目次 / 場合の数と確率 / 数学A

第1章 集合の要素の個数

—— 重なりを「2回数えない」ための足し算と引き算 ——

この章から「場合の数と確率」の分野に入ります。最初の章では、数と式 第5章で学んだ集合を使って「条件に合うものが何個あるか」を数えます。要素の個数 $n(A)$ を定めたあと、和集合の個数 $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$、補集合の個数、倍数の個数、3つの集合の和集合の個数へと進みます。最後に、2つの分け方を縦と横に並べた表で整理する方法を学びます。この表は、第8章の条件付き確率でもう一度活躍します。

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要素の個数

場合の数と確率の分野は、「条件に合うものが何個あるか」を正しく数えることから始まります。その道具になるのが、数と式 第5章で学んだ集合です。まず、集合の要素の個数を表す記号を決めます。

公式1:要素の個数 n(A)n(A)

有限集合 AA の要素の個数を n(A)n(A) と書く。

  • 空集合の要素の個数は n(∅)n(\varnothing)=0{}= 0 である。
  • AA⊂B{}\subset B ならば n(A)n(A)≦n(B){}\leqq n(B) である。
  • 全体集合 UU の要素の個数は n(U)n(U) と書く。

nn は「個数」を意味する英語 number の頭文字です。たとえば AA={2, 4, 6, 8}{}= \{2,\ 4,\ 6,\ 8\} なら n(A)n(A)=4{}= 4 です。n(A)n(A) は要素が有限個の集合(有限集合)にだけ使い、自然数全体のような無限集合には使いません。

整数の範囲を数えるときは、端に注意します。33 から 1010 までの整数は 1010−3{}- 3=7{}= 7 個ではなく、33 自身も入るので 1010−3{}- 3+1{}+ 1=8{}= 8 個です。一般に、整数 aa から bb までの整数は bb−a{}- a+1{}+ 1 個です。

数えるという作業は、体育の授業の点呼に似ています。「11、22、33、…」と1人ずつ番号を言っていき、最後の人が言った番号がその列の人数です。同じ人が2回言ったり、言い忘れた人がいたりすると、人数が狂ってしまいます。1つずつ、重なりも抜けもなく番号を振ることが、数えることの中身です。

n(A)n(A) は集合 AA の要素の個数で、要素に重なりも抜けもなく番号を振ったときの最後の番号だということです。

例題1:要素の個数

次の集合の要素の個数を求めなさい。

(1) AA={x∣x は 48 の正の約数}{}= \{x \mid x \text{ は } 48 \text{ の正の約数}\}

(2) BB={x∣x は整数, −3<x≦6}{}= \{x \mid x \text{ は整数},\ -3 < x \leqq 6\}

(3) CC={x∣x は 2 桁の自然数}{}= \{x \mid x \text{ は } 2 \text{ 桁の自然数}\}


【解答】

(1) 4848=1×48{}= 1 \times 48=2×24{}= 2 \times 24=3×16{}= 3 \times 16=4×12{}= 4 \times 12=6×8{}= 6 \times 8 より、AA の要素は 1,1, 2,\ 2, 3,\ 3, 4,\ 4, 6,\ 6, 8,\ 8, 12,\ 12, 16,\ 16, 24,\ 24, 48\ 48 です。n(A)=10‾\underline{n(A) = 10} です。

(2) −3-3 は含まず、66 は含むので、BB の要素は −2-2 から 66 までの整数です。66−(−2){}- (-2)+1{}+ 1=9{}= 9 より n(B)=9‾\underline{n(B) = 9} です。

(3) 1010 から 9999 までの整数なので、9999−10{}- 10+1{}+ 1=90{}= 90 より n(C)=90‾\underline{n(C) = 90} です。

和集合の要素の個数

2つの集合を合わせた和集合の個数は、それぞれの個数を足すだけでは求まりません。

公式2:和集合の要素の個数
n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=n(A)\displaystyle {}= n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)

特に、A∩BA \cap B=∅{}= \varnothing(AA と BB に共通な要素がない)のときは

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=n(A)\displaystyle {}= n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)
n(B) n(A) U A B A だけ A ∩ B 2回 B だけ どちらでもない

AA={1, 2, 3, 4, 5, 6}{}= \{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\},BB={4, 5, 6, 7, 8}{}= \{4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\} で確かめます。n(A)n(A)+n(B){}+ n(B)=6{}= 6+5{}+ 5=11{}= 11 ですが、A∪BA \cup B={1, 2, …, 8}{}= \{1,\ 2,\ \ldots,\ 8\} の要素は 88 個です。33 個多いのは、共通部分 A∩BA \cap B={4, 5, 6}{}= \{4,\ 5,\ 6\} の要素を、AA の側と BB の側で2回数えたからです。そこで n(A∩B)n(A \cap B) を1回引いて、1111−3{}- 3=8{}= 8 と正しい個数になります。

吹奏楽部と合唱部の合同合宿を考えてみましょう。吹奏楽部が 2525 人、合唱部が 1818 人で、そのうち 44 人は両方の部に入っています。布団を 2525+18{}+ 18=43{}= 43 枚用意すると、兼部の 44 人の分が余ります。名簿には2回ずつ載っていても、寝るのは1人1枚です。必要な布団は 4343−4{}- 4=39{}= 39 枚です。

2つの集合の個数を足すと重なった部分を2回数えるので、共通部分の個数を1回引けばよいということです。

例題2:和集合の要素の個数

(1) 4040 人のクラスで、数学の宿題を提出した人は 3232 人、英語の宿題を提出した人は 2727 人、両方とも提出した人は 2222 人でした。少なくとも一方を提出した人の人数を求めなさい。

(2) n(A∪B)n(A \cup B)=50{}= 50,n(A)n(A)=34{}= 34,n(B)n(B)=29{}= 29 のとき、n(A∩B)n(A \cap B) を求めなさい。


【解答】

(1) 数学を提出した人の集合を AA、英語を提出した人の集合を BB とします。「少なくとも一方」は和集合 A∪BA \cup B です。

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=32\displaystyle {}= 32+27\displaystyle {}+ 27−22\displaystyle {}- 22=37\displaystyle {}= 37

より 37 人‾\underline{37 \text{ 人}} です。

(2) 公式2に代入すると 5050=34{}= 34+29{}+ 29−n(A∩B){}- n(A \cap B) なので

n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=34\displaystyle {}= 34+29\displaystyle {}+ 29−50\displaystyle {}- 50=13‾\displaystyle {}= \underline{13}

公式2は、4つの数のうち3つが分かれば残りの1つが求まる式として使えます。

補集合の要素の個数

「〜でないもの」は、直接数えるより、全体から引くほうが早いことがよくあります。

公式3:補集合の要素の個数

全体集合を UU とすると

n(A‾)\displaystyle n(\overline{A})=n(U)\displaystyle {}= n(U)−n(A)\displaystyle {}- n(A)

ド・モルガンの法則 A‾∩B‾\overline{A} \cap \overline{B}=A∪B‾{}= \overline{A \cup B} と組み合わせると

n(A‾∩B‾)\displaystyle n(\overline{A} \cap \overline{B})=n(U)\displaystyle {}= n(U)−n(A∪B)\displaystyle {}- n(A \cup B)

また、「AA に属するが BB に属さない」要素の個数は

n(A∩B‾)\displaystyle n(A \cap \overline{B})=n(A)\displaystyle {}= n(A)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)

AA と A‾\overline{A} は共通な要素がなく、合わせると UU になります。公式2の特別な場合として n(A)n(A)+n(A‾){}+ n(\overline{A})=n(U){}= n(U) が成り立つので、1つめの式が出てきます。3つめの式は、AA の要素を「BB にも属するもの」と「BB に属さないもの」に分けて考えれば分かります。ベン図では AA の円のうち、BB と重ならない部分(AA だけの部分)の個数です。

