目次 / 図形の性質 / 数学A

第7章 空間図形

—— 平面の見方を、1 つ上の次元へ持ち上げる ——

第6章までは、すべて 1 枚の平面の上で考えてきました。この章では舞台を空間に移します。まず、空間の 2 直線・直線と平面・2 平面がどんな位置関係をとるか、そのとき「なす角」「垂直」をどう決めるかを整理し、空間の垂直を平面の問題に落とし込む三垂線の定理を学びます。後半は多面体です。どんな凸多面体でも頂点・辺・面の数のあいだに成り立つオイラーの多面体定理を使い、正多面体が 5 種類しかない理由を確かめます。第6章 j18 で作図した正五角形も、正十二面体の面として登場します。これで図形の性質の分野は完結です。

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空間で使う記号

この章では、直方体・立方体を ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH と書きます。面 ABCDABCD と面 EFGHEFGH が向かい合い、AEAE,BFBF,CGCG,DHDH が平行な辺です(図では ABCDABCD が底面、EE が AA の真上)。平面は α\alpha,β\beta のようにギリシャ文字で表し、直線 ℓ\ell と平面 α\alpha が垂直であることを ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha と書きます。

平面は、次のどれか 1 つが与えられると 1 つに決まります。

カメラの三脚は、脚の先が一直線に並ばない 3 点なので、どんな床でもがたつきません。脚が 4 本の椅子がときどきがたつくのは、4 つ目の脚の先が、ほかの 3 本で決まる平面の上にあるとは限らないからです。

2 直線の位置関係となす角

平面では、2 本の直線は「交わる」か「平行」のどちらかでした。空間には、もう 1 つの場合があります。

A B C D E F G H (1) 交わる A B C D E F G H (2) 平行 A B C D E F G H (3) ねじれの位置 (1)(2) は同じ平面(橙)の上。(3) はどの平面にものらない
公式1:2 直線の位置関係となす角

(1) 空間の 2 直線 ℓ\ell,mm の位置関係は、次の 3 つのどれかである。

  • 1 点で交わる
  • 平行(同じ平面上にあって交わらない)
  • ねじれの位置(同じ平面上にない)

はじめの 2 つのときは、ℓ\ell と mm は同じ平面上にある。

(2) 1 点 OO を通り、ℓ\ell,mm に平行な直線 ℓ′\ell',m′m' を引く。ℓ′\ell' と m′m' が作る角のうち大きくないほう θ\theta を、ℓ\ell と mm のなす角という(0∘0^\circ≦θ{}\leqq \theta≦90∘{}\leqq 90^\circ。平行なら 0∘0^\circ)。θ\theta は点 OO のとり方によらない。θ\theta=90∘{}= 90^\circ のとき、ℓ\ell と mm は垂直であるといい、ℓ\ell⊥m{}\perp m と書く。

ねじれの位置にある 2 直線は、交わらないのに平行でもありません。平面の感覚では「交わらない=平行」だったので、ここがいちばんの違いです。

なす角を求めるときは、片方の直線を平行移動して、もう片方と交わるようにします。OO をどちらかの直線の上にとると計算が楽です。交わっていなくても「垂直」と言うことにも注意しましょう。立方体では、辺 ABAB と辺 CGCG はねじれの位置にありますが、CGCG を平行移動すると BFBF になり、ABAB⊥BF{}\perp BF なので ABAB⊥CG{}\perp CG です。

もう 1 つ、空間では「ℓ\ell⊥m{}\perp m かつ mm⊥n{}\perp n ならば ℓ\ell∥n{}\parallel n」が成り立ちません。立方体で ABAB⊥AE{}\perp AE,AEAE⊥AD{}\perp AD ですが、ABAB と ADAD は平行ではなく垂直です。平行のほうは、空間でも「ℓ\ell∥m{}\parallel m かつ mm∥n{}\parallel n ならば ℓ\ell∥n{}\parallel n」が成り立ちます。

高速道路の高架と、その下を通る一般道を思い浮かべてください。2 本の道は決して交わりませんが、向きが違うので平行でもありません。これがねじれの位置です。「2 本の道はどれくらいの角度ですれ違っているか」は、高架の道を真下の地面へそのまま下ろして(平行移動して)、一般道と交わらせてから測ります。

空間の 2 直線には「交わる・平行」に加えて「ねじれ」があり、なす角は片方を平行移動して交わらせてから測るということです。

例題1:直方体の辺と対角線のなす角

ABAB=3{}= \sqrt{3},ADAD=AE{}= AE=1{}= 1 の直方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH があります。

(1) 直線 AEAE とねじれの位置にある辺をすべて求めなさい。

(2) 2 直線 ABAB,DGDG のなす角を求めなさい。

(3) 2 直線 AEAE,CHCH のなす角を求めなさい。

30° A B C D E F G H √3 1 1 例題1:DG(点線)を平行移動すると AF。なす角は ∠BAF

【解答】

(1) 12 本の辺を分けます。AEAE と平行なのは BFBF,CGCG,DHDH、AEAE と交わるのは ABAB,ADAD,EFEF,EHEH です。残りの

BC,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}BC,} CD,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ CD,} FG,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ FG,} GH‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ GH}

の 4 本が、AEAE と同じ平面上にない、つまりねじれの位置にある辺です。

(2) 四角形 ADGFADGF は、ADAD∥FG{}\parallel FG かつ ADAD=FG{}= FG なので平行四辺形で、DGDG∥AF{}\parallel AF です。よって、求める角は ABAB と AFAF のなす角 ∠BAF\angle BAF です。直角三角形 ABFABF で

tan⁡∠BAF\displaystyle \tan \angle BAF=BFAB\displaystyle {}= \frac{BF}{AB}=13\displaystyle {}= \frac{1}{\sqrt{3}}⟹∠BAF\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \angle BAF=30∘‾\displaystyle {}= \underline{30^\circ}

(3) 四角形 BCHEBCHE は、BCBC∥EH{}\parallel EH かつ BCBC=EH{}= EH なので平行四辺形で、CHCH∥BE{}\parallel BE です。求める角は AEAE と BEBE のなす角 ∠AEB\angle AEB で、直角三角形 ABEABE で

tan⁡∠AEB\displaystyle \tan \angle AEB=ABAE\displaystyle {}= \frac{AB}{AE}=3\displaystyle {}= \sqrt{3}⟹∠AEB\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \angle AEB=60∘‾\displaystyle {}= \underline{60^\circ}

(2)(3) のどちらも、平行四辺形を見つけて、対角線を辺の近くへ平行移動しています。直方体の問題では、この平行移動がいちばんよく使われます。

直線と平面・平面と平面

直線と平面、平面と平面の位置関係も、共有点の数で分けます。

α ℓ (1) ℓ は α に含まれる α ℓ (2) 1 点で交わる α ℓ (3) 平行 (2) の点線は、平面 α の下(向こう側)にある部分
α β (1) 平行 α β 交線 (2) 交わる ℓ O θ α β (3) なす角 θ (3) 交線上の点 O で交線に垂直な 2 本の線が作る角
公式2:直線と平面・2 平面の位置関係

(1) 直線 ℓ\ell と平面 α\alpha の位置関係は、次の 3 つのどれかである。

  • ℓ\ell は α\alpha に含まれる(共有点が無数)
  • 1 点で交わる
  • 平行(共有点がない)。ℓ\ell∥α{}\parallel \alpha と書く。

(2) 異なる 2 平面 α\alpha,β\beta の位置関係は、次の 2 つのどちらかである。

  • 交わる。共有点の全体は 1 本の直線で、これを交線という。
  • 平行(共有点がない)。α\alpha∥β{}\parallel \beta と書く。

(3) 2 平面 α\alpha,β\beta が直線 ℓ\ell で交わるとき、ℓ\ell 上の点 OO を通り、α\alpha 上で ℓ\ell に垂直な直線と、β\beta 上で ℓ\ell に垂直な直線を引く。この 2 直線のなす角を、α\alpha と β\beta のなす角という。90∘90^\circ のとき、α\alpha と β\beta は垂直であるといい、α\alpha⊥β{}\perp \beta と書く。

2 平面が交わると、交わりは「点」ではなく必ず「直線」になります。2 つの平面が 1 点だけを共有することはありません(厳密定義ページの約束の 1 つです)。

(3) で大事なのは、交線に垂直な方向で測ることです。

本を少し開いて机に立ててみてください。2 枚のページが作る角は、背表紙に垂直な方向で、たとえばページの上の縁どうしで測ります。ページの上に斜めに線を引いて、その 2 本で角を測ると、見かけの角は開き具合とずれてしまいます。背表紙が交線、ページの上の縁が公式2 (3) の 2 本の直線です。

直線と平面、平面と平面の位置関係は共有点の数で分かれ、2 平面のなす角は交線に垂直な 2 本の直線で測るということです。

例題2:立方体を斜めに切る平面

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH と、4 点 AA,BB,GG,HH を通る平面 π\pi があります。

(1) 立方体の辺のうち、π\pi に含まれるものと、π\pi と平行なものをすべて求めなさい。

(2) 平面 π\pi と平面 ABCDABCD のなす角を求めなさい。

45° A B C D E F G H 例題2:平面 ABGH(赤)と、それに平行な辺 CD,EF(緑)

【解答】

(1) π\pi に含まれる辺は AB,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}AB,} GH‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ GH} です。

CDCD は ABAB と平行で、ABAB は π\pi の上にあります。CDCD が π\pi と交わるとすると、ABAB と CDCD で決まる平面(面 ABCDABCD)と π\pi の交線が 2 本になってしまうので、CDCD は π\pi と交わりません。よって CDCD∥π{}\parallel \pi。EFEF も同じ理由で π\pi と平行です。残りの 8 本の辺は、それぞれ AA,BB,GG,HH のどれかで π\pi と交わります。答えは、平行な辺が CD,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}CD,} EF‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ EF}。

(2) 2 つの平面の交線は ABAB です。AA で ABAB に垂直な直線を、それぞれの平面の上で探します。

  • 平面 ABCDABCD 上:ADAD(正方形の隣り合う辺)
  • 平面 π\pi 上:AHAH。立方体の 1 辺を 11 とすると、△ABH\triangle ABH で ABAB=1{}= 1,AHAH=2{}= \sqrt{2}(面の対角線),BHBH=3{}= \sqrt{3}(立体の対角線)なので AB2AB^2+AH2{}+ AH^2=3{}= 3=BH2{}= BH^2。三平方の定理の逆より ∠BAH\angle BAH=90∘{}= 90^\circ。

