を代入すれば求められる。
  • aa+1{}+ 1 や −a-a のような式を代入するときは、かっこごと代入する。

変数とは、いろいろな値をとる文字のことです。1 つの xx に対して yy の値が 2 つ以上決まってしまう対応は、関数とはいいません。たとえば「正の数 xx に対し、2 乗すると xx になる数 yy」は、xx=4{}= 4 のとき yy=2{}= 2 と yy=−2{}= -2 の 2 つが決まるので、yy は xx の関数ではありません。

自動販売機を思い浮かべてください。ボタン(入力)を押すと、そのボタンに割り当てられた 1 本(出力)が出てきます。同じボタンなのに日によって違う飲み物が出てきたら困りますね。これが「ただ 1 つ」の意味です。一方、人気のお茶を 2 つのボタンに割り当てて「どちらを押しても同じお茶」にするのは、何の問題もありません。関数でも、違う xx から同じ yy が出てくるのはかまいません。f(x)f(x)=x2{}= x^2 で f(2)f(2)=f(−2){}= f(-2)=4{}= 4 となるのが、その例です。

関数とは「xx を 1 つ入れると yy がただ 1 つ出てくる対応」のことで、f(a)f(a) は f(x)f(x) の式の xx に aa を代入した値だということです。

例題1:関数の値を求める

f(x)f(x)=x2{}= x^2−3x{}- 3x+2{}+ 2 のとき、次の値を求めなさい。

(1) f(3)\displaystyle \text{(1)}\ f(3)(2) f(−1)\displaystyle \text{(2)}\ f(-1)(3) f(a+1)\displaystyle \text{(3)}\ f(a + 1)

【解答】

(1) xx に 33 を代入します。

f(3)\displaystyle f(3)=32\displaystyle {}= 3^2−3⋅3\displaystyle {}- 3 \cdot 3+2\displaystyle {}+ 2=9\displaystyle {}= 9−9\displaystyle {}- 9+2\displaystyle {}+ 2=2‾\displaystyle {}= \underline{2}

(2) 負の数を代入するときは、かっこをつけてから代入します。

f(−1)\displaystyle f(-1)=(−1)2\displaystyle {}= (-1)^2−3⋅(−1)\displaystyle {}- 3 \cdot (-1)+2\displaystyle {}+ 2=1\displaystyle {}= 1+3\displaystyle {}+ 3+2\displaystyle {}+ 2=6‾\displaystyle {}= \underline{6}

(3) xx を (a+1)(a + 1) に置きかえ、展開して整理します。

f(a+1)\displaystyle f(a + 1)=(a+1)2\displaystyle {}= (a + 1)^2−3(a+1)\displaystyle {}- 3(a + 1)+2\displaystyle {}+ 2=a2\displaystyle {}= a^2+2a\displaystyle {}+ 2a+1\displaystyle {}+ 1−3a\displaystyle {}- 3a−3\displaystyle {}- 3+2\displaystyle {}+ 2=a2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}a^2}−a‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}- a}

(3) を f(a)f(a)+1{}+ 1=a2{}= a^2−3a{}- 3a+3{}+ 3 と取り違えないようにします。f(a+1)f(a + 1) は「xx に aa+1{}+ 1 を入れた値」、f(a)f(a)+1{}+ 1 は「xx に aa を入れた値に 11 を足したもの」で、まったく別物です。

座標平面と象限

関数の様子を目で見るには、グラフをかきます。その舞台が座標平面です。中学で学んだ内容に「象限」と「対称な点」を加えて整理しておきます。

x y O 3 −3 2 −2 P(3, 2) Q(3, −2) R(−3, 2) S(−3, −2) x 軸対称 y 軸対称 原点対称 第1象限 x > 0, y > 0 第2象限 x < 0, y > 0 第3象限 x < 0, y < 0 第4象限 x > 0, y < 0
公式2:座標平面・象限・対称な点

原点 O\mathrm{O} で垂直に交わる xx 軸と yy 軸をとった平面を座標平面という。平面上の点は、実数の組 (a, b)(a,\ b)(aa が xx 座標、bb が yy 座標)でただ 1 通りに表される。

座標軸で分けられた 4 つの部分を象限といい、右上から反時計回りに第1象限〜第4象限と呼ぶ。

第1象限第2象限第3象限第4象限
xx 座標の符号++−-−-++
yy 座標の符号++++−-−-
  • 座標軸の上の点(xx 座標または yy 座標が 00 の点)は、どの象限にも属さない。
  • 点 (a, b)(a,\ b) と対称な点は次のとおり。
xx 軸に関して対称yy 軸に関して対称原点に関して対称
座標(a, −b)(a,\ -b)(−a, b)(-a,\ b)(−a, −b)(-a,\ -b)

映画館の座席券には「H 列 12 番」のように 2 つの番号が書いてあり、2 つそろって初めて席が 1 つに決まります。座標も同じで、xx 座標と yy 座標の 2 つで点が決まります。「12 列 H 番」と入れ替えたら別の席になるように、(2, 3)(2,\ 3) と (3, 2)(3,\ 2) も別の点です。だから座標は必ず「xx 座標が先」と約束されています。映画館と違うのは、00 や負の番号もあること。その符号の組み合わせで、点が 4 つの区画(象限)のどこにあるかが決まります。

座標平面の点は(xx 座標,yy 座標)の組で表され、2 つの座標の符号の組み合わせで象限が決まり、対称な点は座標の符号を変えるだけで求められるということです。

例題2:象限と対称な点

(1) 点 P(−2, 3)\mathrm{P}(-2,\ 3) がある象限を答えなさい。また、P\mathrm{P} と xx 軸・yy 軸・原点に関して対称な点の座標を求めなさい。

(2) aa<0{}< 0,bb>0{}> 0 のとき、点 (b, a)(b,\ a) と点 (ab, −a)(ab,\ -a) がある象限をそれぞれ求めなさい。


【解答】

(1) xx 座標が負、yy 座標が正なので 第2象限‾\underline{\text{第2象限}} です。対称な点は、公式2の表のとおり符号を変えて

x 軸対称 (−2, −3)‾,\displaystyle x \text{ 軸対称}\ \underline{(-2,\ -3)},y 軸対称 (2, 3)‾,\displaystyle y \text{ 軸対称}\ \underline{(2,\ 3)},原点対称 (2, −3)‾\displaystyle \text{原点対称}\ \underline{(2,\ -3)}

(2) 点 (b, a)(b,\ a) は、xx 座標 bb>0{}> 0,yy 座標 aa<0{}< 0 なので 第4象限‾\underline{\text{第4象限}} です。

点 (ab, −a)(ab,\ -a) は、xx 座標 abab が「負 × 正」で負、yy 座標 −a-a が「負の数に −- をつけたもの」で正なので 第2象限‾\underline{\text{第2象限}} です。

文字のままでは符号が見えにくいときは、aa=−1{}= -1,bb=1{}= 1 のような具体的な数を入れて確かめると安心です。

定義域・値域と最大・最小

関数を考えるとき、xx に入れてよい値の範囲を決めておくことがあります。たとえば「長さ xx cm の針金」なら、xx は正の数に限られます。入力の範囲を決めると、それに応じて出力の範囲も決まります。

公式3:定義域・値域・最大値・最小値

関数 yy=f(x){}= f(x) において、xx のとる値の範囲を定義域、それに対応して yy がとる値の範囲を値域という。値域の中でいちばん大きい値を最大値、いちばん小さい値を最小値という。

  • 定義域は、式のあとにかっこで yy=2x{}= 2x−1 (−1≦x≦2){}- 1 \ (-1 \leqq x \leqq 2) のように書く。特に断りがなければ、定義域は式が意味をもつ実数全体とする。
  • 一次関数 yy=ax{}= ax+b{}+ b のグラフは、傾き aa、切片 bb の直線である。定義域が pp≦x{}\leqq x≦q{}\leqq q のとき、aa>0{}> 0(右上がり)なら xx=p{}= p で最小・xx=q{}= q で最大、aa<0{}< 0(右下がり)なら xx=p{}= p で最大・xx=q{}= q で最小となる。
  • 定義域の端が含まれない(<< で書かれた)とき、その端でとるはずの値は値域に入らない。そちら側の最大値(または最小値)は存在しない。
x y O −1 2 3 −3 定義域 −1 ≦ x < 2 値域 −3 ≦ y < 3 y = 2x − 1 (2, 3) 含まない (−1, −3) 含む

定義域を決めた関数のグラフは、直線全体ではなく線分(両端のある直線の一部)になります。端を含むときは ●、含まないときは ○ でかきます。数と式の第4章で、不等式の解を数直線に表したときと同じ約束です。

駅のまっすぐなエスカレーターを思い浮かべてください。いちばん高い地点は上の降り口、いちばん低い地点は下の乗り口で、途中にそれより高い場所も低い場所もありません。一次関数のグラフも傾きが一定の直線なので、最大・最小は必ず定義域の両端で決まります。では、上の降り口にロープが張ってあって、そこには立てないとしたらどうでしょう。降り口の直前まではいくらでも近づけますが、「立てる中でいちばん高い場所」は決められません。降り口の 1 cm 手前に立っても、その 0.5 cm 先のほうが高いからです。これが「端を含まないと最大値がない」の正体です。

定義域は xx の入力範囲、値域は yy の出力範囲で、一次関数ではグラフが直線なので両端の値を調べれば値域・最大・最小が決まり、端を含まなければその側の最大値や最小値はないということです。