映画館の空席を思い浮かべてください。180180 席の映画館で 143143 席が予約済みなら、空席は 180180−143{}- 143=37{}= 37 席です。空いている席を1つずつ探して数えるより、全体から引くほうが速くて確実です。「〜でない」を数えたくなったら、まず「全体 −- 〜である」を考えましょう。

「〜でないもの」の個数は全体から引いて求め、「どちらでもない」は全体から和集合を引く、「AA だけ」は AA から共通部分を引くということです。

例題3:補集合の要素の個数

全体集合 UU とその部分集合 AA,BB について、n(U)n(U)=60{}= 60,n(A)n(A)=25{}= 25,n(B)n(B)=32{}= 32,n(A∩B)n(A \cap B)=10{}= 10 とする。

(1) n(A‾)n(\overline{A}) を求めなさい。

(2) n(A‾∩B‾)n(\overline{A} \cap \overline{B}) を求めなさい。

(3) n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B}) を求めなさい。


【解答】

(1) n(A‾)n(\overline{A})=60{}= 60−25{}- 25=35‾{}= \underline{35} です。

(2) まず n(A∪B)n(A \cup B)=25{}= 25+32{}+ 32−10{}- 10=47{}= 47 です。ド・モルガンの法則より

n(A‾∩B‾)\displaystyle n(\overline{A} \cap \overline{B})=n(U)\displaystyle {}= n(U)−n(A∪B)\displaystyle {}- n(A \cup B)=60\displaystyle {}= 60−47\displaystyle {}- 47=13‾\displaystyle {}= \underline{13}

(3) n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B})=n(A){}= n(A)−n(A∩B){}- n(A \cap B)=25{}= 25−10{}- 10=15‾{}= \underline{15} です。

確かめとして、ベン図の4つの部分(AA だけ 1515、A∩BA \cap B が 1010、BB だけ 2222、どちらでもない 1313)を足すと、1515+10{}+ 10+22{}+ 22+13{}+ 13=60{}= 60=n(U){}= n(U) になります。

倍数の個数

「11 から 100100 までの整数のうち 33 の倍数」のような集合は、書き並べなくても個数が分かります。

公式4:倍数の個数
  1. 11 から NN までの整数のうち、kk の倍数の個数は、N÷kN \div k の商(余りを切り捨てた整数)である。
  2. MM から NN までの整数の範囲では、「11 から NN まで」の個数から「11 から MM−1{}- 1 まで」の個数を引く。
  3. aa の倍数であり bb の倍数でもある数は、aa と bb の最小公倍数の倍数である。

11 から 100100 までの 33 の倍数は 3×1,3 \times 1, 3×2,\ 3 \times 2, …,\ \ldots, 3×33\ 3 \times 33 です。3×343 \times 34=102{}= 102 は 100100 を超えるので、ここで止まります。個数はかけている数 11〜3333 の個数と同じ 3333 個で、これは 100÷3100 \div 3=33{}= 33 余り 11 の商です。

3の注意は大切です。44 の倍数かつ 66 の倍数である数は、4×64 \times 6=24{}= 24 の倍数ではなく、最小公倍数 1212 の倍数です。1212 は 2424 の倍数ではありませんが、44 でも 66 でも割り切れます。

100 段の階段に印をつける場面で考えます。33 段ごとに赤い印をつけると、印は 3333 か所です。さらに 44 段ごとに青い印をつけると、赤と青の両方がつくのは 1212 段目、2424 段目、…と 1212 段ごとで、88 か所あります。ところが「44 段ごと」と「66 段ごと」の組なら、両方がつくのは 2424 段ごとではなく 1212 段ごとです。重なりの間隔は、かけ算ではなく最小公倍数で決まります。

11 から NN までの kk の倍数は N÷kN \div k の商の個数で、2つの数の両方の倍数は最小公倍数の倍数として数えるということです。

例題4:倍数の個数

(1) 11 から 200200 までの整数のうち、77 の倍数の個数を求めなさい。

(2) 100100 から 300300 までの整数のうち、88 の倍数の個数を求めなさい。

(3) 11 から 200200 までの整数のうち、44 の倍数または 66 の倍数であるものの個数を求めなさい。


【解答】

(1) 200÷7200 \div 7=28{}= 28 余り 44 なので、28 個‾\underline{28 \text{ 個}} です。

(2) 11 から 300300 までの 88 の倍数は、300÷8300 \div 8=37{}= 37 余り 44 より 3737 個です。11 から 9999 までの 88 の倍数は、99÷899 \div 8=12{}= 12 余り 33 より 1212 個です。よって 3737−12{}- 12=25 個‾{}= \underline{25 \text{ 個}} です。

うっかり「11 から 100100 まで」を引くと、100100 がもし 88 の倍数だった場合に、範囲に入るはずの 100100 まで引いてしまいます。引くのは「MM−1{}- 1 まで」と覚えておきましょう。

(3) 44 の倍数の集合を AA、66 の倍数の集合を BB とします。A∩BA \cap B は 44 と 66 の最小公倍数 1212 の倍数の集合です。

n(A)\displaystyle n(A)=50,\displaystyle {}= 50,n(B)\displaystyle n(B)=33,\displaystyle {}= 33,n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=16\displaystyle {}= 16

(200÷4200 \div 4=50{}= 50,200÷6200 \div 6=33{}= 33 余り 22,200÷12200 \div 12=16{}= 16 余り 88)より

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=50\displaystyle {}= 50+33\displaystyle {}+ 33−16\displaystyle {}- 16=67 個‾\displaystyle {}= \underline{67 \text{ 個}}

3つの集合の和集合の要素の個数

集合が3つになっても、「重なりを数えすぎたら引く」という考え方は同じです。ただし、引きすぎた分を最後に足し戻す必要があります。

公式5:3つの集合の和集合の要素の個数
n(A∪B∪C)=\displaystyle n(A \cup B \cup C) = {}n(A)\displaystyle n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)+n(C)\displaystyle {}+ n(C)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)−n(B∩C)\displaystyle {}- n(B \cap C)−n(C∩A)\displaystyle {}- n(C \cap A)+n(A∩B∩C)\displaystyle {}+ n(A \cap B \cap C)
U A B C 1 1 1 2−1 2−1 2−1 3−3+1

ベン図の7つの部分それぞれについて、右辺で何回数えられるかを確かめます。

どの部分もちょうど1回ずつ数えられるので、和集合の個数になります。このように「いったん全部含めてから、重なりを除き、除きすぎを戻す」数え方を包除原理といいます。

赤・青・黄の3枚の色セロハンを少しずつずらして重ねたところを想像してください。3枚の面積を足すと、2枚が重なった部分は2回、3枚が重なった真ん中は3回数えています。2枚ずつの重なりの面積を引くと、2枚重なりの部分はちょうど1回に戻りますが、真ん中は3回とも引かれて 00 回になります。だから最後に、真ん中の面積を1回足し戻すのです。

3つの集合では、1つずつの個数を足し、2つずつの共通部分を引き、3つの共通部分を足し戻すと、どの部分もちょうど1回ずつ数えられるということです。

例題5:3つの集合と倍数

11 から 200200 までの整数について、次の個数を求めなさい。

(1) 33,44,55 の少なくとも1つで割り切れる数

(2) 33,44,55 のどれでも割り切れない数


【解答】

33,44,55 の倍数の集合をそれぞれ AA,BB,CC とします。2つずつの最小公倍数は 1212,2020,1515、3つの最小公倍数は 6060 です。

n(A)\displaystyle n(A)=66,\displaystyle {}= 66,n(B)\displaystyle \quad n(B)=50,\displaystyle {}= 50,n(C)\displaystyle \quad n(C)=40\displaystyle {}= 40n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=16,\displaystyle {}= 16,n(B∩C)\displaystyle \quad n(B \cap C)=10,\displaystyle {}= 10,n(C∩A)\displaystyle \quad n(C \cap A)=13\displaystyle {}= 13n(A∩B∩C)\displaystyle n(A \cap B \cap C)=3\displaystyle {}= 3

