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第1章 分数関数とグラフ

—— 反比例のグラフを、漸近線の十字ごと動かす ——

中学校で学んだ反比例 $y = \dfrac{6}{x}$ のように、$x$ の分数式で表される関数を**分数関数**といいます。この章では、まず $y = \dfrac{k}{x}$ のグラフの形と、グラフが限りなく近づく 2 本の直線(漸近線)を確かめます。次に、$y = \dfrac{2x + 1}{x - 1}$ のような式を割り算で「$y = \dfrac{k}{x - p} + q$」の形に直し、$y = \dfrac{k}{x}$ のグラフを漸近線の十字ごと平行移動したものとして読みます。二次関数で学んだ「基本形を動かす」考え方が、そのまま使えます。最後に、定義域を限ったときの値域と、条件から式を決める方法を扱います。

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分数関数 yy=kx{}= \dfrac{k}{x}——反比例のグラフ

xx の分数式で表される関数を、xx の分数関数といいます。yy=6x{}= \dfrac{6}{x},yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1},yy=1x2+1{}= \dfrac{1}{x^2 + 1} などがその例です。分母が 00 になる xx では値が決まらないので、とくに断りがなければ、分数関数の定義域は分母を 00 にしない実数全体とします。数学IIIで中心になるのは、分母・分子が xx の 1 次式(または定数)の分数関数です。その出発点が、中学校で学んだ反比例 yy=kx{}= \dfrac{k}{x} です。

yy=2x{}= \dfrac{2}{x} に、いくつか xx の値を入れてみます。

xx−4-4−2-2−1-1−12-\dfrac{1}{2}12\dfrac{1}{2}112244
yy−12-\dfrac{1}{2}−1-1−2-2−4-444221112\dfrac{1}{2}

xx を大きくしていくと、yy は 11,12\dfrac{1}{2},14\dfrac{1}{4},…… と小さくなり、xx 軸にいくらでも近づきます。それでも 2x\dfrac{2}{x} が 00 になることはありません。反対に xx を正の側から 00 に近づけると、yy は 44,2020,200200,…… といくらでも大きくなり、グラフは yy 軸にいくらでも近づきます。こちらも xx=0{}= 0 にはなれないので、yy 軸と交わることはありません。

指数関数・対数関数の章と同じく、グラフが限りなく近づいていく直線を漸近線(ぜんきんせん)といいます。yy=2x{}= \dfrac{2}{x} のグラフは、xx 軸と yy 軸の 2 本を漸近線にもちます。

x y O −2 −1 1 2 −2 −1 1 2 (1, 2) (2, 1) (−1, −2) (−2, −1) y = 2/x y = −2/x x 軸と y 軸が漸近線。k > 0 は第1・第3象限、k < 0 は第2・第4象限
公式1:yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフ

kk≠0{}\neq 0 とする。yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフは直角双曲線とよばれる曲線で

  1. 定義域は xx≠0{}\neq 0,値域は yy≠0{}\neq 0
  2. xx 軸と yy 軸が漸近線である
  3. kk>0{}> 0 のとき第1・第3象限にあり、xx<0{}< 0,xx>0{}> 0 のそれぞれの範囲で右下がり
  4. kk<0{}< 0 のとき第2・第4象限にあり、xx<0{}< 0,xx>0{}> 0 のそれぞれの範囲で右上がり
  5. 原点について対称である

グラフは 2 つの部分に分かれています。xx=0{}= 0 をはさんで、左の部分と右の部分がつながっていないことに注意しましょう。「kk>0{}> 0 なら右下がり」は、左の部分・右の部分それぞれの中での話です。左の部分の点 (−1, −2)(-1,\ -2) と右の部分の点 (1, 2)(1,\ 2) を比べると、xx が大きいほうが yy も大きくなっています。

原点について対称なのは、点 (a, b)(a,\ b) がグラフ上にあれば bb=ka{}= \dfrac{k}{a} なので、−b-b=k−a{}= \dfrac{k}{-a} となり、点 (−a, −b)(-a,\ -b) もグラフ上にあるからです。「直角双曲線」という名前は、漸近線の xx 軸と yy 軸が直角に交わる双曲線であることから来ています(双曲線そのものは「複素数平面と二次曲線」の分野 第7章で詳しく扱います)。

ピザ 1 枚を xx 人で分けると、1 人分は 1x\dfrac{1}{x} 枚です。10 人なら 110\dfrac{1}{10} 枚、1000 人なら 11000\dfrac{1}{1000} 枚。人数を増やすほど 1 人分は 00 に近づきますが、どれだけ人数を増やしても、1 人分がぴったり 00 枚になることはありません。一方、分ける人数を 00 人にすることはできません。グラフが xx 軸に近づくのに届かないこと、yy 軸の上に点がないことは、この 2 つの事情をそのまま絵にしたものです。

yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフは、xx 軸と yy 軸を漸近線にもつ 2 つの部分からなる曲線で、kk>0{}> 0 なら第1・第3象限、kk<0{}< 0 なら第2・第4象限にあるということです。

例題1:yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフ

(1) yy=3x{}= \dfrac{3}{x} のグラフ上で、xx 座標が −3-3,−1-1,11,33 である点の座標を求めなさい。

(2) yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフが点 (2, −3)(2,\ -3) を通るとき、kk の値を定めなさい。また、そのグラフがある象限を求めなさい。


【解答】

(1) 3−3\dfrac{3}{-3}=−1{}= -1,3−1\dfrac{3}{-1}=−3{}= -3,31\dfrac{3}{1}=3{}= 3,33\dfrac{3}{3}=1{}= 1 なので

(−3, −1),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(-3,\ -1),} (−1, −3),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (-1,\ -3),} (1, 3),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (1,\ 3),} (3, 1)‾\displaystyle \underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (3,\ 1)}

(−3, −1)(-3,\ -1) と (3, 1)(3,\ 1),(−1, −3)(-1,\ -3) と (1, 3)(1,\ 3) が、それぞれ原点について対称な位置にあります。

(2) xx=2{}= 2,yy=−3{}= -3 を代入すると −3-3=k2{}= \dfrac{k}{2} なので k=−6‾\underline{k = -6}

kk<0{}< 0 なので、グラフ yy=−6x{}= -\dfrac{6}{x} は 第2象限と第4象限‾\underline{\text{第2象限と第4象限}} にあります。

kk は「グラフ上の点の xx 座標と yy 座標の積」と読むこともできます。2×(−3)2 \times (-3)=−6{}= -6 です。

グラフの平行移動——漸近線の十字ごと動かす

二次関数の分野(第2章)で、yy=f(x){}= f(x) のグラフを xx 軸方向に pp,yy 軸方向に qq だけ平行移動したグラフの式は yy−q{}- q=f(x−p){}= f(x - p) になることを学びました。f(x)f(x)=kx{}= \dfrac{k}{x} に当てはめると

y\displaystyle y−q\displaystyle {}- q=kx−p,\displaystyle {}= \frac{k}{x - p},すなわち\displaystyle \text{すなわち}y\displaystyle y=kx−p\displaystyle {}= \frac{k}{x - p}+q\displaystyle {}+ q

です。形は変わらず、2 本の漸近線もいっしょに動きます。yy 軸(xx=0{}= 0)は直線 xx=p{}= p に、xx 軸(yy=0{}= 0)は直線 yy=q{}= q に移ります。

公式2:yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフ

yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフは、yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフを xx 軸方向に pp,yy 軸方向に qq だけ平行移動した直角双曲線で

  • 漸近線は 2 直線 xx=p{}= p,yy=q{}= q
  • 定義域は xx≠p{}\neq p,値域は yy≠q{}\neq q
  • 2 本の漸近線の交点 (p, q)(p,\ q) について対称

この形を、この分野では「yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形」とよびます。この形になっていれば、漸近線・定義域・値域がすべて式から読みとれます。値域が yy≠q{}\neq q になるのは、kx−p\dfrac{k}{x - p} が 00 以外のすべての値をとり、00 だけはとらないからです。

透明なシートに、yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフを座標軸の十字といっしょに描いておいたとします。このシートを方眼紙の上に置き、十字の中心を点 (p, q)(p,\ q) に合わせてずらせば、それが yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフです。描くときも、まず漸近線の十字を点線で引き、その十字を「座標軸」とみなして yy=kx{}= \dfrac{k}{x} を描き込めば迷いません。十字から見て、kk>0{}> 0 なら右上と左下、kk<0{}< 0 なら左上と右下に曲線が入ります。

描くときは、座標軸との交点も求めておくと、グラフの位置がはっきりします。

yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフは、漸近線の十字の中心を原点から点 (p, q)(p,\ q) に移して yy=kx{}= \dfrac{k}{x} を描いたもので、漸近線は xx=p{}= p,yy=q{}= q だということです。

例題2:平行移動したグラフ

関数 yy=2x−3{}= \dfrac{2}{x - 3}+1{}+ 1 について

(1) グラフは yy=2x{}= \dfrac{2}{x} のグラフをどのように平行移動したものかを求めなさい。

(2) グラフの漸近線の方程式と、関数の定義域・値域を求めなさい。

(3) グラフと xx 軸,yy 軸との交点の座標を求めなさい。


【解答】

(1) yy−1{}- 1=2x−3{}= \dfrac{2}{x - 3} と見て、x 軸方向に 3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x \text{ 軸方向に } 3,} y 軸方向に 1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ y \text{ 軸方向に } 1}