よって求める角は ∠DAH\angle DAH で、△ADH\triangle ADH は直角二等辺三角形なので

∠DAH\displaystyle \angle DAH=45∘‾\displaystyle {}= \underline{45^\circ}

(2) で、ABAB に垂直でない線、たとえば ACAC と AGAG で角を測ると、∠CAG\angle CAG は 45∘45^\circ になりません(tan⁡∠CAG\tan \angle CAG=12{}= \frac{1}{\sqrt{2}})。交線に垂直な方向で測る理由が、ここで分かります。

直線と平面の垂直と、三垂線の定理

直線 ℓ\ell が平面 α\alpha と点 OO で交わり、α\alpha 上の OO を通るどの直線とも垂直なとき、ℓ\ell と α\alpha は垂直であるといいます。このとき ℓ\ell を α\alpha の垂線、OO を垂線の足といいます。ところが、「どの直線とも」をすべて調べるのは不可能です。次の公式3 (1) の判定法が、それを 2 本で済ませてくれます。

α ℓ m n k O ℓ ⊥ m,ℓ ⊥ n ならば ℓ ⊥ α(α 上のどの直線 k とも垂直)
公式3:直線と平面の垂直・三垂線の定理

(1) 直線 ℓ\ell が、平面 α\alpha 上の交わる 2 直線 mm,nn の両方に垂直ならば、ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha である。逆に ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha ならば、ℓ\ell は α\alpha 上のすべての直線に垂直である。

(2) 三垂線の定理 平面 α\alpha 上に直線 ℓ\ell があり、ℓ\ell 上の点 AA、ℓ\ell 上にない α\alpha 上の点 OO、α\alpha 上にない点 PP があるとき

  • (i) POPO⊥α{}\perp \alpha,OAOA⊥ℓ{}\perp \ell ならば、PAPA⊥ℓ{}\perp \ell
  • (ii) POPO⊥α{}\perp \alpha,PAPA⊥ℓ{}\perp \ell ならば、OAOA⊥ℓ{}\perp \ell
  • (iii) PAPA⊥ℓ{}\perp \ell,OAOA⊥ℓ{}\perp \ell,POPO⊥OA{}\perp OA ならば、POPO⊥α{}\perp \alpha
α ℓ P O A PO ⊥ α,OA ⊥ ℓ ならば PA ⊥ ℓ(三垂線の定理)

(1) の証明は厳密定義ページに回し、ここでは (1) を使って (2) (i) を示します。POPO⊥α{}\perp \alpha なので、POPO は α\alpha 上の直線 ℓ\ell と垂直です。仮定より OAOA⊥ℓ{}\perp \ell でもあります。すると ℓ\ell は、平面 POAPOA 上の交わる 2 直線 POPO,OAOA の両方に垂直なので、(1) より ℓ\ell⊥{}\perp 平面 POAPOA。PAPA はこの平面上の直線なので ℓ\ell⊥PA{}\perp PA です。(ii)(iii) も、同じように「平面 POAPOA」を考えて (1) に持ち込めば示せます(厳密定義ページ)。

三垂線の定理は、空間の垂直を、平面の上の垂直に言いかえる道具です。点 PP から直線 ℓ\ell までの距離 PAPA を求めたいとき、先に PP の真下の点 OO から ℓ\ell へ垂線を下ろせば、その足が AA になります。

旗ざおを地面にまっすぐ立てるとき、1 方向から三角定規を当てて直角を確かめただけでは足りません。その向きには直角でも、別の向きに傾いているかもしれないからです。向きを変えてもう 1 回確かめて、2 方向とも直角なら、ざおはどの向きにも傾いていません。公式3 (1) は、この「2 方向の確認で十分」を保証しています。

三垂線の定理は、天井の電球で考えると分かりやすくなります。電球 PP の真下の床の点を OO とし、床と壁の境目の線を ℓ\ell とします。OO から壁ぎわへいちばん近い点 AA まで床を歩くと(OAOA⊥ℓ{}\perp \ell)、その AA は、電球から壁ぎわの線までいちばん近い点にもなっています(PAPA⊥ℓ{}\perp \ell)。

平面に垂直かどうかは交わる 2 直線で確かめればよく、真下の点から直線へ下ろした垂線の足は、空間の点から下ろした垂線の足と一致する(三垂線の定理)ということです。

例題3:直角が 3 つ集まった四面体

四面体 OABCOABC で、OAOA,OBOB,OCOC はどの 2 本も垂直で、OAOA=1{}= 1,OBOB=3{}= 3,OCOC=4{}= 4 です。OO から辺 BCBC に下ろした垂線の足を HH とします。

(1) AHAH⊥BC{}\perp BC を示しなさい。

(2) 線分 AHAH の長さと、△ABC\triangle ABC の面積を求めなさい。

O A B C H 1 3 4 例題3:OH ⊥ BC から AH ⊥ BC(三垂線の定理)

【解答】

(1) OAOA⊥OB{}\perp OB,OAOA⊥OC{}\perp OC で、OBOB,OCOC は平面 OBCOBC 上の交わる 2 直線なので、公式3 (1) より OAOA⊥{}\perp 平面 OBCOBC。さらに OHOH⊥BC{}\perp BC なので、三垂線の定理 (i)(平面 α\alpha を平面 OBCOBC、点 PP を AA、点 AA を HH、直線 ℓ\ell を BCBC と読みかえる)より AHAH⊥BC{}\perp BC。(証明終)

(2) 直角三角形 OBCOBC で BCBC=32+42{}= \sqrt{3^2 + 4^2}=5{}= 5。面積を 2 通りに表して

12×5×OH\displaystyle \frac{1}{2} \times 5 \times OH=12×3×4\displaystyle {}= \frac{1}{2} \times 3 \times 4⟹OH\displaystyle {}\Longrightarrow\quad OH=125\displaystyle {}= \frac{12}{5}

OAOA⊥OH{}\perp OH なので、直角三角形 AOHAOH で

AH\displaystyle AH=12+(125)2\displaystyle {}= \sqrt{1^2 + \left(\frac{12}{5}\right)^2}=16925\displaystyle {}= \sqrt{\frac{169}{25}}=135‾\displaystyle {}= \underline{\frac{13}{5}}

(1) より AHAH は △ABC\triangle ABC の高さなので

△ABC\displaystyle \triangle ABC=12×5×135\displaystyle {}= \frac{1}{2} \times 5 \times \frac{13}{5}=132‾\displaystyle {}= \underline{\frac{13}{2}}

おまけに、四面体の体積は 13×△OBC×OA\frac{1}{3} \times \triangle OBC \times OA=13×6×1{}= \frac{1}{3} \times 6 \times 1=2{}= 2 です。これを「△ABC\triangle ABC を底面とする見方」でも表すと、OO から平面 ABCABC までの距離 dd が 13×132×d\frac{1}{3} \times \frac{13}{2} \times d=2{}= 2 から dd=1213{}= \frac{12}{13} と求まります。

多面体と、オイラーの多面体定理

いくつかの平面の多角形で囲まれた立体を多面体といいます。多角形の 1 つ 1 つが面、面と面の境目の線分が辺、辺の端が頂点です。この章で扱うのは、へこみのない多面体、つまりどの面についても、その面を含む平面の片側に立体全体があるもので、これを凸多面体といいます。

角柱や角錐の頂点・辺・面を数えてみると、不思議なことに気がつきます。

多面体頂点 vv辺 ee面 ffv−e+fv - e + f
三角錐(四面体)4642
四角錐5852
立方体81262
五角柱101572

形も大きさもばらばらなのに、vv−e{}- e+f{}+ f はいつも 22 です。

公式4:オイラーの多面体定理

凸多面体の頂点の数を vv、辺の数を ee、面の数を ff とすると

v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=2\displaystyle {}= 2

証明は厳密定義ページで扱います。考え方は「面を 1 つ取り外して、残りを平面に広げる」ことです。広げた図形では vv−e{}- e+f{}+ f=1{}= 1 になり、外した面を 1 つ戻すと 22 になります。

風船に油性ペンで地図を描くところを想像してください。点(頂点)を打って線(辺)で結び、線で囲まれた領域を国(面)と呼びます。国の中に 1 本線を引いて 2 つに分けると、辺と面が 1 つずつ増えて、vv−e{}- e+f{}+ f は変わりません。線の途中に点を 1 つ打つと、頂点と辺が 1 つずつ増えて、やはり変わりません。どんなに地図を細かくしても、vv−e{}- e+f{}+ f は最初の値のままです。風船を膨らませても、しぼめても同じです。

凸多面体では、頂点の数から辺の数を引いて面の数を足すと、形によらずいつも 22 になるということです。

例題4:オイラーの多面体定理を確かめる

次の多面体について、vv,ee,ff を求め、vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 を確かめなさい。

(1) 立方体の 8 つの頂点を、それぞれ近くの 3 辺上の点を通る平面で切り落とした多面体(切り口どうしは重ならないものとする)

(2) 合同な 2 つの正四面体を、1 つの面どうしでぴったり貼り合わせた多面体

(1) 頂点を切り落とした立方体 (2) 正四面体 2 つを貼り合わせる 例題4:切り口の三角形(赤)と、貼り合わせた面(緑の点線)

【解答】

(1) 頂点を 1 つ切り落とすごとに、その頂点が消え、切り口の三角形の頂点が 3 つ増えます。辺は切り口の 3 本が増え、面は切り口の 1 つが増えます。これを 8 回くり返すので

v\displaystyle v=8\displaystyle {}= 8−8\displaystyle {}- 8+3×8\displaystyle {}+ 3 \times 8=24‾,\displaystyle {}= \underline{24},e\displaystyle e=12\displaystyle {}= 12+3×8\displaystyle {}+ 3 \times 8=36‾,\displaystyle {}= \underline{36},f\displaystyle f=6\displaystyle {}= 6+8\displaystyle {}+ 8=14‾\displaystyle {}= \underline{14}v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=24\displaystyle {}= 24−36\displaystyle {}- 36+14\displaystyle {}+ 14=2\displaystyle {}= 2