(それぞれ 200200 を 33,44,55,1212,2020,1515,6060 で割った商です。)

(1) 公式5より

n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=(66+50+40)\displaystyle {}= (66 + 50 + 40)−(16+10+13)\displaystyle {}- (16 + 10 + 13)+3\displaystyle {}+ 3=156\displaystyle {}= 156−39\displaystyle {}- 39+3\displaystyle {}+ 3=120 個‾\displaystyle {}= \underline{120 \text{ 個}}

(2) ド・モルガンの法則より、どれでも割り切れない数は A∪B∪CA \cup B \cup C の補集合です。

200\displaystyle 200−120\displaystyle {}- 120=80 個‾\displaystyle {}= \underline{80 \text{ 個}}

表で整理する

アンケートの結果などは、ベン図のほかに「表」で整理すると見通しがよくなります。

公式6:2つの分け方の表

全体集合 UU を、「AA に属するか」と「BB に属するか」の2つの分け方で4つに分け、次の表にまとめる。

BBB‾\overline{B}計
AAn(A∩B)n(A \cap B)n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B})n(A)n(A)
A‾\overline{A}n(A‾∩B)n(\overline{A} \cap B)n(A‾∩B‾)n(\overline{A} \cap \overline{B})n(A‾)n(\overline{A})
計n(B)n(B)n(B‾)n(\overline{B})n(U)n(U)
  1. 横に足すと右の「計」に、縦に足すと下の「計」になる。
  2. 4つのますの数はどれも 00 以上である。ここから n(A∩B)n(A \cap B) の取りうる範囲が分かる。

表の4つのますは、ベン図の4つの部分(AA だけ、A∩BA \cap B、BB だけ、どちらでもない)と同じものです。表の良さは、足し算の関係が縦と横にそろって見えることです。分かっている数を書き込み、空いたますを引き算で埋めていけば、残りが順に決まります。

2は、共通部分の個数の最大・最小を考えるときに役立ちます。n(A∩B)n(A \cap B)=x{}= x とおくと、4つのますは xx,n(A)n(A)−x{}- x,n(B)n(B)−x{}- x,n(U)n(U)−n(A){}- n(A)−n(B){}- n(B)+x{}+ x と表せます。これらがすべて 00 以上になる範囲が、xx の取りうる範囲です。

学食の注文の集計表を例にとります。お昼の 120120 食を「ご飯もの/麺類」と「大盛り/普通」で分けて表にすると、厨房は「麺類の大盛りは何食か」を、麺類の合計から麺類の普通を引いてすぐに出せます。縦の合計と横の合計が同じ 120120 になることが、書き間違いのチェックにもなります。

2つの分け方で全体を4つのますに分けると、縦と横の合計から空いたますが埋まり、どのますも 00 以上であることから共通部分の最大・最小も分かるということです。

例題6:表で整理する

(1) ある高校の生徒 8080 人のうち、自転車で通学している人は 4545 人、女子は 3636 人、自転車で通学している女子は 1515 人です。自転車で通学していない男子の人数を求めなさい。

(2) 4040 人のクラスで、兄がいる人は 2525 人、姉がいる人は 2222 人です。兄と姉の両方がいる人の人数として考えられる最大の数と最小の数を求めなさい。


【解答】

(1) 分かっている数を表に書き込み、空いたますを埋めます。男子は 8080−36{}- 36=44{}= 44 人、自転車で通学している男子は 4545−15{}- 15=30{}= 30 人です。

自転車自転車でない計
男子303014\mathbf{14}4444
女子151521213636
計454535358080

自転車で通学していない男子は 4444−30{}- 30=14 人‾{}= \underline{14 \text{ 人}} です。縦に見ても、3535−21{}- 21=14{}= 14 と一致します。

(2) 兄がいる人の集合を AA、姉がいる人の集合を BB とし、n(A∩B)n(A \cap B)=x{}= x とおきます。4つのますは

x,\displaystyle x,25\displaystyle 25−x,\displaystyle {}- x,22\displaystyle 22−x,\displaystyle {}- x,40\displaystyle 40−25\displaystyle {}- 25−22\displaystyle {}- 22+x\displaystyle {}+ x=x\displaystyle {}= x−7\displaystyle {}- 7

で、すべて 00 以上なので 77≦x{}\leqq x≦22{}\leqq 22 です。

xx=22{}= 22 は、姉がいる 2222 人が全員兄もいるとき、xx=7{}= 7 は、兄も姉もいない人が 00 人のときに実現します。よって 最大 22 人、最小 7 人‾\underline{\text{最大 } 22 \text{ 人、最小 } 7 \text{ 人}} です。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

集合 AA={x∣x は 20 の正の約数}{}= \{x \mid x \text{ は } 20 \text{ の正の約数}\} の要素の個数 n(A)n(A) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A)=6‾\underline{n(A) = 6}(AA={1, 2, 4, 5, 10, 20}{}= \{1,\ 2,\ 4,\ 5,\ 10,\ 20\})

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問2

n(A)n(A)=12{}= 12,n(B)n(B)=9{}= 9,n(A∩B)n(A \cap B)=4{}= 4 のとき、n(A∪B)n(A \cup B) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A∪B)=17‾\underline{n(A \cup B) = 17}(1212+9{}+ 9−4{}- 4)

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問3

全体集合 UU とその部分集合 AA について、n(U)n(U)=40{}= 40,n(A)n(A)=15{}= 15 のとき、n(A‾)n(\overline{A}) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A‾)=25‾\underline{n(\overline{A}) = 25}(4040−15{}- 15)

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問4

11 から 100100 までの整数のうち、77 の倍数の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

14 個‾\underline{14 \text{ 個}}(100÷7100 \div 7=14{}= 14 余り 22)

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問5

11 から 5050 までの整数のうち、22 の倍数または 55 の倍数であるものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

30 個‾\underline{30 \text{ 個}}(2525+10{}+ 10−5{}- 5。両方の倍数は 1010 の倍数で 55 個)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

AA={x∣x は 36 の正の約数}{}= \{x \mid x \text{ は } 36 \text{ の正の約数}\},BB={x∣x は 24 の正の約数}{}= \{x \mid x \text{ は } 24 \text{ の正の約数}\} とする。n(A∩B)n(A \cap B) と n(A∪B)n(A \cup B) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A∩B)n(A \cap B)=6{}= 6,n(A∪B)n(A \cup B)=11{}= 11

解説

要素を書き並べます。

A\displaystyle A={1, 2, 3, 4, 6, 9,\displaystyle {}= \{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 9,12, 18, 36}\displaystyle \qquad 12,\ 18,\ 36\}B\displaystyle B={1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24}\displaystyle {}= \{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8,\ 12,\ 24\}

n(A)n(A)=9{}= 9,n(B)n(B)=8{}= 8 です。両方にあるのは 1,1, 2,\ 2, 3,\ 3, 4,\ 4, 6,\ 6, 12\ 12 なので n(A∩B)=6‾\underline{n(A \cap B) = 6} です。これは 3636 と 2424 の公約数、つまり最大公約数 1212 の約数です。

公式2より

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=9\displaystyle {}= 9+8\displaystyle {}+ 8−6\displaystyle {}- 6=11‾\displaystyle {}= \underline{11}

書き並べると

A∪B\displaystyle A \cup B={1, 2, 3, 4, 6, 8,\displaystyle {}= \{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8,9, 12, 18, 24, 36}\displaystyle \qquad 9,\ 12,\ 18,\ 24,\ 36\}

で、確かに 1111 個です。

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問2 ★

11 から 200200 までの整数のうち、33 の倍数でないものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