(2) 漸近線は x=3,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,} y=1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 1}。定義域は x≠3‾\underline{x \neq 3},値域は y≠1‾\underline{y \neq 1}

(3) yy=0{}= 0 のとき 2x−3\dfrac{2}{x - 3}=−1{}= -1 なので xx−3{}- 3=−2{}= -2,xx=1{}= 1。xx=0{}= 0 のとき yy=2−3{}= \dfrac{2}{-3}+1{}+ 1=13{}= \dfrac{1}{3}。

x 軸との交点 (1, 0)‾,\displaystyle x \text{ 軸との交点 } \underline{(1,\ 0)},y 軸との交点 (0, 13)‾\displaystyle y \text{ 軸との交点 } \underline{\left(0,\ \frac{1}{3}\right)}

kk=2{}= 2>0{}> 0 なので、十字 (3, 1)(3,\ 1) の左下の部分が 2 つの交点を通り、右上の部分は第1象限の中にあります。

帯分数の形に直す——yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}

yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1} のように、分子にも xx がある式は、そのままでは漸近線が読めません。そこで、分子を分母で割って「商 + 余り分母\dfrac{\text{余り}}{\text{分母}}」の形にします。数と式の分野 第8章で学んだ「分子の次数を下げる」変形です。

2x\displaystyle 2x+1\displaystyle {}+ 1=2(x−1)\displaystyle {}= 2(x - 1)+3\displaystyle {}+ 3なので\displaystyle \text{なので}2x+1x−1\displaystyle \frac{2x + 1}{x - 1}=2\displaystyle {}= 2+3x−1\displaystyle {}+ \frac{3}{x - 1}

これで yy=3x−1{}= \dfrac{3}{x - 1}+2{}+ 2 となり、yy=3x{}= \dfrac{3}{x} を xx 軸方向に 11,yy 軸方向に 22 だけ平行移動したグラフだと分かります。

公式3:yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d} の変形

cc≠0{}\neq 0 のとき、分子 axax+b{}+ b を分母 cxcx+d{}+ d で割ると、yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d} は

y\displaystyle y=kx−p\displaystyle {}= \frac{k}{x - p}+q\displaystyle {}+ q

の形に直せる。漸近線は、分母を 00 にする直線 xx=−dc{}= -\dfrac{d}{c} と、直線 yy=ac{}= \dfrac{a}{c} である。

横の漸近線 yy=ac{}= \dfrac{a}{c} は、割り算の商です。xx の係数どうしの比になるので、割り算の前に見当がつきます。ただし、変形で出てくる kk が 00 になると、式は定数 qq になり、グラフは直角双曲線になりません(たとえば 2x−2x−1\dfrac{2x - 2}{x - 1}。厳密定義で扱います)。

分母の xx の係数が 11 でないときは、kk を求めるところで分母の係数をくくり出します。

4x−32x−1\displaystyle \frac{4x - 3}{2x - 1}=2\displaystyle {}= 2−12x−1\displaystyle {}- \frac{1}{2x - 1}=2\displaystyle {}= 2−12(x−12)\displaystyle {}- \frac{1}{2\left(x - \frac{1}{2}\right)}=−12x−12\displaystyle {}= \frac{-\frac{1}{2}}{x - \frac{1}{2}}+2\displaystyle {}+ 2

卵を 6 個入りのパックに詰めていく場面を考えます。卵が 27 個あれば「4 パックと、はみ出した 3 個」です。2727=6×4{}= 6 \times 4+3{}+ 3 と書けば、パックの数が商、はみ出した卵が余りです。2x+1x−1\dfrac{2x + 1}{x - 1} も同じで、2x2x+1{}+ 1 を「xx−1{}- 1 のパック」にできるだけ詰めると 2 パック分、はみ出すのが 33 です。パックに入った部分は定数 22 になって横の漸近線に、はみ出した部分 3x−1\dfrac{3}{x - 1} がグラフの曲がり方を決めます。

x y O −3 −2 2 3 4 5 −3 −2 −1 1 3 4 5 6 (1, 2) (0, −1) (−1/2, 0) y = (2x + 1)/(x − 1) y = 3/x x = 1 y = 2 十字の中心が原点から (1, 2) へ。曲線は十字ごと動く

yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d} は、分子を分母で割って yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形に直せば、yy=kx{}= \dfrac{k}{x} の平行移動として描けるということです。

例題3:分数関数のグラフをかく準備

次の関数を yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形に表し、グラフの漸近線と、グラフと座標軸との交点の座標を求めなさい。

(1) yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1}

(2) yy=−x+5x+1{}= \dfrac{-x + 5}{x + 1}


【解答】

(1) 2x2x+1{}+ 1=2(x−1){}= 2(x - 1)+3{}+ 3 より y=3x−1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{3}{x - 1}}+2‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 2}。漸近線は x=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 2}

yy=0{}= 0 となるのは分子が 00 のときで 2x2x+1{}+ 1=0{}= 0,xx=−12{}= -\dfrac{1}{2}。xx=0{}= 0 のとき yy=1−1{}= \dfrac{1}{-1}=−1{}= -1。

x 軸との交点 (−12, 0)‾,\displaystyle x \text{ 軸との交点 } \underline{\left(-\frac{1}{2},\ 0\right)},y 軸との交点 (0, −1)‾\displaystyle y \text{ 軸との交点 } \underline{(0,\ -1)}

(2) −x-x+5{}+ 5=−(x+1){}= -(x + 1)+6{}+ 6 より y=6x+1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{6}{x + 1}}−1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}- 1}。漸近線は x=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} y=−1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -1}

分子が 00 になるのは xx=5{}= 5。xx=0{}= 0 のとき yy=5{}= 5。

x 軸との交点 (5, 0)‾,\displaystyle x \text{ 軸との交点 } \underline{(5,\ 0)},y 軸との交点 (0, 5)‾\displaystyle y \text{ 軸との交点 } \underline{(0,\ 5)}

xx 軸との交点は、変形後の式より、もとの式の「分子 =0= 0」から求めるほうが速いことが多いです(分母が 00 でないことは確かめておきます)。

定義域を限ったときの値域——漸近線をまたぐかどうか

yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフは、xx<p{}< p と xx>p{}> p のそれぞれの範囲の中では、一方向に上がり続けるか下がり続けます。だから定義域がどちらか一方の範囲に収まっていれば、値域は両端の値で決まり、最大値・最小値も両端でとります。

問題は、定義域が漸近線 xx=p{}= p をまたぐときです。

公式4:定義域を限ったときの値域

yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q で、定義域を区間に限るとき

  1. 区間が xx<p{}< p または xx>p{}> p の一方に含まれるなら、グラフはその区間で右上がりか右下がりなので、値域は両端の yy の値の間になる
  2. 区間が xx=p{}= p をまたぐなら、xx<p{}< p の部分と xx>p{}> p の部分に分けて考える。yy はいくらでも大きく、またいくらでも小さくなるので、最大値も最小値もない

yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1}=3x−1{}= \dfrac{3}{x - 1}+2{}+ 2 で、定義域を 00≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4(ただし xx≠1{}\neq 1)とすると、xx=0{}= 0 の yy=−1{}= -1 と xx=4{}= 4 の yy=3{}= 3 を見て「−1-1≦y{}\leqq y≦3{}\leqq 3」としたくなります。しかし図のとおり、グラフは xx=1{}= 1 の左右で上下に遠く離れています。00≦x{}\leqq x<1{}< 1 では yy は −1-1 から下へどこまでも下がり、11<x{}< x≦4{}\leqq 4 では上のほうから 33 まで下りてきます。−1-1 と 33 の間の値は、1 つもとりません。

x y O −1 2 3 4 5 −4 −3 −2 −1 1 3 4 5 6 y ≧ 3 y ≦ −1 (4, 3) (0, −1) x = 1 y = 2 0 ≦ x < 1 と 1 < x ≦ 4 の部分(太線)。値域は 2 つに分かれる

川の両岸に 1 本ずつ道があって、橋がかかっていない場面を思い浮かべてください。それぞれの道の中では、行きたいところへ歩いていけます。けれども、こちらの岸の道と向こう岸の道は、地図の上では近く見えてもつながっていません。漸近線 xx=p{}= p はこの橋のない川です。両端の値だけを見て「間はつながっているはず」と考えると、川を歩いて渡ったことになってしまいます。

定義域を限った分数関数の値域は、区間が漸近線 xx=p{}= p の片側にあれば両端の値で決まり、漸近線をまたぐときは左右に分けて考える、ということです。

例題4:定義域と値域

関数 yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1} について、定義域が次のときの値域を求めなさい。また、最大値・最小値があれば求めなさい。

(1) 22≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4

(2) −2-2≦x{}\leqq x≦0{}\leqq 0

(3) 00≦x{}\leqq x<1,{}< 1,11<x{}< x≦4{}\leqq 4


【解答】

yy=3x−1{}= \dfrac{3}{x - 1}+2{}+ 2 で kk=3{}= 3>0{}> 0 なので、xx<1{}< 1,xx>1{}> 1 のそれぞれの範囲で右下がりです。