例題3:一次関数の値域と最大・最小

次の関数の値域を求めなさい。また、最大値・最小値があれば求めなさい。

(1) y\displaystyle \text{(1)}\ y=−x\displaystyle {}= -x+3\displaystyle {}+ 3(−2≦x≦1)\displaystyle (-2 \leqq x \leqq 1)(2) y\displaystyle \text{(2)}\ y=2x\displaystyle {}= 2x−1\displaystyle {}- 1(−1≦x<2)\displaystyle (-1 \leqq x < 2)

【解答】

(1) 傾きが −1-1<0{}< 0 なので右下がりの直線です。両端の値を求めると

x\displaystyle x=−2 のとき y\displaystyle {}= -2 \ \text{のとき}\ y=5,\displaystyle {}= 5,x\displaystyle x=1 のとき y\displaystyle {}= 1 \ \text{のとき}\ y=2\displaystyle {}= 2

よって値域は 2≦y≦5‾\underline{2 \leqq y \leqq 5} で

x=−2 のとき最大値 5,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = -2 \ \text{のとき最大値}\ 5,}x=1 のとき最小値 2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad x = 1 \ \text{のとき最小値}\ 2}

(2) 傾きが 22>0{}> 0 なので右上がりです(上の図)。

x\displaystyle x=−1 のとき y\displaystyle {}= -1 \ \text{のとき}\ y=−3,\displaystyle {}= -3,x\displaystyle x=2 のとき y\displaystyle {}= 2 \ \text{のとき}\ y=3\displaystyle {}= 3

ただし xx=2{}= 2 は定義域に含まれないので、yy=3{}= 3 はとりません。よって値域は −3≦y<3‾\underline{-3 \leqq y < 3} で

x=−1 のとき最小値‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = -1 \ \text{のとき最小値}} −3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}\ -3,}最大値はない‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad \text{最大値はない}}

(2) の yy は 33 にいくらでも近づきますが、33 にはなりません。「2.992.99 なら?」「2.9992.999 なら?」と候補を挙げても、必ずそれより大きい値がとれるので、最大値は決まらないのです。

値域から一次関数を決める

ここまでは「関数が分かっていて、値域を求める」向きでした。逆に「値域が分かっていて、関数の式を決める」こともできます。式の中の aa,bb のように、決まった値を表す文字を定数といいます。

公式4:値域から一次関数を決める

一次関数 yy=ax{}= ax+b (p≦x≦q){}+ b \ (p \leqq x \leqq q) の値域が mm≦y{}\leqq y≦M{}\leqq M(mm<M{}< M)であるとき

  • aa>0{}> 0 なら apap+b{}+ b=m{}= m,aqaq+b{}+ b=M{}= M
  • aa<0{}< 0 なら apap+b{}+ b=M{}= M,aqaq+b{}+ b=m{}= m

の連立方程式を解く。aa の符号が分からなければ両方の場合を調べ、それぞれの答えが aa の符号の条件を満たすか確かめる。

aa=0{}= 0 だと yy=b{}= b で値域は 1 つの値だけになるので、mm<M{}< M なら aa≠0{}\neq 0 です。なお、f(1)f(1)=5{}= 5,f(3)f(3)=−1{}= -1 のように「どの xx でどの値をとるか」が直接分かっているなら、場合分けは要らず、ただの連立方程式になります。

公園の滑り台で考えてみます。「両端の高さは 0.50.5 m と 2.52.5 m」とだけ知らされても、どちらが階段側なのかは分かりません。左が高い置き方と右が高い置き方の 2 通りがありえます。値域から分かるのは「両端の高さの組」だけで、どちらの端がどちらの高さかは傾きの向きしだい。だから aa の符号で場合分けが必要になります。

値域は「両端の yy の値の組」しか教えてくれないので、傾きの正負で端との対応を 2 通りに分け、それぞれ連立方程式を解くということです。

例題4:値域から係数を定める

一次関数 yy=ax{}= ax+b (0≦x≦2){}+ b \ (0 \leqq x \leqq 2) の値域が 11≦y{}\leqq y≦5{}\leqq 5 となるように、定数 aa,bb の値を定めなさい。


【解答】

値域が 1 つの値ではないので aa≠0{}\neq 0 です。

(i) aa>0{}> 0 のとき、右上がりなので xx=0{}= 0 で yy=1{}= 1,xx=2{}= 2 で yy=5{}= 5 です。

b\displaystyle b=1,\displaystyle {}= 1,2a\displaystyle 2a+b\displaystyle {}+ b=5\displaystyle {}= 5⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=2,\displaystyle {}= 2, b\displaystyle \ b=1\displaystyle {}= 1

aa=2{}= 2>0{}> 0 なので条件を満たします。

(ii) aa<0{}< 0 のとき、右下がりなので xx=0{}= 0 で yy=5{}= 5,xx=2{}= 2 で yy=1{}= 1 です。

b\displaystyle b=5,\displaystyle {}= 5,2a\displaystyle 2a+b\displaystyle {}+ b=1\displaystyle {}= 1⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=−2,\displaystyle {}= -2, b\displaystyle \ b=5\displaystyle {}= 5

aa=−2{}= -2<0{}< 0 なので条件を満たします。

a=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 2,} b=1またはa=−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 1 \quad \text{または} \quad a = -2,} b=5‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 5}

2 つの答えは、グラフで見ると (0, 1)(0,\ 1) と (2, 5)(2,\ 5) を結ぶ線分と、(0, 5)(0,\ 5) と (2, 1)(2,\ 1) を結ぶ線分です。滑り台の向きがちょうど逆になっています。

絶対値を含む関数のグラフ

数と式の第3章で学んだように、絶対値は中身の符号ではずし方が変わります。AA≧0{}\geqq 0 なら ∣A∣|A|=A{}= A,AA<0{}< 0 なら ∣A∣|A|=−A{}= -A でした。関数の式に絶対値が入っていたら、この規則で場合分けしてからグラフをかきます。

公式5:絶対値を含む関数のグラフ

絶対値の中身が 00 になる xx を境目にして場合分けし、絶対値をはずしてからグラフをかく。

y\displaystyle y=∣x−1∣\displaystyle {}= |x - 1|={x−1(x≧1)−x+1(x<1)\displaystyle {}= \begin{cases} x - 1 & (x \geqq 1) \\ -x + 1 & (x < 1) \end{cases}
  • yy=∣x−p∣{}= |x - p| のグラフは、点 (p, 0)(p,\ 0) で折れ曲がる V 字形になる。
  • 絶対値が 2 つ以上あると境目がいくつかでき、グラフは何か所かで折れ曲がる折れ線になる。
  • 方程式 f(x)f(x)=k{}= k の実数解は、yy=f(x){}= f(x) のグラフと直線 yy=k{}= k の共有点(交わる点や接する点)の xx 座標である。解の個数は共有点の個数で数えられる。

まっすぐな線路沿いの道を歩いて、駅の前を通り過ぎるところを想像してください。駅までの距離は、近づくあいだは減り、駅の前で 00 になり、通り過ぎると再び増えます。yy=∣x−1∣{}= |x - 1| は「位置 xx から駅(位置 11)までの距離」そのもので、グラフが V 字になるのはこのためです。駅が 2 つあって、両方までの距離の合計を考えると面白いことが起こります。2 つの駅の間を歩いているあいだは、片方に近づいたぶんだけもう片方から遠ざかるので、合計は駅と駅の間の距離のまま変わりません。下の図の平らな部分がそれです。

x y O −1 2 3 y = −2x + 1 (x < −1) y = 3 y = 2x − 1 (x ≧ 2) 最小値 3 をとる範囲 −1 ≦ x ≦ 2

絶対値を含む関数は、中身が 00 になる点を境目に場合分けして絶対値をはずせば、直線をつないだ折れ線のグラフになるということです。

例題5:絶対値を含む関数

(1) 関数 yy=∣x−1∣{}= |x - 1| の最小値を求めなさい。

(2) 関数 yy=∣x+1∣{}= |x + 1|+∣x−2∣{}+ |x - 2| を、絶対値記号を使わずに場合分けして表しなさい。また、最小値と、そのときの xx の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 公式5の場合分けのとおり、グラフは点 (1, 0)(1,\ 0) で折れ曲がる V 字形です。絶対値は 00 以上で、xx=1{}= 1 のとき 00 になるので

x=1 のとき最小値 0‾\underline{x = 1 \ \text{のとき最小値}\ 0}

(2) 境目は xx+1{}+ 1=0{}= 0 と xx−2{}- 2=0{}= 0 より xx=−1,{}= -1, 2\ 2 です。3 つの範囲に分けます。

xx<−1{}< -1 のとき、xx+1{}+ 1<0{}< 0,xx−2{}- 2<0{}< 0 なので

y\displaystyle y=−(x+1)\displaystyle {}= -(x + 1)−(x−2)\displaystyle {}- (x - 2)=−2x\displaystyle {}= -2x+1\displaystyle {}+ 1

−1-1≦x{}\leqq x<2{}< 2 のとき、xx+1{}+ 1≧0{}\geqq 0,xx−2{}- 2<0{}< 0 なので

y\displaystyle y=(x+1)\displaystyle {}= (x + 1)−(x−2)\displaystyle {}- (x - 2)=3\displaystyle {}= 3

xx≧2{}\geqq 2 のとき、xx+1{}+ 1>0{}> 0,xx−2{}- 2≧0{}\geqq 0 なので

y\displaystyle y=(x+1)\displaystyle {}= (x + 1)+(x−2)\displaystyle {}+ (x - 2)=2x\displaystyle {}= 2x−1\displaystyle {}- 1y={−2x+1(x<−1)3(−1≦x<2)2x−1(x≧2)‾\underline{y = \begin{cases} -2x + 1 & (x < -1) \\ 3 & (-1 \leqq x < 2) \\ 2x - 1 & (x \geqq 2) \end{cases}}