134134 個

解説

33 の倍数でないものは、33 の倍数の集合の補集合です。全体から引きます。

200÷3200 \div 3=66{}= 66 余り 22 なので、33 の倍数は 6666 個です。

200\displaystyle 200−66\displaystyle {}- 66=134 個‾\displaystyle {}= \underline{134 \text{ 個}}

「33 で割って 11 余る数」と「22 余る数」を別々に数えて足すより、全体から引くほうが手早く済みます。

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問3 ★

11 から 100100 までの整数のうち、33 の倍数または 44 の倍数であるものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

5050 個

解説

33 の倍数の集合を AA、44 の倍数の集合を BB とします。A∩BA \cap B は最小公倍数 1212 の倍数の集合です。

  • n(A)n(A):100÷3100 \div 3=33{}= 33 余り 11 より 3333
  • n(B)n(B):100÷4100 \div 4=25{}= 25 より 2525
  • n(A∩B)n(A \cap B):100÷12100 \div 12=8{}= 8 余り 44 より 88
n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=33\displaystyle {}= 33+25\displaystyle {}+ 25−8\displaystyle {}- 8=50 個‾\displaystyle {}= \underline{50 \text{ 個}}
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問4 ★

100100 から 200200 までの整数のうち、66 の倍数の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1717 個

解説

「11 から 200200 まで」の個数から「11 から 9999 まで」の個数を引きます。

  • 11 から 200200 まで:200÷6200 \div 6=33{}= 33 余り 22 より 3333 個
  • 11 から 9999 まで:99÷699 \div 6=16{}= 16 余り 33 より 1616 個
33\displaystyle 33−16\displaystyle {}- 16=17 個‾\displaystyle {}= \underline{17 \text{ 個}}

確かめると、範囲内の 66 の倍数は 6×176 \times 17=102{}= 102 から 6×336 \times 33=198{}= 198 までで、かけている数は 3333−17{}- 17+1{}+ 1=17{}= 17 個です。

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問5 ★

全体集合 UU とその部分集合 AA,BB について、n(U)n(U)=50{}= 50,n(A)n(A)=30{}= 30,n(B)n(B)=25{}= 25,n(A∩B)n(A \cap B)=12{}= 12 とする。n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B}) と n(A‾∩B‾)n(\overline{A} \cap \overline{B}) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B})=18{}= 18,n(A‾∩B‾)n(\overline{A} \cap \overline{B})=7{}= 7

解説

A∩B‾A \cap \overline{B} は「AA だけ」の部分なので、AA から共通部分を引きます。

n(A∩B‾)\displaystyle n(A \cap \overline{B})=30\displaystyle {}= 30−12\displaystyle {}- 12=18‾\displaystyle {}= \underline{18}

ド・モルガンの法則より A‾∩B‾\overline{A} \cap \overline{B}=A∪B‾{}= \overline{A \cup B} です。n(A∪B)n(A \cup B)=30{}= 30+25{}+ 25−12{}- 12=43{}= 43 なので

n(A‾∩B‾)\displaystyle n(\overline{A} \cap \overline{B})=50\displaystyle {}= 50−43\displaystyle {}- 43=7‾\displaystyle {}= \underline{7}

4つの部分(AA だけ 1818、A∩BA \cap B が 1212、BB だけ 1313、どちらでもない 77)を足すと 5050 になり、合っています。

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問6 ★

4040 人のクラスで、犬を飼っている人は 1212 人、猫を飼っている人は 99 人、どちらも飼っていない人は 2222 人です。犬と猫の両方を飼っている人の人数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

33 人

解説

犬を飼っている人の集合を AA、猫を飼っている人の集合を BB とします。どちらも飼っていない人が 2222 人なので、少なくとも一方を飼っている人は

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=40\displaystyle {}= 40−22\displaystyle {}- 22=18\displaystyle {}= 18

です。公式2 n(A∪B)n(A \cup B)=n(A){}= n(A)+n(B){}+ n(B)−n(A∩B){}- n(A \cap B) より

n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=12\displaystyle {}= 12+9\displaystyle {}+ 9−18\displaystyle {}- 18=3 人‾\displaystyle {}= \underline{3 \text{ 人}}
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問7 ★

全体集合 UU とその部分集合 AA,BB について、n(U)n(U)=100{}= 100,n(A‾)n(\overline{A})=40{}= 40,n(B‾)n(\overline{B})=55{}= 55,n(A‾∩B‾)n(\overline{A} \cap \overline{B})=20{}= 20 とする。n(A∩B)n(A \cap B) と n(A‾∪B‾)n(\overline{A} \cup \overline{B}) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A∩B)n(A \cap B)=25{}= 25,n(A‾∪B‾)n(\overline{A} \cup \overline{B})=75{}= 75

解説

補集合から元の集合の個数に直します。

n(A)\displaystyle n(A)=100\displaystyle {}= 100−40\displaystyle {}- 40=60,\displaystyle {}= 60,n(B)\displaystyle n(B)=100\displaystyle {}= 100−55\displaystyle {}- 55=45\displaystyle {}= 45

ド・モルガンの法則より A‾∩B‾\overline{A} \cap \overline{B}=A∪B‾{}= \overline{A \cup B} なので、n(A∪B)n(A \cup B)=100{}= 100−20{}- 20=80{}= 80 です。

n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=60\displaystyle {}= 60+45\displaystyle {}+ 45−80\displaystyle {}- 80=25‾\displaystyle {}= \underline{25}

もう一方のド・モルガンの法則 A‾∪B‾\overline{A} \cup \overline{B}=A∩B‾{}= \overline{A \cap B} より

n(A‾∪B‾)\displaystyle n(\overline{A} \cup \overline{B})=100\displaystyle {}= 100−25\displaystyle {}- 25=75‾\displaystyle {}= \underline{75}
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問8 ★

n(A)n(A)=20{}= 20,n(B)n(B)=18{}= 18,n(C)n(C)=15{}= 15,n(A∩B)n(A \cap B)=7{}= 7,n(B∩C)n(B \cap C)=5{}= 5,n(C∩A)n(C \cap A)=6{}= 6,n(A∩B∩C)n(A \cap B \cap C)=3{}= 3 のとき、n(A∪B∪C)n(A \cup B \cup C) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

n(A∪B∪C)n(A \cup B \cup C)=38{}= 38

解説

公式5に代入します。

n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=(20+18+15)\displaystyle {}= (20 + 18 + 15)−(7+5+6)\displaystyle {}- (7 + 5 + 6)+3\displaystyle {}+ 3=53\displaystyle {}= 53−18\displaystyle {}- 18+3\displaystyle {}+ 3=38‾\displaystyle {}= \underline{38}

最後の +3+3 を忘れると 3535 になってしまいます。真ん中の部分は、3回足して3回引いたところで一度 00 回になっているので、足し戻しが必要です。

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問9 ★★

11 から 300300 までの整数のうち、44 の倍数でも 66 の倍数でもないものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

200200 個

解説

44 の倍数の集合を AA、66 の倍数の集合を BB とします。求めるのは A‾∩B‾\overline{A} \cap \overline{B}=A∪B‾{}= \overline{A \cup B} の個数です。

A∩BA \cap B は 4×64 \times 6=24{}= 24 ではなく、最小公倍数 1212 の倍数の集合です。

  • n(A)n(A)=300÷4{}= 300 \div 4=75{}= 75
  • n(B)n(B)=300÷6{}= 300 \div 6=50{}= 50
  • n(A∩B)n(A \cap B)=300÷12{}= 300 \div 12=25{}= 25

n(A∪B)n(A \cup B)=75{}= 75+50{}+ 50−25{}- 25=100{}= 100 なので

300\displaystyle 300−100\displaystyle {}- 100=200 個‾\displaystyle {}= \underline{200 \text{ 個}}

2424 の倍数(1212 個)で数えてしまうと、1212 や 3636 のような数が両方に入っているのに引かれず、答えがずれます。

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問10 ★★

11 から 100100 までの整数のうち、33 で割り切れるが 55 で割り切れないものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