(1) 区間は xx>1{}> 1 に含まれます。xx=2{}= 2 で yy=5{}= 5,xx=4{}= 4 で yy=3{}= 3 なので、値域は 3≦y≦5‾\underline{3 \leqq y \leqq 5}

x\displaystyle x=2 で最大値 5‾,\displaystyle {}= 2 \text{ で最大値 } \underline{5},x\displaystyle x=4 で最小値 3‾\displaystyle {}= 4 \text{ で最小値 } \underline{3}

(2) 区間は xx<1{}< 1 に含まれます。xx=−2{}= -2 で yy=−3−3{}= \dfrac{-3}{-3}=1{}= 1,xx=0{}= 0 で yy=−1{}= -1 なので、値域は −1≦y≦1‾\underline{-1 \leqq y \leqq 1}

x\displaystyle x=−2 で最大値 1‾,\displaystyle {}= -2 \text{ で最大値 } \underline{1},x\displaystyle x=0 で最小値 −1‾\displaystyle {}= 0 \text{ で最小値 } \underline{-1}

(3) 00≦x{}\leqq x<1{}< 1 では、xx=0{}= 0 の yy=−1{}= -1 から右下がりにいくらでも小さくなるので yy≦−1{}\leqq -1。11<x{}< x≦4{}\leqq 4 では、いくらでも大きい値から右下がりに xx=4{}= 4 の yy=3{}= 3 まで下がるので yy≧3{}\geqq 3。値域は

y≦−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}y \leqq -1,} 3≦y‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ 3 \leqq y}

で、最大値・最小値はない‾\underline{\text{最大値・最小値はない}}。

式を決める・対称の中心——十字の中心から考える

分数関数の式を条件から決めるときは、まず漸近線に注目します。漸近線が分かれば pp,qq が決まり、残りは kk だけです。

公式5:分数関数の決定と対称性
  1. 漸近線が 2 直線 xx=p{}= p,yy=q{}= q である分数関数は、yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q(kk≠0{}\neq 0)とおける。kk はグラフが通る 1 点から決まる
  2. yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフは、漸近線の交点 (p, q)(p,\ q) について対称である。グラフ上の点 (s, t)(s,\ t) と対称な点は (2p−s, 2q−t)(2p - s,\ 2q - t)

(2) は公式1の「原点について対称」を、十字ごと (p, q)(p,\ q) へ平行移動したものです。点 (s, t)(s,\ t) と点 (2p−s, 2q−t)(2p - s,\ 2q - t) の中点は (p, q)(p,\ q) なので、この 2 点は (p, q)(p,\ q) について対称な位置にあります。

掲示板に、1 本の画びょうだけでカードを留めたとします。カードを画びょうのまわりにくるりと半回転させても、元とまったく同じに見えるなら、そのカードの絵は画びょうの位置について点対称です。yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフでは、漸近線の十字の中心 (p, q)(p,\ q) に画びょうを刺して半回転させると、左右 2 つの部分がちょうど入れかわって重なります。

yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d} の形で決めたいときも、漸近線 xx=−dc{}= -\dfrac{d}{c},yy=ac{}= \dfrac{a}{c} を先に使うと、未知の文字を早く減らせます。

分数関数の式は、漸近線から pp,qq を決めて残りの kk を通る点で決めればよく、グラフは漸近線の交点 (p, q)(p,\ q) について点対称だということです。

例題5:分数関数の決定

(1) 漸近線が 2 直線 xx=2{}= 2,yy=−1{}= -1 で、点 (3, 1)(3,\ 1) を通る分数関数を yy=ax+bx+c{}= \dfrac{ax + b}{x + c} の形で求めなさい。

(2) (1) のグラフ上の点 (3, 1)(3,\ 1) と、漸近線の交点について対称な点の座標を求め、その点もグラフ上にあることを確かめなさい。

(3) 関数 yy=ax+bx+c{}= \dfrac{ax + b}{x + c} のグラフが 2 点 (1, 2)(1,\ 2),(3, 0)(3,\ 0) を通り、直線 yy=1{}= 1 を漸近線にもつとき、定数 aa,bb,cc の値を定めなさい。


【解答】

(1) yy=kx−2{}= \dfrac{k}{x - 2}−1{}- 1 とおきます。点 (3, 1)(3,\ 1) を通るので 11=k1{}= \dfrac{k}{1}−1{}- 1,kk=2{}= 2。

y\displaystyle y=2x−2\displaystyle {}= \frac{2}{x - 2}−1\displaystyle {}- 1=2−(x−2)x−2\displaystyle {}= \frac{2 - (x - 2)}{x - 2}=−x+4x−2‾\displaystyle {}= \underline{\frac{-x + 4}{x - 2}}

(2) 対称の中心は (2, −1)(2,\ -1) なので、対称な点は (2⋅2−3, 2⋅(−1)−1)(2 \cdot 2 - 3,\ 2 \cdot (-1) - 1)=(1, −3)‾{}= \underline{(1,\ -3)}

xx=1{}= 1 を代入すると yy=21−2{}= \dfrac{2}{1 - 2}−1{}- 1=−3{}= -3 となり、点 (1, −3)(1,\ -3) は グラフ上にある‾\underline{\text{グラフ上にある}} ことが確かめられました。

(3) 分母の xx の係数は 11 なので、横の漸近線は yy=a{}= a。よって aa=1{}= 1 で、yy=x+bx+c{}= \dfrac{x + b}{x + c}。

点 (3, 0)(3,\ 0) を通るので、分子について 33+b{}+ b=0{}= 0,bb=−3{}= -3。

点 (1, 2)(1,\ 2) を通るので 1−31+c\dfrac{1 - 3}{1 + c}=2{}= 2。−2-2=2(1+c){}= 2(1 + c) より cc=−2{}= -2。

a=1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 1,} b=−3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = -3,} c=−2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ c = -2}

このとき yy=x−3x−2{}= \dfrac{x - 3}{x - 2}=−1x−2{}= -\dfrac{1}{x - 2}+1{}+ 1 で、定数にはならず、たしかに直線 yy=1{}= 1 が漸近線です。最後に「kk≠0{}\neq 0 で本当に分数関数になっているか」を確かめる習慣をつけておきましょう。

この章のまとめ——3 つの形の読み方

式の形漸近線定義域値域対称の中心
y=kxy = \dfrac{k}{x}x=0x = 0,y=0y = 0x≠0x \neq 0y≠0y \neq 0原点
y=kx−p+qy = \dfrac{k}{x - p} + qx=px = p,y=qy = qx≠px \neq py≠qy \neq q(p, q)(p,\ q)
y=ax+bcx+dy = \dfrac{ax + b}{cx + d}割り算で上の形に直してから読む

どの形でも、最初に漸近線の十字を置き、その十字を座標軸とみなして yy=kx{}= \dfrac{k}{x} を描く、という手順は同じです。次の第2章では、このグラフを使って 2x−1\dfrac{2}{x - 1}=x{}= x や 2x−1\dfrac{2}{x - 1}>x{}> x のような方程式・不等式の解の見通しを立て、式で解きます。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

yy=6x{}= \dfrac{6}{x} で、xx=−2{}= -2 のときの yy の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−3‾\underline{-3}

自己採点:
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問2

yy=4x+1{}= \dfrac{4}{x + 1}−3{}- 3 のグラフの漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} y=−3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -3}

自己採点:
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問3

関数 yy=5x−2{}= \dfrac{5}{x - 2} の定義域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x≠2‾\underline{x \neq 2}(分母 xx−2{}- 2≠0{}\neq 0)

自己採点:
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問4

3x+2x+1\dfrac{3x + 2}{x + 1} を kx−p\dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形に表しなさい。

つまずいたときは:
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答え

−1x+1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}-\dfrac{1}{x + 1}}+3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 3}(3x3x+2{}+ 2=3(x+1){}= 3(x + 1)−1{}- 1)

自己採点:
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問5

yy=−1x{}= -\dfrac{1}{x} のグラフがある象限を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

第2象限と第4象限‾\underline{\text{第2象限と第4象限}}(kk=−1{}= -1<0{}< 0)

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

yy=kx{}= \dfrac{k}{x} のグラフが点 (3, 4)(3,\ 4) を通るとき、kk の値と、xx=−6{}= -6 のときの yy の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk=12{}= 12,yy=−2{}= -2

解説

44=k3{}= \dfrac{k}{3} より k=12‾\underline{k = 12}。

yy=12x{}= \dfrac{12}{x} に xx=−6{}= -6 を代入して yy=12−6{}= \dfrac{12}{-6}=−2‾{}= \underline{-2}

点 (−6, −2)(-6,\ -2) も xx 座標と yy 座標の積が 1212 になっています。

自己採点:
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問2 ★

(1) yy=3x+2{}= \dfrac{3}{x + 2}

(2) yy=−2x−1{}= -\dfrac{2}{x - 1}+4{}+ 4

上の各関数について、グラフの漸近線と、関数の定義域・値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 漸近線 xx=−2,{}= -2,yy=0{}= 0,定義域 xx≠−2{}\neq -2,値域 yy≠0{}\neq 0

(2) 漸近線 xx=1,{}= 1,yy=4{}= 4,定義域 xx≠1{}\neq 1,値域 yy≠4{}\neq 4

解説

yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形なら、漸近線は xx=p{}= p,yy=q{}= q、定義域は xx≠p{}\neq p、値域は yy≠q{}\neq q です。