グラフは上の図のようになり、左側は右下がり、右側は右上がりで、真ん中が平らです。境目で値がつながっている(xx=−1{}= -1 で −2⋅(−1)-2 \cdot (-1)+1{}+ 1=3{}= 3,xx=2{}= 2 で 2⋅22 \cdot 2−1{}- 1=3{}= 3)ことも確かめておきます。

最小値 3(−1≦x≦2 のとき)‾\underline{\text{最小値}\ 3 \quad (-1 \leqq x \leqq 2 \ \text{のとき})}

最小値をとる xx が 1 つではなく、範囲全体になるのがこの関数の特徴です。

放物線 y = ax²

中学で学んだ「yy が xx の 2 乗に比例する関数」yy=ax2{}= ax^2 のグラフを、この分野の言葉で整理し直します。第2章以降に登場するすべての二次関数のグラフは、この形を平行移動したものです。

公式6:y = ax² のグラフ

aa≠0{}\neq 0 のとき、yy=ax2{}= ax^2 のグラフは原点を通り、yy 軸に関して対称な曲線である。この曲線を放物線という。

  • 放物線の対称の軸を軸、軸と放物線の交点を頂点という。yy=ax2{}= ax^2 の軸は yy 軸(直線 xx=0{}= 0)、頂点は原点 (0, 0)(0,\ 0) である。
  • aa>0{}> 0 のとき下に凸(谷の形)で、頂点で最小値 00 をとる。aa<0{}< 0 のとき上に凸(山の形)で、頂点で最大値 00 をとる。
  • ∣a∣|a| が大きいほど、グラフの開き方は小さい(細い)。
  • yy=ax2{}= ax^2 と yy=−ax2{}= -ax^2 のグラフは、xx 軸に関して対称である。
x y O 頂点 軸 a > 0 下に凸 a < 0 上に凸 y = 2x² y = x² y = ½x² y = −x²

yy 軸に関して対称なのは、a(−x)2a(-x)^2=ax2{}= ax^2 だからです。点 (x, y)(x,\ y) がグラフ上にあれば、左右を入れかえた点 (−x, y)(-x,\ y) もグラフ上にあります。

「放物線」という名前は、文字どおり「物を放り投げたときに描く線」から来ています。ボールを斜め上に投げると、上に凸の放物線を描いて落ちてきます。同じ強さで投げても、真上に近い角度で投げれば細い放物線、水平に近い角度で投げれば大きく開いた放物線になります。上に凸か下に凸かは aa の符号、細いか開いているかは ∣a∣|a| の大きさ——放物線の形を決めるのは、この 2 つだけです。

yy=ax2{}= ax^2 のグラフは頂点が原点・軸が yy 軸の放物線で、aa の符号が向き(下に凸か上に凸か)を、∣a∣|a| の大きさが開き方を決めるということです。

例題6:放物線 y = ax² の決定と値域

(1) 放物線 yy=ax2{}= ax^2 が点 (−2, 2)(-2,\ 2) を通るとき、aa の値を求めなさい。また、このグラフが下に凸か上に凸かを答えなさい。

(2) 関数 yy=x2 (−1≦x≦2){}= x^2 \ (-1 \leqq x \leqq 2) の値域を求めなさい。


【解答】

(1) xx=−2{}= -2,yy=2{}= 2 を代入すると 22=a⋅(−2)2{}= a \cdot (-2)^2=4a{}= 4a なので

a\displaystyle a=12‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{2}}

aa>0{}> 0 なので 下に凸‾\underline{\text{下に凸}} です。

(2) 両端の値は xx=−1{}= -1 のとき yy=1{}= 1,xx=2{}= 2 のとき yy=4{}= 4 です。しかし、ここで「値域は 11≦y{}\leqq y≦4{}\leqq 4」とするのは誤りです。定義域 −1-1≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 の中に頂点の xx=0{}= 0 が含まれていて、そこで yy=0{}= 0 をとるからです。

グラフは xx=−1{}= -1 から xx=0{}= 0 まで下がって yy=0{}= 0 に達し、そこから xx=2{}= 2 まで上がって yy=4{}= 4 になります。よって

0≦y≦4‾\underline{0 \leqq y \leqq 4}

一次関数では「両端を調べれば十分」でしたが、放物線では途中で向きが変わるので、頂点が定義域に入っているかどうかを必ず確かめます。これが第3章「最大・最小」の中心テーマになります。

第2章へ——頂点を原点から動かす

この章の放物線は、どれも頂点が原点にありました。では yy=2(x−3)2{}= 2(x - 3)^2+1{}+ 1 のグラフはどうなるでしょう。xx=3{}= 3 のとき (x−3)2(x - 3)^2=0{}= 0 で yy=1{}= 1 が最小になるので、頂点は (3, 1)(3,\ 1) です。実はこのグラフは、yy=2x2{}= 2x^2 のグラフを形を変えずにそのまま動かして、頂点を (3, 1)(3,\ 1) に移したもの(平行移動)になっています。公式5の yy=∣x−p∣{}= |x - p| が「yy=∣x∣{}= |x| の V 字を右に pp ずらした形」だったのと同じしくみです。

ところが yy=2(x−3)2{}= 2(x - 3)^2+1{}+ 1 を展開すると yy=2x2{}= 2x^2−12x{}- 12x+19{}+ 19 となり、この形からは頂点が見えません。第2章では、展開された式を a(x−p)2a(x - p)^2+q{}+ q の形に戻す技術=平方完成を学び、どんな二次関数のグラフも「yy=ax2{}= ax^2 の平行移動」としてかけるようにします。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

f(x)f(x)=3x{}= 3x−5{}- 5 のとき、f(2)f(2) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1‾\underline{1}(3⋅23 \cdot 2−5{}- 5)

自己採点:
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問2

点 (−4, 3)(-4,\ 3) がある象限を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

第2象限‾\underline{\text{第2象限}}(xx 座標が負、yy 座標が正)

自己採点:
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問3

点 (2, −5)(2,\ -5) と原点に関して対称な点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(−2, 5)‾\underline{(-2,\ 5)}(両方の座標の符号を変える)

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問4

関数 yy=2x{}= 2x+1 (0≦x≦3){}+ 1 \ (0 \leqq x \leqq 3) の値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1≦y≦7‾\underline{1 \leqq y \leqq 7}(右上がりなので xx=0{}= 0 で 11,xx=3{}= 3 で 77)

自己採点:
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問5

放物線 yy=−2x2{}= -2x^2 の頂点の座標と、グラフが上に凸か下に凸かを求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

頂点 (0, 0)‾\underline{(0,\ 0)},上に凸‾\underline{\text{上に凸}}(aa=−2{}= -2<0{}< 0)

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

f(x)f(x)=x2{}= x^2−4x{}- 4x+3{}+ 3 のとき、f(0)f(0),f(−2)f(-2),f(3)f(3) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(0)f(0)=3,{}= 3,f(−2)f(-2)=15,{}= 15,f(3)f(3)=0{}= 0

解説

それぞれ xx に代入します。負の数はかっこをつけて代入します。

f(0)\displaystyle f(0)=02\displaystyle {}= 0^2−4⋅0\displaystyle {}- 4 \cdot 0+3\displaystyle {}+ 3=3‾\displaystyle {}= \underline{3} f(−2)\displaystyle f(-2)=(−2)2\displaystyle {}= (-2)^2−4⋅(−2)\displaystyle {}- 4 \cdot (-2)+3\displaystyle {}+ 3=4\displaystyle {}= 4+8\displaystyle {}+ 8+3\displaystyle {}+ 3=15‾\displaystyle {}= \underline{15} f(3)\displaystyle f(3)=32\displaystyle {}= 3^2−4⋅3\displaystyle {}- 4 \cdot 3+3\displaystyle {}+ 3=9\displaystyle {}= 9−12\displaystyle {}- 12+3\displaystyle {}+ 3=0‾\displaystyle {}= \underline{0}

f(0)f(0) はいつも「定数項」になります。f(3)f(3)=0{}= 0 は、グラフが点 (3, 0)(3,\ 0) を通る、つまり xx 軸と xx=3{}= 3 で交わることを表しています(第6章で詳しく扱います)。

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問2 ★

f(x)f(x)=2x2{}= 2x^2−x{}- x+1{}+ 1 のとき、f(−a)f(-a) と f(a−1)f(a - 1) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(−a)f(-a)=2a2{}= 2a^2+a{}+ a+1,{}+ 1,f(a−1)f(a - 1)=2a2{}= 2a^2−5a{}- 5a+4{}+ 4

解説

xx をかっこごと置きかえます。

f(−a)\displaystyle f(-a)=2(−a)2\displaystyle {}= 2(-a)^2−(−a)\displaystyle {}- (-a)+1\displaystyle {}+ 1=2a2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}2a^2}+a‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ a}+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 1}

(−a)2(-a)^2=a2{}= a^2 なので、2 乗の項の符号は変わりません。変わるのは 1 次の項だけです。

f(a−1)\displaystyle f(a - 1)=2(a−1)2\displaystyle {}= 2(a - 1)^2−(a−1)\displaystyle {}- (a - 1)+1\displaystyle {}+ 1=2(a2−2a+1)\displaystyle {}= 2(a^2 - 2a + 1)−a\displaystyle {}- a+1\displaystyle {}+ 1+1\displaystyle {}+ 1=2a2‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}2a^2}−5a‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}- 5a}+4‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.9474em}{}+ 4}

