目次 / 微分積分 / 数学III

第12章 微分の応用

—— 平均値の定理、グラフの凹凸と変曲点、漸近線まで描き分ける ——

第4〜6章では、多項式の関数について、増減・最大値と最小値・方程式や不等式への応用を学びました。第11章で $e^x$ や $\log x$,三角関数まで微分できるようになったので、この章では同じ道具をそれらの関数に使います。新しく加わるのは3つです。1つめは、グラフの2点を結ぶ線分と平行な接線が必ず引けることを保証する**平均値の定理**。2つめは、第2次導関数を使ってグラフの曲がり方を調べる**凹凸**と**変曲点**。3つめは、グラフが限りなく近づいていく直線、**漸近線**です。これらを組み合わせて、$y = xe^{-x}$ のようなグラフの形を正確に描き、方程式・不等式の問題に使います。

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平均値の定理

第4章の厳密定義で、「平均値の定理」という名前だけを紹介し、証明は省きました。この章では、まずこの定理を本文の道具として使えるようにします。

公式1:平均値の定理

関数 f(x)f(x) が aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で連続で、aa<x{}< x<b{}< b で微分可能ならば

f(b)−f(a)b−a\displaystyle \frac{f(b) - f(a)}{b - a}=f′(c),\displaystyle {}= f'(c),a\displaystyle a<c\displaystyle {}< c<b\displaystyle {}< b

を満たす実数 cc が存在します。

グラフで見ると 左辺は、グラフ上の2点 A(a, f(a))\mathrm{A}(a,\ f(a)),B(b, f(b))\mathrm{B}(b,\ f(b)) を結ぶ線分 AB の傾き(第1章の平均変化率)です。右辺は、点 (c, f(c))(c,\ f(c)) における接線の傾きです。つまり「線分 AB と平行な接線が、A と B の間のどこかで引ける」という定理です。

  • 特に f(a)f(a)=f(b){}= f(b) のときは、f′(c)f'(c)=0{}= 0 となる cc が aa<c{}< c<b{}< b にあります。これをロルの定理といいます。
  • cc が1つとは限りません。定理が保証するのは「少なくとも1つある」ことだけです。
  • 途中で微分できない点があると成り立たないことがあります。yy=∣x∣{}= |x|(−1-1≦x{}\leqq x≦1{}\leqq 1)は両端の値が等しいのに、傾きが 00 になる点がありません。
  • 使い方の基本は、式を f(b)f(b)−f(a){}- f(a)=f′(c)(b−a){}= f'(c)(b - a) と書き直し、cc の範囲から f′(c)f'(c) の大きさを見積もることです(証明は厳密定義の定理2)。

スマートフォンの電池が、朝8時に 100%100\%,10時に 40%40\% だったとします。2時間で 60%60\% 減ったので、平均すると1時間に 30%30\% のペースです。途中で動画を見て速く減った時間も、画面を消していてほとんど減らなかった時間もあったでしょう。それでも、減るペースがなめらかに変わっていたなら、8時から10時までのどこかに「ちょうど1時間 30%30\% のペースで減っていた瞬間」が必ずあります。平均値の定理は、このことを式で述べたものです。

区間全体の平均の傾きと同じ傾きの接線が、区間の途中で少なくとも1本は引けるということです。

例題1:平均値の定理

(1) 関数 f(x)f(x)=log⁡x{}= \log x と区間 11≦x{}\leqq x≦e{}\leqq e について、平均値の定理の式を満たす cc の値を求めなさい。

(2) 00<a{}< a<b{}< b のとき、次の不等式を示しなさい。

b−ab\displaystyle \frac{b - a}{b}<log⁡b\displaystyle {}< \log b−log⁡a\displaystyle {}- \log a<b−aa\displaystyle {}< \frac{b - a}{a}

【解答】

(1) f′(x)f'(x)=1x{}= \dfrac{1}{x} です。

f(e)−f(1)e−1\displaystyle \frac{f(e) - f(1)}{e - 1}=1−0e−1\displaystyle {}= \frac{1 - 0}{e - 1}=1c\displaystyle {}= \frac{1}{c}より\displaystyle \text{より}c\displaystyle c=e‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}e}−1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.0833em]{0em}{0.7277em}{}- 1}

ee=2.718⋯{}= 2.718\cdots なので 11<e{}< e−1{}- 1<e{}< e で、確かに区間の内側にあります。

(2) f(x)f(x)=log⁡x{}= \log x は xx>0{}> 0 で微分可能なので、区間 aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で平均値の定理を使うと

log⁡b−log⁡ab−a\displaystyle \frac{\log b - \log a}{b - a}=1c,\displaystyle {}= \frac{1}{c},a\displaystyle a<c\displaystyle {}< c<b\displaystyle {}< b

を満たす cc があります。aa<c{}< c<b{}< b より 1b\dfrac{1}{b}<1c{}< \dfrac{1}{c}<1a{}< \dfrac{1}{a} なので

1b\displaystyle \frac{1}{b}<log⁡b−log⁡ab−a\displaystyle {}< \frac{\log b - \log a}{b - a}<1a\displaystyle {}< \frac{1}{a}

各辺に bb−a (>0){}- a\ (> 0) を掛けると、示すべき不等式が得られます。(証明終)

※ (2) では cc の値そのものは求めていません。「cc がどの範囲にあるか」だけで不等式が出るのが、平均値の定理の使い方です。

数学IIIの関数の増減と極値

増減表を書いて極値を調べる手順は、第4章・第5章と同じです。ただし、数学IIIの関数には、次のような違いがあります。

公式2:いろいろな関数の増減・極値

手順 ① 定義域を確かめる → ② f′(x)f'(x) を求めて因数分解する → ③ f′(x)f'(x) の符号を調べて増減表を書く → ④ 極値(最大値・最小値)を読み取る

  • 定義域:log⁡x\log x があれば xx>0{}> 0,分母があれば分母 ≠0\neq 0, \sqrt{\ } があれば中身 ≧0\geqq 0 の範囲で考えます。
  • 符号の決まる因数:exe^x>0{}> 0,x2x^2+1{}+ 1>0{}> 0,(xx≠0{}\neq 0 で)x2x^2>0{}> 0 のように、つねに正の因数は符号に関係しません。残りの因数だけで符号を判断します。
  • 三角関数:f′(x)f'(x)=0{}= 0 となる xx が区間内にいくつもあることがあります。区間を確かめて、すべて表に入れます。
  • 極値は、微分できない点でとることもあります(yy=∣x∣{}= |x| の xx=0{}= 0 など)。本書の問題では、微分できる関数を扱います。

新しい流行語の検索数を思い浮かべてください。話題になると一気に増え、ある日を境にゆっくり減っていき、やがて 00 に近づきます。yy=xe−x{}= xe^{-x}(xx≧0{}\geqq 0)は、ちょうどこのような「急に上がって、ゆっくり冷める」形をしています。xx が大きくなろうとする力と、e−xe^{-x} が小さくしようとする力のどちらが勝っているかを教えてくれるのが、導関数の符号です。

数学IIIの関数でも増減表の手順は同じで、定義域を先に確かめ、exe^x のようにつねに正の因数を除いて f′(x)f'(x) の符号を調べればよいということです。

例題2:いろいろな関数の極値

次の関数の極値を求めなさい。

(1) y\displaystyle \text{(1)}\ y=xe−x\displaystyle {}= xe^{-x}(2) y\displaystyle \text{(2)}\ y=log⁡xx\displaystyle {}= \frac{\log x}{x}

【解答】

(1) 定義域はすべての実数です。第11章 例題7(2) より

y′\displaystyle y'=(1−x)e−x\displaystyle {}= (1 - x)e^{-x}

e−xe^{-x}>0{}> 0 なので、y′y' の符号は 11−x{}- x の符号と同じです。

xx⋯\cdots11⋯\cdots
y′y'++00−-
yy↗\nearrow極大 1e\dfrac{1}{e}↘\searrow

x=1 で極大値 1e‾\underline{x = 1\ \text{で極大値}\ \dfrac{1}{e}},極小値はありません。

(2) 定義域は xx>0{}> 0 です。商の微分法より

y′\displaystyle y'=1x⋅x−log⁡x⋅1x2\displaystyle {}= \frac{\dfrac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2}=1−log⁡xx2\displaystyle {}= \frac{1 - \log x}{x^2}

x2x^2>0{}> 0 なので、y′y' の符号は 11−log⁡x{}- \log x で決まります。log⁡x\log x<1{}< 1  ⟺  x{}\iff x<e{}< e です。

xx(0)(0)⋯\cdotsee⋯\cdots
y′y'++00−-
yy↗\nearrow極大 1e\dfrac{1}{e}↘\searrow

x=e で極大値 1e‾\underline{x = e\ \text{で極大値}\ \dfrac{1}{e}},極小値はありません。

※ 2つの極大値がどちらも 1e\dfrac{1}{e} なのは偶然ではありません。(2) で xx=et{}= e^t とおくと log⁡xx\dfrac{\log x}{x}=te−t{}= te^{-t} となり、(1) と同じ関数になるからです。

グラフの凹凸と変曲点

第11章 j20 で、2つの不等式を示しました。

ex\displaystyle e^x≧1\displaystyle {}\geqq 1+x,\displaystyle {}+ x,log⁡x\displaystyle \log x≦x\displaystyle {}\leqq x−1\displaystyle {}- 1

1つめは「yy=ex{}= e^x のグラフが、点 (0, 1)(0,\ 1) における接線 yy=x{}= x+1{}+ 1 より上にある」こと、2つめは「yy=log⁡x{}= \log x のグラフが、点 (1, 0)(1,\ 0) における接線 yy=x{}= x−1{}- 1 より下にある」ことを表していました。どちらもグラフは右上がりですが、exe^x はだんだん急になり、log⁡x\log x はだんだんゆるやかになります。この曲がり方の違いを、第2次導関数で見分けます。

公式3:凹凸と変曲点

ある区間で、グラフが接線より上にあり、下向きにへこんだ(お椀の)形をしているとき下に凸、接線より下にあり、上向きにふくらんだ形をしているとき上に凸といいます。

f′′(x)\displaystyle f''(x)>0 の区間では 下に凸,\displaystyle {}> 0\ \text{の区間では}\ \text{下に凸},f′′(x)\displaystyle f''(x)<0 の区間では 上に凸\displaystyle {}< 0\ \text{の区間では}\ \text{上に凸}

凹凸が入れかわる境目の点を変曲点といいます。f′′(a)f''(a)=0{}= 0 で、xx=a{}= a の前後で f′′(x)f''(x) の符号が変わるとき、点 (a, f(a))(a,\ f(a)) は変曲点です。

わけ f′′(x)f''(x)>0{}> 0 なら f′(x)f'(x) は増加します。つまり、右へ進むほど接線の傾きが大きくなり、グラフは左へ左へと曲がって(反時計回りに向きを変えて)いきます。これが下に凸の形です。