2727 個

解説

33 の倍数の集合を AA、55 の倍数の集合を BB とします。求めるのは「AA だけ」の部分 A∩B‾A \cap \overline{B} です。

A∩BA \cap B は 1515 の倍数の集合で、100÷15100 \div 15=6{}= 6 余り 1010 より 66 個です。n(A)n(A)=33{}= 33 なので

n(A∩B‾)\displaystyle n(A \cap \overline{B})=n(A)\displaystyle {}= n(A)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)=33\displaystyle {}= 33−6\displaystyle {}- 6=27 個‾\displaystyle {}= \underline{27 \text{ 個}}
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問11 ★★

22 桁の自然数のうち、22 でも 33 でも割り切れないものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3030 個

解説

全体は 1010 から 9999 までの 9090 個です。範囲が 1010 からなので、「11 から 9999 まで」から「11 から 99 まで」を引いて数えます。

  • 22 の倍数:(99÷2 の商)(99 \div 2 \text{ の商})−(9÷2 の商){}- (9 \div 2 \text{ の商})=49{}= 49−4{}- 4=45{}= 45
  • 33 の倍数:3333−3{}- 3=30{}= 30
  • 66 の倍数:1616−1{}- 1=15{}= 15

22 または 33 で割り切れるものは 4545+30{}+ 30−15{}- 15=60{}= 60 個なので、どちらでも割り切れないものは

90\displaystyle 90−60\displaystyle {}- 60=30 個‾\displaystyle {}= \underline{30 \text{ 個}}

66 で割った余りが 11 か 55 の数で、11,11, 13,\ 13, 17,\ 17, 19,\ 19, …,\ \ldots, 95,\ 95, 97\ 97 です。

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問12 ★★

ある部活動の部員 5050 人のうち、男子は 2828 人、眼鏡をかけている人は 1818 人、眼鏡をかけている女子は 77 人です。眼鏡をかけていない男子の人数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

1717 人

解説

表に書き込んで、空いたますを埋めます。女子は 5050−28{}- 28=22{}= 22 人、眼鏡をかけている男子は 1818−7{}- 7=11{}= 11 人です。

眼鏡あり眼鏡なし計
男子111117\mathbf{17}2828
女子7715152222
計181832325050

眼鏡をかけていない男子は 2828−11{}- 11=17 人‾{}= \underline{17 \text{ 人}} です。縦に見ると、眼鏡なしは 5050−18{}- 18=32{}= 32 人で、そのうち女子が 2222−7{}- 7=15{}= 15 人なので、3232−15{}- 15=17{}= 17 人と一致します。

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問13 ★★

11 から 100100 までの整数のうち、22,33,77 の少なくとも1つで割り切れるものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

7272 個

解説

22,33,77 の倍数の集合をそれぞれ AA,BB,CC とします。22,33,77 はどの2つも共通な約数が 11 しかないので、最小公倍数は積になります。

n(A)\displaystyle n(A)=50,\displaystyle {}= 50,n(B)\displaystyle \quad n(B)=33,\displaystyle {}= 33,n(C)\displaystyle \quad n(C)=14\displaystyle {}= 14n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=16 (6 の倍数),\displaystyle {}= 16 \ (6 \text{ の倍数}),n(B∩C)\displaystyle \quad n(B \cap C)=4 (21 の倍数),\displaystyle {}= 4 \ (21 \text{ の倍数}),n(C∩A)\displaystyle \quad n(C \cap A)=7 (14 の倍数)\displaystyle {}= 7 \ (14 \text{ の倍数})n(A∩B∩C)\displaystyle n(A \cap B \cap C)=2 (42 の倍数)\displaystyle {}= 2 \ (42 \text{ の倍数})

公式5より

n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=(50+33+14)\displaystyle {}= (50 + 33 + 14)−(16+4+7)\displaystyle {}- (16 + 4 + 7)+2\displaystyle {}+ 2=97\displaystyle {}= 97−27\displaystyle {}- 27+2\displaystyle {}+ 2=72 個‾\displaystyle {}= \underline{72 \text{ 個}}
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問14 ★★

ある地区の 200200 世帯のうち、自動車を持っている世帯は 150150 世帯、自転車を持っている世帯は 120120 世帯です。自動車と自転車の両方を持っている世帯の数として考えられる最大の数と最小の数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最大 120120 世帯、最小 7070 世帯

解説

両方を持っている世帯を xx 世帯とし、表の4つのますを xx で表します。

自転車あり自転車なし計
自動車ありxx150−x150 - x150150
自動車なし120−x120 - xx−70x - 705050
計1201208080200200

右下のますは 5050−(120−x){}- (120 - x)=x{}= x−70{}- 70 です。4つのますがすべて 00 以上なので

x\displaystyle x≧0,\displaystyle {}\geqq 0,x\displaystyle x≦150,\displaystyle {}\leqq 150,x\displaystyle x≦120,\displaystyle {}\leqq 120,x\displaystyle x≧70\displaystyle {}\geqq 70

より 7070≦x{}\leqq x≦120{}\leqq 120 です。xx=120{}= 120 は自転車を持つ世帯がすべて自動車も持つとき、xx=70{}= 70 はどちらも持たない世帯が 00 のときに実現します。よって 最大 120 世帯、最小 70 世帯‾\underline{\text{最大 } 120 \text{ 世帯、最小 } 70 \text{ 世帯}} です。

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問15 ★★

11 から 6060 までの整数のうち、22 と 33 のうちちょうど一方だけで割り切れるものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

3030 個

解説

22 の倍数の集合を AA、33 の倍数の集合を BB とします。「ちょうど一方だけ」は、「AA だけ」と「BB だけ」を合わせた部分です。

n(A)\displaystyle n(A)=30,\displaystyle {}= 30,n(B)\displaystyle n(B)=20,\displaystyle {}= 20,n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=10 (6 の倍数)\displaystyle {}= 10 \ (6 \text{ の倍数})
  • AA だけ:3030−10{}- 10=20{}= 20
  • BB だけ:2020−10{}- 10=10{}= 10

合わせて 30 個‾\underline{30 \text{ 個}} です。

式にまとめると n(A)n(A)+n(B){}+ n(B)−2n(A∩B){}- 2n(A \cap B) です。和集合のときは共通部分を1回引きましたが、「ちょうど一方」では共通部分を含めないので、2回引きます。

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問16 ★★

ある学年の生徒 8080 人に、野球・サッカー・テニスの経験を聞きました。野球の経験者は 3030 人、サッカーは 3636 人、テニスは 2525 人、野球とサッカーの両方の経験者は 1212 人、サッカーとテニスの両方は 1010 人、テニスと野球の両方は 88 人で、どれも経験のない人は 1414 人でした。3種類すべての経験者の人数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

55 人

解説

野球・サッカー・テニスの経験者の集合を AA,BB,CC とし、n(A∩B∩C)n(A \cap B \cap C)=x{}= x とおきます。どれも経験のない人が 1414 人なので、n(A∪B∪C)n(A \cup B \cup C)=80{}= 80−14{}- 14=66{}= 66 です。公式5より

66\displaystyle 66=(30+36+25)\displaystyle {}= (30 + 36 + 25)−(12+10+8)\displaystyle {}- (12 + 10 + 8)+x\displaystyle {}+ x=61\displaystyle {}= 61+x\displaystyle {}+ x

よって xx=5 人‾{}= \underline{5 \text{ 人}} です。

確かめに7つの部分を求めると、野球だけ 1515、サッカーだけ 1919、テニスだけ 1212、野球とサッカーだけ 77、サッカーとテニスだけ 55、テニスと野球だけ 33、3種類すべて 55 で、合計 6666 になります。どの部分も 00 以上なので、条件に矛盾はありません。