(2) 貼り合わせた面は内側に隠れて、面ではなくなります。頂点は、貼り合わせた面の 3 つが共通なので 44+4{}+ 4−3{}- 3、辺も貼り合わせた面の 3 本が共通なので 66+6{}+ 6−3{}- 3、面は 44+4{}+ 4−2{}- 2 です。

v\displaystyle v=5‾,\displaystyle {}= \underline{5},e\displaystyle e=9‾,\displaystyle {}= \underline{9},f\displaystyle f=6‾,\displaystyle {}= \underline{6},v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=5\displaystyle {}= 5−9\displaystyle {}- 9+6\displaystyle {}+ 6=2\displaystyle {}= 2

(2) の多面体は、面がすべて合同な正三角形です。それでも、次の公式5 で見るように正多面体ではありません。

正多面体は 5 種類しかない

公式5:正多面体

次の 2 つの条件を満たす凸多面体を正多面体という。

  • 各面がすべて合同な正多角形である。
  • 各頂点に集まる面の数がすべて等しい。

正多面体は、次の 5 種類しかない。

正多面体面の形1 つの頂点に集まる面vveeff
正四面体正三角形3464
正六面体(立方体)正方形38126
正八面体正三角形46128
正十二面体正五角形3203012
正二十面体正三角形5123020
正四面体 (4, 6, 4) 正六面体 (8, 12, 6) 正八面体 (6, 12, 8) 正十二面体 (20, 30, 12) 正二十面体 (12, 30, 20) ( )内は(頂点,辺,面)の数。見えない辺は点線

例題4 (2) の多面体は、面がすべて正三角形でも、頂点に集まる面の数が 33 のところ(上下の 2 頂点)と 44 のところ(まわりの 3 頂点)があるので、2 つ目の条件を満たしません。

5 種類しかない理由は、1 つの頂点のまわりを見ると分かります。

正 nn 角形の 1 つの内角は 180∘(n−2)n\dfrac{180^\circ (n - 2)}{n} なので、

候補は 5 通りしかなく、それぞれが上の表の 5 種類にあたります。「5 通りのどれにも、実際に正多面体が 1 つずつある」ことの確認は、厳密定義ページで行います。

正三角形×3 180° 正三角形×4 240° 正三角形×5 300° 正三角形×6 360° 平ら 正方形×3 270° 正方形×4 360° 平ら 正五角形×3 324° 正六角形×3 360° 平ら 角の和が 360° 未満のときだけ、頂点を折り上げられる

紙で作った正多角形を、1 つの頂点のまわりに並べてテープでとめる工作を考えてみましょう。正三角形を 3 枚並べると、すき間ができます。そのすき間を閉じるように貼り合わせると、頂点が持ち上がって立体の角になります。ところが正三角形を 6 枚並べると、すき間なく平らに敷きつまってしまい、どうやっても持ち上がりません。すき間があることが、立体の角ができる条件なのです。

頂点には 3 つ以上の面が集まり、その角の和は 360∘360^\circ 未満でなければならないので、正多面体は 5 種類に限られるということです。

例題5:正二十面体と正十二面体

(1) 正二十面体は、20 枚の正三角形でできていて、1 つの頂点に 5 枚の面が集まります。このことだけから、正二十面体の辺の数 ee と頂点の数 vv を求めなさい。

(2) 1 辺の長さが 11 の正十二面体の、1 つの面の対角線の長さを求めなさい。


【解答】

(1) 20 枚の正三角形の辺は、合わせて 20×320 \times 3=60{}= 60 本ぶんです。立体では、1 本の辺を 2 枚の面が共有しているので

e\displaystyle e=602\displaystyle {}= \frac{60}{2}=30‾\displaystyle {}= \underline{30}

同じく、20 枚の正三角形の頂点は合わせて 6060 個ぶんで、立体の 1 つの頂点には 5 枚の面が集まっているので

v\displaystyle v=605\displaystyle {}= \frac{60}{5}=12‾\displaystyle {}= \underline{12}

確かめ:vv−e{}- e+f{}+ f=12{}= 12−30{}- 30+20{}+ 20=2{}= 2。

(2) 正十二面体の面は、1 辺 11 の正五角形です。第6章 j18 で、この正五角形の対角線の長さ dd が d2d^2−d{}- d−1{}- 1=0{}= 0 を満たすことを示しました。dd>0{}> 0 より

d\displaystyle d=1+52‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1 + \sqrt{5}}{2}}

正十二面体の 20 個の頂点から 8 個をうまく選ぶと、立方体の頂点になります。その立方体の辺は、ちょうど正十二面体の面の対角線です。つまり、1 辺 11 の正十二面体の中には、1 辺 1+52\frac{1 + \sqrt{5}}{2} の立方体がすっぽり収まっています。第6章で作図した長さが、空間では立方体の辺として現れるわけです。

2 通りに数える——辺・頂点の数と双対

例題5 (1) では、「面から数えた辺の総数」が、ちょうど辺の数の 2 倍になることを使いました。この数え方は、正多面体でない多面体にも使えます。

公式6:辺と頂点の数え方・双対

(1) 多面体の各面の辺の数を合計すると 2e2e になる。各頂点に集まる辺の数を合計しても 2e2e になる。特に、各面が nn 角形で、各頂点に mm 本の辺(mm 枚の面)が集まる多面体では

nf\displaystyle nf=2e\displaystyle {}= 2e=mv\displaystyle {}= mv

(2) 正多面体の各面の中心を頂点とする立体は、また正多面体になる。これをもとの正多面体の双対という。双対では、頂点の数と面の数が入れかわり、辺の数は変わらない。

  • 正六面体 と 正八面体
  • 正十二面体 と 正二十面体
  • 正四面体 と 正四面体(自分自身)

(1) で、面の辺を合計すると 2e2e になるのは、どの辺もちょうど 2 枚の面に共有されているからです。頂点側の合計が 2e2e になるのは、どの辺にも端点がちょうど 2 つあるからです。

(2) の双対では、もとの立体の面 1 つが新しい立体の頂点 1 つに、もとの頂点 1 つ(のまわりの面の集まり)が新しい面 1 つに、もとの辺 1 本(を共有する 2 面)が新しい辺 1 本にそれぞれ対応します。立方体(vv=8{}= 8,ff=6{}= 6)と正八面体(vv=6{}= 6,ff=8{}= 8)で、数がきれいに入れかわっているのを確かめてください。

(1) 立方体 → 正八面体 (2) 正四面体 → 正四面体 双対:面の中心(赤い点)を結ぶと、頂点と面の数が入れかわる

パーティーで、何人かが握手を交わしたとします。1 人 1 人に「何回握手した?」と聞いて合計すると、握手の回数のちょうど 2 倍になります。1 回の握手には 2 人が参加していて、2 人ともその 1 回を数えるからです。人を頂点、握手を辺と見れば、公式6 (1) の頂点側の数え方そのものです。

面の辺や頂点の辺を合計すると、どの辺も 2 回ずつ数えられて 2e2e になり、この数え方とオイラーの多面体定理を組み合わせると、見えない部分の数まで決まるということです。

例題6:サッカーボールの形

正五角形 12 枚と正六角形 20 枚でできた凸多面体(切頂二十面体)があり、どの頂点にも 3 枚の面が集まっています。

(1) 辺の数 ee と頂点の数 vv を求め、オイラーの多面体定理が成り立つことを確かめなさい。

(2) 1 つの頂点に、どの形の面が何枚ずつ集まっているかを求めなさい。ただし、正五角形どうしは辺を共有していないものとします。また、その頂点に集まる角の和を求めなさい。

正五角形 12 枚(濃い面) 正六角形 20 枚 どの頂点にも 3 面 頂点 60,辺 90,面 32 例題6:切頂二十面体(サッカーボールの形)。見えない辺は省略

【解答】

(1) 面の辺の合計は 5×125 \times 12+6×20{}+ 6 \times 20=180{}= 180 なので、公式6 (1) より

e\displaystyle e=1802\displaystyle {}= \frac{180}{2}=90‾\displaystyle {}= \underline{90}

各頂点に 3 枚の面が集まるので、面の頂点の合計 180180 を 33 で割って

v\displaystyle v=1803\displaystyle {}= \frac{180}{3}=60‾\displaystyle {}= \underline{60}

ff=12{}= 12+20{}+ 20=32{}= 32 なので、vv−e{}- e+f{}+ f=60{}= 60−90{}- 90+32{}+ 32=2{}= 2。

(2) 正五角形 12 枚の頂点は合わせて 5×125 \times 12=60{}= 60 個で、vv=60{}= 60 と同じです。もし 1 つの頂点に正五角形が 2 枚以上集まると、その 2 枚は、その頂点から出る辺を共有することになります(3 枚の面が集まる頂点では、どの 2 枚の面も辺を 1 本共有するからです)。これは仮定に反するので、どの頂点にも正五角形はちょうど 1 枚ずつ集まっています。残りの 2 枚は正六角形です。答えは、正五角形 1 枚と正六角形 2 枚。角の和は

108∘+120∘+120∘\displaystyle 108^\circ + 120^\circ + 120^\circ=348∘‾\displaystyle {}= \underline{348^\circ}

360∘360^\circ より 12∘12^\circ だけ小さいので、頂点はほんの少しだけとがっています。この立体は、正二十面体の 12 個の頂点を、辺の 13\frac{1}{3} のところで切り落としたものです。正二十面体の頂点が正五角形の切り口に、正三角形の面が正六角形に変わっています。

図形の性質のおわりに

これで図形の性質の分野は完結です。第1〜6章では、平面の上で比・角・円を道具にしてきました。この章では、その道具が空間でも使えることを見ました。なす角は平行移動して平面の角に直し、空間の垂直は三垂線の定理で平面の垂直に直し、多面体の数え上げは面を平らに広げて考えます。

ここで学んだ「平面に落とし込む」考え方は、この先の分野でも使います。図形と方程式では図形を座標で表し、ベクトルの空間の章では、なす角や垂直を内積で計算します。そこで「平面の場合と何が同じで、何が違うか」を確かめるときに、この章を見返してください。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、辺 ABAB とねじれの位置にある辺の本数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