  • 下に凸な区間では、グラフは接線より上、グラフ上の2点を結ぶ線分(弦)より下にあります。上に凸なら逆です(厳密定義の定理3)。
  • yy=ex{}= e^x は y′′y''=ex{}= e^x>0{}> 0 でつねに下に凸、yy=log⁡x{}= \log x は y′′y''=−1x2{}= -\dfrac{1}{x^2}<0{}< 0 でつねに上に凸です。第11章 j20 の2つの不等式は、これで説明がつきます。
  • 変曲点では、接線がグラフを横切ります。第3章の小話で見た「yy=x3{}= x^3 の原点での接線 yy=0{}= 0」は、原点が変曲点だったからです。
  • f′′(a)f''(a)=0{}= 0 でも、前後で符号が変わらなければ変曲点ではありません(例題3の※)。
  • 凹凸は、増減表に y′′y'' の行と「凹凸」の行を加えて調べます。

お椀とドームを思い浮かべてください。雨が降ると、お椀には水がたまり、ドームの屋根からは水が流れ落ちます。お椀のように水がたまる曲がり方が「下に凸」、ドームのように水が流れ落ちる曲がり方が「上に凸」です。お椀の内側の底にものさしを当てると、お椀の面はものさしより上にあります。これが「下に凸なら接線より上」ということです。

では変曲点は何かというと、S字カーブを車で走る場面を考えるとわかります。左カーブではハンドルを左に、右カーブでは右に切ります。その切りかえの途中で、ハンドルがまっすぐを向く一瞬があります。曲がる向きが入れかわるその瞬間の地点が、変曲点です。

第2次導関数が正ならグラフは接線の上にあるお椀の形(下に凸)、負ならドームの形(上に凸)で、その曲がり方が入れかわる点が変曲点だということです。

例題3:凹凸と変曲点

次の関数のグラフの凹凸を調べ、変曲点の座標を求めなさい。

(1) y\displaystyle \text{(1)}\ y=x4\displaystyle {}= x^4−4x3\displaystyle {}- 4x^3(2) y\displaystyle \text{(2)}\ y=e−x22\displaystyle {}= e^{-\frac{x^2}{2}}

【解答】

(1) y′y'=4x3{}= 4x^3−12x2{}- 12x^2,y′′y''=12x2{}= 12x^2−24x{}- 24x=12x(x−2){}= 12x(x - 2) です。

xx⋯\cdots00⋯\cdots22⋯\cdots
y′′y''++00−-00++
凹凸下に凸変曲点上に凸変曲点下に凸

xx<0{}< 0,22<x{}< x で下に凸、00<x{}< x<2{}< 2 で上に凸です。xx=0{}= 0 のとき yy=0{}= 0,xx=2{}= 2 のとき yy=16{}= 16−32{}- 32=−16{}= -16 なので

変曲点 (0, 0), (2, −16)‾\text{変曲点}\ \underline{(0,\ 0),\ (2,\ -16)}

(2) 合成関数の微分法と積の微分法を使います。

y′\displaystyle y'=−xe−x22,\displaystyle {}= -xe^{-\frac{x^2}{2}},y′′\displaystyle y''=−e−x22\displaystyle {}= -e^{-\frac{x^2}{2}}+(−x)⋅(−x)e−x22\displaystyle {}+ (-x) \cdot (-x)e^{-\frac{x^2}{2}}=(x2−1)e−x22\displaystyle {}= (x^2 - 1)e^{-\frac{x^2}{2}}

e−x22e^{-\frac{x^2}{2}}>0{}> 0 なので、y′′y'' の符号は x2x^2−1{}- 1=(x+1)(x−1){}= (x + 1)(x - 1) で決まります。

xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots11⋯\cdots
y′′y''++00−-00++
凹凸下に凸変曲点上に凸変曲点下に凸

xx<−1{}< -1,11<x{}< x で下に凸、−1-1<x{}< x<1{}< 1 で上に凸です。xx=±1{}= \pm 1 のとき yy=e−12{}= e^{-\frac{1}{2}}=1e{}= \dfrac{1}{\sqrt{e}} なので

変曲点 (−1, 1e), (1, 1e)‾\text{変曲点}\ \underline{\left(-1,\ \frac{1}{\sqrt{e}}\right),\ \left(1,\ \frac{1}{\sqrt{e}}\right)}

※ (2) は釣り鐘の形をしたグラフで、統計でおなじみの正規分布の曲線です。山の中腹で、ドームの形からすそ野の広がる形へ切りかわります。また、yy=x4{}= x^4 は y′′y''=12x2{}= 12x^2 で xx=0{}= 0 のとき y′′y''=0{}= 0 ですが、前後とも y′′y''>0{}> 0 なので、原点は変曲点ではありません。f′′(a)f''(a)=0{}= 0 だけで変曲点と決めつけないようにしましょう。

第2次導関数と極値

凹凸がわかると、極値の判定に別の方法が使えます。

公式4:第2次導関数による極値の判定

f′(a)f'(a)=0{}= 0 のとき

f′′(a)\displaystyle f''(a)<0\displaystyle {}< 0⟹ f(a) は極大値,\displaystyle {}\Longrightarrow\ f(a)\ \text{は極大値},f′′(a)\displaystyle f''(a)>0\displaystyle {}> 0⟹ f(a) は極小値\displaystyle {}\Longrightarrow\ f(a)\ \text{は極小値}

わけ f′′(a)f''(a)>0{}> 0 なら、xx=a{}= a の近くでグラフは下に凸で、接線より上にあります。f′(a)f'(a)=0{}= 0 なので、その接線は水平な直線 yy=f(a){}= f(a) です。グラフがその上にあるので、f(a)f(a) は極小値です(厳密定義の定理4)。

  • f′′(a)f''(a)=0{}= 0 のときは、この方法では判定できません。yy=x3{}= x^3(極値なし),yy=x4{}= x^4(極小),yy=−x4{}= -x^4(極大)は、どれも f′(0)f'(0)=f′′(0){}= f''(0)=0{}= 0 です。その場合は増減表に戻ります。
  • 増減表を書かずにすむので、f′(x)f'(x)=0{}= 0 となる xx がたくさんある三角関数などで便利です。

ボールを真上に投げ上げると、いちばん高い所で一瞬止まります。そのとき速さは 00 ですが、重力でボールには下向きの加速度がかかり続けています。「速さ 00 で、加速度が下向き」なら、その瞬間は頂上(極大)です。高さを ff とすれば、速さが f′f',加速度が f′′f'' にあたります(第13章でくわしく扱います)。

f′(a)f'(a)=0{}= 0 の点で、f′′(a)f''(a) が負なら極大、正なら極小と、その点の曲がり方だけで判定できる(ただし f′′(a)f''(a)=0{}= 0 なら判定できない)ということです。

例題4:第2次導関数を用いた極値の判定

第2次導関数を用いて、関数 f(x)f(x)=x2ex{}= x^2e^x の極値を求めなさい。


【解答】

f′(x)\displaystyle f'(x)=2xex\displaystyle {}= 2xe^x+x2ex\displaystyle {}+ x^2e^x=x(x+2)ex\displaystyle {}= x(x + 2)e^x

f′(x)f'(x)=0{}= 0 となるのは xx=0,{}= 0, −2{}\ -2 です。さらに

f′′(x)\displaystyle f''(x)=(2x+2)ex\displaystyle {}= (2x + 2)e^x+(x2+2x)ex\displaystyle {}+ (x^2 + 2x)e^x=(x2+4x+2)ex\displaystyle {}= (x^2 + 4x + 2)e^x
  • f′′(0)f''(0)=2{}= 2>0{}> 0 なので、xx=0{}= 0 で極小値 f(0)f(0)=0{}= 0
  • f′′(−2)f''(-2)=(4−8+2)e−2{}= (4 - 8 + 2)e^{-2}=−2e2{}= -\dfrac{2}{e^2}<0{}< 0 なので、xx=−2{}= -2 で極大値 f(−2)f(-2)=4e2{}= \dfrac{4}{e^2}
x=−2 で極大値 4e2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = -2\ \text{で極大値}\ \frac{4}{e^2},}x=0 で極小値 0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\quad x = 0\ \text{で極小値}\ 0}

※ 増減表を書いても同じ結果になります。f′(x)f'(x) の符号は x(x+2)x(x + 2) で決まるので、xx=−2{}= -2 で ++ から −-,xx=0{}= 0 で −- から ++ に変わります。

漸近線

yy=1x{}= \dfrac{1}{x} のグラフは、xx 軸にも yy 軸にも限りなく近づきますが、決して重なりません。このような直線を漸近線といいます。

公式5:漸近線の求め方

yy 軸に平行な漸近線(縦の漸近線)

lim⁡x→a+0f(x)\displaystyle \lim_{x \to a + 0}f(x)=±∞\displaystyle {}= \pm\inftyまたは\displaystyle \text{または}lim⁡x→a−0f(x)\displaystyle \lim_{x \to a - 0}f(x)=±∞\displaystyle {}= \pm\infty⟹直線 x\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \text{直線}\ x=a\displaystyle {}= a

yy 軸に平行でない漸近線(横・斜めの漸近線)

lim⁡x→∞{f(x)−(px+q)}\displaystyle \lim_{x \to \infty}\{f(x) - (px + q)\}=0\displaystyle {}= 0⟹直線 y\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \text{直線}\ y=px\displaystyle {}= px+q\displaystyle {}+ q

(xx→−∞{}\to -\infty についても同じ。)

  • 縦の漸近線の候補は、分母が 00 になる点や、log⁡\log の中身が 00 に近づく点です。
  • 分数関数は、割り算をして「多項式 + 分数」の形に直すと、斜めの漸近線がすぐ読み取れます。x2+1x\dfrac{x^2 + 1}{x}=x{}= x+1x{}+ \dfrac{1}{x} なら、漸近線は yy=x{}= x です。
  • 一般には p=lim⁡x→∞f(x)xp = \displaystyle\lim_{x \to \infty}\frac{f(x)}{x},q=lim⁡x→∞{f(x)−px}q = \displaystyle\lim_{x \to \infty}\{f(x) - px\} で求めます。pp=0{}= 0 なら横の漸近線 yy=q{}= q です。
  • xx→∞{}\to \infty と xx→−∞{}\to -\infty で、漸近線が違うこともあります(j13)。

淹れたてのコーヒーを部屋に置いておくと、はじめは速く、だんだんゆっくりと冷めていき、温度は室温に近づきます。けれども、室温より冷たくなることはありません。時刻を横軸、温度を縦軸にとったグラフは、「温度 = 室温」の水平な直線に、どこまでも近づいていきます。この直線が漸近線です。

漸近線は、グラフが遠くへ行くときに限りなく近づく直線で、縦のものは値が ±∞\pm\infty になる点で、斜めのものは f(x)f(x)−(px+q){}- (px + q)→0{}\to 0 となる直線として求めるということです。

例題5:漸近線と極値

関数 yy=x2x−1{}= \dfrac{x^2}{x - 1} のグラフの漸近線と、関数の極値を求めなさい。


【解答】

x2x^2=(x−1)(x+1){}= (x - 1)(x + 1)+1{}+ 1 なので、割り算をすると

y\displaystyle y=x\displaystyle {}= x+1\displaystyle {}+ 1+1x−1\displaystyle {}+ \frac{1}{x - 1}