−(a−1)-(a - 1) を −a-a−1{}- 1 としてしまうのがよくある間違いです。かっこの前の −- は、中の両方の項の符号を変えます。

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問3 ★

aa>0{}> 0,bb<0{}< 0 とします。

(1) 点 (a, b)(a,\ b) (2) 点 (−a, b)(-a,\ b) (3) 点 (ab, a−b)(ab,\ a - b)

上の (1)〜(3) の点がある象限を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 第4象限 (2) 第3象限 (3) 第2象限

解説

各点の xx 座標・yy 座標の符号を調べ、公式2の表に当てはめます。

(1) xx 座標 aa>0{}> 0,yy 座標 bb<0{}< 0 なので 第4象限‾\underline{\text{第4象限}}。

(2) xx 座標 −a-a<0{}< 0,yy 座標 bb<0{}< 0 なので 第3象限‾\underline{\text{第3象限}}。

(3) xx 座標 abab は「正 × 負」で負です。yy 座標 aa−b{}- b は、aa>0{}> 0 と −b-b>0{}> 0 の和なので正です。よって 第2象限‾\underline{\text{第2象限}}。

確かめとして aa=1{}= 1,bb=−2{}= -2 を入れると、(1) (1, −2)(1,\ -2),(2) (−1, −2)(-1,\ -2),(3) (−2, 3)(-2,\ 3) となり、それぞれ第4・第3・第2象限にあります。

自己採点:
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問4 ★

(1) 点 A(3, −1)\mathrm{A}(3,\ -1) と xx 軸・yy 軸・原点に関して対称な点の座標を、それぞれ求めなさい。

(2) 点 (2a−1, b+3)(2a - 1,\ b + 3) と点 (5, −1)(5,\ -1) が yy 軸に関して対称であるとき、aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx 軸:(3, 1)(3,\ 1),yy 軸:(−3, −1)(-3,\ -1),原点:(−3, 1)(-3,\ 1) (2) aa=−2,{}= -2,bb=−4{}= -4

解説

(1) 公式2の表より、xx 軸対称は yy 座標だけ、yy 軸対称は xx 座標だけ、原点対称は両方の符号を変えます。

x 軸対称 (3, 1)‾,\displaystyle x \text{ 軸対称}\ \underline{(3,\ 1)},y 軸対称 (−3, −1)‾,\displaystyle y \text{ 軸対称}\ \underline{(-3,\ -1)},原点対称 (−3, 1)‾\displaystyle \text{原点対称}\ \underline{(-3,\ 1)}

(2) yy 軸に関して対称な 2 点は、xx 座標の符号が反対で、yy 座標が等しくなります。

2a\displaystyle 2a−1\displaystyle {}- 1=−5,\displaystyle {}= -5,b\displaystyle b+3\displaystyle {}+ 3=−1\displaystyle {}= -1

よって a=−2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -2,} b=−4‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = -4} です。このとき 1 つめの点は (−5, −1)(-5,\ -1) となり、確かに (5, −1)(5,\ -1) と yy 軸に関して対称です。

自己採点:
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問5 ★

関数 yy=−2x{}= -2x+3 (−1≦x≦2){}+ 3 \ (-1 \leqq x \leqq 2) の値域を求めなさい。また、最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

値域 −1-1≦y{}\leqq y≦5{}\leqq 5,xx=−1{}= -1 のとき最大値 55,xx=2{}= 2 のとき最小値 −1-1

解説

傾きが −2-2<0{}< 0 なので右下がりの直線です。両端の値は

x\displaystyle x=−1 のとき y\displaystyle {}= -1 \ \text{のとき}\ y=2\displaystyle {}= 2+3\displaystyle {}+ 3=5,\displaystyle {}= 5,x\displaystyle x=2 のとき y\displaystyle {}= 2 \ \text{のとき}\ y=−4\displaystyle {}= -4+3\displaystyle {}+ 3=−1\displaystyle {}= -1

右下がりなので、左端で最大、右端で最小になります。

値域 −1≦y≦5‾\text{値域}\ \underline{-1 \leqq y \leqq 5} x=−1 のとき最大値 5,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = -1 \ \text{のとき最大値}\ 5,}x=2 のとき最小値‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad x = 2 \ \text{のとき最小値}} −1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}{}\ -1}

値域を書くときは、小さいほうの値を左に書きます。右下がりの関数では「xx の左端の値」が値域の右端に来る点に注意します。

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問6 ★

関数 yy=3x{}= 3x−2 (−1<x≦2){}- 2 \ (-1 < x \leqq 2) の値域を求めなさい。また、最大値・最小値があれば求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

値域 −5-5<y{}< y≦4{}\leqq 4,xx=2{}= 2 のとき最大値 44,最小値はない

解説

傾きが 33>0{}> 0 なので右上がりです。両端の値は

x\displaystyle x=−1 のとき y\displaystyle {}= -1 \ \text{のとき}\ y=−5,\displaystyle {}= -5,x\displaystyle x=2 のとき y\displaystyle {}= 2 \ \text{のとき}\ y=4\displaystyle {}= 4

xx=−1{}= -1 は定義域に含まれないので、yy=−5{}= -5 はとりません。xx=2{}= 2 は含まれるので、yy=4{}= 4 はとります。

値域 −5<y≦4‾\text{値域}\ \underline{-5 < y \leqq 4} x=2 のとき最大値 4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = 2 \ \text{のとき最大値}\ 4,}最小値はない‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad \text{最小値はない}}

yy は −5-5 にいくらでも近い値をとりますが、−5-5 そのものはとりません。どんな候補を挙げても、それより小さい値がとれるので、最小値は存在しません。

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問7 ★

関数 yy=∣2x−4∣{}= |2x - 4| を、絶対値記号を使わずに場合分けして表しなさい。また、yy の最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy={2x−4(x≧2)−2x+4(x<2){}= \begin{cases} 2x - 4 & (x \geqq 2) \\ -2x + 4 & (x < 2) \end{cases},xx=2{}= 2 のとき最小値 00

解説

絶対値の中身 2x2x−4{}- 4 が 00 になるのは xx=2{}= 2 です。ここを境目にします。

xx≧2{}\geqq 2 のとき、2x2x−4{}- 4≧0{}\geqq 0 なので yy=2x{}= 2x−4{}- 4。

xx<2{}< 2 のとき、2x2x−4{}- 4<0{}< 0 なので yy=−(2x−4){}= -(2x - 4)=−2x{}= -2x+4{}+ 4。

y={2x−4(x≧2)−2x+4(x<2)‾\underline{y = \begin{cases} 2x - 4 & (x \geqq 2) \\ -2x + 4 & (x < 2) \end{cases}}

グラフは点 (2, 0)(2,\ 0) で折れ曲がる V 字形です。絶対値は 00 以上で、xx=2{}= 2 のとき 00 になるので

x=2 のとき最小値 0‾\underline{x = 2 \ \text{のとき最小値}\ 0}

V 字の両側の傾きが ±1\pm 1 でなく ±2\pm 2 になっているのは、中身の xx の係数が 22 だからです。

自己採点:
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問8 ★

放物線 yy=ax2{}= ax^2 が点 (2, −12)(2,\ -12) を通るとき、aa の値を求めなさい。また、このグラフが上に凸か下に凸かと、xx=−3{}= -3 のときの yy の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−3{}= -3,上に凸,yy=−27{}= -27

解説

xx=2{}= 2,yy=−12{}= -12 を代入すると

−12\displaystyle -12=a⋅22\displaystyle {}= a \cdot 2^2=4a\displaystyle {}= 4a⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=−3‾\displaystyle {}= \underline{-3}

aa<0{}< 0 なので 上に凸‾\underline{\text{上に凸}} です。yy=−3x2{}= -3x^2 に xx=−3{}= -3 を代入して

y\displaystyle y=−3⋅(−3)2\displaystyle {}= -3 \cdot (-3)^2=−3⋅9\displaystyle {}= -3 \cdot 9=−27‾\displaystyle {}= \underline{-27}

−3⋅(−3)2-3 \cdot (-3)^2 を (−3⋅(−3))2(-3 \cdot (-3))^2=81{}= 81 と計算しないように注意します。2 乗するのは xx の値だけで、係数 aa はそのあとで掛けます。

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問9 ★★

一次関数 f(x)f(x) が f(1)f(1)=5{}= 5,f(3)f(3)=−1{}= -1 を満たすとき、f(x)f(x) を求めなさい。また、f(−2)f(-2) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(x)f(x)=−3x{}= -3x+8{}+ 8,f(−2)f(-2)=14{}= 14

解説

f(x)f(x)=ax{}= ax+b{}+ b とおきます。条件より

a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=5,\displaystyle {}= 5,3a\displaystyle 3a+b\displaystyle {}+ b=−1\displaystyle {}= -1

下の式から上の式を引くと 2a2a=−6{}= -6 なので aa=−3{}= -3,bb=8{}= 8 です。

f(x)\displaystyle f(x)=−3x‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}-3x}+8‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7278em}{}+ 8} f(−2)\displaystyle f(-2)=−3⋅(−2)\displaystyle {}= -3 \cdot (-2)+8\displaystyle {}+ 8=14‾\displaystyle {}= \underline{14}

「xx=1{}= 1 で 55,xx=3{}= 3 で −1-1」のように、どの xx でどの値をとるかが決まっているので、公式4のような場合分けは要りません。グラフで言えば、2 点 (1, 5)(1,\ 5),(3, −1)(3,\ -1) を通る直線を求めたことになります。