(1) yy=3x−(−2){}= \dfrac{3}{x - (-2)}+0{}+ 0 と見て pp=−2{}= -2,qq=0{}= 0。漸近線 x=−2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -2,} y=0‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 0},定義域 x≠−2‾\underline{x \neq -2},値域 y≠0‾\underline{y \neq 0}

(2) pp=1{}= 1,qq=4{}= 4。漸近線 x=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=4‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 4},定義域 x≠1‾\underline{x \neq 1},値域 y≠4‾\underline{y \neq 4}

(1) の横の漸近線は xx 軸(yy=0{}= 0)です。qq=0{}= 0 のときも忘れずに書きます。

自己採点:
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問3 ★

yy=1x{}= \dfrac{1}{x} のグラフを xx 軸方向に −3-3,yy 軸方向に 22 だけ平行移動したグラフの方程式を、yy=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d} の形で求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=2x+7x+3{}= \dfrac{2x + 7}{x + 3}

解説

xx を xx−(−3){}- (-3)=x{}= x+3{}+ 3 に、yy を yy−2{}- 2 に置きかえて

y\displaystyle y−2\displaystyle {}- 2=1x+3,\displaystyle {}= \frac{1}{x + 3},y\displaystyle y=1x+3\displaystyle {}= \frac{1}{x + 3}+2\displaystyle {}+ 2

通分すると

y\displaystyle y=1+2(x+3)x+3\displaystyle {}= \frac{1 + 2(x + 3)}{x + 3}=2x+7x+3‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2x + 7}{x + 3}}

逆に 2x2x+7{}+ 7 を xx+3{}+ 3 で割れば、もとの形に戻ります。

自己採点:
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問4 ★

(1) yy=x+5x+2{}= \dfrac{x + 5}{x + 2}

(2) yy=3x−7x−2{}= \dfrac{3x - 7}{x - 2}

(3) yy=−2x+3x−1{}= \dfrac{-2x + 3}{x - 1}

上の各関数を yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形に表し、グラフの漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=3x+2{}= \dfrac{3}{x + 2}+1{}+ 1,漸近線 xx=−2,{}= -2,yy=1{}= 1

(2) yy=−1x−2{}= -\dfrac{1}{x - 2}+3{}+ 3,漸近線 xx=2,{}= 2,yy=3{}= 3

(3) yy=1x−1{}= \dfrac{1}{x - 1}−2{}- 2,漸近線 xx=1,{}= 1,yy=−2{}= -2

解説

分子を分母で割って「商 + 余り/分母」にします。

(1) xx+5{}+ 5=(x+2){}= (x + 2)+3{}+ 3 より y=3x+2‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{3}{x + 2}}+1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 1}。漸近線 x=−2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -2,} y=1‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 1}

(2) 3x3x−7{}- 7=3(x−2){}= 3(x - 2)−1{}- 1 より y=−1x−2‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = -\dfrac{1}{x - 2}}+3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 3}。漸近線 x=2,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 2,} y=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 3}

(3) −2x-2x+3{}+ 3=−2(x−1){}= -2(x - 1)+1{}+ 1 より y=1x−1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{1}{x - 1}}−2‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}- 2}。漸近線 x=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=−2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -2}

横の漸近線は、どれも xx の係数の比(11\dfrac{1}{1},31\dfrac{3}{1},−21\dfrac{-2}{1})になっています。

自己採点:
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問5 ★

yy=2x−4x+1{}= \dfrac{2x - 4}{x + 1} のグラフと xx 軸,yy 軸との交点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx 軸との交点 (2, 0)(2,\ 0),yy 軸との交点 (0, −4)(0,\ -4)

解説

yy=0{}= 0 となるのは分子が 00 のときです。2x2x−4{}- 4=0{}= 0 より xx=2{}= 2(このとき分母は 33≠0{}\neq 0)。xx 軸との交点は (2, 0)‾\underline{(2,\ 0)}

xx=0{}= 0 を代入すると yy=−41{}= \dfrac{-4}{1}=−4{}= -4。yy 軸との交点は (0, −4)‾\underline{(0,\ -4)}

なお yy=−6x+1{}= -\dfrac{6}{x + 1}+2{}+ 2 で、漸近線は xx=−1{}= -1,yy=2{}= 2 です。

自己採点:
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問6 ★

(1) yy=4x{}= \dfrac{4}{x}(11≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4)

(2) yy=−6x{}= -\dfrac{6}{x}(−3-3≦x{}\leqq x≦−1{}\leqq -1)

上の各関数の値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 11≦y{}\leqq y≦4{}\leqq 4 (2) 22≦y{}\leqq y≦6{}\leqq 6

解説

どちらも区間が漸近線 xx=0{}= 0 の片側にあるので、両端の値を見れば足ります。

(1) kk=4{}= 4>0{}> 0 で、xx>0{}> 0 では右下がり。xx=1{}= 1 で yy=4{}= 4,xx=4{}= 4 で yy=1{}= 1 なので 1≦y≦4‾\underline{1 \leqq y \leqq 4}

(2) kk=−6{}= -6<0{}< 0 で、xx<0{}< 0 では右上がり。xx=−3{}= -3 で yy=2{}= 2,xx=−1{}= -1 で yy=6{}= 6 なので 2≦y≦6‾\underline{2 \leqq y \leqq 6}

自己採点:
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問7 ★

関数 yy=x+3x−1{}= \dfrac{x + 3}{x - 1}(22≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5)の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2{}= 2 で最大値 55,xx=5{}= 5 で最小値 22

解説

xx+3{}+ 3=(x−1){}= (x - 1)+4{}+ 4 より yy=4x−1{}= \dfrac{4}{x - 1}+1{}+ 1。漸近線 xx=1{}= 1 は区間 22≦x{}\leqq x≦5{}\leqq 5 の外にあり、kk=4{}= 4>0{}> 0 なので区間で右下がりです。

xx=2{}= 2 で yy=51{}= \dfrac{5}{1}=5{}= 5,xx=5{}= 5 で yy=84{}= \dfrac{8}{4}=2{}= 2。

x\displaystyle x=2 で最大値 5‾,\displaystyle {}= 2 \text{ で最大値 } \underline{5},x\displaystyle x=5 で最小値 2‾\displaystyle {}= 5 \text{ で最小値 } \underline{2}
自己採点:
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問8 ★

漸近線が 2 直線 xx=3{}= 3,yy=2{}= 2 で、点 (4, 5)(4,\ 5) を通る分数関数を yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q の形で求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=3x−3{}= \dfrac{3}{x - 3}+2{}+ 2

解説

漸近線から yy=kx−3{}= \dfrac{k}{x - 3}+2{}+ 2 とおけます。点 (4, 5)(4,\ 5) を通るので

5\displaystyle 5=k4−3\displaystyle {}= \frac{k}{4 - 3}+2,\displaystyle {}+ 2,k\displaystyle k=3\displaystyle {}= 3

よって y=3x−3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{3}{x - 3}}+2‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 2}

自己採点:
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問9 ★★

yy=2x−1{}= \dfrac{2}{x - 1}+1{}+ 1 のグラフと座標軸との交点を調べ、グラフが通る象限をすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

第1象限・第2象限・第3象限・第4象限のすべて

解説

漸近線は xx=1{}= 1,yy=1{}= 1 で、kk=2{}= 2>0{}> 0 なので、曲線は十字 (1, 1)(1,\ 1) の右上と左下に入ります。

yy=0{}= 0 のとき 2x−1\dfrac{2}{x - 1}=−1{}= -1 より xx=−1{}= -1。xx=0{}= 0 のとき yy=−2{}= -2+1{}+ 1=−1{}= -1。交点は (−1, 0)(-1,\ 0) と (0, −1)(0,\ -1) です。

  • 右上の部分(xx>1{}> 1,yy>1{}> 1)は第1象限
  • 左下の部分(xx<1{}< 1,yy<1{}< 1)は右下がりで、xx<−1{}< -1 では 00<y{}< y<1{}< 1 なので第2象限、−1-1<x{}< x<0{}< 0 では −1-1<y{}< y<0{}< 0 なので第3象限、00<x{}< x<1{}< 1 では yy<−1{}< -1 なので第4象限

よって 第1〜第4象限のすべて‾\underline{\text{第1〜第4象限のすべて}} を通ります。十字の中心が第1象限にあっても、左下の部分は座標軸を 2 回横切ります。

自己採点:
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問10 ★★

関数 yy=ax+bx+c{}= \dfrac{ax + b}{x + c} のグラフが 2 直線 xx=2{}= 2,yy=−3{}= -3 を漸近線にもち、点 (1, 0)(1,\ 0) を通るとき、定数 aa,bb,cc の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=−3{}= -3,bb=3{}= 3,cc=−2{}= -2

解説

分母が 00 になる xx=−c{}= -c が縦の漸近線なので −c-c=2{}= 2,cc=−2{}= -2。分母の xx の係数が 11 なので横の漸近線は yy=a{}= a,よって aa=−3{}= -3。

点 (1, 0)(1,\ 0) を通るので分子が 00:−3⋅1-3 \cdot 1+b{}+ b=0{}= 0,bb=3{}= 3。

a=−3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = -3,} b=3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = 3,} c=−2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ c = -2}