4‾\underline{4} 本(CGCG,DHDH,EHEH,FGFG)

自己採点:
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問2

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、2 直線 ABAB,EGEG のなす角を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

EGEG∥AC{}\parallel AC なので ∠BAC\angle BAC=45∘‾{}= \underline{45^\circ}

自己採点:
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問3

五角柱の頂点の数 vv、辺の数 ee、面の数 ff を求めなさい。また、vv−e{}- e+f{}+ f の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

vv=10{}= 10,ee=15{}= 15,ff=7{}= 7,vv−e{}- e+f{}+ f=2‾{}= \underline{2}

自己採点:
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問4

正八面体の頂点の数・辺の数・面の数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

頂点 6‾\underline{6},辺 12‾\underline{12},面 8‾\underline{8}

自己採点:
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問5

平面 α\alpha 上に直線 ℓ\ell があります。α\alpha 上にない点 PP から α\alpha に垂線 POPO を下ろし、OO から ℓ\ell に垂線 OAOA を下ろしました。POPO=5{}= 5,OAOA=12{}= 12 のとき、PP と直線 ℓ\ell の距離を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

三垂線の定理より PAPA⊥ℓ{}\perp \ell なので、距離は PAPA=25+144{}= \sqrt{25 + 144}=13‾{}= \underline{13}

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、(1) 直線 BGBG とねじれの位置にある辺をすべて求めなさい。また、(2) 直線 BGBG と平行な面の対角線を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) ADAD,AEAE,CDCD,DHDH,EFEF,EHEH の 6 本 (2) AHAH

解説

(1) 12 本の辺を分けます。

  • BGBG と交わる辺:BB を通る ABAB,BCBC,BFBF と、GG を通る CGCG,FGFG,GHGH の 6 本
  • BGBG と平行な辺:なし(辺はどれも、面 BCGFBCGF の対角線である BGBG とは向きが違う)

残りの 6 本、AD,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}AD,} AE,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ AE,} CD,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ CD,} DH,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ DH,} EF,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ EF,} EH‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ EH} は、BGBG と交わらず平行でもないので、ねじれの位置にあります。

たとえば ADAD,AEAE,DHDH,EHEH は面 AEHDAEHD の上にあり、この面は BGBG をふくむ面 BCGFBCGF と平行なので、BGBG と交わりようがありません。CDCD と EFEF は、面 BCGFBCGF と CC または FF で交わりますが、CC も FF も直線 BGBG の上にないので、やはり BGBG とは交わりません。

(2) 四角形 ABGHABGH は、ABAB∥HG{}\parallel HG かつ ABAB=HG{}= HG なので平行四辺形で、BGBG∥AH‾{}\parallel \underline{AH} です。面の対角線は 12 本ありますが、BGBG と同じ向きのものは、向かいの面 AEHDAEHD の AHAH だけです。

自己採点:
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問2 ★

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、(1) ADAD と FHFH、(2) ACAC と BGBG、(3) AFAF と CHCH のそれぞれについて、2 直線のなす角を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 45∘45^\circ (2) 60∘60^\circ (3) 90∘90^\circ

解説

(1) 四角形 BDHFBDHF は BFBF∥DH{}\parallel DH,BFBF=DH{}= DH で平行四辺形なので、FHFH∥BD{}\parallel BD。求める角は ∠ADB\angle ADB で、正方形 ABCDABCD の対角線と辺の角なので 45∘‾\underline{45^\circ}。

(2) 四角形 ABGHABGH は平行四辺形なので BGBG∥AH{}\parallel AH。求める角は ∠CAH\angle CAH です。ACAC,CHCH,HAHA はどれも正方形の対角線で長さが等しいので、△ACH\triangle ACH は正三角形で、∠CAH\angle CAH=60∘‾{}= \underline{60^\circ}。

(3) 四角形 BCHEBCHE は平行四辺形なので CHCH∥BE{}\parallel BE。求める角は AFAF と BEBE のなす角で、これは正方形 ABFEABFE の 2 本の対角線です。正方形の対角線は垂直に交わるので 90∘‾\underline{90^\circ}。

(3) の 2 直線 AFAF,CHCH はねじれの位置にありますが、垂直です。

自己採点:
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問3 ★

立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH と、4 点 AA,CC,GG,EE を通る平面 π\pi があります。

(1) 立方体の辺のうち、π\pi に含まれず π\pi と平行なものをすべて求めなさい。

(2) 直線 BDBD が平面 π\pi に垂直であることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) BFBF,DHDH (2) BDBD⊥AC{}\perp AC,BDBD⊥AE{}\perp AE と公式3 (1)

解説

(1) π\pi に含まれる辺は AEAE,CGCG です。BFBF は AEAE と平行で π\pi の上にないので、例題2 と同じ理由で BFBF∥π{}\parallel \pi。DHDH も同じです。残りの 8 本の辺は AA,CC,GG,EE のどれかで π\pi と交わるので、答えは BF,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}BF,} DH‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8778em}\ DH}。

(2) 正方形 ABCDABCD の対角線なので BDBD⊥AC{}\perp AC。

また、AEAE⊥AB{}\perp AB,AEAE⊥AD{}\perp AD で、ABAB,ADAD は平面 ABCDABCD 上の交わる 2 直線なので、公式3 (1) より AEAE⊥{}\perp 平面 ABCDABCD。BDBD は平面 ABCDABCD 上の直線なので BDBD⊥AE{}\perp AE。

BDBD は、平面 π\pi 上の交わる 2 直線 ACAC,AEAE の両方に垂直なので、公式3 (1) より BDBD⊥π{}\perp \pi。(証明終)

BDBD と π\pi の交点は、正方形 ABCDABCD の対角線の交点(ACAC の中点)です。

自己採点:
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問4 ★

nn を 3 以上の整数とします。nn 角柱と nn 角錐のそれぞれについて、頂点の数 vv、辺の数 ee、面の数 ff を nn で表し、vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 が成り立つことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

nn 角柱:vv=2n{}= 2n,ee=3n{}= 3n,ff=n{}= n+2{}+ 2。nn 角錐:vv=n{}= n+1{}+ 1,ee=2n{}= 2n,ff=n{}= n+1{}+ 1。どちらも vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2

解説

nn 角柱 頂点は上下の底面に nn 個ずつで vv=2n{}= 2n。辺は上の底面に nn 本、下の底面に nn 本、側面の縦の辺が nn 本で ee=3n{}= 3n。面は側面 nn 枚と底面 2 枚で ff=n{}= n+2{}+ 2。

v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=2n\displaystyle {}= 2n−3n\displaystyle {}- 3n+(n+2)\displaystyle {}+ (n + 2)=2\displaystyle {}= 2

nn 角錐 頂点は底面の nn 個と頂上の 1 個で vv=n{}= n+1{}+ 1。辺は底面に nn 本、頂上から nn 本で ee=2n{}= 2n。面は側面 nn 枚と底面 1 枚で ff=n{}= n+1{}+ 1。

v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=(n+1)\displaystyle {}= (n + 1)−2n\displaystyle {}- 2n+(n+1)\displaystyle {}+ (n + 1)=2\displaystyle {}= 2

どちらも nn が消えて 22 が残ります。(証明終)

自己採点:
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問5 ★

正十二面体は、12 枚の正五角形でできていて、1 つの頂点に 3 枚の面が集まります。正十二面体の辺の数と頂点の数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

辺 3030,頂点 2020

解説

12 枚の正五角形の辺は合わせて 12×512 \times 5=60{}= 60 本ぶん。1 本の辺は 2 枚の面に共有されるので、辺の数は

602\displaystyle \frac{60}{2}=30‾\displaystyle {}= \underline{30}

正五角形の頂点も合わせて 6060 個ぶん。1 つの頂点には 3 枚の面が集まるので、頂点の数は

603\displaystyle \frac{60}{3}=20‾\displaystyle {}= \underline{20}

確かめ:2020−30{}- 30+12{}+ 12=2{}= 2。例題5 の正二十面体(頂点 12,辺 30,面 20)と比べると、頂点と面の数が入れかわっています(公式6 (2) の双対)。

自己採点:
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問6 ★

三角柱の 1 つの頂点を、その頂点に集まる 3 本の辺の上の点を通る平面で切り落としました。残った多面体の頂点の数 vv、辺の数 ee、面の数 ff を求め、vv−e{}- e+f{}+ f の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

vv=8{}= 8,ee=12{}= 12,ff=6{}= 6,vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2

解説

もとの三角柱は vv=6{}= 6,ee=9{}= 9,ff=5{}= 5 です。

頂点を 1 つ切り落とすと、その頂点が消えて切り口の三角形の頂点が 3 つ増えます。辺は切り口の 3 本が増え(もとの 3 本の辺は短くなるだけで残ります)、面は切り口の 1 枚が増えます。

v\displaystyle v=6\displaystyle {}= 6−1\displaystyle {}- 1+3\displaystyle {}+ 3=8‾,\displaystyle {}= \underline{8},e\displaystyle e=9\displaystyle {}= 9+3\displaystyle {}+ 3=12‾,\displaystyle {}= \underline{12},f\displaystyle f=5\displaystyle {}= 5+1\displaystyle {}+ 1=6‾\displaystyle {}= \underline{6} v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+f\displaystyle {}+ f=8\displaystyle {}= 8−12\displaystyle {}- 12+6\displaystyle {}+ 6=2‾\displaystyle {}= \underline{2}

切り落としの前後で vv は +2+2、ee は +3+3、ff は +1+1 変わるので、vv−e{}- e+f{}+ f の変化は 22−3{}- 3+1{}+ 1=0{}= 0 です。

自己採点:
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問7 ★

平面 α\alpha 上に直線 ℓ\ell があります。α\alpha 上にない点 PP から α\alpha に下ろした垂線の足を OO、OO から ℓ\ell に下ろした垂線の足を AA とし、ℓ\ell 上に ABAB=12{}= 12 となる点 BB をとります。POPO=3{}= 3,OAOA=4{}= 4 のとき、PAPA と PBPB の長さを求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

PAPA=5{}= 5,PBPB=13{}= 13

解説

POPO⊥α{}\perp \alpha なので POPO⊥OA{}\perp OA。直角三角形 POAPOA で

PA\displaystyle PA=32+42\displaystyle {}= \sqrt{3^2 + 4^2}=5‾\displaystyle {}= \underline{5}