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問10 ★★

f(x)f(x)=x2{}= x^2+ax{}+ ax+b{}+ b が f(1)f(1)=0{}= 0,f(−2)f(-2)=9{}= 9 を満たすとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。また、f(3)f(3) の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−2,{}= -2,bb=1{}= 1,f(3)f(3)=4{}= 4

解説

条件をそれぞれ式にします。

f(1)\displaystyle f(1)=1\displaystyle {}= 1+a\displaystyle {}+ a+b\displaystyle {}+ b=0\displaystyle {}= 0⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a+b\displaystyle {}+ b=−1\displaystyle {}= -1 f(−2)\displaystyle f(-2)=4\displaystyle {}= 4−2a\displaystyle {}- 2a+b\displaystyle {}+ b=9\displaystyle {}= 9⟹−2a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad -2a+b\displaystyle {}+ b=5\displaystyle {}= 5

上の式から下の式を引くと 3a3a=−6{}= -6 なので aa=−2{}= -2,bb=1{}= 1 です。

a=−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -2,} b=1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 1}

このとき f(x)f(x)=x2{}= x^2−2x{}- 2x+1{}+ 1 なので

f(3)\displaystyle f(3)=9\displaystyle {}= 9−6\displaystyle {}- 6+1\displaystyle {}+ 1=4‾\displaystyle {}= \underline{4}

f(x)f(x)=x2{}= x^2−2x{}- 2x+1{}+ 1=(x−1)2{}= (x - 1)^2 と書けることにも気づけると、f(1)f(1)=0{}= 0 の意味がよく見えます。こうした「2 乗の形」への変形は、第2章の平方完成で本格的に扱います。

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問11 ★★

aa>0{}> 0 とします。一次関数 yy=ax{}= ax+b (−2≦x≦1){}+ b \ (-2 \leqq x \leqq 1) の値域が −1-1≦y{}\leqq y≦5{}\leqq 5 となるように、定数 aa,bb の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=2,{}= 2,bb=3{}= 3

解説

aa>0{}> 0 なので右上がりです。左端 xx=−2{}= -2 で最小値 −1-1,右端 xx=1{}= 1 で最大値 55 をとります。

−2a\displaystyle -2a+b\displaystyle {}+ b=−1,\displaystyle {}= -1,a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=5\displaystyle {}= 5

下の式から上の式を引くと 3a3a=6{}= 6 なので aa=2{}= 2,bb=3{}= 3 です。aa=2{}= 2>0{}> 0 なので条件を満たします。

a=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 2,} b=3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3}

確かめ:yy=2x{}= 2x+3{}+ 3 で xx=−2{}= -2 のとき yy=−1{}= -1,xx=1{}= 1 のとき yy=5{}= 5 です。

自己採点:
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問12 ★★

一次関数 yy=ax{}= ax+b (1≦x≦3){}+ b \ (1 \leqq x \leqq 3) の値域が 22≦y{}\leqq y≦6{}\leqq 6 となるように、定数 aa,bb の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=2,{}= 2,bb=0{}= 0 または aa=−2,{}= -2,bb=8{}= 8

解説

値域が 1 つの値ではないので aa≠0{}\neq 0 です。aa の符号で場合分けします。

(i) aa>0{}> 0 のとき、xx=1{}= 1 で yy=2{}= 2,xx=3{}= 3 で yy=6{}= 6 です。

a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=2,\displaystyle {}= 2,3a\displaystyle 3a+b\displaystyle {}+ b=6\displaystyle {}= 6⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=2,\displaystyle {}= 2, b\displaystyle \ b=0\displaystyle {}= 0

aa=2{}= 2>0{}> 0 なので適します。

(ii) aa<0{}< 0 のとき、xx=1{}= 1 で yy=6{}= 6,xx=3{}= 3 で yy=2{}= 2 です。

a\displaystyle a+b\displaystyle {}+ b=6,\displaystyle {}= 6,3a\displaystyle 3a+b\displaystyle {}+ b=2\displaystyle {}= 2⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=−2,\displaystyle {}= -2, b\displaystyle \ b=8\displaystyle {}= 8

aa=−2{}= -2<0{}< 0 なので適します。

a=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 2,} b=0またはa=−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 0 \quad \text{または} \quad a = -2,} b=8‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 8}

(i) のグラフは (1, 2)(1,\ 2) から (3, 6)(3,\ 6) への上り坂、(ii) は (1, 6)(1,\ 6) から (3, 2)(3,\ 2) への下り坂です。どちらも値域は同じです。

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問13 ★★

関数 yy=∣x−1∣{}= |x - 1|+∣x+3∣{}+ |x + 3| を、絶対値記号を使わずに場合分けして表しなさい。また、最小値と、そのときの xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx<−3{}< -3 のとき yy=−2x{}= -2x−2{}- 2,−3-3≦x{}\leqq x<1{}< 1 のとき yy=4{}= 4,xx≧1{}\geqq 1 のとき yy=2x{}= 2x+2{}+ 2。最小値 44(−3-3≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1 のとき)

解説

境目は xx−1{}- 1=0{}= 0 と xx+3{}+ 3=0{}= 0 より xx=1,{}= 1, −3{}\ -3 です。小さいほうから 3 つの範囲に分けます。

xx<−3{}< -3 のとき、xx−1{}- 1<0{}< 0,xx+3{}+ 3<0{}< 0 なので

y\displaystyle y=−(x−1)\displaystyle {}= -(x - 1)−(x+3)\displaystyle {}- (x + 3)=−2x\displaystyle {}= -2x−2\displaystyle {}- 2

−3-3≦x{}\leqq x<1{}< 1 のとき、xx−1{}- 1<0{}< 0,xx+3{}+ 3≧0{}\geqq 0 なので

y\displaystyle y=−(x−1)\displaystyle {}= -(x - 1)+(x+3)\displaystyle {}+ (x + 3)=4\displaystyle {}= 4

xx≧1{}\geqq 1 のとき、xx−1{}- 1≧0{}\geqq 0,xx+3{}+ 3>0{}> 0 なので

y\displaystyle y=(x−1)\displaystyle {}= (x - 1)+(x+3)\displaystyle {}+ (x + 3)=2x\displaystyle {}= 2x+2\displaystyle {}+ 2 y={−2x−2(x<−3)4(−3≦x<1)2x+2(x≧1)‾\underline{y = \begin{cases} -2x - 2 & (x < -3) \\ 4 & (-3 \leqq x < 1) \\ 2x + 2 & (x \geqq 1) \end{cases}}

左側は右下がり、右側は右上がりで、真ん中は平らです。境目の値は xx=−3{}= -3 で −2⋅(−3)-2 \cdot (-3)−2{}- 2=4{}= 4,xx=1{}= 1 で 2⋅12 \cdot 1+2{}+ 2=4{}= 4 とつながっています。

最小値 4(−3≦x≦1 のとき)‾\underline{\text{最小値}\ 4 \quad (-3 \leqq x \leqq 1 \ \text{のとき})}

「点 11 と点 −3-3 までの距離の和」と読めば、2 点の間にいるときは和が 2 点間の距離 44 で一定、外に出ると増える、と計算なしで見通せます。

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問14 ★★

関数 yy=∣x−2∣{}= |x - 2|+1 (−1≦x≦4){}+ 1 \ (-1 \leqq x \leqq 4) の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=−1{}= -1 のとき最大値 44,xx=2{}= 2 のとき最小値 11

解説

境目は xx=2{}= 2 で、定義域の中にあります。

−1-1≦x{}\leqq x<2{}< 2 のとき yy=−(x−2){}= -(x - 2)+1{}+ 1=−x{}= -x+3{}+ 3(右下がり)

22≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4 のとき yy=(x−2){}= (x - 2)+1{}+ 1=x{}= x−1{}- 1(右上がり)

グラフは xx=2{}= 2 で折れ曲がる V 字形なので、最小値は折れ曲がる点、最大値は両端のどちらかです。

x\displaystyle x=−1 のとき y\displaystyle {}= -1 \ \text{のとき}\ y=4,\displaystyle {}= 4,x\displaystyle x=2 のとき y\displaystyle {}= 2 \ \text{のとき}\ y=1,\displaystyle {}= 1,x\displaystyle x=4 のとき y\displaystyle {}= 4 \ \text{のとき}\ y=3\displaystyle {}= 3 x=−1 のとき最大値 4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = -1 \ \text{のとき最大値}\ 4,}x=2 のとき最小値 1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad x = 2 \ \text{のとき最小値}\ 1}

最大値は、両端のうち「折れ目 xx=2{}= 2 から遠いほう」でとります。xx=−1{}= -1 は 22 から 33、xx=4{}= 4 は 22 から 22 の距離なので、xx=−1{}= -1 のほうが高くなります。この「軸から遠い端で最大」という見方は、第3章の放物線でもそのまま使えます。

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問15 ★★

(1) yy=2x2 (−1≦x≦2){}= 2x^2 \ (-1 \leqq x \leqq 2)

(2) yy=−x2 (1≦x≦3){}= -x^2 \ (1 \leqq x \leqq 3)

上の (1),(2) の関数の値域を、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 00≦y{}\leqq y≦8{}\leqq 8 (2) −9-9≦y{}\leqq y≦−1{}\leqq -1

解説

(1) 下に凸の放物線で、頂点の xx=0{}= 0 が定義域 −1-1≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 に含まれます。頂点で最小値 00 をとります。両端は xx=−1{}= -1 で 22,xx=2{}= 2 で 88 なので、最大値は 88 です。