このとき yy=−3x+3x−2{}= \dfrac{-3x + 3}{x - 2}=−3x−2{}= -\dfrac{3}{x - 2}−3{}- 3 で、kk=−3{}= -3≠0{}\neq 0 なので、たしかに漸近線は xx=2{}= 2,yy=−3{}= -3 です。

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問11 ★★

aa>0{}> 0 とします。関数 yy=2x+1x+1{}= \dfrac{2x + 1}{x + 1}(00≦x{}\leqq x≦a{}\leqq a)の値域が 11≦y{}\leqq y≦53{}\leqq \dfrac{5}{3} となるとき、aa の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=2{}= 2

解説

2x2x+1{}+ 1=2(x+1){}= 2(x + 1)−1{}- 1 より yy=−1x+1{}= -\dfrac{1}{x + 1}+2{}+ 2。漸近線 xx=−1{}= -1 は区間の外で、kk=−1{}= -1<0{}< 0 なので区間で右上がりです。

値域は xx=0{}= 0 の値 yy=1{}= 1 から xx=a{}= a の値までなので

2\displaystyle 2−1a+1\displaystyle {}- \frac{1}{a + 1}=53,\displaystyle {}= \frac{5}{3},1a+1\displaystyle \frac{1}{a + 1}=13,\displaystyle {}= \frac{1}{3},a\displaystyle a+1\displaystyle {}+ 1=3\displaystyle {}= 3

よって a=2‾\underline{a = 2}(aa>0{}> 0 を満たす)

自己採点:
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問12 ★★

関数 yy=x−1x+1{}= \dfrac{x - 1}{x + 1} の定義域を −3-3≦x{}\leqq x<−1,{}< -1,−1-1<x{}< x≦1{}\leqq 1 とするとき、値域を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy≦0,{}\leqq 0,22≦y{}\leqq y

解説

xx−1{}- 1=(x+1){}= (x + 1)−2{}- 2 より yy=−2x+1{}= -\dfrac{2}{x + 1}+1{}+ 1。kk=−2{}= -2<0{}< 0 なので、xx<−1{}< -1,xx>−1{}> -1 のそれぞれで右上がりです。区間は漸近線 xx=−1{}= -1 をまたぐので、左右に分けます。

  • −3-3≦x{}\leqq x<−1{}< -1:xx=−3{}= -3 で yy=−4−2{}= \dfrac{-4}{-2}=2{}= 2。そこから右上がりにいくらでも大きくなるので yy≧2{}\geqq 2
  • −1-1<x{}< x≦1{}\leqq 1:いくらでも小さい値から右上がりに xx=1{}= 1 の yy=0{}= 0 まで上がるので yy≦0{}\leqq 0

値域は y≦0,‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}y \leqq 0,} 2≦y‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ 2 \leqq y}

両端の値 22 と 00 だけを見て「00≦y{}\leqq y≦2{}\leqq 2」とするのは誤りです。実際は 00<y{}< y<2{}< 2 の値を 1 つもとりません。

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問13 ★★

yy=2x−1{}= \dfrac{2}{x - 1}+3{}+ 3 のグラフを、(1) xx 軸,(2) yy 軸,(3) 原点 に関してそれぞれ対称移動したグラフの方程式と、その漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) yy=−2x−1{}= -\dfrac{2}{x - 1}−3{}- 3,漸近線 xx=1,{}= 1,yy=−3{}= -3

(2) yy=−2x+1{}= -\dfrac{2}{x + 1}+3{}+ 3,漸近線 xx=−1,{}= -1,yy=3{}= 3

(3) yy=2x+1{}= \dfrac{2}{x + 1}−3{}- 3,漸近線 xx=−1,{}= -1,yy=−3{}= -3

解説

二次関数の分野で学んだ置きかえ(xx 軸なら yy→−y{}\to -y,yy 軸なら xx→−x{}\to -x,原点なら両方)を使います。

(1) −y-y=2x−1{}= \dfrac{2}{x - 1}+3{}+ 3 より y=−2x−1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = -\dfrac{2}{x - 1}}−3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}- 3}。漸近線 x=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=−3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -3}

(2) yy=2−x−1{}= \dfrac{2}{-x - 1}+3{}+ 3 より y=−2x+1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = -\dfrac{2}{x + 1}}+3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}+ 3}。漸近線 x=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} y=3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 3}

(3) −y-y=2−x−1{}= \dfrac{2}{-x - 1}+3{}+ 3=−2x+1{}= -\dfrac{2}{x + 1}+3{}+ 3 より y=2x+1‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}y = \dfrac{2}{x + 1}}−3‾\underline{\rule[-0.7693em]{0em}{2.0908em}{}- 3}。漸近線 x=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} y=−3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = -3}

十字の中心 (1, 3)(1,\ 3) も、それぞれ (1, −3)(1,\ -3),(−1, 3)(-1,\ 3),(−1, −3)(-1,\ -3) へ同じ規則で移っています。

自己採点:
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問14 ★★

関数 yy=ax+1x+b{}= \dfrac{ax + 1}{x + b} のグラフが点 (1, 3)(1,\ 3) について対称であるとき、定数 aa,bb の値を定めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=3{}= 3,bb=−1{}= -1

解説

対称の中心は 2 本の漸近線の交点です。縦の漸近線は xx=−b{}= -b,横の漸近線は yy=a{}= a なので、交点は (−b, a)(-b,\ a)。これが (1, 3)(1,\ 3) なので

a=3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 3,} b=−1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = -1}

このとき yy=3x+1x−1{}= \dfrac{3x + 1}{x - 1}=4x−1{}= \dfrac{4}{x - 1}+3{}+ 3 で、kk=4{}= 4≠0{}\neq 0 なので直角双曲線になり、条件を満たします。

自己採点:
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問15 ★★

関数 yy=−x+5x−2{}= \dfrac{-x + 5}{x - 2} のグラフの対称の中心を求めなさい。また、グラフ上の点 (3, 2)(3,\ 2) とその中心について対称な点の座標を求め、その点もグラフ上にあることを確かめなさい。

つまずいたときは:
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答え

対称の中心 (2, −1)(2,\ -1),対称な点 (1, −4)(1,\ -4)(グラフ上にある)

解説

−x-x+5{}+ 5=−(x−2){}= -(x - 2)+3{}+ 3 より yy=3x−2{}= \dfrac{3}{x - 2}−1{}- 1。漸近線は xx=2{}= 2,yy=−1{}= -1 で、対称の中心は (2, −1)‾\underline{(2,\ -1)}

点 (3, 2)(3,\ 2) と対称な点は (2⋅2−3, 2⋅(−1)−2)(2 \cdot 2 - 3,\ 2 \cdot (-1) - 2)=(1, −4)‾{}= \underline{(1,\ -4)}

xx=1{}= 1 を代入すると yy=−1+51−2{}= \dfrac{-1 + 5}{1 - 2}=−4{}= -4 なので、点 (1, −4)(1,\ -4) は グラフ上にある‾\underline{\text{グラフ上にある}} ことが確かめられました。

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問16 ★★

関数 yy=ax+bx+c{}= \dfrac{ax + b}{x + c} のグラフが 2 点 (0, 3)(0,\ 3),(2, 7)(2,\ 7) を通り、直線 xx=1{}= 1 を漸近線にもつとき、定数 aa,bb,cc の値と、もう 1 本の漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa=5{}= 5,bb=−3{}= -3,cc=−1{}= -1,漸近線 yy=5{}= 5

解説

縦の漸近線 xx=−c{}= -c が xx=1{}= 1 なので cc=−1{}= -1。

点 (0, 3)(0,\ 3) を通るので b−1\dfrac{b}{-1}=3{}= 3,bb=−3{}= -3。

点 (2, 7)(2,\ 7) を通るので 2a−32−1\dfrac{2a - 3}{2 - 1}=7{}= 7,aa=5{}= 5。

a=5,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}a = 5,} b=−3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ b = -3,} c=−1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8889em}\ c = -1}

このとき yy=5x−3x−1{}= \dfrac{5x - 3}{x - 1}=2x−1{}= \dfrac{2}{x - 1}+5{}+ 5 なので、もう 1 本の漸近線は y=5‾\underline{y = 5} です(kk=2{}= 2≠0{}\neq 0)。

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問17 ★★★

関数 yy=x+2x−1{}= \dfrac{x + 2}{x - 1} の定義域を aa≦x{}\leqq x≦a{}\leqq a+1{}+ 1 とします。ただし、aa は aa<0{}< 0 または aa>1{}> 1 を満たす実数です。この関数の最大値が 44 以上となるような aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