三垂線の定理 (i) より PAPA⊥ℓ{}\perp \ell、つまり PAPA⊥AB{}\perp AB。直角三角形 PABPAB で

PB\displaystyle PB=52+122\displaystyle {}= \sqrt{5^2 + 12^2}=13‾\displaystyle {}= \underline{13}

別の求め方:OAOA⊥AB{}\perp AB なので OB2OB^2=16{}= 16+144{}+ 144=160{}= 160。POPO⊥OB{}\perp OB なので PB2PB^2=9{}= 9+160{}+ 160=169{}= 169 となり、同じ 1313 が出ます。

自己採点:
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問8 ★

正四面体 ABCDABCD で、辺 CDCD の中点を MM とします。平面 ABMABM を使って、ABAB⊥CD{}\perp CD であることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

CDCD⊥AM{}\perp AM,CDCD⊥BM{}\perp BM から CDCD⊥{}\perp 平面 ABMABM、よって CDCD⊥AB{}\perp AB

解説

△ACD\triangle ACD は正三角形なので、中線 AMAM は CDCD に垂直です(AMAM⊥CD{}\perp CD)。同じく △BCD\triangle BCD も正三角形なので BMBM⊥CD{}\perp CD。

CDCD は、平面 ABMABM 上の交わる 2 直線 AMAM,BMBM の両方に垂直なので、公式3 (1) より CDCD⊥{}\perp 平面 ABMABM。ABAB はこの平面上の直線なので CDCD⊥AB{}\perp AB。(証明終)

正四面体では、向かい合う(ねじれの位置にある)辺どうしは、どの組も垂直です。使ったのは「ACAC=AD{}= AD,BCBC=BD{}= BD」だけなので、この 2 つの等式が成り立つ四面体なら、正四面体でなくても ABAB⊥CD{}\perp CD です。

自己採点:
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問9 ★★

正四面体 ABCDABCD で、隣り合う 2 つの面 ACDACD,BCDBCD のなす角を θ\theta とします。cos⁡θ\cos\theta の値を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

cos⁡θ\cos\theta=13{}= \dfrac{1}{3}

解説

1 辺を 22 とし、CDCD の中点を MM とします。2 つの面の交線は CDCD で、j08 と同じく AMAM⊥CD{}\perp CD,BMBM⊥CD{}\perp CD なので、公式2 (3) より θ\theta=∠AMB{}= \angle AMB です。

AMAM,BMBM は 1 辺 22 の正三角形の高さなので AMAM=BM{}= BM=3{}= \sqrt{3}、また ABAB=2{}= 2。△AMB\triangle AMB で余弦定理より

cos⁡θ\displaystyle \cos\theta=AM2+BM2−AB22⋅AM⋅BM\displaystyle {}= \frac{AM^2 + BM^2 - AB^2}{2 \cdot AM \cdot BM}=3+3−42×3\displaystyle {}= \frac{3 + 3 - 4}{2 \times 3}=13‾\displaystyle {}= \underline{\frac{1}{3}}

θ\theta はおよそ 70.5∘70.5^\circ です。正四面体を 5 つ、1 本の辺のまわりに並べると 70.5∘×570.5^\circ \times 5=352.5∘{}= 352.5^\circ で、360∘360^\circ にわずかに足りず、すき間が残ります。

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問10 ★★

立方体の 8 つの頂点を、それぞれ「その頂点に集まる 3 本の辺の中点」を通る平面で切り落としました。残った多面体の頂点の数 vv、辺の数 ee、面の数 ff を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

vv=12{}= 12,ee=24{}= 24,ff=14{}= 14

解説

切り口がちょうど辺の中点で出会うので、例題4 (1) のように「+3+3 ずつ」とは数えられません。完成した形を直接数えます。

面 もとの 6 つの面は、4 辺の中点を結んだ正方形として残り、切り口の三角形が 8 枚増えます。ff=6{}= 6+8{}+ 8=14‾{}= \underline{14}。

頂点 残った頂点は、もとの立方体の 12 本の辺の中点だけです。vv=12‾{}= \underline{12}。

辺 どの辺も、ちょうど 1 枚の三角形と 1 枚の正方形に共有されています。三角形 8 枚の辺を数えると 8×38 \times 3=24{}= 24 で、これが辺の数です(正方形 6 枚から数えても 6×46 \times 4=24{}= 24)。ee=24‾{}= \underline{24}。

確かめ:vv−e{}- e+f{}+ f=12{}= 12−24{}- 24+14{}+ 14=2{}= 2。この立体を立方八面体といい、どの頂点にも三角形 2 枚と正方形 2 枚が交互に集まっています。面が 2 種類あるので正多面体ではありません。

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問11 ★★

1 辺の長さが 33 の正八面体の体積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

929\sqrt{2}

解説

正八面体は、底面が 1 辺 33 の正方形で、側面が正三角形の正四角錐を 2 つ、底面どうしで貼り合わせた形です。

正四角錐の頂点を OO、底面の正方形の中心を KK、底面の頂点の 1 つを QQ とします。KQKQ は正方形の対角線の半分なので KQKQ=322{}= \dfrac{3\sqrt{2}}{2}、OQOQ=3{}= 3。OKOK⊥KQ{}\perp KQ なので

OK\displaystyle OK=9−92\displaystyle {}= \sqrt{9 - \frac{9}{2}}=322\displaystyle {}= \frac{3\sqrt{2}}{2}

正四角錐 1 つの体積は 13×9×322\dfrac{1}{3} \times 9 \times \dfrac{3\sqrt{2}}{2}=922{}= \dfrac{9\sqrt{2}}{2}。2 つ分で

92‾\underline{9\sqrt{2}}

一般に、1 辺 aa の正八面体の体積は 23a3\dfrac{\sqrt{2}}{3}a^3 です(aa=3{}= 3 で 23×27\dfrac{\sqrt{2}}{3} \times 27=92{}= 9\sqrt{2})。

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問12 ★★

1 辺の長さが 22 の立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、4 つの頂点 AA,CC,FF,HH を結んで四面体 ACFHACFH を作ります。この四面体の (1) 1 辺の長さと、(2) 体積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 222\sqrt{2} (2) 83\dfrac{8}{3}

解説

(1) ACAC,AFAF,AHAH,CFCF,CHCH,FHFH はどれも立方体の面の対角線なので、長さはすべて 222\sqrt{2} です。6 本の辺が等しいので、四面体 ACFHACFH は 1 辺 22‾\underline{2\sqrt{2}} の正四面体です。

(2) 立方体から、四面体 ACFHACFH のまわりの 4 つの三角錐 B-ACFB\text{-}ACF,D-ACHD\text{-}ACH,E-AFHE\text{-}AFH,G-CFHG\text{-}CFH を取り除くと、四面体 ACFHACFH が残ります。たとえば B-ACFB\text{-}ACF は、BABA,BCBC,BFBF がどの 2 本も垂直で長さ 22 なので、体積は

13×(12×2×2)×2\displaystyle \frac{1}{3} \times \left(\frac{1}{2} \times 2 \times 2\right) \times 2=43\displaystyle {}= \frac{4}{3}

4 つとも同じ体積なので

8\displaystyle 8−4×43\displaystyle {}- 4 \times \frac{4}{3}=83‾\displaystyle {}= \underline{\frac{8}{3}}

正四面体は立方体の体積のちょうど 13\dfrac{1}{3} です。残りの 4 頂点 BB,DD,EE,GG を結んでも、同じ大きさの正四面体ができます。

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問13 ★★

1 辺の長さが 22 の立方体の 6 つの面の中心を頂点とする正八面体があります。この正八面体の (1) 1 辺の長さと、(2) 体積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 2\sqrt{2} (2) 43\dfrac{4}{3}

解説

(1) 隣り合う 2 つの面、たとえば面 ABCDABCD と面 ABFEABFE の中心を KK,LL とします。ABAB の中点を NN とすると、NKNK は面 ABCDABCD 上で ABAB に垂直、NLNL は面 ABFEABFE 上で ABAB に垂直で、長さはどちらも 11。2 つの面は垂直なので ∠KNL\angle KNL=90∘{}= 90^\circ となり

KL\displaystyle KL=12+12\displaystyle {}= \sqrt{1^2 + 1^2}=2‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{2}}

(2) 上下の面の中心を UU,WW とすると、残りの 4 つの中心は、立方体の高さの真ん中の平面の上で、1 辺 2\sqrt{2} の正方形を作ります((1) より)。この正方形の面積は 22。UU,WW からこの平面までの距離はどちらも 11 なので、正四角錐 2 つで

2×13×2×1\displaystyle 2 \times \frac{1}{3} \times 2 \times 1=43‾\displaystyle {}= \underline{\frac{4}{3}}

j11 の公式 23a3\dfrac{\sqrt{2}}{3}a^3 に aa=2{}= \sqrt{2} を入れても 23×22\dfrac{\sqrt{2}}{3} \times 2\sqrt{2}=43{}= \dfrac{4}{3} で一致します。立方体の体積 88 の 16\dfrac{1}{6} です。

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問14 ★★

ABAB=4{}= 4,ADAD=3{}= 3,AEAE=2{}= 2 の直方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH があります。AA から対角線 BDBD に下ろした垂線の足を II とします。(1) 線分 EIEI の長さと、(2) △EBD\triangle EBD の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 2615\dfrac{2\sqrt{61}}{5} (2) 61\sqrt{61}

解説

(1) 直角三角形 ABDABD で BDBD=5{}= 5。面積を 2 通りに表して

12×5×AI\displaystyle \frac{1}{2} \times 5 \times AI=12×4×3\displaystyle {}= \frac{1}{2} \times 4 \times 3⟹AI\displaystyle {}\Longrightarrow\quad AI=125\displaystyle {}= \frac{12}{5}

EAEA⊥{}\perp 平面 ABCDABCD なので EAEA⊥AI{}\perp AI。直角三角形 EAIEAI で

EI\displaystyle EI=22+(125)2\displaystyle {}= \sqrt{2^2 + \left(\frac{12}{5}\right)^2}=100+14425\displaystyle {}= \sqrt{\frac{100 + 144}{25}}=2445\displaystyle {}= \frac{\sqrt{244}}{5}=2615‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2\sqrt{61}}{5}}