0≦y≦8‾\underline{0 \leqq y \leqq 8}

両端だけを見て 22≦y{}\leqq y≦8{}\leqq 8 としないように注意します。

(2) 上に凸の放物線で、頂点の xx=0{}= 0 は定義域 11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 に含まれません。xx>0{}> 0 の範囲では、xx が大きいほど x2x^2 は大きく、−x2-x^2 は小さくなります(右下がり)。

x\displaystyle x=1 のとき y\displaystyle {}= 1 \ \text{のとき}\ y=−1,\displaystyle {}= -1,x\displaystyle x=3 のとき y\displaystyle {}= 3 \ \text{のとき}\ y=−9\displaystyle {}= -9 −9≦y≦−1‾\underline{-9 \leqq y \leqq -1}

頂点が定義域に入っていなければ、放物線でも一次関数と同じく「両端を調べれば十分」になります。

自己採点:
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問16 ★★

関数 yy=−2x{}= -2x+5 (a≦x≦b){}+ 5 \ (a \leqq x \leqq b) の値域が −1-1≦y{}\leqq y≦7{}\leqq 7 であるとき、定数 aa,bb の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−1,{}= -1,bb=3{}= 3

解説

傾きが −2-2<0{}< 0 なので右下がりです。左端 xx=a{}= a で最大値 77,右端 xx=b{}= b で最小値 −1-1 をとります。

−2a\displaystyle -2a+5\displaystyle {}+ 5=7\displaystyle {}= 7⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad a=−1\displaystyle {}= -1 −2b\displaystyle -2b+5\displaystyle {}+ 5=−1\displaystyle {}= -1⟹b\displaystyle {}\Longrightarrow\qquad b=3\displaystyle {}= 3

aa<b{}< b も満たしています。

a=−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -1,} b=3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3}

公式4では「値域から係数を決める」問題でしたが、ここでは係数が分かっていて定義域の端を決めています。どちらも「どちらの端でどちらの値をとるか」を傾きの向きで決めるのが出発点です。

自己採点:
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問17 ★★★

kk を定数とします。方程式 ∣x−1∣|x - 1|+∣x−3∣{}+ |x - 3|=k{}= k の実数解の個数を、kk の値によって場合分けして求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk<2{}< 2 のとき 00 個,kk=2{}= 2 のとき無数(11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 のすべての実数),kk>2{}> 2 のとき 22 個

解説

公式5の最後の項目のとおり、解の個数は yy=∣x−1∣{}= |x - 1|+∣x−3∣{}+ |x - 3| のグラフと直線 yy=k{}= k の共有点の個数に等しくなります。まずグラフをかきます。境目は xx=1,{}= 1, 3\ 3 です。

y\displaystyle y={−2x+4(x<1)2(1≦x<3)2x−4(x≧3)\displaystyle {}= \begin{cases} -2x + 4 & (x < 1) \\ 2 & (1 \leqq x < 3) \\ 2x - 4 & (x \geqq 3) \end{cases}

左側は右下がり、11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 で高さ 22 の平らな部分、右側は右上がりの折れ線です。yy の最小値は 22 です。

直線 yy=k{}= k(xx 軸に平行な直線)を上下に動かして、共有点を数えます。

  • kk<2{}< 2 のとき:直線は平らな部分より下にあり、共有点はありません。
  • kk=2{}= 2 のとき:直線は平らな部分と重なり、11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 のすべての点が共有点です。
  • kk>2{}> 2 のとき:左の右下がりの部分と右の右上がりの部分に 1 つずつ、合わせて 2 点で交わります。

実際、kk>2{}> 2 のとき −2x-2x+4{}+ 4=k{}= k から xx=4−k2{}= \dfrac{4 - k}{2}<1{}< 1,2x2x−4{}- 4=k{}= k から xx=k+42{}= \dfrac{k + 4}{2}>3{}> 3 となり、どちらもそれぞれの範囲に入ります。

k<2 のとき 0 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}k < 2 \ \text{のとき}\ 0 \ \text{個},}k=2 のとき無数,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\quad k = 2 \ \text{のとき無数},}k>2 のとき 2 個‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\quad k > 2 \ \text{のとき}\ 2 \ \text{個}}

方程式を式だけで解こうとすると 3 つの範囲ごとに kk で場合分けが必要になりますが、グラフと横線の交わりに翻訳すると一目で分類できます。この「グラフに翻訳する」方針は、第8章の解の配置で中心的な道具になります。

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問18 ★★★

aa を定数とします。関数 yy=∣x∣ (a≦x≦a+2){}= |x| \ (a \leqq x \leqq a + 2) の最小値を、aa の値によって場合分けして求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa≦−2{}\leqq -2 のとき −a-a−2{}- 2(xx=a{}= a+2{}+ 2),−2-2<a{}< a<0{}< 0 のとき 00(xx=0{}= 0),aa≧0{}\geqq 0 のとき aa(xx=a{}= a)

解説

yy=∣x∣{}= |x| のグラフは原点で折れ曲がる V 字形で、xx≦0{}\leqq 0 では yy=−x{}= -x(右下がり)、xx≧0{}\geqq 0 では yy=x{}= x(右上がり)です。幅 22 の定義域 aa≦x{}\leqq x≦a{}\leqq a+2{}+ 2 が、折れ目 xx=0{}= 0 に対してどこにあるかで場合分けします。

(i) 定義域がすべて折れ目の左側(aa+2{}+ 2≦0{}\leqq 0,つまり aa≦−2{}\leqq -2)のとき:右下がりの部分だけなので、右端 xx=a{}= a+2{}+ 2 で最小になります。

y\displaystyle y=−(a+2)\displaystyle {}= -(a + 2)=−a\displaystyle {}= -a−2\displaystyle {}- 2

(ii) 定義域が折れ目をはさむ(aa<0{}< 0<a{}< a+2{}+ 2,つまり −2-2<a{}< a<0{}< 0)のとき:折れ目 xx=0{}= 0 で最小値 00 をとります。

(iii) 定義域がすべて折れ目の右側(aa≧0{}\geqq 0)のとき:右上がりの部分だけなので、左端 xx=a{}= a で最小値 aa をとります。

まとめると、次のようになります。

  • aa≦−2{}\leqq -2 のとき 最小値 −a‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}-a}−2‾\underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}{}- 2}(xx=a{}= a+2{}+ 2)
  • −2-2<a{}< a<0{}< 0 のとき 最小値 0‾\underline{0}(xx=0{}= 0)
  • aa≧0{}\geqq 0 のとき 最小値 a‾\underline{a}(xx=a{}= a)

境目の aa=−2{}= -2 では (i) の式が −(−2)-(-2)−2{}- 2=0{}= 0、aa=0{}= 0 では (iii) の式が 00 となり、(ii) の値 00 となめらかにつながります。場合分けの境目で答えが食い違わないかを確かめると、計算ミスの発見に役立ちます。第3章では、この「動く定義域と折れ目(軸)の位置関係」の場合分けを、放物線で行います。

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問19 ★★★

一次関数 f(x)f(x) が、すべての実数 xx について f(f(x))f(f(x))=4x{}= 4x+3{}+ 3 を満たすとき、f(x)f(x) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(x)f(x)=2x{}= 2x+1{}+ 1 または f(x)f(x)=−2x{}= -2x−3{}- 3

解説

f(x)f(x)=ax{}= ax+b{}+ b(aa≠0{}\neq 0)とおきます。f(f(x))f(f(x)) は「f(x)f(x) の式の xx に、f(x)f(x) そのものを代入したもの」です。

f(f(x))\displaystyle f(f(x))=a f(x)\displaystyle {}= a\,f(x)+b\displaystyle {}+ b=a(ax+b)\displaystyle {}= a(ax + b)+b\displaystyle {}+ b=a2x\displaystyle {}= a^2 x+ab\displaystyle {}+ ab+b\displaystyle {}+ b

これがすべての xx で 4x4x+3{}+ 3 に等しいので、恒等式の係数比較(数と式 第9章)より

a2\displaystyle a^2=4,\displaystyle {}= 4,ab\displaystyle ab+b\displaystyle {}+ b=3\displaystyle {}= 3

aa=2{}= 2 のとき、2b2b+b{}+ b=3{}= 3 より bb=1{}= 1。

aa=−2{}= -2 のとき、−2b-2b+b{}+ b=3{}= 3 より bb=−3{}= -3。

f(x)=2x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}f(x) = 2x}+1またはf(x)=−2x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}+ 1 \quad \text{または} \quad f(x) = -2x}−3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}{}- 3}

確かめ:f(x)f(x)=−2x{}= -2x−3{}- 3 なら f(f(x))f(f(x))=−2(−2x−3){}= -2(-2x - 3)−3{}- 3=4x{}= 4x+6{}+ 6−3{}- 3=4x{}= 4x+3{}+ 3 です。「2 回続けて使うと傾き 44 になる」ので、1 回分の傾きは 22 か −2-2——右下がりの直線でも、2 回使うと向きが 2 回反転して右上がりに戻るわけです。

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問20 ★★★

放物線 yy=x2{}= x^2 上に 2 点 A(−1, 1)\mathrm{A}(-1,\ 1),B(2, 4)\mathrm{B}(2,\ 4) があります。原点を O\mathrm{O} とします。

(1) 直線 AB\mathrm{AB} の式を求めなさい。

(2) 三角形 OAB\mathrm{OAB} の面積を求めなさい。

(3) 放物線上の点 P(t, t2)\mathrm{P}(t,\ t^2) を −1-1<t{}< t<2{}< 2 となるようにとります。三角形 PAB\mathrm{PAB} の面積 SS を tt の式で表しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=x{}= x+2{}+ 2 (2) 33 (3) SS=−32t2{}= -\dfrac{3}{2}t^2+32t{}+ \dfrac{3}{2}t+3{}+ 3