11<a{}< a≦2{}\leqq 2

解説

xx+2{}+ 2=(x−1){}= (x - 1)+3{}+ 3 より yy=3x−1{}= \dfrac{3}{x - 1}+1{}+ 1。kk=3{}= 3>0{}> 0 で、xx<1{}< 1,xx>1{}> 1 のそれぞれで右下がりです。aa<0{}< 0 なら区間は xx<1{}< 1 に、aa>1{}> 1 なら xx>1{}> 1 に含まれるので、どちらの場合も最大値は左端 xx=a{}= a でとります。

aa<0{}< 0 のとき xx<1{}< 1 では 3x−1\dfrac{3}{x - 1}<0{}< 0 なので yy<1{}< 1。最大値は 11 より小さく、44 以上にはなりません。

aa>1{}> 1 のとき 最大値は 3a−1\dfrac{3}{a - 1}+1{}+ 1 です。aa−1{}- 1>0{}> 0 に注意して

3a−1\displaystyle \frac{3}{a - 1}+1\displaystyle {}+ 1≧4\displaystyle {}\geqq 4  ⟺  3a−1\displaystyle {}\iff \frac{3}{a - 1}≧3\displaystyle {}\geqq 3  ⟺  3\displaystyle {}\iff 3≧3(a−1)\displaystyle {}\geqq 3(a - 1)  ⟺  a\displaystyle {}\iff a≦2\displaystyle {}\leqq 2

aa>1{}> 1 と合わせて 11<a{}< a≦2{}\leqq 2。

以上より 1<a≦2‾\underline{1 < a \leqq 2}

2 つ目の   ⟺  \iff で両辺に aa−1{}- 1 を掛けられるのは、aa−1{}- 1>0{}> 0 だからです。符号が分からない式を掛けるときの注意は、第2章で詳しく扱います。

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問18 ★★★

kk は 00 でない定数とします。関数 yy=kx−2{}= \dfrac{k}{x - 2}+1{}+ 1 のグラフが第3象限を通るような kk の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

kk>2{}> 2

解説

第3象限を通るとは、xx<0{}< 0 かつ yy<0{}< 0 となる点がグラフ上にあることです。xx<0{}< 0 の範囲は漸近線 xx=2{}= 2 の左側にあります。

kk<0{}< 0 のとき xx<2{}< 2 では kx−2\dfrac{k}{x - 2}>0{}> 0 なので yy>1{}> 1。第3象限は通りません。

kk>0{}> 0 のとき xx<2{}< 2 では右下がりで、yy<1{}< 1 です。xx<0{}< 0 の部分は、xx=0{}= 0 の値 yy=1{}= 1−k2{}- \dfrac{k}{2} より上にあり、左へ行くほど 11 に近づきます。つまり xx<0{}< 0 での yy の値は 11−k2{}- \dfrac{k}{2}<y{}< y<1{}< 1 の範囲をすべてとります。この中に負の値があるための条件は

1\displaystyle 1−k2\displaystyle {}- \frac{k}{2}<0\displaystyle {}< 0  ⟺  k\displaystyle {}\iff k>2\displaystyle {}> 2

以上より k>2‾\underline{k > 2}

kk=2{}= 2 のときはグラフが原点を通り、xx<0{}< 0 では yy>0{}> 0 なので、第3象限には入りません。グラフの位置を「yy 軸との交点が xx 軸より上か下か」で判定するのがポイントです。

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問19 ★★★

関数 f(x)f(x)=2x+3x+1{}= \dfrac{2x + 3}{x + 1} について、xx≠−1{}\neq -1 のとき f(−2−x)f(-2 - x)+f(x){}+ f(x)=4{}= 4 が成り立つことを示し、これを用いて yy=f(x){}= f(x) のグラフが点 (−1, 2)(-1,\ 2) について対称であることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(証明)f(x)f(x)=1x+1{}= \dfrac{1}{x + 1}+2{}+ 2 から f(−2−x)f(-2 - x)=−1x+1{}= -\dfrac{1}{x + 1}+2{}+ 2、和は 44。点 (s, t)(s,\ t) がグラフ上なら (−2−s, 4−t)(-2 - s,\ 4 - t) もグラフ上。

解説

2x2x+3{}+ 3=2(x+1){}= 2(x + 1)+1{}+ 1 より f(x)f(x)=1x+1{}= \dfrac{1}{x + 1}+2{}+ 2。xx≠−1{}\neq -1 のとき −2-2−x{}- x≠−1{}\neq -1 なので f(−2−x)f(-2 - x) も定義され

f(−2−x)\displaystyle f(-2 - x)=1(−2−x)+1\displaystyle {}= \frac{1}{(-2 - x) + 1}+2\displaystyle {}+ 2=−1x+1\displaystyle {}= -\frac{1}{x + 1}+2\displaystyle {}+ 2

よって f(−2−x)f(-2 - x)+f(x){}+ f(x)=4{}= 4 が成り立ちます。

次に、点 (s, t)(s,\ t) がグラフ上にある、すなわち tt=f(s){}= f(s)(ss≠−1{}\neq -1)とします。点 (−1, 2)(-1,\ 2) について対称な点は (−2−s, 4−t)(-2 - s,\ 4 - t) で、上の式から

f(−2−s)\displaystyle f(-2 - s)=4\displaystyle {}= 4−f(s)\displaystyle {}- f(s)=4\displaystyle {}= 4−t\displaystyle {}- t

なので、この点もグラフ上にあります。グラフ上のどの点についても、点 (−1, 2)(-1,\ 2) について対称な点がグラフ上にあるので、グラフは点 (−1, 2)(-1,\ 2) について対称です。(証明終)

一般に「f(2p−x)f(2p - x)+f(x){}+ f(x)=2q{}= 2q」は、グラフが点 (p, q)(p,\ q) について対称であることを表す式です。

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問20 ★★★

曲線 yy=4x−1{}= \dfrac{4}{x - 1}+2{}+ 2(xx>1{}> 1)上の点 P\mathrm{P} から、2 本の漸近線にそれぞれ垂線を引きます。2 本の垂線と 2 本の漸近線で囲まれる長方形について、(1) 面積は P\mathrm{P} の位置によらず一定であることを示し、その値を求めなさい。(2) 周の長さの最小値と、そのときの P\mathrm{P} の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 面積は 44(一定) (2) 最小値 88,P(3, 4)\mathrm{P}(3,\ 4)

解説

漸近線は xx=1{}= 1,yy=2{}= 2 です。P(t, 4t−1+2)\mathrm{P}\left(t,\ \dfrac{4}{t - 1} + 2\right)(tt>1{}> 1)とおくと、長方形の 2 辺の長さは

P から x\displaystyle \mathrm{P} \text{ から } x=1 までの距離 t\displaystyle {}= 1 \text{ までの距離 } t−1,\displaystyle {}- 1,P から y\displaystyle \mathrm{P} \text{ から } y=2 までの距離 4t−1\displaystyle {}= 2 \text{ までの距離 } \frac{4}{t - 1}

(1) 面積は (t−1)⋅4t−1(t - 1) \cdot \dfrac{4}{t - 1}=4{}= 4 で、tt によらず 4‾\underline{4}(一定)です。

(2) uu=t{}= t−1{}- 1(uu>0{}> 0)とおくと、周の長さは 2(u+4u)2\left(u + \dfrac{4}{u}\right)。相加平均と相乗平均の関係から

u\displaystyle u+4u\displaystyle {}+ \frac{4}{u}≧2u⋅4u\displaystyle {}\geqq 2\sqrt{u \cdot \frac{4}{u}}=4\displaystyle {}= 4

等号は uu=4u{}= \dfrac{4}{u},すなわち uu=2{}= 2 のとき成り立ちます。よって周の長さの最小値は 8‾\underline{8} で、そのとき tt=3{}= 3,yy=42{}= \dfrac{4}{2}+2{}+ 2=4{}= 4 より P(3, 4)‾\underline{\mathrm{P}(3,\ 4)}

十字を座標軸とみなすと、曲線は YY=4X{}= \dfrac{4}{X} です。面積が一定なのは、反比例の「XX と YY の積が一定」をそのまま長方形の面積として見たものです。

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数学小話コーナー

空気のばね——ボイルの法則と、十字をずらしたファン・デル・ワールス

注射器の先を指でふさいで、ピストンを押し込んでみてください。中の空気は押し返してきます。半分まで押し込むと、押し返す力はおよそ 2 倍になります。

17 世紀のイギリスで、ロバート・ボイルはこの「空気のばね」を測りました。片方の端を閉じた J 字形のガラス管に水銀を注ぎ、閉じ込めた空気の体積と、それを押す圧力の関係を調べたのです。1662 年に発表された結果は、「温度が一定なら、気体の圧力 pp と体積 VV の積は一定」というものでした。

pV\displaystyle pV=c\displaystyle {}= cすなわち\displaystyle \text{すなわち}p\displaystyle p=cV\displaystyle {}= \frac{c}{V}

この章の yy=kx{}= \dfrac{k}{x} そのものです。体積を 12\dfrac{1}{2} にすれば圧力は 22 倍、13\dfrac{1}{3} にすれば 33 倍。グラフは第1象限だけの直角双曲線になります。同じ関係は、フランスのエドム・マリオットも 1670 年代に独立に発表したので、フランスでは「マリオットの法則」とよばれることがあります(※イギリスでも、ボイルより前にヘンリー・パワーらが気づいていたという話があります)。

ただし、本物の気体は、いくらでも小さく押し縮められるわけではありません。気体をつくる分子そのものに大きさがあるからです。1873 年、オランダのファン・デル・ワールスは、分子が自由に動ける体積は、容器の体積 VV から分子自身の分だけ bb を引いた VV−b{}- b だと考えました(分子どうしが引き合う効果も加えて、1910 年にノーベル物理学賞を受けています)。引き合う効果を無視すると、式は

p\displaystyle p=cV−b\displaystyle {}= \frac{c}{V - b}

となります。公式2で横へのずれだけがある形、つまり反比例のグラフを右へ bb だけずらしたものです。縦の漸近線は VV=0{}= 0 から VV=b{}= b へ移ります。体積が bb に近づくと圧力は限りなく大きくなり、どれだけ強く押しても、分子の大きさより小さくはできない——漸近線の移動が、そのまま「分子には大きさがある」という主張になっているのです。