漸近線 lim⁡x→1+0y\displaystyle \lim_{x \to 1 + 0}y=∞\displaystyle {}= \infty,lim⁡x→1−0y\displaystyle \lim_{x \to 1 - 0}y=−∞\displaystyle {}= -\infty なので、直線 xx=1{}= 1 は漸近線です。また、xx→±∞{}\to \pm\infty のとき yy−(x+1){}- (x + 1)=1x−1{}= \dfrac{1}{x - 1}→0{}\to 0 なので、直線 yy=x{}= x+1{}+ 1 も漸近線です。

極値 

y′\displaystyle y'=1\displaystyle {}= 1−1(x−1)2\displaystyle {}- \frac{1}{(x - 1)^2}=(x−1)2−1(x−1)2\displaystyle {}= \frac{(x - 1)^2 - 1}{(x - 1)^2}=x(x−2)(x−1)2\displaystyle {}= \frac{x(x - 2)}{(x - 1)^2}
xx⋯\cdots00⋯\cdots11⋯\cdots22⋯\cdots
y′y'++00−-−-00++
yy↗\nearrow極大 00↘\searrow↘\searrow極小 44↗\nearrow

(xx=1{}= 1 では関数が定義されないので、その列は空欄にします。)

漸近線 x=1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}\text{漸近線}\ x = 1,} y=x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}\ y = x}+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8777em}{}+ 1}x=0 で極大値 0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}x = 0\ \text{で極大値}\ 0,}x=2 で極小値 4‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\quad x = 2\ \text{で極小値}\ 4}

※ 極大値 00 が極小値 44 より小さくなっています。極大・極小は「その近くでいちばん大きい・小さい」という意味なので、グラフが漸近線 xx=1{}= 1 で2つに分かれていれば、こういうことも起こります。

大切な極限とグラフの概形

yy=xe−x{}= xe^{-x} のグラフを最後まで描くには、xx→∞{}\to \infty のとき xe−xxe^{-x}=xex{}= \dfrac{x}{e^x} がどうなるかを知る必要があります。分子も分母も ∞\infty に向かうので、どちらが速いかの勝負です。

公式6:大切な極限とグラフの描き方
lim⁡x→∞xex\displaystyle \lim_{x \to \infty}\frac{x}{e^x}=0,\displaystyle {}= 0,lim⁡x→∞log⁡xx\displaystyle \lim_{x \to \infty}\frac{\log x}{x}=0,\displaystyle {}= 0,lim⁡x→+0xlog⁡x\displaystyle \lim_{x \to +0}x\log x=0\displaystyle {}= 0

わけ まず、xx>0{}> 0 で exe^x>x22{}> \dfrac{x^2}{2} を示します。g(x)g(x)=ex{}= e^x−x22{}- \dfrac{x^2}{2} とおくと、g′(x)g'(x)=ex{}= e^x−x{}- x で、第11章 j20 の exe^x≧1{}\geqq 1+x{}+ x より g′(x)g'(x)≧1{}\geqq 1>0{}> 0 です。g(x)g(x) は増加し、g(0)g(0)=1{}= 1>0{}> 0 なので、xx>0{}> 0 で g(x)g(x)>0{}> 0 です。よって

0\displaystyle 0<xex\displaystyle {}< \frac{x}{e^x}<x x22 \displaystyle {}< \frac{x}{\ \dfrac{x^2}{2}\ }=2x\displaystyle {}= \frac{2}{x}⟶0\displaystyle {}\longrightarrow 0

となり、はさみうちの原理(第10章)から1つめが得られます。2つめは xx=et{}= e^t,3つめは xx=e−t{}= e^{-t} とおくと、1つめに帰着します。

  • 同じように、正の整数 nn について lim⁡x→∞xnex\displaystyle \lim_{x \to \infty}\frac{x^n}{e^x}=0\displaystyle {}= 0 も成り立ちます。指数関数は、どんな xnx^n よりも速く大きくなり、log⁡x\log x は xx よりずっとゆっくり大きくなる、と覚えておきます。
  • グラフの概形の描き方:① 定義域・対称性・座標軸との交点 ② y′y',y′′y'' を求めて、増減と凹凸を1つの表にまとめる ③ 定義域の端での極限と漸近線を調べる ④ 極値・変曲点・漸近線をかき入れて、表のとおりに曲線をつなぐ。

1日目に米を1粒、2日目に2粒、3日目に4粒と、毎日2倍にして受け取る約束をしたとします。はじめは「1日目は1粒、2日目は2粒…」と、たいしたことはありません。一方、「xx 日目に x3x^3 粒」の約束なら、10日目で 1000 粒ともらえる量は大きく見えます。けれども、倍々の約束は 10 日目に 512 粒、20 日目には約 52 万粒となり、x3x^3 の 8000 粒をはるかに追い越してしまいます。x3x^3 を x100x^{100} にしても、追い越されるのが遅くなるだけで、いつかは必ず負けます。

xx→∞{}\to \infty で、exe^x はどんな xnx^n よりも速く、log⁡x\log x は xx よりずっと遅く大きくなり、この比べ方と増減・凹凸の表・漸近線を合わせればグラフの形が決まるということです。

例題6:グラフの概形

関数 yy=xe−x{}= xe^{-x} の増減、極値、グラフの凹凸、変曲点、漸近線を調べ、グラフの概形をかきなさい。変曲点の座標も求めなさい。


【解答】

例題2(1) より y′y'=(1−x)e−x{}= (1 - x)e^{-x} です。もう一度微分すると

y′′\displaystyle y''=−e−x\displaystyle {}= -e^{-x}+(1−x)⋅(−e−x)\displaystyle {}+ (1 - x) \cdot (-e^{-x})=(x−2)e−x\displaystyle {}= (x - 2)e^{-x}

e−xe^{-x}>0{}> 0 なので、y′y' の符号は 11−x{}- x,y′′y'' の符号は xx−2{}- 2 で決まります。

xx⋯\cdots11⋯\cdots22⋯\cdots
y′y'++00−-−-−-
y′′y''−-−-−-00++
yy↗\nearrow極大 1e\dfrac{1}{e}↘\searrow2e2\dfrac{2}{e^2}↘\searrow
凹凸上に凸上に凸変曲点下に凸

極限と漸近線 公式6より lim⁡x→∞xe−x\displaystyle \lim_{x \to \infty}xe^{-x}=lim⁡x→∞xex\displaystyle {}= \lim_{x \to \infty}\frac{x}{e^x}=0\displaystyle {}= 0 なので、xx 軸(直線 yy=0{}= 0)が漸近線です。また lim⁡x→−∞xe−x\displaystyle \lim_{x \to -\infty}xe^{-x}=−∞\displaystyle {}= -\infty です(xx→−∞{}\to -\infty,e−xe^{-x}→∞{}\to \infty)。グラフは原点を通ります。

x=1 で極大値 1e,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.95em]{0em}{2.4000em}x = 1\ \text{で極大値}\ \frac{1}{e},}変曲点 (2, 2e2),‾\displaystyle \underline{\rule[-0.95em]{0em}{2.4000em}\quad \text{変曲点}\ \left(2,\ \frac{2}{e^2}\right),}漸近線 y=0‾\displaystyle \underline{\rule[-0.95em]{0em}{2.4000em}\quad \text{漸近線}\ y = 0}

xx<2{}< 2 で上に凸、xx>2{}> 2 で下に凸です。グラフの概形は次の図のようになります。

y x O 1 2 極大 (1, 1/e) 変曲点 (2, 2/e²) 上に凸 下に凸 x 軸に近づく(漸近線 y = 0) y = xe−x

※ 変曲点 (2, 2e2)\left(2,\ \dfrac{2}{e^2}\right) での接線(破線)は、グラフを横切っています。変曲点の左では接線がグラフより上、右ではグラフより下です。

方程式・不等式への応用

第6章では、多項式の関数で「実数解の個数」や「不等式の証明」を扱いました。考え方は数学IIIの関数でもまったく同じですが、1回微分しただけでは符号がわからないことがよくあります。

公式7:方程式・不等式への応用

不等式 f(x)f(x)>g(x){}> g(x) の証明 差 F(x)F(x)=f(x){}= f(x)−g(x){}- g(x) の増減を調べ、最小値(または端の値)が 00 以上であることを示します。

  • F′(x)F'(x) の符号がすぐにわからないときは、F′′(x)F''(x) を調べて F′(x)F'(x) の増減を先に決めます。「F′′F''>0{}> 0 → F′F' は増加 → F′F' の符号がわかる → FF の増減がわかる」と、順に下りていきます。
  • 端の値は、代入できないときは極限で調べます(公式6の極限が役に立ちます)。

方程式 f(x)f(x)=a{}= a の実数解の個数 「定数 aa を分離して」、曲線 yy=f(x){}= f(x) と直線 yy=a{}= a の共有点の個数を数えます(第6章 公式2)。

  • 定義域の端での極限(±∞\pm\infty や 00 に近づくか)まで調べて、グラフの形を正確に決めることが大切です。

ドミノ倒しでは、最後の1枚が倒れることを確かめたいとき、1つ前が倒れることを確かめ、そのためにさらに1つ前を…とさかのぼります。先頭の1枚さえ倒れれば、あとは順に倒れていきます。F′′(x)F''(x)>0{}> 0 から F′(x)F'(x)>0{}> 0,そこから F(x)F(x)>0{}> 0 を導くのも同じで、いちばん奥の符号がわかれば、順に手前の符号が決まっていきます。

不等式は差の関数の増減で示し、1回の微分で符号が決まらなければ第2次導関数からさかのぼり、方程式の解の個数は定数を分離して、極限まで調べたグラフと直線の共有点で数えるということです。

例題7:不等式の証明と実数解の個数

(1) xx>0{}> 0 のとき、不等式 exe^x>1{}> 1+x{}+ x+x22{}+ \dfrac{x^2}{2} が成り立つことを示しなさい。

(2) aa を定数とするとき、方程式 log⁡x\log x=ax{}= ax の異なる実数解の個数を求めなさい。


【解答】

(1) F(x)F(x)=ex{}= e^x−1{}- 1−x{}- x−x22{}- \dfrac{x^2}{2} とおくと

F′(x)\displaystyle F'(x)=ex\displaystyle {}= e^x−1\displaystyle {}- 1−x,\displaystyle {}- x,F′′(x)\displaystyle F''(x)=ex\displaystyle {}= e^x−1\displaystyle {}- 1

xx>0{}> 0 で F′′(x)F''(x)>0{}> 0 なので、F′(x)F'(x) は xx≧0{}\geqq 0 で増加し、F′(0)F'(0)=0{}= 0 より xx>0{}> 0 で F′(x)F'(x)>0{}> 0 です。よって F(x)F(x) は xx≧0{}\geqq 0 で増加し、F(0)F(0)=0{}= 0 より xx>0{}> 0 で F(x)F(x)>0{}> 0,つまり exe^x>1{}> 1+x{}+ x+x22{}+ \dfrac{x^2}{2} です。(証明終)