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問17 ★★★

11 から 10001000 までの整数のうち、44,66,99 のどれでも割り切れないものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

611611 個

解説

44,66,99 の倍数の集合を AA,BB,CC とします。共通部分は最小公倍数の倍数ですが、ここでは積にならないことに注意します。

  • A∩BA \cap B:44 と 66 の最小公倍数は 1212
  • B∩CB \cap C:66 と 99 の最小公倍数は 1818
  • C∩AC \cap A:99 と 44 の最小公倍数は 3636
  • A∩B∩CA \cap B \cap C:44,66,99 の最小公倍数は 3636(4×6×94 \times 6 \times 9=216{}= 216 ではない)

10001000 をそれぞれで割った商を求めます。

n(A)\displaystyle n(A)=250,\displaystyle {}= 250,n(B)\displaystyle \quad n(B)=166,\displaystyle {}= 166,n(C)\displaystyle \quad n(C)=111\displaystyle {}= 111n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=83,\displaystyle {}= 83,n(B∩C)\displaystyle \quad n(B \cap C)=55,\displaystyle {}= 55,n(C∩A)\displaystyle \quad n(C \cap A)=27,\displaystyle {}= 27,n(A∩B∩C)\displaystyle \quad n(A \cap B \cap C)=27\displaystyle {}= 27 n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=(250+166+111)\displaystyle {}= (250 + 166 + 111)−(83+55+27)\displaystyle {}- (83 + 55 + 27)+27\displaystyle {}+ 27=527\displaystyle {}= 527−165\displaystyle {}- 165+27\displaystyle {}+ 27=389\displaystyle {}= 389

よって、どれでも割り切れないものは 10001000−389{}- 389=611 個‾{}= \underline{611 \text{ 個}} です。

44 と 99 の両方で割り切れれば 3636 の倍数なので、必ず 66 でも割り切れます。そのため C∩AC \cap A と A∩B∩CA \cap B \cap C が同じ集合になっています。

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問18 ★★★

生徒 100100 人に、数学・英語・国語のそれぞれが好きかどうかを聞きました。数学が好きな人は 4848 人、英語は 4040 人、国語は 3636 人、数学と英語の両方が好きな人は 1818 人、英語と国語の両方は 1414 人、国語と数学の両方は 1616 人、3教科とも好きな人は 88 人でした。

(1) どの教科も好きでない人の人数を求めなさい。

(2) ちょうど1教科だけが好きな人の人数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 1616 人 (2) 5252 人

解説

数学・英語・国語が好きな人の集合を AA,BB,CC とします。

(1) 公式5より

n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=(48+40+36)\displaystyle {}= (48 + 40 + 36)−(18+14+16)\displaystyle {}- (18 + 14 + 16)+8\displaystyle {}+ 8=124\displaystyle {}= 124−48\displaystyle {}- 48+8\displaystyle {}+ 8=84\displaystyle {}= 84

どの教科も好きでない人は 100100−84{}- 84=16 人‾{}= \underline{16 \text{ 人}} です。

(2) 真ん中から外へ順に、ベン図の部分を埋めていきます。

  • ちょうど2教科:数学と英語だけ 1818−8{}- 8=10{}= 10、英語と国語だけ 1414−8{}- 8=6{}= 6、国語と数学だけ 1616−8{}- 8=8{}= 8
  • 数学だけ:4848−10{}- 10−8{}- 8−8{}- 8=22{}= 22
  • 英語だけ:4040−10{}- 10−6{}- 6−8{}- 8=16{}= 16
  • 国語だけ:3636−6{}- 6−8{}- 8−8{}- 8=14{}= 14

ちょうど1教科だけが好きな人は 2222+16{}+ 16+14{}+ 14=52 人‾{}= \underline{52 \text{ 人}} です。

確かめると、5252+(10+6+8){}+ (10 + 6 + 8)+8{}+ 8=84{}= 84 で (1) の和集合の個数と一致します。

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問19 ★★★

生徒 100100 人のうち、数学が好きな人は 7070 人、英語が好きな人は 6060 人、国語が好きな人は 8080 人です。3教科とも好きな人の人数として考えられる最大の数と最小の数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

最大 6060 人、最小 1010 人

解説

数学・英語・国語が好きな人の集合を AA,BB,CC とします。

最大 A∩B∩CA \cap B \cap C⊂B{}\subset B なので、n(A∩B∩C)n(A \cap B \cap C)≦60{}\leqq 60 です。実際に、英語が好きな 6060 人が全員、数学と国語も好きで、残り 4040 人のうち 1010 人が数学と国語だけ、1010 人が国語だけを好き、2020 人がどれも好きでない、とすれば条件を満たします(数学 6060+10{}+ 10=70{}= 70、国語 6060+10{}+ 10+10{}+ 10=80{}= 80)。最大は 6060 人です。

最小 補集合で考えます。3集合でもド・モルガンの法則は同じ形で、A∩B∩C‾\overline{A \cap B \cap C}=A‾∪B‾∪C‾{}= \overline{A} \cup \overline{B} \cup \overline{C} です。和集合の個数は、それぞれの個数の和以下なので

n(A‾∪B‾∪C‾)\displaystyle n(\overline{A} \cup \overline{B} \cup \overline{C})≦n(A‾)\displaystyle {}\leqq n(\overline{A})+n(B‾)\displaystyle {}+ n(\overline{B})+n(C‾)\displaystyle {}+ n(\overline{C})=30\displaystyle {}= 30+40\displaystyle {}+ 40+20\displaystyle {}+ 20=90\displaystyle {}= 90

よって n(A∩B∩C)n(A \cap B \cap C)=100{}= 100−n(A‾∪B‾∪C‾){}- n(\overline{A} \cup \overline{B} \cup \overline{C})≧100{}\geqq 100−90{}- 90=10{}= 10 です。

実際に、数学だけ嫌いな人 3030 人、英語だけ嫌いな人 4040 人、国語だけ嫌いな人 2020 人、3教科とも好きな人 1010 人とすれば条件を満たします(数学が好きな人 4040+20{}+ 20+10{}+ 10=70{}= 70 など)。最小は 1010 人です。

以上より 最大 60 人、最小 10 人‾\underline{\text{最大 } 60 \text{ 人、最小 } 10 \text{ 人}} です。最小は「嫌いな人がなるべく重ならないように配る」と考えるのがポイントです。

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問20 ★★★

11 から 300300 までの整数のうち、300300 との最大公約数が 11 であるものの個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

8080 個

解説

300300=22×3×52{}= 2^2 \times 3 \times 5^2 です。ある数と 300300 の最大公約数が 11 でないのは、その数が 300300 と共通の素因数 22,33,55 のどれかをもつときです。そこで、22,33,55 のどれでも割り切れない数を数えます。

22,33,55 の倍数の集合を AA,BB,CC とすると

n(A)\displaystyle n(A)=150,\displaystyle {}= 150,n(B)\displaystyle \quad n(B)=100,\displaystyle {}= 100,n(C)\displaystyle \quad n(C)=60\displaystyle {}= 60n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)=50,\displaystyle {}= 50,n(B∩C)\displaystyle \quad n(B \cap C)=20,\displaystyle {}= 20,n(C∩A)\displaystyle \quad n(C \cap A)=30,\displaystyle {}= 30,n(A∩B∩C)\displaystyle \quad n(A \cap B \cap C)=10\displaystyle {}= 10 n(A∪B∪C)\displaystyle n(A \cup B \cup C)=310\displaystyle {}= 310−100\displaystyle {}- 100+10\displaystyle {}+ 10=220\displaystyle {}= 220

よって 300300−220{}- 220=80 個‾{}= \underline{80 \text{ 個}} です。

300300 は 22,33,55 のどれでも割り切れるので、「22 で割り切れない数は半分」「そのうち 33 で割り切れない数は 23\frac{2}{3}」…と考えると 300×12×23×45300 \times \frac{1}{2} \times \frac{2}{3} \times \frac{4}{5}=80{}= 80 とも計算できます。この形の式は、整数の性質の分野で出会うことがあります。