解説

(1) 傾きは 4−12−(−1)\dfrac{4 - 1}{2 - (-1)}=1{}= 1 です。yy=x{}= x+b{}+ b が A(−1, 1)\mathrm{A}(-1,\ 1) を通るので 11=−1{}= -1+b{}+ b,bb=2{}= 2。

y=x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}y = x}+2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8388em}{}+ 2}

(2) 直線 AB\mathrm{AB} と yy 軸の交点を C(0, 2)\mathrm{C}(0,\ 2) とします。yy 軸(線分 OC\mathrm{OC})で三角形を左右に分けると、どちらも OC\mathrm{OC} を底辺とする三角形で、高さは A\mathrm{A},B\mathrm{B} の xx 座標の大きさ 11,22 です。

△OAB\displaystyle \triangle \mathrm{OAB}=12⋅2⋅1\displaystyle {}= \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 1+12⋅2⋅2\displaystyle {}+ \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2=1\displaystyle {}= 1+2\displaystyle {}+ 2=3‾\displaystyle {}= \underline{3}

(3) (2) と同じ考え方を、yy 軸のかわりに直線 xx=t{}= t で行います。直線 xx=t{}= t と直線 AB\mathrm{AB} の交点を Q(t, t+2)\mathrm{Q}(t,\ t + 2) とします。−1-1<t{}< t<2{}< 2 のとき

PQ\displaystyle \mathrm{PQ}=(t+2)\displaystyle {}= (t + 2)−t2\displaystyle {}- t^2=−(t2−t−2)\displaystyle {}= -(t^2 - t - 2)=−(t−2)(t+1)\displaystyle {}= -(t - 2)(t + 1)>0\displaystyle {}> 0

なので Q\mathrm{Q} は P\mathrm{P} の真上にあります。線分 PQ\mathrm{PQ} で三角形 PAB\mathrm{PAB} を左右に分けると、左の三角形の高さは tt−(−1){}- (-1)=t{}= t+1{}+ 1,右の三角形の高さは 22−t{}- t です。

S\displaystyle S=12 PQ (t+1)\displaystyle {}= \frac{1}{2}\,\mathrm{PQ}\,(t + 1)+12 PQ (2−t)\displaystyle {}+ \frac{1}{2}\,\mathrm{PQ}\,(2 - t)=32 PQ\displaystyle {}= \frac{3}{2}\,\mathrm{PQ}=32(−t2+t+2)\displaystyle {}= \frac{3}{2}(-t^2 + t + 2) S=−32t2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}S = -\frac{3}{2}t^2}+32t‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ \frac{3}{2}t}+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ 3}

tt=0{}= 0 とすると P\mathrm{P} は原点になり、SS=3{}= 3 で (2) と一致します。SS は tt の二次関数なので、そのグラフは上に凸の放物線です。「SS が最大になるのは tt がいくつのときか」は、第2章の平方完成と第3章の最大・最小を学ぶと答えられます。

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数学小話コーナー

「函数」が「関数」になるまで

「関数」という言葉は、もともと「函数」と書かれていました。作ったのは、19 世紀の中国(清)の数学者・李善蘭(り ぜんらん)です。1859 年、李善蘭はイギリス人宣教師ワイリーと協力して、アメリカの数学者ルーミスの微分積分の教科書を中国語に訳しました。『代微積拾級』というこの本の中で、英語の function に「函数」という訳語をあてたのです。「微分」「積分」という訳語が生まれたのも、この本だとされています。

李善蘭は、函数を次のように説明しています。

「凡此變數中函彼變數者,則此為彼之函數」

おおよそ「ある変数の中に、別の変数が含まれているならば、前者は後者の函数である」という意味です。「函」はここでは「含む・包み込む」の意味で、yy=2x{}= 2x+1{}+ 1 の yy が xx を「含んでいる」ことを表しています。function の「ファン」に近い音の字を選んだという説もあります(※訳語の選び方については諸説あり)。

日本でも明治時代にこの「函数」が取り入れられ、長く使われました。ところが戦後、1946 年に定められた当用漢字表に「函」の字が入らなかったため、同じ「かん」と読む「関」に書きかえられ、1950 年代に「関数」が定着しました(※公式に「関数」が採られた時期は資料により異なる)。

豆知識

中国では今も「函数」と書きます。韓国語の「함수(ハムス)」も、漢字で書くと「函數」です。「函」は函館(はこだて)や投函(とうかん)の「函」で、「はこ」とも読みます。そこから「数を入れると別の数が出てくる箱」というイメージで函数を説明することもありますが、これは後から付けられた覚え方で、李善蘭の定義文にある「含む」がもともとの意味です。日本語の「関数」も、書きかえのあとで「xx と yy の関係を表す数」と読みかえられ、今ではすっかりなじんでいます。

摂氏と華氏——温度計の目盛りは一次関数

アメリカの天気予報を見ると、「今日の最高気温は 8686 度」のような数字が出てきます。これは華氏(°F)で、摂氏(°C)に直すと 3030 度です。2 つの目盛りの関係は、一次関数

F\displaystyle F=1.8C\displaystyle {}= 1.8C+32\displaystyle {}+ 32

で表されます。CC=30{}= 30 を代入すると FF=54{}= 54+32{}+ 32=86{}= 86 です。

この式は、公式4の考え方で 2 点から決められます。水が凍る温度は摂氏 00 度・華氏 3232 度、水が沸騰する温度は摂氏 100100 度・華氏 212212 度(どちらも 1 気圧のとき)。つまり一次関数 FF=aC{}= aC+b{}+ b のグラフは 2 点 (0, 32)(0,\ 32),(100, 212)(100,\ 212) を通るので、傾きは 212−32100−0\dfrac{212 - 32}{100 - 0}=1.8{}= 1.8、切片は 3232 です。

なぜ華氏は 3232 や 212212 のような半端な数なのでしょう。華氏の目盛りを作ったのは、ドイツ生まれでオランダで活躍した器具職人ファーレンハイトで、1724 年ごろのことです。彼は、氷と水と塩(塩化アンモニウム)を混ぜて作れるいちばん冷たい温度を 00 度、人の体温をおよそ 9696 度として目盛りを刻んだといわれています(※基準点の選び方には諸説あり)。その結果、水の凍る温度がたまたま 3232 度になりました。一方、スウェーデンの天文学者セルシウスが 1742 年に作った目盛りは、はじめ「沸騰が 00 度、凍るのが 100100 度」という今と逆向きのものでした。まもなく上下が入れかえられて、今の摂氏になっています(※誰が入れかえたかは諸説あり)。

豆知識

「摂氏」「華氏」の「氏」は人名を表します。セルシウスを中国語で「摂爾修斯」、ファーレンハイトを「華倫海特」と書いたことから、それぞれの頭文字をとって摂氏・華氏と呼ぶようになりました。

ところで、2 つの目盛りがちょうど同じ数になる温度はあるでしょうか。FF=C{}= C とおくと CC=1.8C{}= 1.8C+32{}+ 32 から CC=−40{}= -40。マイナス 4040 度だけは、摂氏で言っても華氏で言っても同じ寒さです。また、温度の「差」には切片の 3232 が関係しません。気温が摂氏で 1010 度上がれば、華氏では 1818 度上がります。差をとると +32+32 が打ち消し合い、傾き 1.81.8 だけが残るからです。

放物線は、実はすべて同じ形

公式6で「∣a∣|a| が大きいほど放物線は細い」と学びました。yy=2x2{}= 2x^2 は yy=x2{}= x^2 より細く、yy=12x2{}= \dfrac{1}{2}x^2 は太い。放物線にはいろいろな形があるように見えます。ところが、下に凸の放物線 yy=ax2{}= ax^2 は、どれも拡大・縮小するとぴったり重なる——つまり、すべて相似なのです。

確かめてみます。yy=2x2{}= 2x^2 上の点 (x, y)(x,\ y) を、原点を中心に 22 倍に拡大した点を (X, Y)(X,\ Y) とすると、XX=2x{}= 2x,YY=2y{}= 2y です。

Y\displaystyle Y=2y\displaystyle {}= 2y=2⋅2x2\displaystyle {}= 2 \cdot 2x^2=4x2\displaystyle {}= 4x^2=(2x)2\displaystyle {}= (2x)^2=X2\displaystyle {}= X^2

拡大した点はすべて YY=X2{}= X^2 の上に乗ります。yy=2x2{}= 2x^2 のグラフを 22 倍に引きのばすと、yy=x2{}= x^2 のグラフになるわけです。同じ計算で、yy=ax2{}= ax^2(aa>0{}> 0)を aa 倍に拡大すると yy=x2{}= x^2 になることが分かります。

逆に言えば、「細い放物線」は yy=x2{}= x^2 を縮小したもの、つまり遠くから眺めた yy=x2{}= x^2 です。写真を撮るとき、カメラを放物線から遠ざけるほど、画面の中の放物線は細く写ります。形が違うのではなく、見ている縮尺が違うだけ。yy=x2{}= x^2 と yy=100x2{}= 100x^2 も、同じ形を別の距離から見たものにすぎません。

豆知識

「どれも相似」になる図形の仲間には、円・正方形・正三角形などがあります。どれも「大きさ」以外に形を決める要素がありません。一方、長方形は縦と横の比によって、楕円はつぶれ具合によって形が変わるので、すべてが相似にはなりません。放物線は、見た目に反して円と同じ「形は 1 種類だけ」の仲間です(楕円のつぶれ具合については、二次曲線の分野で扱います)。