(2) 真数条件より xx>0{}> 0 です。両辺を xx で割ると

log⁡xx\displaystyle \frac{\log x}{x}=a\displaystyle {}= a

となるので、曲線 yy=log⁡xx{}= \dfrac{\log x}{x}(xx>0{}> 0)と直線 yy=a{}= a の共有点の個数を調べます。例題2(2) より、yy は 00<x{}< x≦e{}\leqq e で増加、xx≧e{}\geqq e で減少し、xx=e{}= e で最大値 1e\dfrac{1}{e} をとります。端では

lim⁡x→+0log⁡xx\displaystyle \lim_{x \to +0}\frac{\log x}{x}=−∞,\displaystyle {}= -\infty,lim⁡x→∞log⁡xx\displaystyle \lim_{x \to \infty}\frac{\log x}{x}=0\displaystyle {}= 0

です(xx→+0{}\to +0 では log⁡x\log x→−∞{}\to -\infty,1x\dfrac{1}{x}→∞{}\to \infty。xx→∞{}\to \infty は公式6)。また、xx>1{}> 1 では log⁡xx\dfrac{\log x}{x}>0{}> 0 なので、グラフは xx>e{}> e で xx 軸に上から近づきます。直線 yy=a{}= a を上下に動かして、共有点を数えると

  • aa≦0{}\leqq 0 のとき 1 個‾\underline{1\ \text{個}}
  • 00<a{}< a<1e{}< \dfrac{1}{e} のとき 2 個‾\underline{2\ \text{個}}
  • aa=1e{}= \dfrac{1}{e} のとき 1 個‾\underline{1\ \text{個}}
  • aa>1e{}> \dfrac{1}{e} のとき 0 個‾\underline{0\ \text{個}}

※ (1) の不等式から exx2\dfrac{e^x}{x^2}>1x2{}> \dfrac{1}{x^2}+1x{}+ \dfrac{1}{x}+12{}+ \dfrac{1}{2} で、x2ex\dfrac{x^2}{e^x}<2{}< 2 がわかります。このような「exe^x を多項式で下からおさえる」式が、公式6の極限の土台です。(2) で aa=0{}= 0 のときは、解 xx=1{}= 1 の1個です。

この章のまとめと第13章へ

この章では、第11章で微分できるようになった関数のグラフを、次の3つの目で描き分けました。

調べること使うもの表に書くこと
増減・極値y′y' の符号↗\nearrow,↘\searrow,極大・極小
凹凸・変曲点y′′y'' の符号上に凸・下に凸・変曲点
遠くでのようす極限漸近線

そして、平均値の定理が「平均の傾き」と「ある瞬間の傾き」を結びつけることを学びました。

次の第13章では、y′y' と y′′y'' を、動く点の速度と加速度として読みます。また、第11章 j20 の exe^x≧1{}\geqq 1+x{}+ x のように、関数を接線(1次式)で近似する近似式を扱います。この章の凹凸を知っていると、近似した値が本当の値より大きいか小さいかまでわかります。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

関数 f(x)f(x)=x2{}= x^2 と区間 11≦x{}\leqq x≦3{}\leqq 3 について、平均値の定理の式を満たす cc の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

9−13−1\dfrac{9 - 1}{3 - 1}=4{}= 4=2c{}= 2c より c=2‾\underline{c = 2}

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問2

xx>0{}> 0 で定義された関数 yy=x{}= x−log⁡x{}- \log x の極値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y′y'=1{}= 1−1x{}- \dfrac{1}{x}=x−1x{}= \dfrac{x - 1}{x} で、xx=1{}= 1 の前後で −- から ++ に変わるので x=1 で極小値 1‾\underline{x = 1\ \text{で極小値}\ 1}

自己採点:
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問3

yy=ex{}= e^x+e−x{}+ e^{-x} の第2次導関数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y′y'=ex{}= e^x−e−x{}- e^{-x},y′′=ex‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.9657em}y'' = e^x}+e−x‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.9657em}{}+ e^{-x}}(つねに正なので、グラフはつねに下に凸)

自己採点:
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問4

曲線 yy=x3{}= x^3−3x2{}- 3x^2 の変曲点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y′′y''=6x{}= 6x−6{}- 6 は xx=1{}= 1 の前後で符号が変わるので (1, −2)‾\underline{(1,\ -2)}

自己採点:
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問5

曲線 yy=2x+1x−1{}= \dfrac{2x + 1}{x - 1} の漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=2{}= 2+3x−1{}+ \dfrac{3}{x - 1} なので x=1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} y=2‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 2}

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

関数 f(x)f(x)=x{}= \sqrt{x} と区間 11≦x{}\leqq x≦4{}\leqq 4 について、平均値の定理の式を満たす cc の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

cc=94{}= \dfrac{9}{4}

解説

線分の傾きは

f(4)−f(1)4−1\displaystyle \frac{f(4) - f(1)}{4 - 1}=2−13\displaystyle {}= \frac{2 - 1}{3}=13\displaystyle {}= \frac{1}{3}

f′(x)f'(x)=12x{}= \dfrac{1}{2\sqrt{x}} なので、12c\dfrac{1}{2\sqrt{c}}=13{}= \dfrac{1}{3} より c\sqrt{c}=32{}= \dfrac{3}{2},

c\displaystyle c=94‾\displaystyle {}= \underline{\frac{9}{4}}

(11<94{}< \dfrac{9}{4}<4{}< 4 で、確かに区間の内側にあります。)

自己採点:
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問2 ★

関数 yy=xex{}= xe^x の極値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=−1{}= -1 で極小値 −1e-\dfrac{1}{e}(極大値はない)

解説

積の微分法より y′y'=ex{}= e^x+xex{}+ xe^x=(x+1)ex{}= (x + 1)e^x です。exe^x>0{}> 0 なので、符号は xx+1{}+ 1 で決まります。

xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots
y′y'−-00++
yy↘\searrow極小 −1e-\dfrac{1}{e}↗\nearrow
x=−1 で極小値‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = -1\ \text{で極小値}} −1e‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}\ -\frac{1}{e}}
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問3 ★

関数 yy=xx2+1{}= \dfrac{x}{x^2 + 1} の極値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=1{}= 1 で極大値 12\dfrac{1}{2},xx=−1{}= -1 で極小値 −12-\dfrac{1}{2}

解説

商の微分法より

y′\displaystyle y'=1⋅(x2+1)−x⋅2x(x2+1)2\displaystyle {}= \frac{1 \cdot (x^2 + 1) - x \cdot 2x}{(x^2 + 1)^2}=1−x2(x2+1)2\displaystyle {}= \frac{1 - x^2}{(x^2 + 1)^2}=−(x+1)(x−1)(x2+1)2\displaystyle {}= -\frac{(x + 1)(x - 1)}{(x^2 + 1)^2}

分母は正なので、符号は 11−x2{}- x^2 で決まります。

xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots11⋯\cdots
y′y'−-00++00−-
yy↘\searrow極小 −12-\dfrac{1}{2}↗\nearrow極大 12\dfrac{1}{2}↘\searrow
x=1 で極大値 12,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 1\ \text{で極大値}\ \frac{1}{2},}x=−1 で極小値‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\quad x = -1\ \text{で極小値}} −12‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}\ -\frac{1}{2}}
自己採点:
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問4 ★

00≦x{}\leqq x≦π{}\leqq \pi における関数 yy=x{}= x+2cos⁡x{}+ 2\cos x の最大値と最小値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=π6{}= \dfrac{\pi}{6} で最大値 π6\dfrac{\pi}{6}+3{}+ \sqrt{3},xx=56π{}= \dfrac{5}{6}\pi で最小値 56π\dfrac{5}{6}\pi−3{}- \sqrt{3}

解説

y′y'=1{}= 1−2sin⁡x{}- 2\sin x です。y′y'=0{}= 0 とすると sin⁡x\sin x=12{}= \dfrac{1}{2},00≦x{}\leqq x≦π{}\leqq \pi では xx=π6,{}= \dfrac{\pi}{6}, 56π\ \dfrac{5}{6}\pi です。

増減表は xx=56π{}= \dfrac{5}{6}\pi で2つに分けて書きます。

xx00⋯\cdotsπ6\dfrac{\pi}{6}⋯\cdots56π\dfrac{5}{6}\pi
y′y'++00−-00
yy22↗\nearrowπ6+3\dfrac{\pi}{6} + \sqrt{3}↘\searrow56π−3\dfrac{5}{6}\pi - \sqrt{3}
xx56π\dfrac{5}{6}\pi⋯\cdotsπ\pi
y′y'00++
yy56π−3\dfrac{5}{6}\pi - \sqrt{3}↗\nearrowπ−2\pi - 2

両端と比べます。π6\dfrac{\pi}{6}+3{}+ \sqrt{3}=2.25⋯{}= 2.25\cdots>2{}> 2,56π\dfrac{5}{6}\pi−3{}- \sqrt{3}=0.88⋯{}= 0.88\cdots<π{}< \pi−2{}- 2=1.14⋯{}= 1.14\cdots なので

x=π6 で最大値 π6‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = \frac{\pi}{6}\ \text{で最大値}\ \frac{\pi}{6}}+3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ \sqrt{3},}x=56π で最小値 56π‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\quad x = \frac{5}{6}\pi\ \text{で最小値}\ \frac{5}{6}\pi}−3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- \sqrt{3}}
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問5 ★

曲線 yy=x4{}= x^4−6x2{}- 6x^2 の凹凸を調べ、変曲点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx<−1{}< -1,11<x{}< x で下に凸、−1-1<x{}< x<1{}< 1 で上に凸。変曲点 (−1, −5)(-1,\ -5),(1, −5)(1,\ -5)

解説

y′y'=4x3{}= 4x^3−12x{}- 12x,y′′y''=12x2{}= 12x^2−12{}- 12=12(x+1)(x−1){}= 12(x + 1)(x - 1) です。

xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots11⋯\cdots
y′′y''++00−-00++
凹凸下に凸変曲点上に凸変曲点下に凸

xx=±1{}= \pm 1 のとき yy=1{}= 1−6{}- 6=−5{}= -5 なので、変曲点は (−1, −5),‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(-1,\ -5),} (1, −5)‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (1,\ -5)} です。

(yy は偶関数なので、グラフは yy 軸について対称で、変曲点も左右対称に現れます。)

自己採点:
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問6 ★

曲線 yy=log⁡(x2+1){}= \log(x^2 + 1) の凹凸を調べ、変曲点の座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−1-1<x{}< x<1{}< 1 で下に凸、xx<−1{}< -1,11<x{}< x で上に凸。変曲点 (−1, log⁡2)(-1,\ \log 2),(1, log⁡2)(1,\ \log 2)

解説

y′y'=2xx2+1{}= \dfrac{2x}{x^2 + 1} で、商の微分法より

y′′\displaystyle y''=2(x2+1)−2x⋅2x(x2+1)2\displaystyle {}= \frac{2(x^2 + 1) - 2x \cdot 2x}{(x^2 + 1)^2}=2(1−x2)(x2+1)2\displaystyle {}= \frac{2(1 - x^2)}{(x^2 + 1)^2}

分母は正なので、符号は 11−x2{}- x^2 で決まります。

xx⋯\cdots−1-1⋯\cdots11⋯\cdots
y′′y''−-00++00−-
凹凸上に凸変曲点下に凸変曲点上に凸

xx=±1{}= \pm 1 のとき yy=log⁡2{}= \log 2 なので、変曲点は (−1, log⁡2),‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}(-1,\ \log 2),} (1, log⁡2)‾\underline{\rule[-0.25em]{0em}{1.0000em}\ (1,\ \log 2)} です。