豆知識

ふもとで買ったポテトチップスの袋を持って山に登ると、袋がぱんぱんにふくらみます。富士山の山頂の気圧は、平地のおよそ 23\dfrac{2}{3} 弱です。ボイルの法則だけで計算すると、袋の中の空気は約 1.61.6 倍の体積になろうとします(※実際には山頂の気温の低さや袋の伸び方でも変わります)。反対に、水に潜ると水深 1010 m ごとに約 11 気圧ずつ圧力が増えるので、水深 1010 m では肺の中の空気の体積はおよそ半分になります。

酵素の速さには上限がある——ミカエリス・メンテンの式

わたしたちの体の中では、酵素とよばれるたんぱく質が、食べ物の分解などの化学反応を大きく速めています。材料(基質)を増やすと反応は速くなりますが、いくらでも速くなるわけではありません。酵素 1 つが 1 秒間にこなせる仕事には限りがあるからです。

1913 年、ドイツのベルリンで、レオノール・ミカエリスとモード・メンテンは、砂糖(ショ糖)を分解する酵素の反応の速さを丁寧に測り、次の式にまとめました。基質の濃度を SS、反応の速さを vv とすると

v\displaystyle v=Vmax⁡SK+S\displaystyle {}= \frac{V_{\max} S}{K + S}

Vmax⁡V_{\max} と KK は酵素ごとに決まる正の定数です。これは分子と分母が 1 次式の分数関数で、この章のやり方で割り算をすると

v\displaystyle v=Vmax⁡\displaystyle {}= V_{\max}−Vmax⁡KS+K\displaystyle {}- \frac{V_{\max} K}{S + K}

となります。yy=−Vmax⁡Kx{}= -\dfrac{V_{\max} K}{x} を平行移動した形で、漸近線は SS=−K{}= -K と vv=Vmax⁡{}= V_{\max} です。実際に意味があるのは SS≧0{}\geqq 0 の部分だけで、グラフは原点から右上がりに立ち上がり、横の漸近線 vv=Vmax⁡{}= V_{\max} に下から近づいていきます。基質をどれだけ増やしても、速さは上限 Vmax⁡V_{\max} に届きません。

定数 KK にも分かりやすい意味があります。SS=K{}= K を代入すると vv=Vmax⁡2{}= \dfrac{V_{\max}}{2}。つまり KK は「上限のちょうど半分の速さになる濃度」です。KK が小さい酵素ほど、少ない材料で素早く働けます。100 年以上たった今も、この式は生化学の教科書の最初のほうに載っています。

豆知識

実験のデータから Vmax⁡V_{\max} と KK を読みとるのは、曲線のままでは大変です。そこで 1934 年、ラインウィーバーとバークは、式の両辺の逆数をとりました。

1v\displaystyle \frac{1}{v}=KVmax⁡⋅1S\displaystyle {}= \frac{K}{V_{\max}} \cdot \frac{1}{S}+1Vmax⁡\displaystyle {}+ \frac{1}{V_{\max}}

1S\dfrac{1}{S} を横軸、1v\dfrac{1}{v} を縦軸にとると、データは直線に並びます。分数関数も、目盛りの取り方しだいで 1 次関数に見えるわけです。なお、共同研究者のメンテンは、カナダで医学の学位を得た最初期の女性の一人とされています(※「最初の」とする紹介もあり、資料によって言い方が違います)。

カメラがピントを合わせるしくみ——レンズの公式

虫めがねで、窓の外の景色を白い紙に映してみましょう。紙を近づけたり離したりすると、ある距離でくっきりした逆さまの像が現れます。このとき、レンズから物体までの距離 aa、レンズから像までの距離 bb、レンズの焦点距離 ff の間には

1a\displaystyle \frac{1}{a}+1b\displaystyle {}+ \frac{1}{b}=1f\displaystyle {}= \frac{1}{f}

という関係があります(aa>f{}> f で、紙に像が映る場合)。これをレンズの公式といいます。bb について解くと

b\displaystyle b=afa−f\displaystyle {}= \frac{af}{a - f}=f2a−f\displaystyle {}= \frac{f^2}{a - f}+f\displaystyle {}+ f

となり、aa の分数関数です。漸近線は aa=f{}= f と bb=f{}= f。遠くの山のように aa がとても大きいと、bb はほとんど ff に等しくなります。カメラのピントリングにある「∞\infty(無限遠)」の目盛りは、レンズと撮像素子の距離をちょうど ff にした位置です。

近くのものを撮るときは、レンズを f2a−f\dfrac{f^2}{a - f} だけ前へ繰り出します。焦点距離 5050 mm のレンズで 11 m 先の人を撮るなら

5021000−50\displaystyle \frac{50^2}{1000 - 50}=2500950\displaystyle {}= \frac{2500}{950}≒2.6 (mm)\displaystyle {}\fallingdotseq 2.6 \text{ (mm)}

わずか 2.62.6 mm です。ところが被写体を 1010 cm まで近づけると、250050\dfrac{2500}{50}=50{}= 50 mm も繰り出さなければなりません。被写体が焦点距離に近づくほど繰り出し量が急に増えるのは、グラフが縦の漸近線 aa=f{}= f に沿って駆け上がっていくからです。接写のときにレンズの鏡筒が長く伸びたり、レンズとカメラの間に筒(接写リング)をはさんだりするのは、このためです。

豆知識

aa と bb を、レンズからではなく焦点から測った距離 XX=a{}= a−f{}- f,YY=b{}= b−f{}- f で書き直すと、公式は

XY\displaystyle XY=f2\displaystyle {}= f^2

というきれいな形になります。これは「ニュートンの結像式」とよばれます。漸近線の十字 (f, f)(f,\ f) を座標軸に選び直すと、ただの反比例に見える——この章の「十字ごと動かす」考え方を、光学の側から見たものです。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「yy=kx−p{}= \dfrac{k}{x - p}+q{}+ q のグラフは左右の部分それぞれで右上がり(右下がり)」「漸近線に限りなく近づく」「点 (p, q)(p,\ q) について対称」を、グラフを見て納得するだけにしていました。ここでは分数関数を定義し直し、これらの性質を証明します。極限の記号 lim⁡\lim は使いません(極限を使った漸近線の扱いは、微分積分の分野 第10章・第12章で学びます)。

定義1:分数関数

P(x)P(x),Q(x)Q(x) を xx の整式とし、Q(x)Q(x) は 00 でない(定数 00 ではない)とする。P(x)Q(x)\dfrac{P(x)}{Q(x)} を xx の分数式といい、関数

f(x)\displaystyle f(x)=P(x)Q(x)\displaystyle {}= \frac{P(x)}{Q(x)}

を xx の分数関数という。とくに断りがなければ、定義域は Q(x)Q(x)≠0{}\neq 0 を満たす実数 xx 全体とする。

定義域は「式の形」で決まることに注意してください。f(x)f(x)=x2−1x−1{}= \dfrac{x^2 - 1}{x - 1} は、約分すれば xx+1{}+ 1 ですが、定義域は xx≠1{}\neq 1 です。したがって yy=f(x){}= f(x) のグラフは、直線 yy=x{}= x+1{}+ 1 から点 (1, 2)(1,\ 2) を除いたものになり、直線 yy=x{}= x+1{}+ 1 とは別の図形です。

以下、kk≠0{}\neq 0,pp,qq を定数として

g(x)\displaystyle g(x)=kx−p\displaystyle {}= \frac{k}{x - p}+q\displaystyle {}+ q(x≠p)\displaystyle (x \neq p)

とします。

定理1:分母・分子が 1 次式の分数関数の標準形

cc≠0{}\neq 0 とし、f(x)f(x)=ax+bcx+d{}= \dfrac{ax + b}{cx + d}(xx≠−dc{}\neq -\dfrac{d}{c})とする。このとき

f(x)\displaystyle f(x)=bc−adc2⋅1x+dc\displaystyle {}= \frac{bc - ad}{c^2} \cdot \frac{1}{x + \frac{d}{c}}+ac\displaystyle {}+ \frac{a}{c}

が成り立つ。したがって

  1. adad−bc{}- bc≠0{}\neq 0 なら、f(x)f(x) は kk=bc−adc2{}= \dfrac{bc - ad}{c^2},pp=−dc{}= -\dfrac{d}{c},qq=ac{}= \dfrac{a}{c} とした g(x)g(x) に等しい
  2. adad−bc{}- bc=0{}= 0 なら、f(x)f(x) は定義域の各 xx で定数 ac\dfrac{a}{c} に等しく、yy=f(x){}= f(x) のグラフは直線 yy=ac{}= \dfrac{a}{c} から 1 点 (−dc, ac)\left(-\dfrac{d}{c},\ \dfrac{a}{c}\right) を除いたものである