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数学小話コーナー

国勢調査を救ったパンチカード

19 世紀のアメリカでは、憲法の定めにより 10 年ごとに国勢調査が行われていました。国が大きくなるにつれて集計は追いつかなくなり、1880 年の調査は結果をまとめ終えるまでに 7〜8 年かかったといわれます。このままでは、次の調査が始まるまでに前回の集計が終わらなくなるおそれがありました。

この問題に取り組んだのが、調査局で働いていたハーマン・ホレリスです。ホレリスは、1人分の回答を1枚のカードに穴の位置で記録する方法を考えました。「男性」「既婚」などの項目ごとに穴を開ける場所が決まっていて、機械の針が穴を通り抜けると電気が流れ、その項目のカウンターが1つ進みます。複数の項目の組み合わせを数えるように配線することもでき、「男性」かつ「既婚」の人数、つまり共通部分の要素の個数も機械が数えました。1890 年の調査でこの機械が使われ、集計にかかる時間は大幅に縮まりました(どれだけ縮んだかは資料によって数字が違います ※諸説あり)。

ホレリスは 1896 年に機械の会社を立ち上げ、この会社はのちに合併を経て、1924 年に IBM と名前を変えました。「数える仕事を機械にさせたい」という願いが、コンピューター会社の出発点の1つになったのです。

豆知識

アンケートの結果を「年代」と「賛成・反対」のように2つの項目で分けて数えた表を、クロス集計表といいます。公式6の表は、まさにこのクロス集計です。日本の国勢調査は 1920 年に始まり、原則として 5 年ごとに行われています。

4つの円ではベン図がかけない

2つの集合のベン図は2つの円、3つの集合なら3つの円でかけます。では、4つの集合を4つの円でかくことはできるでしょうか。

4つの集合のベン図には、「AA に入るか入らないか」「BB に入るか入らないか」…の組み合わせの数だけ、つまり 242^4=16{}= 16 個の部分が必要です(どれにも入らない外側も含みます)。ところが、円を何個かいても、平面を分けられる部分の数には限りがあります。

2つの円は、交わっても最大2点でしか交わりません。1個目の円は平面を内と外の 22 個に分けます。2個目の円は1個目と最大 22 点で交わり、その円周は 22 本の弧に分かれます。1本の弧は、それが通る部分を2つに切るので、部分は 22 個増えて 44 個です。3個目の円は前の2個とそれぞれ最大 22 点、合わせて 44 点で交わり、弧が 44 本なので部分は 44 個増えて 88 個になります。88=23{}= 2^3 なので、3つの円はぎりぎり足ります。

4個目の円は最大 66 点で交わり、部分は 66 個増えて 1414 個。必要な 1616 個に届きません。一般に nn 個の円でできる部分は多くても n2n^2−n{}- n+2{}+ 2 個で、nn=4{}= 4 のとき 1414<16{}< 16 です。だから4つの集合は、どう工夫しても4つの円ではかけないのです。

ベン図の名前のもとになったジョン・ベンは、1880 年の論文で、4つの集合を細長い楕円を4つ重ねた図でかいてみせています。円より形の自由がきく楕円なら、16 個の部分をすべて作れます。

豆知識

同じ形の図形を中心のまわりに回転させて重ねた「対称なベン図」は、集合の個数 nn が素数のときにしか作れないことが知られています(逆に、どんな素数でも作れることが示されたのは 2004 年です ※)。7つの集合の美しい対称なベン図には、オーストラリアの都市にちなんで「アデレード」という愛称がついています(※)。

「延べ人数」と「実人数」

ニュースで「3日間のイベントに延べ 6 万人が来場」という言い方を聞くことがあります。この延べ人数は、1日ごとの来場者数をそのまま足した数です。3日とも来た人は3回、2日来た人は2回数えられています。一方、重なりを除いた本当の人数を実人数といいます。

1日目・2日目・3日目の来場者の集合を AA,BB,CC とすると、延べ人数は n(A)n(A)+n(B){}+ n(B)+n(C){}+ n(C)、実人数は n(A∪B∪C)n(A \cup B \cup C) です。たとえば毎日 2 万人ずつ来場して延べ 6 万人、そのうち3日とも来た人が 5000 人、ちょうど2日来た人が 6000 人だったとします。1日だけ来た人を aa 人とすると、延べ人数は1日だけの人を1回、2日の人を2回、3日の人を3回数えているので

a\displaystyle a+2×6000\displaystyle {}+ 2 \times 6000+3×5000\displaystyle {}+ 3 \times 5000=60000\displaystyle {}= 60000

より aa=33000{}= 33000 です。実人数は 3300033000+6000{}+ 6000+5000{}+ 5000=44000{}= 44000 人。「延べ 6 万人」でも、実際に来た人は 4 万 4000 人でした。

延べ人数が大きな数になるのは悪いことではありません。会場の混雑やゴミの量を考えるなら延べ人数、「何人の人に届いたか」を知りたいなら実人数と、目的によって使い分ければよいのです。数字を見るときは、それがどちらの数え方なのかを確かめるくせをつけておきましょう。

豆知識

工事の見積もりなどでは「延べ 20 人日(にんにち)」のような単位を使います。5 人で 4 日かかる作業は延べ 20 人日です。建物の「延べ床面積」も、各階の床面積を足した数で、同じ地面の上に何階分の床があるかを表しています。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「数える」ことを当たり前の操作として使いました。ここでは、要素の個数を「番号の振り方」で定義し、公式2・3・5 を定義から証明します。包除原理の証明では、数と式 第7章の二項定理を使います。

要素の個数の定義

定義1:有限集合と要素の個数

集合 AA の要素に 1,1, 2,\ 2, …,\ \ldots, n\ n の番号を、次の2つを満たすようにつけられるとき、AA は nn 個の要素をもつといい、n(A)n(A)=n{}= n と書く。

  1. AA のどの要素にも、番号がちょうど1つつく。
  2. 11 から nn までのどの番号も、AA のちょうど1つの要素につく。

このような番号のつけ方を、AA と {1, 2, …, n}\{1,\ 2,\ \ldots,\ n\} の間の 1 対 1 の対応という。このような nn がある集合を有限集合といい、空集合については n(∅)n(\varnothing)=0{}= 0 と定める。

本文の「点呼」の例え話を、そのまま言葉にしたものです。番号のつけ方はいろいろありますが、どうつけても最後の番号 nn は同じになります。当たり前に見えるこの事実にも証明が必要ですが、ここでは認めて進みます。

1 対 1 の対応は、数と式 第5章の小話で「自然数全体と偶数全体は同じ個数」と考えたときに使った考え方と同じです。有限集合では「最後の番号」が個数になり、無限集合では 1 対 1 の対応があるかどうかで大きさを比べます。

交わらない集合の和

定理1:交わらない集合の和の個数

有限集合 AA,BB が A∩BA \cap B=∅{}= \varnothing を満たすとき

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=n(A)\displaystyle {}= n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)

証明 n(A)n(A)=m{}= m,n(B)n(B)=k{}= k とする。AA の要素に 11 から mm までの番号をつけ、BB の要素には、もともとの番号に mm を足して mm+1{}+ 1 から mm+k{}+ k までの番号をつける。

A∩BA \cap B=∅{}= \varnothing なので、AA と BB の両方に属する要素はなく、A∪BA \cup B のどの要素にも番号はちょうど1つつく。また 11 から mm+k{}+ k までのどの番号も、ちょうど1つの要素についている。定義1より n(A∪B)n(A \cup B)=m{}= m+k{}+ k である。(証明終)