(2) EAEA⊥{}\perp 平面 ABCDABCD,AIAI⊥BD{}\perp BD なので、三垂線の定理 (i) より EIEI⊥BD{}\perp BD。EIEI は △EBD\triangle EBD の BDBD を底辺とする高さなので

△EBD\displaystyle \triangle EBD=12×5×2615\displaystyle {}= \frac{1}{2} \times 5 \times \frac{2\sqrt{61}}{5}=61‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{61}}

3 辺 EBEB=25{}= 2\sqrt{5},EDED=13{}= \sqrt{13},BDBD=5{}= 5 から余弦定理で求めることもできますが、三垂線の定理を使うと高さが直接わかります。

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問15 ★★

正四角錐 O-ABCDO\text{-}ABCD の底面は 1 辺 22 の正方形で、高さは 3\sqrt{3} です。(1) 側面 OABOAB と底面 ABCDABCD のなす角と、(2) 辺 OAOA の長さを求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 60∘60^\circ (2) 5\sqrt{5}

解説

底面の正方形の中心を KK、辺 ABAB の中点を MM とします。OKOK は底面に垂直で OKOK=3{}= \sqrt{3}、また KMKM=1{}= 1 です。

(1) 2 つの平面の交線は ABAB です。OAOA=OB{}= OB なので二等辺三角形 OABOAB の中線 OMOM は ABAB に垂直、また KMKM⊥AB{}\perp AB(KMKM は辺 BCBC に平行)。公式2 (3) より、なす角は ∠OMK\angle OMK です。直角三角形 OKMOKM で

tan⁡∠OMK\displaystyle \tan \angle OMK=OKKM\displaystyle {}= \frac{OK}{KM}=3\displaystyle {}= \sqrt{3}⟹∠OMK\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \angle OMK=60∘‾\displaystyle {}= \underline{60^\circ}

(2) KAKA は正方形の対角線の半分で 2\sqrt{2}。直角三角形 OKAOKA で

OA\displaystyle OA=(3)2+(2)2\displaystyle {}= \sqrt{(\sqrt{3})^2 + (\sqrt{2})^2}=5‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{5}}

(1) で OMOM の代わりに OAOA を使って ∠OAK\angle OAK を測ると、tan⁡∠OAK\tan \angle OAK=32{}= \dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}} となり 60∘60^\circ になりません。OAOA は交線 ABAB に垂直ではないからです。

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問16 ★★

正十二面体の 20 個の頂点から 2 個を選んで結んだ線分のうち、正十二面体の辺でも、面の対角線でもないものの本数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

100100 本

解説

20 個の頂点から 2 個を選ぶ選び方は

20×192\displaystyle \frac{20 \times 19}{2}=190 通り\displaystyle {}= 190 \text{ 通り}

このうち辺は 3030 本(j05)です。面の対角線は、正五角形 1 枚につき 55 本なので、12×512 \times 5=60{}= 60 本。凸多面体の異なる 2 つの面が共有するのは、多くても 1 本の辺なので、2 つの頂点が「2 つの面の対角線」として二重に数えられることはありません。したがって

190\displaystyle 190−30\displaystyle {}- 30−60\displaystyle {}- 60=100‾ 本\displaystyle {}= \underline{100} \text{ 本}

これらはすべて立体の内部を通る線分(空間の対角線)です。

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問17 ★★★

正五角形と正六角形だけでできた凸多面体があり、どの頂点にもちょうど 3 枚の面が集まっています。正五角形の枚数は、正六角形の枚数によらず 1212 枚であることを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

正五角形 pp 枚・正六角形 hh 枚とすると vv−e{}- e+f{}+ f=p6{}= \dfrac{p}{6}=2{}= 2 なので pp=12{}= 12

解説

正五角形を pp 枚、正六角形を hh 枚とします。面の辺を合計すると 5p5p+6h{}+ 6h で、公式6 (1) より

e\displaystyle e=5p+6h2\displaystyle {}= \frac{5p + 6h}{2}

面の頂点を合計しても 5p5p+6h{}+ 6h で、どの頂点にも 3 枚の面が集まるので

v\displaystyle v=5p+6h3\displaystyle {}= \frac{5p + 6h}{3}

また ff=p{}= p+h{}+ h。オイラーの多面体定理 vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 に代入すると

5p+6h3\displaystyle \frac{5p + 6h}{3}−5p+6h2\displaystyle {}- \frac{5p + 6h}{2}+p\displaystyle {}+ p+h\displaystyle {}+ h=2\displaystyle {}= 2

両辺を 6 倍して

2(5p+6h)\displaystyle 2(5p + 6h)−3(5p+6h)\displaystyle {}- 3(5p + 6h)+6p\displaystyle {}+ 6p+6h\displaystyle {}+ 6h=12\displaystyle {}= 12⟹−5p\displaystyle {}\Longrightarrow\quad -5p−6h\displaystyle {}- 6h+6p\displaystyle {}+ 6p+6h\displaystyle {}+ 6h=12\displaystyle {}= 12⟹p\displaystyle {}\Longrightarrow\quad p=12\displaystyle {}= 12

hh は消えてしまうので、正六角形が何枚あっても、正五角形は必ず 12 枚です。(証明終)

hh=0{}= 0 なら正十二面体、hh=20{}= 20 なら例題6 の切頂二十面体です。炭素原子だけでできた「フラーレン」と呼ばれる分子も、この形のかごになっていて、どれも五角形がちょうど 12 個あります(小話3)。

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問18 ★★★

1 辺の長さが 22 の立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH があります。

(1) 対角線 AGAG が平面 BDEBDE に垂直であることを示しなさい。

(2) 点 AA と平面 BDEBDE の距離を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) BDBD⊥AG{}\perp AG,BEBE⊥AG{}\perp AG と公式3 (1) (2) 233\dfrac{2\sqrt{3}}{3}

解説

(1) BDBD⊥AG{}\perp AG を示す 正方形 ABCDABCD の対角線なので BDBD⊥AC{}\perp AC。CGCG⊥{}\perp 平面 ABCDABCD(CGCG⊥CB{}\perp CB,CGCG⊥CD{}\perp CD と公式3 (1))なので BDBD⊥CG{}\perp CG。BDBD は平面 ACGACG 上の交わる 2 直線 ACAC,CGCG に垂直なので、BDBD⊥{}\perp 平面 ACGACG。AGAG はこの平面上にあるので BDBD⊥AG{}\perp AG。

BEBE⊥AG{}\perp AG を示す 正方形 ABFEABFE の対角線なので BEBE⊥AF{}\perp AF。FGFG⊥{}\perp 平面 ABFEABFE(FGFG⊥FB{}\perp FB,FGFG⊥FE{}\perp FE)なので BEBE⊥FG{}\perp FG。よって BEBE⊥{}\perp 平面 AFGAFG で、BEBE⊥AG{}\perp AG。

AGAG は、平面 BDEBDE 上の交わる 2 直線 BDBD,BEBE の両方に垂直なので、公式3 (1) より AGAG⊥{}\perp 平面 BDEBDE。(証明終)

(2) 三角錐 A-BDEA\text{-}BDE の体積を 2 通りに表します。△ABD\triangle ABD を底面、AEAE を高さと見ると

V\displaystyle V=13×(12×2×2)×2\displaystyle {}= \frac{1}{3} \times \left(\frac{1}{2} \times 2 \times 2\right) \times 2=43\displaystyle {}= \frac{4}{3}

一方、BDBD,DEDE,EBEB はどれも面の対角線で 222\sqrt{2} なので、△BDE\triangle BDE は 1 辺 222\sqrt{2} の正三角形で

△BDE\displaystyle \triangle BDE=34×(22)2\displaystyle {}= \frac{\sqrt{3}}{4} \times (2\sqrt{2})^2=23\displaystyle {}= 2\sqrt{3}

AA と平面 BDEBDE の距離を dd とすると、13×23×d\dfrac{1}{3} \times 2\sqrt{3} \times d=43{}= \dfrac{4}{3} より

d\displaystyle d=23\displaystyle {}= \frac{2}{\sqrt{3}}=233‾\displaystyle {}= \underline{\frac{2\sqrt{3}}{3}}

(1) より、AA から平面 BDEBDE に下ろした垂線は AGAG の上にあります。AGAG=23{}= 2\sqrt{3} なので、平面 BDEBDE は対角線 AGAG を AA の側から 1:21 : 2 に分けています。

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問19 ★★★

正八面体の 8 つの面すべてに接する球(内接球)の中心は、正八面体の中心(向かい合う 2 頂点を結ぶ線分の中点)であることが知られています。このことを使って、1 辺の長さが 66 の正八面体の内接球の半径を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

6\sqrt{6}

解説

j11 の公式より、正八面体の体積は

V\displaystyle V=23×63\displaystyle {}= \frac{\sqrt{2}}{3} \times 6^3=722\displaystyle {}= 72\sqrt{2}

表面積は、1 辺 66 の正三角形 8 枚で

S\displaystyle S=8×34×36\displaystyle {}= 8 \times \frac{\sqrt{3}}{4} \times 36=723\displaystyle {}= 72\sqrt{3}

内接球の中心を KK、半径を rr とします。正八面体を、KK を頂点とし 8 つの面をそれぞれ底面とする 8 つの三角錐に分けると、どの三角錐も高さは rr です。体積の合計が VV なので

13×S×r\displaystyle \frac{1}{3} \times S \times r=V\displaystyle {}= V⟹r\displaystyle {}\Longrightarrow\quad r=3VS\displaystyle {}= \frac{3V}{S}=2162723\displaystyle {}= \frac{216\sqrt{2}}{72\sqrt{3}}=323\displaystyle {}= \frac{3\sqrt{2}}{\sqrt{3}}=6‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{6}}

別の求め方:KK と面 OABOAB(OO は頂点、ABAB は中央の正方形の辺)の距離は、ABAB の中点を MM とした直角三角形 OKMOKM(OKOK=32{}= 3\sqrt{2},KMKM=3{}= 3,OMOM=33{}= 3\sqrt{3})の斜辺への高さで、32×333\dfrac{3\sqrt{2} \times 3}{3\sqrt{3}}=6{}= \sqrt{6} です。KMKM⊥AB{}\perp AB,OMOM⊥AB{}\perp AB より ABAB⊥{}\perp 平面 OKMOKM なので、KK から OMOM に下ろした垂線 KNKN は ABAB にも垂直です。KNKN は面 OABOAB 上の交わる 2 直線 OMOM,ABAB に垂直なので、公式3 (1) より KNKN⊥{}\perp 面 OABOAB となり、KNKN が求める距離になります。