証明 axax+b{}+ b=ac(cx+d){}= \dfrac{a}{c}(cx + d)+(b−adc){}+ \left(b - \dfrac{ad}{c}\right) なので

f(x)\displaystyle f(x)=ac\displaystyle {}= \frac{a}{c}+b−adccx+d\displaystyle {}+ \frac{b - \frac{ad}{c}}{cx + d}=ac\displaystyle {}= \frac{a}{c}+bc−adcc(x+dc)\displaystyle {}+ \frac{\frac{bc - ad}{c}}{c\left(x + \frac{d}{c}\right)}=ac\displaystyle {}= \frac{a}{c}+bc−adc2⋅1x+dc\displaystyle {}+ \frac{bc - ad}{c^2} \cdot \frac{1}{x + \frac{d}{c}}

1,2 はこの式から直ちに従う。(証明終)

本文の例 2x−2x−1\dfrac{2x - 2}{x - 1} は aa=2{}= 2,bb=−2{}= -2,cc=1{}= 1,dd=−1{}= -1 で、adad−bc{}- bc=−2{}= -2−(−2){}- (-2)=0{}= 0 なので 2 の場合です。分数関数の式を条件から決める問題で、最後に「kk≠0{}\neq 0」を確かめたのは、答えが 2 の場合になっていないかを見るためでした。

次は向きです。実数全体の部分集合 II で、x1x_1<x2{}< x_2 ならいつでも f(x1)f(x_1)>f(x2){}> f(x_2) となるとき、ff は II で単調に減少するといいます。f(x1)f(x_1)<f(x2){}< f(x_2) となるときは単調に増加するといいます。

定理2:各区間での単調性

kk>0{}> 0 なら、gg は区間 xx<p{}< p と区間 xx>p{}> p のそれぞれで単調に減少する。kk<0{}< 0 なら、それぞれで単調に増加する。

しかし、gg は定義域 xx≠p{}\neq p 全体では、単調に増加も減少もしない。

証明 x1x_1,x2x_2 がともに xx<p{}< p,またはともに xx>p{}> p にあり、x1x_1<x2{}< x_2 とする。

g(x1)\displaystyle g(x_1)−g(x2)\displaystyle {}- g(x_2)=kx1−p\displaystyle {}= \frac{k}{x_1 - p}−kx2−p\displaystyle {}- \frac{k}{x_2 - p}=k{(x2−p)−(x1−p)}(x1−p)(x2−p)\displaystyle {}= \frac{k\{(x_2 - p) - (x_1 - p)\}}{(x_1 - p)(x_2 - p)}=k(x2−x1)(x1−p)(x2−p)\displaystyle {}= \frac{k(x_2 - x_1)}{(x_1 - p)(x_2 - p)}

x1x_1−p{}- p と x2x_2−p{}- p は同符号なので、分母は正である。また x2x_2−x1{}- x_1>0{}> 0。よって g(x1)g(x_1)−g(x2){}- g(x_2) は kk と同符号で、kk>0{}> 0 なら g(x1)g(x_1)>g(x2){}> g(x_2),kk<0{}< 0 なら g(x1)g(x_1)<g(x2){}< g(x_2) である。

後半について、kk>0{}> 0 の場合、x1x_1=p{}= p−1{}- 1,x2x_2=p{}= p+1{}+ 1 とすると x1x_1<x2{}< x_2 だが g(x1)g(x_1)=q{}= q−k{}- k<q{}< q+k{}+ k=g(x2){}= g(x_2) なので、定義域全体で単調に減少してはいない。一方、同じ区間の中では減少するので、単調に増加してもいない。kk<0{}< 0 の場合も同様である。(証明終)

「yy=1x{}= \dfrac{1}{x} は減少関数である」という言い方は、定理2の後半により正しくありません。正しくは「xx<0{}< 0,xx>0{}> 0 のそれぞれで減少する」です。本文の公式4で、定義域が漸近線をまたぐと両端の値だけでは値域が決まらなかったのは、この後半のためです。

定理3:値域

gg の値域は、qq 以外の実数全体である。

証明 どの xx≠p{}\neq p に対しても kx−p\dfrac{k}{x - p}≠0{}\neq 0 なので g(x)g(x)≠q{}\neq q。逆に、qq 以外の実数 cc を任意にとり

x\displaystyle x=p\displaystyle {}= p+kc−q\displaystyle {}+ \frac{k}{c - q}

とおくと、kc−q\dfrac{k}{c - q}≠0{}\neq 0 なので xx≠p{}\neq p で、xx−p{}- p=kc−q{}= \dfrac{k}{c - q} から g(x)g(x)=(c−q){}= (c - q)+q{}+ q=c{}= c。よって cc は値域に含まれる。(証明終)

証明の中で、yy=c{}= c から xx を求める式 xx=p{}= p+kc−q{}+ \dfrac{k}{c - q} を作りました。これは「yy の値から xx がただ 1 つ決まる」ことを示していて、第5章(逆関数)で使います。

定理4:漸近線の意味

どんな正の数 ε\varepsilon に対しても

∣x−p∣\displaystyle |x - p|>∣k∣ε\displaystyle {}> \frac{|k|}{\varepsilon}  ⟹  ∣g(x)−q∣\displaystyle {}\implies |g(x) - q|<ε\displaystyle {}< \varepsilon

が成り立つ。また、どんな正の数 MM に対しても

0\displaystyle 0<∣x−p∣\displaystyle {}< |x - p|<∣k∣M\displaystyle {}< \frac{|k|}{M}  ⟹  ∣g(x)−q∣\displaystyle {}\implies |g(x) - q|>M\displaystyle {}> M

が成り立つ。さらに、yy=g(x){}= g(x) のグラフは直線 xx=p{}= p とも直線 yy=q{}= q とも共有点をもたない。

証明 ∣g(x)−q∣|g(x) - q|=∣k∣∣x−p∣{}= \dfrac{|k|}{|x - p|} である。∣x−p∣|x - p|>∣k∣ε{}> \dfrac{|k|}{\varepsilon} なら、分母が ∣k∣ε\dfrac{|k|}{\varepsilon} より大きいので ∣g(x)−q∣|g(x) - q|<∣k∣∣k∣/ε{}< \dfrac{|k|}{|k| / \varepsilon}=ε{}= \varepsilon。00<∣x−p∣{}< |x - p|<∣k∣M{}< \dfrac{|k|}{M} なら、同様に ∣g(x)−q∣|g(x) - q|>M{}> M。

共有点について、xx=p{}= p は定義域に含まれず、g(x)g(x)=q{}= q となる xx は定理3よりない。(証明終)

前半は「xx を左右どちらへでも十分遠くへとれば、グラフと直線 yy=q{}= q の縦のずれを、どれだけ小さな ε\varepsilon よりも小さくできる」、後半は「xx を pp に十分近くとれば、ずれをどれだけ大きな MM よりも大きくできる」ということです。∣g(x)−q∣|g(x) - q| はグラフ上の点と直線 yy=q{}= q との距離ですから、前半が「yy=q{}= q が漸近線」の中身です。後半は、グラフ上の点が上下に遠ざかるほど、その点と直線 xx=p{}= p との距離 ∣x−p∣|x - p| が小さくなることを表していて、こちらが「xx=p{}= p が漸近線」の中身です。本文の「限りなく近づく」は、この 2 つを言葉にしたものでした。

最後に、本文の公式5の対称性を、一般の関数の言葉で確かめます。

定義2:点対称な図形

点 C(p, q)\mathrm{C}(p,\ q) と図形 FF について、FF 上のどの点 (s, t)(s,\ t) に対しても、C\mathrm{C} について対称な点 (2p−s, 2q−t)(2p - s,\ 2q - t) が FF 上にあるとき、FF は点 C\mathrm{C} について対称であるという。

定理5:点対称の判定

関数 ff の定義域 DD が、「xx∈D{}\in D ならば 2p2p−x{}- x∈D{}\in D」を満たすとする。DD のすべての xx で

f(2p−x)\displaystyle f(2p - x)+f(x)\displaystyle {}+ f(x)=2q\displaystyle {}= 2q

が成り立つなら、yy=f(x){}= f(x) のグラフは点 (p, q)(p,\ q) について対称である。とくに yy=g(x){}= g(x) のグラフは点 (p, q)(p,\ q) について対称である。

証明 点 (s, t)(s,\ t) がグラフ上にある、すなわち ss∈D{}\in D,tt=f(s){}= f(s) とする。仮定から 2p2p−s{}- s∈D{}\in D で、f(2p−s)f(2p - s)=2q{}= 2q−f(s){}- f(s)=2q{}= 2q−t{}- t。よって点 (2p−s, 2q−t)(2p - s,\ 2q - t) もグラフ上にある。

gg については、定義域 xx≠p{}\neq p は条件を満たし(xx≠p{}\neq p なら 2p2p−x{}- x≠p{}\neq p)

g(2p−x)\displaystyle g(2p - x)+g(x)\displaystyle {}+ g(x)=kp−x\displaystyle {}= \frac{k}{p - x}+q\displaystyle {}+ q+kx−p\displaystyle {}+ \frac{k}{x - p}+q\displaystyle {}+ q=2q\displaystyle {}= 2q

なので、前半より従う。(証明終)

定理5の等式は、「xx=p{}= p から左右に同じだけ離れた 2 か所の値の平均が、いつも qq になる」と読めます。実践問題 j19 は、この定理を具体的な関数で確かめたものです。3 次関数のグラフも、ある点について対称になることが知られていて、同じ等式で確かめられます。

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