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問7 ★

曲線 yy=x2+x+1x{}= \dfrac{x^2 + x + 1}{x} の漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=0{}= 0,yy=x{}= x+1{}+ 1

解説

割り算をすると

y\displaystyle y=x\displaystyle {}= x+1\displaystyle {}+ 1+1x\displaystyle {}+ \frac{1}{x}

lim⁡x→+0y\displaystyle \lim_{x \to +0}y=∞\displaystyle {}= \infty,lim⁡x→−0y\displaystyle \lim_{x \to -0}y=−∞\displaystyle {}= -\infty なので、直線 xx=0{}= 0(yy 軸)は漸近線です。また、xx→±∞{}\to \pm\infty のとき yy−(x+1){}- (x + 1)=1x{}= \dfrac{1}{x}→0{}\to 0 なので、直線 yy=x{}= x+1{}+ 1 も漸近線です。

x=0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 0,}y=x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\quad y = x}+1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}+ 1}
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問8 ★

第2次導関数を用いて、00<x{}< x<2π{}< 2\pi における関数 f(x)f(x)=x{}= x−2sin⁡x{}- 2\sin x の極値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=π3{}= \dfrac{\pi}{3} で極小値 π3\dfrac{\pi}{3}−3{}- \sqrt{3},xx=53π{}= \dfrac{5}{3}\pi で極大値 53π\dfrac{5}{3}\pi+3{}+ \sqrt{3}

解説

f′(x)f'(x)=1{}= 1−2cos⁡x{}- 2\cos x です。f′(x)f'(x)=0{}= 0 とすると cos⁡x\cos x=12{}= \dfrac{1}{2},00<x{}< x<2π{}< 2\pi では xx=π3,{}= \dfrac{\pi}{3}, 53π\ \dfrac{5}{3}\pi です。f′′(x)f''(x)=2sin⁡x{}= 2\sin x なので

  • f′′(π3)f''\left(\dfrac{\pi}{3}\right)=3{}= \sqrt{3}>0{}> 0 より、xx=π3{}= \dfrac{\pi}{3} で極小値 π3\dfrac{\pi}{3}−2⋅32{}- 2 \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2}=π3{}= \dfrac{\pi}{3}−3{}- \sqrt{3}
  • f′′(53π)f''\left(\dfrac{5}{3}\pi\right)=−3{}= -\sqrt{3}<0{}< 0 より、xx=53π{}= \dfrac{5}{3}\pi で極大値 53π\dfrac{5}{3}\pi−2⋅(−32){}- 2 \cdot \left(-\dfrac{\sqrt{3}}{2}\right)=53π{}= \dfrac{5}{3}\pi+3{}+ \sqrt{3}
x=π3 で極小値 π3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = \frac{\pi}{3}\ \text{で極小値}\ \frac{\pi}{3}}−3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}- \sqrt{3},}x=53π で極大値 53π‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\quad x = \frac{5}{3}\pi\ \text{で極大値}\ \frac{5}{3}\pi}+3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}+ \sqrt{3}}
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問9 ★★

aa<b{}< b のとき、不等式 ea(b−a)e^a(b - a)<eb{}< e^b−ea{}- e^a<eb(b−a){}< e^b(b - a) が成り立つことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

f(x)f(x)=ex{}= e^x に平均値の定理を使い、eb−eab−a\dfrac{e^b - e^a}{b - a}=ec{}= e^c(aa<c{}< c<b{}< b)と eae^a<ec{}< e^c<eb{}< e^b から示される。

解説

f(x)f(x)=ex{}= e^x はすべての実数で微分可能なので、区間 aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で平均値の定理を使うと

eb−eab−a\displaystyle \frac{e^b - e^a}{b - a}=ec,\displaystyle {}= e^c,a\displaystyle a<c\displaystyle {}< c<b\displaystyle {}< b

を満たす cc があります。exe^x は増加関数なので eae^a<ec{}< e^c<eb{}< e^b で

ea\displaystyle e^a<eb−eab−a\displaystyle {}< \frac{e^b - e^a}{b - a}<eb\displaystyle {}< e^b

各辺に bb−a (>0){}- a\ (> 0) を掛けると、示すべき不等式が得られます。(証明終)

(例題1(2) と同じ型です。f′(x)f'(x) が増加関数なら、f′(c)f'(c) は両端の f′(a)f'(a) と f′(b)f'(b) ではさまれます。)

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問10 ★★

平均値の定理を用いて、極限 lim⁡x→0ex−esin⁡xx−sin⁡x\displaystyle\lim_{x \to 0}\frac{e^x - e^{\sin x}}{x - \sin x} を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

11

解説

xx≠0{}\neq 0 で xx が 00 に近いとき、sin⁡x\sin x≠x{}\neq x です(00<∣x∣{}< |x|<π2{}< \dfrac{\pi}{2} で ∣sin⁡x∣|\sin x|<∣x∣{}< |x|)。f(t)f(t)=et{}= e^t に、sin⁡x\sin x と xx を両端とする区間で平均値の定理を使うと

ex−esin⁡xx−sin⁡x\displaystyle \frac{e^x - e^{\sin x}}{x - \sin x}=ec\displaystyle {}= e^c

を満たす cc が、sin⁡x\sin x と xx の間にあります(平均値の定理の式は、2つの端を入れかえても同じ形です)。

xx→0{}\to 0 のとき sin⁡x\sin x→0{}\to 0 なので、00 に近づく2つの数ではさまれた cc も cc→0{}\to 0 となります(はさみうちの原理)。ete^t は連続なので

lim⁡x→0ex−esin⁡xx−sin⁡x\displaystyle \lim_{x \to 0}\frac{e^x - e^{\sin x}}{x - \sin x}=lim⁡x→0ec\displaystyle {}= \lim_{x \to 0}e^c=e0\displaystyle {}= e^0=1‾\displaystyle {}= \underline{1}

(分母・分子とも 00 に近づく複雑な式ですが、「ete^t の平均の傾き」と見ると一瞬で片づきます。)

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問11 ★★

xx>0{}> 0 における関数 yy=log⁡xx2{}= \dfrac{\log x}{x^2} の最大値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=e{}= \sqrt{e} で最大値 12e\dfrac{1}{2e}

解説

商の微分法より

y′\displaystyle y'=1x⋅x2−log⁡x⋅2xx4\displaystyle {}= \frac{\dfrac{1}{x} \cdot x^2 - \log x \cdot 2x}{x^4}=x(1−2log⁡x)x4\displaystyle {}= \frac{x(1 - 2\log x)}{x^4}=1−2log⁡xx3\displaystyle {}= \frac{1 - 2\log x}{x^3}

xx>0{}> 0 で x3x^3>0{}> 0 なので、符号は 11−2log⁡x{}- 2\log x で決まります。log⁡x\log x=12{}= \dfrac{1}{2} となるのは xx=e12{}= e^{\frac{1}{2}}=e{}= \sqrt{e} です。

xx(0)(0)⋯\cdotse\sqrt{e}⋯\cdots
y′y'++00−-
yy↗\nearrow極大 12e\dfrac{1}{2e}↘\searrow

xx=e{}= \sqrt{e} のとき yy=12e{}= \dfrac{\frac{1}{2}}{e}=12e{}= \dfrac{1}{2e} です。増加から減少に変わる点がここだけなので、極大値がそのまま最大値です。

x=e で最大値 12e‾\underline{x = \sqrt{e}\ \text{で最大値}\ \frac{1}{2e}}
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問12 ★★

関数 yy=x2e−x{}= x^2e^{-x} の極値を求め、曲線 yy=x2e−x{}= x^2e^{-x} の変曲点の xx 座標を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=0{}= 0 で極小値 00,xx=2{}= 2 で極大値 4e2\dfrac{4}{e^2}。変曲点の xx 座標は 22−2{}- \sqrt{2},22+2{}+ \sqrt{2}

解説

積の微分法より

y′\displaystyle y'=2xe−x\displaystyle {}= 2xe^{-x}−x2e−x\displaystyle {}- x^2e^{-x}=x(2−x)e−x\displaystyle {}= x(2 - x)e^{-x}

e−xe^{-x}>0{}> 0 なので、符号は x(2−x)x(2 - x) で決まります。xx=0{}= 0 の前後で −- から ++,xx=2{}= 2 の前後で ++ から −- に変わるので、xx=0{}= 0 で極小値 00,xx=2{}= 2 で極大値 4e−24e^{-2}=4e2{}= \dfrac{4}{e^2} です。

もう一度微分すると

y′′\displaystyle y''=(2−2x)e−x\displaystyle {}= (2 - 2x)e^{-x}−(2x−x2)e−x\displaystyle {}- (2x - x^2)e^{-x}=(x2−4x+2)e−x\displaystyle {}= (x^2 - 4x + 2)e^{-x}

x2x^2−4x{}- 4x+2{}+ 2=0{}= 0 より xx=2{}= 2±2{}\pm \sqrt{2} で、この2点の前後で y′′y'' の符号が変わります(++→−{}\to -→+{}\to +)。

x=0 で極小値 0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 0\ \text{で極小値}\ 0,}  x=2 で極大値 4e2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ \ x = 2\ \text{で極大値}\ \frac{4}{e^2},}変曲点の x 座標 2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\quad \text{変曲点の}\ x\ \text{座標}\ 2}±2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}{}\pm \sqrt{2}}

(極小の点 xx=0{}= 0 と極大の点 xx=2{}= 2 のそれぞれの外側に、変曲点が1つずつあります。)

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問13 ★★

曲線 yy=x2+1{}= \sqrt{x^2 + 1} の漸近線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

yy=x{}= x,yy=−x{}= -x

解説

yy はすべての実数で定義された連続関数なので、縦の漸近線はありません。

xx→∞{}\to \infty のとき、分子を有理化すると

x2+1\displaystyle \sqrt{x^2 + 1}−x\displaystyle {}- x=(x2+1)−x2x2+1+x\displaystyle {}= \frac{(x^2 + 1) - x^2}{\sqrt{x^2 + 1} + x}=1x2+1+x\displaystyle {}= \frac{1}{\sqrt{x^2 + 1} + x}⟶0\displaystyle {}\longrightarrow 0

なので、直線 yy=x{}= x は漸近線です。xx→−∞{}\to -\infty のときは −x-x→∞{}\to \infty なので

x2+1\displaystyle \sqrt{x^2 + 1}−(−x)\displaystyle {}- (-x)=1x2+1−x\displaystyle {}= \frac{1}{\sqrt{x^2 + 1} - x}⟶0\displaystyle {}\longrightarrow 0

となり、直線 yy=−x{}= -x も漸近線です。

y=x,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.7778em}y = x,}y=−x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.7778em}\quad y = -x}

(この曲線は双曲線 y2y^2−x2{}- x^2=1{}= 1 の yy>0{}> 0 の部分です。xx→∞{}\to \infty と xx→−∞{}\to -\infty で漸近線が違う例です。)