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問20 ★★★

1 辺の長さが 22 の立方体 ABCD-EFGHABCD\text{-}EFGH で、対角線 AGAG の中点を KK とし、辺 BCBC,CDCD,DHDH,HEHE,EFEF,FBFB の中点をそれぞれ PP,QQ,RR,SS,TT,UU とします。

(1) KPKP⊥AG{}\perp AG であることを示しなさい。また、KPKP の長さを求めなさい。

(2) (1) と同じようにして、KQKQ,KRKR,KSKS,KTKT,KUKU もすべて AGAG に垂直で、6 点 PP,QQ,RR,SS,TT,UU は KK を通り AGAG に垂直な 1 つの平面の上にあります(これは認めてよいものとします)。この平面による立方体の切り口である六角形 PQRSTUPQRSTU の面積を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) APAP=GP{}= GP=5{}= \sqrt{5} より二等辺三角形の中線、KPKP=2{}= \sqrt{2} (2) 333\sqrt{3}

解説

(1) ABAB⊥BP{}\perp BP(ABAB⊥{}\perp 平面 BCGFBCGF)なので AP2AP^2=AB2{}= AB^2+BP2{}+ BP^2=4{}= 4+1{}+ 1=5{}= 5。同じく GCGC⊥CP{}\perp CP なので GP2GP^2=GC2{}= GC^2+CP2{}+ CP^2=4{}= 4+1{}+ 1=5{}= 5。よって APAP=GP{}= GP で、△APG\triangle APG は二等辺三角形です。KK は底辺 AGAG の中点なので、中線 PKPK は AGAG に垂直です。(証明終)

AGAG=22+22+22{}= \sqrt{2^2 + 2^2 + 2^2}=23{}= 2\sqrt{3} なので AKAK=3{}= \sqrt{3}。直角三角形 AKPAKP で

KP\displaystyle KP=AP2−AK2\displaystyle {}= \sqrt{AP^2 - AK^2}=5−3\displaystyle {}= \sqrt{5 - 3}=2‾\displaystyle {}= \underline{\sqrt{2}}

(2) QQ,RR,SS,TT,UU も、それぞれ AA から 5\sqrt{5}、GG から 5\sqrt{5} の距離にあるので、(1) と同じ計算で KQKQ=KR{}= KR=KS{}= KS=KT{}= KT=KU{}= KU=2{}= \sqrt{2} です。

一方、六角形の辺は、たとえば PQPQ が正方形 ABCDABCD で中点連結定理より PQPQ=12BD{}= \dfrac{1}{2}BD=2{}= \sqrt{2}。ほかの 5 辺も、それぞれの面で同じように 2\sqrt{2} です。

よって、六角形 PQRSTUPQRSTU は、KK を共通の頂点とする 6 つの三角形 KPQKPQ,KQRKQR,…,KUPKUP に分けられ、どれも 3 辺が 2\sqrt{2} の正三角形です。六角形は正六角形で、面積は

6×34×(2)2\displaystyle 6 \times \frac{\sqrt{3}}{4} \times (\sqrt{2})^2=33‾\displaystyle {}= \underline{3\sqrt{3}}

j18 と合わせると、対角線 AGAG に垂直な平面で立方体を切ると、AA の側から順に「正三角形(平面 BDEBDE まで)→ 六角形 → 正三角形」と切り口が変わり、ちょうど真ん中で正六角形になることが分かります。

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数学小話コーナー

オイラーより先に気づいていた?——デカルトのノート

vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 は、18 世紀の数学者レオンハルト・オイラーの名前で呼ばれています。オイラーは 1750 年ごろ、友人のゴールドバッハへの手紙でこの関係を伝え、その後の論文で発表したとされます(※手紙の年には諸説あります)。オイラーは、多面体の「辺」にあたる決まった言葉がそれまでなかったので、自分で呼び名を決めて使ったと伝えられます(※)。それまでの幾何学は長さや角度を測ることが中心で、頂点・辺・面を「いくつあるか」と数える見方は新しいものでした。

ところが 19 世紀になって、話がややこしくなります。17 世紀のルネ・デカルトが多面体について書いたノートがあり、それを哲学者ライプニッツが書き写したものが、1860 年ごろにハノーファーの図書館で見つかりました(※発見の経緯には諸説あります)。そこには、次の定理が書かれていました。

凸多面体の各頂点で、360∘360^\circ から「集まる面の角の和」を引いた値(角の不足)を合計すると、いつも 720∘720^\circ になる。

立方体で確かめてみましょう。1 つの頂点に集まる角の和は 90∘×390^\circ \times 3=270∘{}= 270^\circ で、不足は 90∘90^\circ。頂点は 8 個なので、合計は 90∘×890^\circ \times 8=720∘{}= 720^\circ です。正二十面体なら、不足は 360∘−300∘360^\circ - 300^\circ=60∘{}= 60^\circ で、頂点 12 個で 720∘720^\circ。正十二面体なら 360∘−324∘360^\circ - 324^\circ=36∘{}= 36^\circ が 20 個で、やはり 720∘720^\circ になります。

実はこの「720∘720^\circ の定理」から、少し計算するとオイラーの多面体定理が導けます。デカルトのノートにその計算まで書かれていたかについては議論があり、「オイラーの定理はデカルトが先に見つけていた」と言えるかどうかは、今も意見が分かれています(※)。

豆知識

オイラーの多面体定理は「凸」多面体についての定理です。穴のあいた多面体では成り立ちません。たとえば、正方形の額縁のような立体を、上面・下面をそれぞれ 4 枚の台形に分けて数えると、頂点 16、辺 32、面 16 で、vv−e{}- e+f{}+ f=0{}= 0 になります。哲学者イムレ・ラカトシュの『証明と論駁』(1976 年)は、こうした「反例」が見つかるたびに定理の条件や「多面体」の定義が直されていく歴史を、教室での対話の形で描いた本です。

宇宙は正多面体でできている?——プラトンとケプラー

5 種類の正多面体は、「プラトンの立体」とも呼ばれます。古代ギリシャの哲学者プラトンが、紀元前 4 世紀の対話篇『ティマイオス』で、世界をつくる 4 つの元素にそれぞれ正多面体をあてたからです。

  • 火:正四面体(いちばんとがっていて、触ると痛い)
  • 空気:正八面体
  • 水:正二十面体(いちばん丸く、転がりやすい)
  • 土:立方体(いちばん安定して、どっしりしている)

残った正十二面体は、神が宇宙全体の形を整えるのに使った、と書かれています(※どの図形にあたるかの解釈には諸説あります)。

それから約 2000 年後の 1596 年、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーは、若いころの著書『宇宙の神秘』で、プラトンの立体を太陽系に当てはめました。当時知られていた惑星は、水星・金星・地球・火星・木星・土星の 6 つ。ケプラーは、惑星の軌道を球面と考え、そのあいだに 5 つの正多面体を 1 つずつ、球に内接・外接させながら入れ子にすると、軌道の大きさの比がだいたい合うと考えました。惑星がちょうど 6 つなのは、正多面体がちょうど 5 種類だからだ、というわけです。

この模型は、観測データと細かくは合いませんでした。ケプラーはのちにティコ・ブラーエの精密な観測を使って火星の軌道を調べ直し、惑星の軌道が円ではなく楕円であることを見つけます。美しい模型を捨ててデータに従ったことが、近代天文学への一歩になりました。

豆知識

ユークリッドの『原論』は、全 13 巻の最後を正多面体で締めくくっています。第 13 巻の終わりで 5 種類の正多面体を球に内接させて作り、さらに「これ以外に正多面体はない」ことを、この章の公式5 と同じく「1 つの頂点の角の和」で示しています。正八面体と正二十面体を最初に研究したのは、プラトンの友人の数学者テアイテトスだとも伝えられます(※古い注釈による伝承です)。

サッカーボールと、炭素のかご

例題6 の切頂二十面体は、サッカーボールの形として知られています。正五角形 12 枚を黒、正六角形 20 枚を白に塗り分けたボールが広まったのは、1970 年のワールドカップ・メキシコ大会の公式球がきっかけだとされます。白黒テレビの画面でもボールの動きが見やすいように、というのが理由だったと言われています(※デザインの経緯には諸説あります)。

同じ形は、分子の世界にもあります。1985 年、ハロルド・クロトー、ロバート・カール、リチャード・スモーリーらは、炭素原子 60 個がサッカーボールの頂点の位置に並んだ分子 C60\mathrm{C}_{60} を見つけました。3 人は 1996 年にノーベル化学賞を受けています。C60\mathrm{C}_{60} の炭素原子は、どれも 3 つの原子と結合しています。つまり、どの頂点にも 3 本の辺が集まるので、実践 j17 の計算から、五角形はちょうど 12 個でなければなりません。炭素原子を増やした C70\mathrm{C}_{70} や C84\mathrm{C}_{84} などのかご形分子(フラーレン)も、六角形の数は違っても、五角形は必ず 12 個です。

「フラーレン」という名前は、建築家バックミンスター・フラーにちなみます。フラーは、三角形や六角形を組み合わせて球に近い形をつくる「ジオデシック・ドーム」を広めた人で、1967 年のモントリオール万博のアメリカ館が有名です。

ウイルスの中にも、遺伝子を包む殻(カプシド)が正二十面体に近い対称性をもつものが多くあります。同じ形のタンパク質の部品を少ない種類で組み立て、閉じた入れ物を作るには、この形が都合がよいと考えられています。