証明の中で A∩BA \cap B=∅{}= \varnothing を使ったのは、「どの要素にも番号がちょうど1つ」のところです。共通の要素があると、その要素には AA 側と BB 側の2つの番号がついてしまいます。これが、本文の「2回数える」の正体です。

和集合・補集合・差の個数

定理2:和集合・補集合・差の個数

全体集合 UU の部分集合 AA,BB について、次が成り立つ。

  1. n(A‾)n(\overline{A})=n(U){}= n(U)−n(A){}- n(A)
  2. n(A∩B‾)n(A \cap \overline{B})=n(A){}= n(A)−n(A∩B){}- n(A \cap B)
  3. n(A∪B)n(A \cup B)=n(A){}= n(A)+n(B){}+ n(B)−n(A∩B){}- n(A \cap B)
  4. AA⊂B{}\subset B ならば n(A)n(A)≦n(B){}\leqq n(B)

証明 1. UU=A∪A‾{}= A \cup \overline{A},A∩A‾A \cap \overline{A}=∅{}= \varnothing なので、定理1より n(U)n(U)=n(A){}= n(A)+n(A‾){}+ n(\overline{A}) である。

  1. AA の要素は、BB に属するか属さないかのどちらか一方なので、AA=(A∩B)∪(A∩B‾){}= (A \cap B) \cup (A \cap \overline{B}) で、この2つは共通な要素をもたない。定理1より n(A)n(A)=n(A∩B){}= n(A \cap B)+n(A∩B‾){}+ n(A \cap \overline{B}) である。

  2. A∪BA \cup B の要素は、BB に属するか、BB に属さずに AA に属するかのどちらか一方なので、A∪BA \cup B=B∪(A∩B‾){}= B \cup (A \cap \overline{B}) で、この2つは共通な要素をもたない。定理1と 2 より

n(A∪B)\displaystyle n(A \cup B)=n(B)\displaystyle {}= n(B)+n(A∩B‾)\displaystyle {}+ n(A \cap \overline{B})=n(B)\displaystyle {}= n(B)+n(A)\displaystyle {}+ n(A)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)
  1. AA⊂B{}\subset B のとき A∩BA \cap B=A{}= A である。2 を BB と AA を入れかえて使うと n(B∩A‾)n(B \cap \overline{A})=n(B){}= n(B)−n(A){}- n(A) で、左辺は 00 以上なので n(A)n(A)≦n(B){}\leqq n(B) である。(証明終)

どの証明も、「共通な要素をもたない部分に分けてから定理1を使う」という同じ手順です。場合の数の分野では、このように重なりのない場合に分けて足す考え方が、次の第2章の「和の法則」として何度も出てきます。

定理3:共通部分の個数の範囲

全体集合 UU の部分集合 AA,BB について

n(A)\displaystyle n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)−n(U)\displaystyle {}- n(U)≦n(A∩B)\displaystyle {}\leqq n(A \cap B)≦n(A),\displaystyle {}\leqq n(A),n(A∩B)\displaystyle n(A \cap B)≦n(B)\displaystyle {}\leqq n(B)

証明 A∩BA \cap B⊂A{}\subset A,A∩BA \cap B⊂B{}\subset B なので、定理2の 4 より右側の2つの不等式が成り立つ。また A∪BA \cup B⊂U{}\subset U なので n(A∪B)n(A \cup B)≦n(U){}\leqq n(U) で、定理2の 3 より

n(A)\displaystyle n(A)+n(B)\displaystyle {}+ n(B)−n(A∩B)\displaystyle {}- n(A \cap B)≦n(U)\displaystyle {}\leqq n(U)

これを移項すれば左側の不等式になる。(証明終)

本文の公式6では、表の4つのますが 00 以上であることからこの範囲を出しました。定理3と n(A∩B)n(A \cap B)≧0{}\geqq 0 を合わせたものが、ちょうど表の4つの条件です。

包除原理

定理4:包除原理

有限集合 A1,A_1, A2,\ A_2, …,\ \ldots, Am\ A_m について、jj つずつの共通部分の個数の和を SjS_j とする(S1S_1 は1つずつの個数の和、SmS_m=n(A1∩A2∩⋯∩Am){}= n(A_1 \cap A_2 \cap \cdots \cap A_m))。和集合の要素の個数は

n(A1∪A2∪⋯∪Am)\displaystyle n(A_1 \cup A_2 \cup \cdots \cup A_m)=S1\displaystyle {}= S_1−S2\displaystyle {}- S_2+S3\displaystyle {}+ S_3−⋯\displaystyle {}- \cdots+(−1)m−1Sm\displaystyle {}+ (-1)^{m - 1} S_m

で与えられる。mm=2{}= 2 が公式2、mm=3{}= 3 が公式5 である。

証明 右辺で、和集合の1つの要素 xx が何回数えられるかを調べる。xx がちょうど kk 個の集合(11≦k{}\leqq k≦m{}\leqq m)に属しているとする。

xx は「1つずつの個数の和」では、属している kk 個の集合で1回ずつ、合わせて kk=kC1{}= {}_k\mathrm{C}_1 回数えられる。「2つずつの共通部分」で xx を含むのは、属している kk 個から2つを選んだ共通部分なので kC2{}_k\mathrm{C}_2 回。同じように「jj つずつの共通部分」では kCj{}_k\mathrm{C}_j 回数えられる(jj>k{}> k なら 00 回)。

よって xx が右辺で数えられる回数は

kC1\displaystyle {}_k\mathrm{C}_1−kC2\displaystyle {}- {}_k\mathrm{C}_2+kC3\displaystyle {}+ {}_k\mathrm{C}_3−⋯\displaystyle {}- \cdots+(−1)k−1 kCk\displaystyle {}+ (-1)^{k - 1}\,{}_k\mathrm{C}_k

である。一方、二項定理で (1−1)k(1 - 1)^k を展開すると

0\displaystyle 0=(1−1)k\displaystyle {}= (1 - 1)^k=kC0\displaystyle {}= {}_k\mathrm{C}_0−kC1\displaystyle {}- {}_k\mathrm{C}_1+kC2\displaystyle {}+ {}_k\mathrm{C}_2−⋯\displaystyle {}- \cdots+(−1)k kCk\displaystyle {}+ (-1)^k\,{}_k\mathrm{C}_k

kC0{}_k\mathrm{C}_0=1{}= 1 なので、移項すると上の回数はちょうど 11 になる。和集合のどの要素も右辺でちょうど1回数えられるので、右辺は n(A1∪⋯∪Am)n(A_1 \cup \cdots \cup A_m) に等しい。(証明終)

mm=3{}= 3 で確かめると、kk=1{}= 1 なら 11 回、kk=2{}= 2 なら 22−1{}- 1=1{}= 1 回、kk=3{}= 3 なら 33−3{}- 3+1{}+ 1=1{}= 1 回で、本文の図(fig02)の数字と一致します。証明の鍵は「二項係数の交代和は 00」(数と式 第7章 公式4)でした。

同じ数え方で、別の個数も式にできます。3つの集合で、ちょうど1つの集合だけに属する要素の個数を E1E_1 とし、S1S_1 を1つずつの個数の和、S2S_2 を2つずつの共通部分の個数の和、S3S_3=n(A∩B∩C){}= n(A \cap B \cap C) とすると

E1\displaystyle E_1=S1\displaystyle {}= S_1−2S2\displaystyle {}- 2S_2+3S3\displaystyle {}+ 3S_3

が成り立ちます。ちょうど kk 個に属する要素が右辺で数えられる回数は、kk=1{}= 1 で 11、kk=2{}= 2 で 22−2×1{}- 2 \times 1=0{}= 0、kk=3{}= 3 で 33−2×3{}- 2 \times 3+3×1{}+ 3 \times 1=0{}= 0 だからです。実践問題 j18 の (2) を 124124−2×48{}- 2 \times 48+3×8{}+ 3 \times 8=52{}= 52 と一気に計算できます。

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