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問14 ★★

00<x{}< x<π2{}< \dfrac{\pi}{2} のとき、不等式 sin⁡x\sin x>2πx{}> \dfrac{2}{\pi}x が成り立つことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

g(x)g(x)=sin⁡x{}= \sin x−2πx{}- \dfrac{2}{\pi}x は g(0)g(0)=g(π2){}= g\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=0{}= 0 で、増加してから減少するので、00<x{}< x<π2{}< \dfrac{\pi}{2} で g(x)g(x)>0{}> 0 となり示される。

解説

g(x)g(x)=sin⁡x{}= \sin x−2πx{}- \dfrac{2}{\pi}x とおくと、g(0)g(0)=0{}= 0,g(π2)g\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=1{}= 1−1{}- 1=0{}= 0 です。

g′(x)\displaystyle g'(x)=cos⁡x\displaystyle {}= \cos x−2π,\displaystyle {}- \frac{2}{\pi},g′′(x)\displaystyle g''(x)=−sin⁡x\displaystyle {}= -\sin x

00<x{}< x<π2{}< \dfrac{\pi}{2} で g′′(x)g''(x)<0{}< 0 なので、g′(x)g'(x) は 00≦x{}\leqq x≦π2{}\leqq \dfrac{\pi}{2} で減少します。g′(0)g'(0)=1{}= 1−2π{}- \dfrac{2}{\pi}>0{}> 0,g′(π2)g'\left(\dfrac{\pi}{2}\right)=−2π{}= -\dfrac{2}{\pi}<0{}< 0 なので、g′(α)g'(\alpha)=0{}= 0 となる α\alpha が 00<α{}< \alpha<π2{}< \dfrac{\pi}{2} にただ1つあり

xx00⋯\cdotsα\alpha⋯\cdotsπ2\dfrac{\pi}{2}
g′(x)g'(x)++00−-
g(x)g(x)00↗\nearrow極大↘\searrow00

両端が 00 で、間は「増加してから減少」するので、00<x{}< x<π2{}< \dfrac{\pi}{2} で g(x)g(x)>0{}> 0,つまり sin⁡x\sin x>2πx{}> \dfrac{2}{\pi}x です。(証明終)

(yy=sin⁡x{}= \sin x は 00<x{}< x<π2{}< \dfrac{\pi}{2} で上に凸なので、グラフは両端 (0, 0)(0,\ 0),(π2, 1)\left(\dfrac{\pi}{2},\ 1\right) を結ぶ弦 yy=2πx{}= \dfrac{2}{\pi}x より上にある、ということを式で確かめたことになります。)

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問15 ★★

aa を定数とするとき、方程式 exe^x=ax{}= ax の異なる実数解の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

aa<0{}< 0 のとき1個、00≦a{}\leqq a<e{}< e のとき0個、aa=e{}= e のとき1個、aa>e{}> e のとき2個

解説

xx=0{}= 0 は解ではない(左辺 11,右辺 00)ので、xx≠0{}\neq 0 として両辺を xx で割ると exx\dfrac{e^x}{x}=a{}= a です。g(x)g(x)=exx{}= \dfrac{e^x}{x} とおくと

g′(x)\displaystyle g'(x)=ex⋅x−ex⋅1x2\displaystyle {}= \frac{e^x \cdot x - e^x \cdot 1}{x^2}=(x−1)exx2\displaystyle {}= \frac{(x - 1)e^x}{x^2}
xx⋯\cdots(0)(0)⋯\cdots11⋯\cdots
g′(x)g'(x)−-−-00++
g(x)g(x)↘\searrow↘\searrow極小 ee↗\nearrow

端での極限を調べます。

  • xx→−∞{}\to -\infty:exe^x→0{}\to 0,∣x∣|x|→∞{}\to \infty なので g(x)g(x)→0{}\to 0(xx<0{}< 0 で g(x)g(x)<0{}< 0 なので、下から近づく)
  • xx→−0{}\to -0:g(x)g(x)→−∞{}\to -\infty, xx→+0{}\to +0:g(x)g(x)→∞{}\to \infty
  • xx→∞{}\to \infty:公式6より xex\dfrac{x}{e^x}→+0{}\to +0 なので g(x)g(x)→∞{}\to \infty

xx<0{}< 0 では g(x)g(x) は 00 から −∞-\infty まで減少し、負の値をちょうど1回ずつとります。xx>0{}> 0 では ∞\infty から ee まで減り、また ∞\infty まで増えます。直線 yy=a{}= a との共有点を数えると

a<0 のとき 1 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}a < 0\ \text{のとき}\ 1\ \text{個},}  0≦a<e のとき 0 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ \ 0 \leqq a < e\ \text{のとき}\ 0\ \text{個},}  a=e のとき 1 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ \ a = e\ \text{のとき}\ 1\ \text{個},}  a>e のとき 2 個‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ \ a > e\ \text{のとき}\ 2\ \text{個}}

(aa=e{}= e のとき、直線 yy=ex{}= ex は曲線 yy=ex{}= e^x の点 (1, e)(1,\ e) における接線です。)

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問16 ★★

半径 11 の円に内接する、AB\mathrm{AB}=AC{}= \mathrm{AC} の二等辺三角形 ABC の面積の最大値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

334\dfrac{3\sqrt{3}}{4}(正三角形のとき)

解説

円の中心を O とし、BC の中点を M とします。二等辺三角形なので A,O,M は1直線上にあります。O を原点、A を (0, 1)(0,\ 1) とし、B(sin⁡θ, −cos⁡θ)\mathrm{B}(\sin\theta,\ -\cos\theta),C(−sin⁡θ, −cos⁡θ)\mathrm{C}(-\sin\theta,\ -\cos\theta)(00<θ{}< \theta<π{}< \pi)とおくと、底辺 BC\mathrm{BC}=2sin⁡θ{}= 2\sin\theta,高さ 11+cos⁡θ{}+ \cos\theta なので、面積は

S(θ)\displaystyle S(\theta)=12⋅2sin⁡θ⋅(1+cos⁡θ)\displaystyle {}= \frac{1}{2} \cdot 2\sin\theta \cdot (1 + \cos\theta)=sin⁡θ(1+cos⁡θ)\displaystyle {}= \sin\theta(1 + \cos\theta)

です。微分すると

S′(θ)\displaystyle S'(\theta)=cos⁡θ(1+cos⁡θ)\displaystyle {}= \cos\theta(1 + \cos\theta)−sin⁡2θ\displaystyle {}- \sin^2\theta=2cos⁡2θ\displaystyle {}= 2\cos^2\theta+cos⁡θ\displaystyle {}+ \cos\theta−1\displaystyle {}- 1=(2cos⁡θ−1)(cos⁡θ+1)\displaystyle {}= (2\cos\theta - 1)(\cos\theta + 1)

00<θ{}< \theta<π{}< \pi で cos⁡θ\cos\theta+1{}+ 1>0{}> 0 なので、符号は 2cos⁡θ2\cos\theta−1{}- 1 で決まり、θ\theta=π3{}= \dfrac{\pi}{3} の前後で ++ から −- に変わります。

θ\theta(0)(0)⋯\cdotsπ3\dfrac{\pi}{3}⋯\cdots(π)(\pi)
S′S'++00−-
SS↗\nearrow極大↘\searrow

最大値は

S(π3)\displaystyle S\left(\frac{\pi}{3}\right)=32(1+12)\displaystyle {}= \frac{\sqrt{3}}{2}\left(1 + \frac{1}{2}\right)=334‾\displaystyle {}= \underline{\frac{3\sqrt{3}}{4}}

(このとき BC\mathrm{BC}=3{}= \sqrt{3},高さ 32\dfrac{3}{2} で、三角形 ABC は正三角形です。)

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問17 ★★★

3次関数 f(x)f(x)=ax3{}= ax^3+bx2{}+ bx^2+cx{}+ cx+d{}+ d(aa≠0{}\neq 0)のグラフは、その変曲点に関して対称であることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

変曲点の xx 座標を pp=−b3a{}= -\dfrac{b}{3a} とすると f(p+h)f(p + h)−f(p){}- f(p)=ah3{}= ah^3+f′(p)h{}+ f'(p)h が hh の奇関数になることから示される。

解説

f′′(x)f''(x)=6ax{}= 6ax+2b{}+ 2b は、xx=p{}= p=−b3a{}= -\dfrac{b}{3a} で 00 になり、前後で符号が変わる(aa≠0{}\neq 0)ので、変曲点は P(p, f(p))\mathrm{P}(p,\ f(p)) です。

g(h)g(h)=f(p+h){}= f(p + h)−f(p){}- f(p) とおいて展開すると

g(h)\displaystyle g(h)=a{(p+h)3−p3}\displaystyle {}= a\{(p + h)^3 - p^3\}+b{(p+h)2−p2}\displaystyle {}+ b\{(p + h)^2 - p^2\}+ch\displaystyle {}+ ch=ah3\displaystyle {}= ah^3+(3ap+b)h2\displaystyle {}+ (3ap + b)h^2+(3ap2+2bp+c)h\displaystyle {}+ (3ap^2 + 2bp + c)h

3ap3ap+b{}+ b=0{}= 0 なので h2h^2 の項が消え、3ap23ap^2+2bp{}+ 2bp+c{}+ c=f′(p){}= f'(p) なので

g(h)\displaystyle g(h)=ah3\displaystyle {}= ah^3+f′(p)h\displaystyle {}+ f'(p)h

これは g(−h)g(-h)=−g(h){}= -g(h) を満たします。つまり f(p−h)f(p - h)−f(p){}- f(p)=−{f(p+h)−f(p)}{}= -\{f(p + h) - f(p)\} で

f(p+h)+f(p−h)2\displaystyle \frac{f(p + h) + f(p - h)}{2}=f(p)\displaystyle {}= f(p)

グラフ上の2点 (p+h, f(p+h))(p + h,\ f(p + h)),(p−h, f(p−h))(p - h,\ f(p - h)) の中点がつねに P になるので、グラフは変曲点 P に関して対称です。(証明終)

(第4章の小話で紹介した「3次関数のグラフの対称の中心 xx=−b3a{}= -\dfrac{b}{3a}」の正体は、変曲点でした。)

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問18 ★★★

aa を正の定数とするとき、2つの曲線 yy=ex{}= e^x と yy=ax2{}= ax^2 の共有点の個数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

00<a{}< a<e24{}< \dfrac{e^2}{4} のとき1個、aa=e24{}= \dfrac{e^2}{4} のとき2個、aa>e24{}> \dfrac{e^2}{4} のとき3個

解説

共有点の xx 座標は exe^x=ax2{}= ax^2 の実数解です。xx=0{}= 0 は解ではない(左辺 11,右辺 00)ので、xx≠0{}\neq 0 で exx2\dfrac{e^x}{x^2}=a{}= a と分離します。g(x)g(x)=exx2{}= \dfrac{e^x}{x^2} とおくと

g′(x)\displaystyle g'(x)=ex⋅x2−ex⋅2xx4\displaystyle {}= \frac{e^x \cdot x^2 - e^x \cdot 2x}{x^4}=(x−2)exx3\displaystyle {}= \frac{(x - 2)e^x}{x^3}

xx<0{}< 0 では xx−2{}- 2<0{}< 0,x3x^3<0{}< 0 なので g′(x)g'(x)>0{}> 0 です。

xx⋯\cdots(0)(0)⋯\cdots22⋯\cdots
g′(x)g'(x)++−-00++
g(x)g(x)↗\nearrow↘\searrow極小 e24\dfrac{e^2}{4}↗\nearrow