ただし、この話には前提があります。グラフの縦と横の目盛りの間隔が同じであること。グラフ用紙やグラフ作成ソフトで縦の目盛りだけを縮めれば、yy=x2{}= x^2 はいくらでも細くも太くも見せられます。放物線の「細さ」を比べるときは、目盛りがそろっているかを確かめるのが先です。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の「xx を決めると yy がただ 1 つ決まる」という理解と、公式1〜6が使えれば十分です。「関数は式で書けないといけないの?」「曲線がグラフかどうかはどう見分けるの?」「最大値がないことはどう示すの?」が気になる人のために、集合の言葉(数と式 第5章)を使って根拠を紹介します。

定義1:関数・定義域・値域

DD を実数の集合とする。DD のどの要素 xx に対しても、実数 f(x)f(x) をただ 1 つ対応させる規則 ff を、DD を定義域とする関数という。また、集合

{f(x)∣x∈D}\{f(x) \mid x \in D\}

を ff の値域という。

この定義で大切なのは、「規則」が式である必要はないことです。対応のしかたがはっきり決まっていれば、それは関数です。有名な例に、次の関数があります。

g(x)\displaystyle g(x)={1(x が有理数のとき)0(x が無理数のとき)\displaystyle {}= \begin{cases} 1 & (x \ \text{が有理数のとき}) \\ 0 & (x \ \text{が無理数のとき}) \end{cases}

どんな実数も有理数か無理数のどちらか一方なので(数と式 第3章)、g(x)g(x) の値はただ 1 つに決まります。定義域は実数全体、値域は {0, 1}\{0,\ 1\} です。19 世紀の数学者ディリクレにちなんでディリクレ関数と呼ばれます。どんなに短い区間にも有理数と無理数の両方が含まれるため(ここでは証明しません)、この関数のグラフは紙にかくことができません。それでも、定義1の意味では立派な関数です。

定義1から、2 つの関数が等しいとは「定義域が等しく、定義域のすべての xx で値が等しい」ことだと分かります。たとえば f(x)f(x)=x{}= x と h(x)h(x)=x2x{}= \dfrac{x^2}{x} は、xx≠0{}\neq 0 ではいつも同じ値ですが、hh は xx=0{}= 0 で定義されない(分母が 00 になる)ので、別の関数です。本文で yy=2x{}= 2x−1 (−1≦x≦2){}- 1 \ (-1 \leqq x \leqq 2) と定義域をかっこで書き添えたのも、定義域が関数の一部だからです。yy=2x{}= 2x−1{}- 1 と yy=2x{}= 2x−1 (−1≦x≦2){}- 1 \ (-1 \leqq x \leqq 2) は、式は同じでも別の関数です。

定義2:関数のグラフ

定義域が DD の関数 ff のグラフとは、座標平面上の点の集合

{(x, f(x))∣x∈D}\{(x,\ f(x)) \mid x \in D\}

のことである。

グラフは「線」ではなく「点の集まり」として定義されます。点が隙間なく並べば線に見え、ディリクレ関数のように飛び飛びなら線にはなりません。では逆に、座標平面上の図形が与えられたとき、それが何かの関数のグラフかどうかは、どう判定すればよいでしょうか。

定理1:関数のグラフであるための条件

座標平面上の点の集合 GG が、ある関数のグラフであるための必要十分条件は、yy 軸に平行などの直線 xx=c{}= c も、GG と高々 1 点(1 点以下)でしか共有点をもたないことである。

証明 (必要性)GG が関数 ff(定義域 DD)のグラフであるとする。cc∈D{}\in D のとき、GG の点で xx 座標が cc のものは (c, f(c))(c,\ f(c)) だけである。cc∉D{}\notin D のとき、そのような点はない。よって直線 xx=c{}= c と GG の共有点は高々 1 点である。

(十分性)どの直線 xx=c{}= c も GG と高々 1 点で交わるとする。GG の点の xx 座標全体の集合を DD とし、cc∈D{}\in D に対して、直線 xx=c{}= c と GG のただ 1 つの共有点の yy 座標を f(c)f(c) と定める。共有点は 1 つなので f(c)f(c) はただ 1 つに決まり、ff は DD を定義域とする関数である。作り方から GG={(c, f(c))∣c∈D}{}= \{(c,\ f(c)) \mid c \in D\} であり、GG は ff のグラフである。(証明終)

たとえば円 x2x^2+y2{}+ y^2=1{}= 1 は、直線 xx=0{}= 0 と (0, 1)(0,\ 1),(0, −1)(0,\ -1) の 2 点で交わるので、関数のグラフではありません。「xx=0{}= 0 を入れたら yy が 2 つ出てくる」わけで、本文の自動販売機でいえば、同じボタンから 2 本出てくる状態です。一方、円の上半分 yy=1−x2 (−1≦x≦1){}= \sqrt{1 - x^2} \ (-1 \leqq x \leqq 1) は、どの縦線とも高々 1 点で交わるので関数のグラフです。放物線 yy=ax2{}= ax^2 や、公式5の折れ線も、この判定に合格します。

定義3:最大値・最小値

定義域が DD の関数 ff について、ある cc∈D{}\in D があって、DD のすべての要素 xx で f(x)f(x)≦f(c){}\leqq f(c) が成り立つとき、f(c)f(c) を ff の最大値という。不等号の向きを逆にした f(x)f(x)≧f(c){}\geqq f(c) がすべての xx∈D{}\in D で成り立つとき、f(c)f(c) を最小値という。

ポイントは「cc∈D{}\in D」、つまり最大値は実際にとる値でなければならないことです。値域の「上の端」が見えていても、その値を実際にとる xx が定義域になければ、最大値とは呼びません。

定理2:一次関数の値域

aa>0{}> 0 のとき、関数 f(x)f(x)=ax{}= ax+b (p≦x≦q){}+ b \ (p \leqq x \leqq q) の値域は f(p)f(p)≦y{}\leqq y≦f(q){}\leqq f(q) である。したがって、最小値は f(p)f(p)、最大値は f(q)f(q) である。

証明 まず、値域の値がこの範囲に入ることを示す。pp≦x{}\leqq x≦q{}\leqq q の各辺に正の数 aa を掛け、bb を足すと

ap\displaystyle ap+b\displaystyle {}+ b≦ax\displaystyle {}\leqq ax+b\displaystyle {}+ b≦aq\displaystyle {}\leqq aq+b\displaystyle {}+ bすなわち\displaystyle \text{すなわち}f(p)\displaystyle f(p)≦f(x)\displaystyle {}\leqq f(x)≦f(q)\displaystyle {}\leqq f(q)

次に、この範囲の値をすべてとることを示す。f(p)f(p)≦y0{}\leqq y_0≦f(q){}\leqq f(q) を満たす実数 y0y_0 に対し、x0x_0=y0−ba{}= \dfrac{y_0 - b}{a} とおく。apap+b{}+ b≦y0{}\leqq y_0≦aq{}\leqq aq+b{}+ b の各辺から bb を引いて正の数 aa で割ると pp≦x0{}\leqq x_0≦q{}\leqq q となるので、x0x_0 は定義域に属し、f(x0)f(x_0)=ax0{}= ax_0+b{}+ b=y0{}= y_0 である。

以上より、値域は f(p)f(p)≦y{}\leqq y≦f(q){}\leqq f(q) である。f(p)f(p),f(q)f(q) はそれぞれ xx=p{}= p,xx=q{}= q で実際にとる値だから、定義3より最小値・最大値である。(証明終)

証明の前半だけでは、「値域は f(p)f(p) と f(q)f(q) の間のどこかにある」ことしか言えません。後半の「間の値をすべてとる」があって初めて、値域が隙間のない範囲になります。aa<0{}< 0 のときも、不等号の向きが逆になるだけで同様に示せます。放物線などのなめらかなグラフでも「途中の値をすべてとる」ことは成り立ちますが、一般の場合の証明には数学IIIで学ぶ中間値の定理が必要です。

定理3:端を含まない定義域では最小値がないことがある

関数 f(x)f(x)=x (0<x≦1){}= x \ (0 < x \leqq 1) には最小値が存在しない。

証明 最小値が存在すると仮定し、それを f(c)f(c)(00<c{}< c≦1{}\leqq 1)とする。c2\dfrac{c}{2} は 00<c2{}< \dfrac{c}{2}<c{}< c≦1{}\leqq 1 を満たすので定義域に属し、

f ⁣(c2)\displaystyle f\!\left(\frac{c}{2}\right)=c2\displaystyle {}= \frac{c}{2}<c\displaystyle {}< c=f(c)\displaystyle {}= f(c)

となる。これは f(c)f(c) が最小値であることに反する。よって最小値は存在しない。(証明終)

背理法(数と式 第6章)の典型的な使い方です。値域は 00<y{}< y≦1{}\leqq 1 で、yy は 00 にいくらでも近い値をとりますが、「最小の候補」の 00 は値域に入っていません。本文のエスカレーターで、ロープの張られた降り口の話をしたのはこの状況です。

逆に、定義域が pp≦x{}\leqq x≦q{}\leqq q のように両端を含む範囲で、グラフが途切れずにつながっている関数なら、最大値と最小値は必ず存在することが知られています(最大値・最小値の定理。証明は大学で学びます)。第3章で「定義域つきの最大・最小」を求めるとき、答えがいつも見つかるのは、この定理が裏で支えているからです。

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