端での極限は

  • xx→−∞{}\to -\infty:exe^x→0{}\to 0,x2x^2→∞{}\to \infty なので g(x)g(x)→0{}\to 0
  • xx→±0{}\to \pm 0:g(x)g(x)→∞{}\to \infty
  • xx→∞{}\to \infty:公式6(x2ex\dfrac{x^2}{e^x}→0{}\to 0)より g(x)g(x)→∞{}\to \infty

xx<0{}< 0 では g(x)g(x) は 00 から ∞\infty まで増加するので、どの aa>0{}> 0 に対しても共有点がちょうど1個あります。xx>0{}> 0 では ∞\infty から極小値 e24\dfrac{e^2}{4} まで減り、また ∞\infty まで増えるので、共有点は aa<e24{}< \dfrac{e^2}{4} で0個、aa=e24{}= \dfrac{e^2}{4} で1個、aa>e24{}> \dfrac{e^2}{4} で2個です。合わせて

0<a<e24 のとき 1 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.1771em}0 < a < \frac{e^2}{4}\ \text{のとき}\ 1\ \text{個},}  a=e24 のとき 2 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.1771em}\ \ a = \frac{e^2}{4}\ \text{のとき}\ 2\ \text{個},}  a>e24 のとき 3 個‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.1771em}\ \ a > \frac{e^2}{4}\ \text{のとき}\ 3\ \text{個}}

(yy=ax2{}= ax^2 がどんなに細い放物線でも、xx>0{}> 0 の遠くでは exe^x に追い越されます。「指数関数はどんな xnx^n より速い」ことが、共有点を1つ増やしています。)

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問19 ★★★

eπe^\pi と πe\pi^e の大小を調べ、どちらが大きいかを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

eπe^\pi>πe{}> \pi^e

解説

両辺の自然対数をとると、log⁡eπ\log e^\pi=π{}= \pi,log⁡πe\log \pi^e=elog⁡π{}= e\log\pi です。両方を eπe\pi で割ると、比べるものは

log⁡ee\displaystyle \frac{\log e}{e}と\displaystyle \text{と}log⁡ππ\displaystyle \frac{\log \pi}{\pi}

になります。例題2(2) より、h(x)h(x)=log⁡xx{}= \dfrac{\log x}{x} は xx≧e{}\geqq e で減少し、xx=e{}= e で最大値 1e\dfrac{1}{e} をとります。π\pi>e{}> e なので

log⁡ππ\displaystyle \frac{\log\pi}{\pi}<log⁡ee\displaystyle {}< \frac{\log e}{e}=1e\displaystyle {}= \frac{1}{e}

両辺に eπ (>0)e\pi\ (> 0) を掛けると elog⁡πe\log\pi<π{}< \pi,つまり log⁡πe\log\pi^e<log⁡eπ{}< \log e^\pi です。log⁡\log は増加関数なので

eπ>πe‾\underline{e^\pi > \pi^e}

(実際の値は eπe^\pi=23.14⋯{}= 23.14\cdots,πe\pi^e=22.45⋯{}= 22.45\cdots です。「log⁡xx\dfrac{\log x}{x} の最大値は xx=e{}= e」の1つの事実から、ee より大きい2数 aa<b{}< b について aba^b>ba{}> b^a がいえます。たとえば 343^4=81{}= 81>43{}> 4^3=64{}= 64 です。)

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問20 ★★★

(1) 関数 f(x)f(x) はすべての実数 xx で f′′(x)f''(x)>0{}> 0 を満たすとする。任意の実数 mm について、すべての実数 xx で f(x)f(x)≧f(m){}\geqq f(m)+f′(m)(x−m){}+ f'(m)(x - m) が成り立つことを示しなさい。

(2) (1) を用いて、任意の実数 aa,bb について、不等式 ea+eb2\dfrac{e^a + e^b}{2}≧ea+b2{}\geqq e^{\frac{a + b}{2}} が成り立つことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) g(x)g(x)=f(x){}= f(x)−f(m){}- f(m)−f′(m)(x−m){}- f'(m)(x - m) が xx=m{}= m で最小値 00 をとることから示される。(2) f(x)f(x)=ex{}= e^x,mm=a+b2{}= \dfrac{a + b}{2} として、xx=a{}= a,bb の式を足すと示される(等号は aa=b{}= b)。

解説

(1) g(x)g(x)=f(x){}= f(x)−f(m){}- f(m)−f′(m)(x−m){}- f'(m)(x - m) とおくと、g(m)g(m)=0{}= 0 で

g′(x)\displaystyle g'(x)=f′(x)\displaystyle {}= f'(x)−f′(m)\displaystyle {}- f'(m)

f′′(x)f''(x)>0{}> 0 なので f′(x)f'(x) は増加関数です。よって、xx<m{}< m で f′(x)f'(x)<f′(m){}< f'(m),xx>m{}> m で f′(x)f'(x)>f′(m){}> f'(m) となり、g′(x)g'(x) は xx=m{}= m の前後で −- から ++ に変わります。g(x)g(x) は xx=m{}= m で最小値 g(m)g(m)=0{}= 0 をとるので、すべての xx で g(x)g(x)≧0{}\geqq 0 です。(証明終)

(2) f(x)f(x)=ex{}= e^x は f′′(x)f''(x)=ex{}= e^x>0{}> 0 を満たします。mm=a+b2{}= \dfrac{a + b}{2} として、(1) の不等式に xx=a{}= a,xx=b{}= b を代入すると

ea\displaystyle e^a≧em\displaystyle {}\geqq e^m+em(a−m),\displaystyle {}+ e^m(a - m),eb\displaystyle e^b≧em\displaystyle {}\geqq e^m+em(b−m)\displaystyle {}+ e^m(b - m)

辺々を足すと、(a−m)(a - m)+(b−m){}+ (b - m)=a{}= a+b{}+ b−2m{}- 2m=0{}= 0 なので

ea\displaystyle e^a+eb\displaystyle {}+ e^b≧2em\displaystyle {}\geqq 2e^mつまり\displaystyle \text{つまり}ea+eb2\displaystyle \frac{e^a + e^b}{2}≧ea+b2\displaystyle {}\geqq e^{\frac{a + b}{2}}

です。等号は aa=b{}= b(=m= m)のときに成り立ちます。(証明終)

((1) は「下に凸なグラフは接線より上にある」ことの証明です。(2) で pp=ea{}= e^a,qq=eb{}= e^b とおくと ea+b2e^{\frac{a + b}{2}}=pq{}= \sqrt{pq} なので、相加平均と相乗平均の不等式 p+q2\dfrac{p + q}{2}≧pq{}\geqq \sqrt{pq} になります。)

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数学小話コーナー

ロピタルの定理は誰のもの?

大学で微分を学ぶと、すぐに「ロピタルの定理」に出会います。00\dfrac{0}{0} や ∞∞\dfrac{\infty}{\infty} の形の極限は、分母と分子をそれぞれ微分した lim⁡f′(x)g′(x)\displaystyle\lim\frac{f'(x)}{g'(x)} で求めてよい、という便利な定理です。たとえば公式6の lim⁡x→∞xex\displaystyle\lim_{x \to \infty}\frac{x}{e^x} なら、上下を微分して 1ex\dfrac{1}{e^x}→0{}\to 0 と、一瞬で答えが出ます。

名前の由来は、フランスの貴族ロピタル侯爵です。1696年に出版した『曲線の理解のための無限小解析』は、微分を系統立てて説明した世界で最初の教科書とされ、この定理もそこに載っています。

ところが、定理を見つけたのはロピタル本人ではありませんでした。ロピタルは若い数学者ヨハン・ベルヌーイ(第11章の小話のヤコブの弟)から個人授業を受けていて、1694年には「年に 300 リーブルを払うので、新しい発見を自分に知らせてほしい。ほかの人には教えないでほしい」という内容の手紙を送っています。ロピタルの死後、ベルヌーイは「あの本の中身は自分の講義だ」と主張しましたが、なかなか信じてもらえませんでした。20世紀になって、スイスのバーゼルでベルヌーイの講義ノートの写しが見つかり、本の多くがそのノートに沿っていることが確かめられました。

ロピタルの名誉のために言えば、彼は本の序文で、ベルヌーイ兄弟とライプニッツの恩恵を受けたことを書いています。また、講義をわかりやすい1冊の本にまとめ上げたのは、ロピタルの大きな功績です。

豆知識

ロピタルの定理は高校の教科書には載っていません。使える条件を確かめるのが意外に難しいため、答案では本文の方法(はさみうち・微分係数の定義・平均値の定理など)で書き、ロピタルの定理は答えの確かめに使う程度にしておくのが安心だ、とよく言われます。

高速道路のカーブに隠れた曲線 — クロソイド

高速道路を走っていると、ハンドルを少しずつ切りながら、なめらかにカーブへ入っていけます。もし道路が「まっすぐな道」から「円の形のカーブ」へいきなりつながっていたら、つなぎ目で急にハンドルを切らなければならず、とても危険です。

そこで、直線と円のカーブの間には、クロソイドという曲線がはさまれています。クロソイドは「進んだ道のりに比例して、曲がり具合(曲率)が大きくなる」曲線です。一定の速さで走りながら、ハンドルを一定の速さで回していくと、車はちょうどクロソイドを描きます。運転する人は、ハンドルをゆっくり一定に回すだけで、自然にカーブへ入れるのです。日本の高速道路では、直線と円の間をつなぐ「緩和曲線」として、多くの場所でクロソイドが使われています。

本文で、S字カーブのハンドルの切りかえの瞬間が変曲点だとたとえました。S字カーブも、2つのクロソイドを、曲がり具合が 00 になる点どうしでつないで作られます。そのつなぎ目では、ハンドルがちょうどまっすぐで、曲がる向きが左から右へ入れかわります。これが、道路の上の変曲点です。

豆知識

ジェットコースターの縦の宙返りも、真円ではなく、上がすぼまった涙のしずくのような形をしていることが多く、クロソイドに近い曲線が使われているといわれます。真円のループだと、入り口で急に強い力がかかってしまうからです。

夢で見た証明 — 相加平均と相乗平均

正の数 a1,a_1, a2,\ a_2, …,\ \ldots, an\ a_n について

a1+a2+⋯+ann\displaystyle \frac{a_1 + a_2 + \cdots + a_n}{n}≧a1a2⋯ann\displaystyle {}\geqq \sqrt[n]{a_1a_2\cdots a_n}

が成り立ちます。数学Iで2つの数の場合を学んだ「相加平均 ≧ 相乗平均」の nn 個版です。この不等式にはたくさんの証明がありますが、ハンガリー出身の数学者ジョージ・ポリアが紹介した証明は、とびきり短いことで知られています。

使うのは、第11章 j20 の不等式 exe^x≧1{}\geqq 1+x{}+ x だけです。xx を xx−1{}- 1 に置きかえると ex−1e^{x - 1}≧x{}\geqq x となります。左辺の相加平均を AA として、xx=akA{}= \dfrac{a_k}{A}(kk=1,{}= 1, 2,\ 2, …,\ \ldots, n\ n)を代入した nn 個の不等式を、辺々掛け合わせます。すべて両辺が正なので、掛けても向きは変わりません。

ea1A−1⋅ea2A−1⋯eanA−1\displaystyle e^{\frac{a_1}{A} - 1} \cdot e^{\frac{a_2}{A} - 1} \cdots e^{\frac{a_n}{A} - 1}≧a1a2⋯anAn\displaystyle {}\geqq \frac{a_1a_2\cdots a_n}{A^n}

左辺の指数を足すと a1+⋯+anA\dfrac{a_1 + \cdots + a_n}{A}−n{}- n=n{}= n−n{}- n=0{}= 0 なので、左辺は e0e^0=1{}= 1 です。よって AnA^n≧a1a2⋯an{}\geqq a_1a_2\cdots a_n となり、証明が終わります。

ポリアは、この証明を夢の中で思いついたと語り、「私が夢で見た中で最高の数学」と呼んだと伝えられています。exe^x のグラフが接線 yy=x{}= x+1{}+ 1 より上にある、つまり下に凸だという1つの事実から、nn 個の数の不等式が一気に出てくるのです。

豆知識

実践 j20 の (2) は、この不等式の nn=2{}= 2 の場合を、凹凸から証明したものです。一般に、下に凸な関数 ff について「平均の値 ≦ 値の平均」、つまり f(x1+⋯+xnn)f\left(\dfrac{x_1 + \cdots + x_n}{n}\right)≦f(x1)+⋯+f(xn)n{}\leqq \dfrac{f(x_1) + \cdots + f(x_n)}{n} が成り立ちます。これをイェンセンの不等式といい、1906年にデンマークのイェンセンが発表しました。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、本文の公式を正しく使えれば十分です。ここでは、第4章の厳密定義で証明を省いた平均値の定理をきちんと証明し、本文で「わけ」をざっくり説明した凹凸と極値の判定を、定義から確かめます。

定理1:ロルの定理

関数 f(x)f(x) が aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で連続、aa<x{}< x<b{}< b で微分可能で、f(a)f(a)=f(b){}= f(b) ならば、f′(c)f'(c)=0{}= 0,aa<c{}< c<b{}< b を満たす cc が存在する。

証明 f(x)f(x) が定数関数なら、区間内のどの cc でもよい。

定数関数でないとき、区間内に f(x)f(x)≠f(a){}\neq f(a) となる xx がある。f(x)f(x)>f(a){}> f(a) となる xx があるとする(f(x)f(x)<f(a){}< f(a) の場合は、以下の「最大値」を「最小値」に読みかえればよい)。第5章 厳密定義の定理1(最大値・最小値の定理)より、f(x)f(x) は aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で最大値をとる。その最大値は f(a)f(a)=f(b){}= f(b) より大きいので、最大値をとる点 cc は端点ではなく、aa<c{}< c<b{}< b にある。

cc は区間の内側にあり、その近くでは f(x)f(x)≦f(c){}\leqq f(c) なので、f(c)f(c) は極大値でもある。ff は cc で微分可能なので、第4章 厳密定義の定理(極値をとる点では f′f'=0{}= 0)より f′(c)f'(c)=0{}= 0 である。(証明終)

ロルの定理を「傾いた」形にしたものが、平均値の定理です。

定理2:平均値の定理

関数 f(x)f(x) が aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で連続、aa<x{}< x<b{}< b で微分可能ならば、

f(b)−f(a)b−a\displaystyle \frac{f(b) - f(a)}{b - a}=f′(c),\displaystyle {}= f'(c),a\displaystyle a<c\displaystyle {}< c<b\displaystyle {}< b

を満たす cc が存在する。

証明 kk=f(b)−f(a)b−a{}= \dfrac{f(b) - f(a)}{b - a} とし、グラフと弦 AB の縦方向の差

g(x)\displaystyle g(x)=f(x)\displaystyle {}= f(x)−{f(a)+k(x−a)}\displaystyle {}- \{f(a) + k(x - a)\}

を考える。g(x)g(x) は aa≦x{}\leqq x≦b{}\leqq b で連続、aa<x{}< x<b{}< b で微分可能で、g(a)g(a)=0{}= 0,g(b)g(b)=f(b){}= f(b)−f(a){}- f(a)−k(b−a){}- k(b - a)=0{}= 0 である。定理1より g′(c)g'(c)=0{}= 0,aa<c{}< c<b{}< b となる cc があり、g′(x)g'(x)=f′(x){}= f'(x)−k{}- k なので f′(c)f'(c)=k{}= k である。(証明終)

これで、第4章の「f′f'>0{}> 0 ⇒ 増加」,第2章・第7章の「f′f'=0{}= 0 ⇒ 定数」など、これまで平均値の定理に頼ってきた定理が、すべて最大値・最小値の定理(実数の連続性)の上に乗りました。

定義1:下に凸・上に凸

関数 f(x)f(x) が区間 II で下に凸であるとは、II 内の任意の x1x_1<x2{}< x_2 と、00<t{}< t<1{}< 1 を満たす任意の tt について

f((1−t)x1+tx2)\displaystyle f\bigl((1 - t)x_1 + tx_2\bigr)≦(1−t)f(x1)\displaystyle {}\leqq (1 - t)f(x_1)+tf(x2)\displaystyle {}+ tf(x_2)

が成り立つことである。不等号の向きが逆のとき、上に凸という。

(1−t)x1(1 - t)x_1+tx2{}+ tx_2 は x1x_1 と x2x_2 の間の点で、右辺はその点での弦(2点 (x1, f(x1))(x_1,\ f(x_1)),(x2, f(x2))(x_2,\ f(x_2)) を結ぶ線分)の高さです。つまり、定義1は「グラフが弦より上に出ない」ことを表しています。この定義は微分を使わないので、yy=∣x∣{}= |x| のように微分できない点がある関数も、下に凸な関数に含まれます。

定理3:f'' > 0 ならば、接線の上・弦の下

区間 II で f′′(x)f''(x)>0{}> 0 ならば、次の2つが成り立つ。

(i) II 内の任意の aa と xx≠a{}\neq a について f(x)f(x)>f(a){}> f(a)+f′(a)(x−a){}+ f'(a)(x - a)(グラフは接線より上)

(ii) f(x)f(x) は II で下に凸である(グラフは弦より下)

証明 (i) 平均値の定理より、f(x)f(x)−f(a){}- f(a)=f′(c)(x−a){}= f'(c)(x - a) となる cc が aa と xx の間にある。f′′(x)f''(x)>0{}> 0 より f′f' は増加関数なので、xx>a{}> a なら cc>a{}> a で f′(c)f'(c)>f′(a){}> f'(a),xx<a{}< a なら cc<a{}< a で f′(c)f'(c)<f′(a){}< f'(a) である。どちらの場合も {f′(c)−f′(a)}(x−a)\{f'(c) - f'(a)\}(x - a)>0{}> 0 なので、f(x)f(x)−f(a){}- f(a)>f′(a)(x−a){}> f'(a)(x - a) である。

(ii) x0x_0=(1−t)x1{}= (1 - t)x_1+tx2{}+ tx_2 とおく。(i) を aa=x0{}= x_0 として xx=x1{}= x_1,xx=x2{}= x_2 に使うと

f(x1)\displaystyle f(x_1)>f(x0)\displaystyle {}> f(x_0)+f′(x0)(x1−x0),\displaystyle {}+ f'(x_0)(x_1 - x_0),f(x2)\displaystyle f(x_2)>f(x0)\displaystyle {}> f(x_0)+f′(x0)(x2−x0)\displaystyle {}+ f'(x_0)(x_2 - x_0)

それぞれに 11−t{}- t,tt(どちらも正)を掛けて足すと、(1−t)(x1−x0)(1 - t)(x_1 - x_0)+t(x2−x0){}+ t(x_2 - x_0)=(1−t)x1{}= (1 - t)x_1+tx2{}+ tx_2−x0{}- x_0=0{}= 0 なので

(1−t)f(x1)\displaystyle (1 - t)f(x_1)+tf(x2)\displaystyle {}+ tf(x_2)>f(x0)\displaystyle {}> f(x_0)

となり、定義1の不等式(等号なし)が成り立つ。(証明終)

f′′(x)f''(x)>0{}> 0 は下に凸であるための十分条件で、必要条件ではありません。yy=x4{}= x^4 は xx=0{}= 0 で y′′y''=0{}= 0 ですが、グラフは弦より上に出ることがなく、下に凸です。本文の「f′′f''>0{}> 0 なら下に凸」は、定理3の (ii) のことです。

定義2:変曲点

曲線 yy=f(x){}= f(x) 上の点 P(a, f(a))\mathrm{P}(a,\ f(a)) について、aa を境に、一方の側では下に凸、他方の側では上に凸になっているとき、P を曲線の変曲点という。

f′′(x)f''(x) が xx=a{}= a の近くで連続なら、変曲点では f′′(a)f''(a)=0{}= 0 です(f′′(a)f''(a)>0{}> 0 なら、連続性から aa の近くの両側で f′′f''>0{}> 0 となり、凹凸が入れかわらないため)。しかし、次の2つの例が示すように、「f′′(a)f''(a)=0{}= 0」と「変曲点」は同じではありません。

定理4:第2次導関数による極値の判定

f′(a)f'(a)=0{}= 0 で、f′′(a)f''(a) が存在して f′′(a)f''(a)>0{}> 0 ならば、f(a)f(a) は極小値である。f′′(a)f''(a)<0{}< 0 ならば極大値である。

証明 f′′(a)f''(a)>0{}> 0 の場合を示す。f′(a)f'(a)=0{}= 0 なので

f′′(a)\displaystyle f''(a)=lim⁡x→af′(x)−f′(a)x−a\displaystyle {}= \lim_{x \to a}\frac{f'(x) - f'(a)}{x - a}=lim⁡x→af′(x)x−a\displaystyle {}= \lim_{x \to a}\frac{f'(x)}{x - a}>0\displaystyle {}> 0

極限が正なので、aa に十分近い xx(xx≠a{}\neq a)では f′(x)x−a\dfrac{f'(x)}{x - a}>0{}> 0,つまり f′(x)f'(x) は xx−a{}- a と同じ符号をもつ。よって、aa の少し左で f′(x)f'(x)<0{}< 0,少し右で f′(x)f'(x)>0{}> 0 となり、f(x)f(x) は aa の左で減少、右で増加する(第4章 厳密定義の「f′f'>0{}> 0 ⇒ 増加」)。したがって f(a)f(a) は極小値である。f′′(a)f''(a)<0{}< 0 の場合も同様。(証明終)

この証明では、f′′f'' が aa の近くで連続であることさえ使っていません。使ったのは「f′′(a)f''(a) が存在して正」ということだけです。本文の「わけ」では「aa の近くで下に凸だから」と説明しましたが、実はそこまで強い条件は要らないのです。

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