豆知識

テーブルトークRPG では、4・6・8・12・20 面のサイコロを使います。これはちょうど 5 種類の正多面体です。どの面も同じ条件なので、どの目も同じ確率で出ます。ただ、公平なサイコロを作るのに正多面体である必要はありません。10 面のサイコロは、合同な「たこ形」の面 10 枚でできた立体で、正多面体ではありませんが、どの面も立体の中で同じ位置関係にあるので公平です。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では、公式1〜6 を使って角・長さ・個数を求められれば十分です。ここでは「空間の直線や平面について、何を約束として出発しているのか」「交わる 2 直線で垂直が判定できるのはなぜか」「vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 はどう証明するのか」「正多面体がちょうど 5 種類だと、なぜ言い切れるのか」が気になる人のために、この章の土台を組み立て直します。平面の合同条件と、第2章の垂直二等分線(二等辺三角形の中線は底辺に垂直)を使います。

空間の約束

平面幾何では、「2 点を通る直線はただ 1 つ」などの約束から出発しました。空間では、平面についての約束を付け加えます。

定義1:空間の直線と平面についての約束

次のことを、証明なしに認める(公理という)。

  1. 異なる 2 点を通る直線は、ただ 1 つある。
  2. 一直線上にない 3 点を通る平面は、ただ 1 つある。
  3. 直線上の異なる 2 点が平面 α\alpha 上にあれば、その直線全体が α\alpha 上にある。
  4. 異なる 2 平面が 1 点を共有すれば、その点を通る 1 本の直線を共有する。
  5. 各平面の上では、平面幾何の定理がすべて成り立つ。

約束 4 が、本文の「2 平面の交わりは点ではなく直線になる」の根拠です。

定理1:平面が 1 つに決まる条件

次のそれぞれを含む平面は、ただ 1 つある。

(1) 直線 ℓ\ell と、ℓ\ell 上にない点 PP

(2) 1 点 OO で交わる 2 直線 ℓ\ell,mm

証明 (1) ℓ\ell 上に異なる 2 点 AA,BB をとる。AA,BB,PP は一直線上にない(ℓ\ell 上にない PP を通るので)から、約束 2 より、これらを通る平面 α\alpha がただ 1 つある。約束 3 より ℓ\ell は α\alpha 上にあるので、α\alpha は ℓ\ell と PP を含む。逆に ℓ\ell と PP を含む平面は AA,BB,PP を通るので、α\alpha に一致する。

(2) mm 上に OO と異なる点 PP をとると、PP は ℓ\ell 上にない(ℓ\ell と mm の共有点は OO だけ)。(1) より ℓ\ell と PP を含む平面 α\alpha がただ 1 つあり、約束 3 より mm(OO と PP を通る)も α\alpha 上にある。ℓ\ell と mm を含む平面は ℓ\ell と PP を含むので、α\alpha に一致する。(証明終)

平行な 2 直線は、定義(次の定義2)によってはじめから 1 つの平面上にあり、その平面はただ 1 つです(1 本の直線と、もう 1 本の上の点で決まるから)。

定義2:平行・ねじれの位置・なす角

(1) 空間の 2 直線が、同じ平面上にあって共有点をもたないとき、平行であるという。どの平面にも同時に含まれない 2 直線は、ねじれの位置にあるという。

(2) 直線 ℓ\ell,mm に対し、1 点 OO を通って ℓ\ell,mm に平行な直線 ℓ′\ell',m′m' を引き、そのなす角(90∘90^\circ 以下のほう)を ℓ\ell と mm のなす角という。ℓ\ell 自身が OO を通るときは ℓ′\ell'=ℓ{}= \ell とする。

(1) で「同じ平面上にあって」を外すと、ねじれの位置にある 2 直線まで平行と呼ぶことになってしまいます。平行の定義に平面が入っているのが、空間ならではの点です。

(2) の角が OO のとり方によらないことは、「2 つの角の辺がそれぞれ平行で、向きも同じならば、2 つの角は等しい」という定理(『原論』第 11 巻 命題 10)から分かります。この証明は、平行四辺形を 2 つ組み合わせて合同な三角形を作るもので、ここでは省略します。同じく、「ℓ\ell∥m{}\parallel m,mm∥n{}\parallel n ならば ℓ\ell∥n{}\parallel n」(空間での平行の推移)も証明が必要な定理ですが、ここでは認めて使います。

直線と平面の垂直

定義3:直線と平面の垂直

直線 ℓ\ell が平面 α\alpha と点 OO で交わり、α\alpha 上のすべての直線と垂直であるとき、ℓ\ell と α\alpha は垂直であるといい、ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha と書く。

定義2 (2) により、「α\alpha 上のすべての直線と垂直」は「α\alpha 上で OO を通るすべての直線と垂直」と同じことです(OO を通らない直線は、OO を通る平行線に置きかえて角を測るから)。

定理2:直線と平面の垂直の判定(公式3 (1))

直線 ℓ\ell が平面 α\alpha と点 OO で交わり、α\alpha 上の交わる 2 直線 mm,nn の両方に垂直ならば、ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha である。

証明 定義2 (2) により、mm,nn を OO を通る平行線に置きかえてよい。そこで mm,nn は OO で交わるとする。α\alpha 上で OO を通る任意の直線 kk(mm,nn と異なるもの)をとり、kk⊥ℓ{}\perp \ell を示せばよい。

mm 上に点 BB、nn 上に点 CC を、どちらも OO と異なり、直線 BCBC が kk と交わるようにとる(α\alpha 上で kk について反対側にとればよい)。その交点を DD とする(BB,OO,CC は一直線上にないので DD≠O{}\ne O)。ℓ\ell 上に、OO について反対側に OPOP=OP′{}= OP' となる 2 点 PP,P′P' をとる。

  • 平面 PBP′PBP' の上で、BOBO は線分 PP′PP' の中点を通り PP′PP' に垂直なので、PP′PP' の垂直二等分線である。よって BPBP=BP′{}= BP'。同じく CPCP=CP′{}= CP'。
  • △PBC\triangle PBC と △P′BC\triangle P'BC は、3 辺がそれぞれ等しいので合同。よって ∠PBC\angle PBC=∠P′BC{}= \angle P'BC、すなわち ∠PBD\angle PBD=∠P′BD{}= \angle P'BD。
  • △PBD\triangle PBD と △P′BD\triangle P'BD は、BPBP=BP′{}= BP',BDBD 共通、間の角が等しいので合同。よって DPDP=DP′{}= DP'。
  • △DPP′\triangle DPP' は DPDP=DP′{}= DP' の二等辺三角形で、OO は底辺 PP′PP' の中点なので、中線 DODO は PP′PP' に垂直である。

DODO は直線 kk なので、kk⊥ℓ{}\perp \ell。kk は任意だったので、ℓ\ell⊥α{}\perp \alpha。(証明終)

この証明では、垂直を「2 点 PP,P′P' から等距離」という長さの条件に言いかえ、合同を 2 回使って、その条件を mm,nn から kk へ運んでいます。mm と nn が交わることは、BB,CC,DD を同じ平面 α\alpha の上で結ぶために使われています。mm∥n{}\parallel n だと、この判定は成り立ちません(机の上に平行な 2 本の鉛筆を置き、両方に垂直な鉛筆を 1 本、机に寝かせて置くことができます)。

定理3:三垂線の定理(公式3 (2))

平面 α\alpha 上の直線 ℓ\ell、ℓ\ell 上の点 AA、ℓ\ell 上にない α\alpha 上の点 OO、α\alpha 上にない点 PP について

(i) POPO⊥α{}\perp \alpha,OAOA⊥ℓ{}\perp \ell ならば PAPA⊥ℓ{}\perp \ell

(ii) POPO⊥α{}\perp \alpha,PAPA⊥ℓ{}\perp \ell ならば OAOA⊥ℓ{}\perp \ell

(iii) PAPA⊥ℓ{}\perp \ell,OAOA⊥ℓ{}\perp \ell,POPO⊥OA{}\perp OA ならば POPO⊥α{}\perp \alpha

証明 まず、PP,OO,AA は一直線上にない。実際、AA≠O{}\ne O であり(OO は ℓ\ell 上にない)、直線 OAOA は α\alpha 上にあるので、α\alpha 上にない PP を通らない。よって定理1 より、3 点を通る平面 β\beta がただ 1 つある。

(i) は本文で示した。

(ii) POPO⊥α{}\perp \alpha より POPO⊥ℓ{}\perp \ell。仮定より PAPA⊥ℓ{}\perp \ell。ℓ\ell は β\beta 上の交わる 2 直線 POPO,PAPA に垂直なので、定理2 より ℓ\ell⊥β{}\perp \beta。OAOA は β\beta 上の直線なので OAOA⊥ℓ{}\perp \ell。

(iii) 仮定より ℓ\ell は β\beta 上の交わる 2 直線 PAPA,OAOA に垂直なので、定理2 より ℓ\ell⊥β{}\perp \beta。POPO は β\beta 上の直線なので POPO⊥ℓ{}\perp \ell。さらに仮定より POPO⊥OA{}\perp OA。ℓ\ell と OAOA は α\alpha 上で AA において交わる 2 直線なので、定理2(ℓ\ell を OO を通る平行線に置きかえて使う)より POPO⊥α{}\perp \alpha。(証明終)

3 つとも、「PP,OO,AA を通る平面 β\beta」を立てて定理2 に持ち込むという同じ形をしています。三垂線の定理とは、平面 α\alpha と平面 β\beta のあいだで、垂直を行き来させる定理だと言えます。

オイラーの多面体定理

定義4:多面体・凸多面体・正多面体

(1) 有限個の多角形で囲まれた立体を多面体という。どの辺もちょうど 2 つの面に共有され、どの頂点のまわりにも面が 1 周するように集まっているものとする。

(2) 多面体のどの面についても、その面を含む平面の片側に多面体全体があるとき、凸多面体という。

(3) 凸多面体で、すべての面が合同な正多角形であり、どの頂点にも同じ数の面が集まるものを、正多面体という。

凸多面体では、1 つの頂点に集まる面の数と辺の数は等しくなります(頂点のまわりを 1 周すると、面と辺が交互に現れるから)。

定理4:オイラーの多面体定理(公式4)

凸多面体の頂点・辺・面の数を vv,ee,ff とすると、vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 である。

証明の概略

① 1 つの面を外して平らに広げる 面を 1 つ選んで取り外し、残りの面を、つながり方を変えずに平面へ広げる。凸多面体なら、外した面のすぐ外側の点から多面体を平面に映すと、面どうしが重ならない図ができる(下の図は立方体の例)。この図では、頂点は vv 個、辺は ee 本のままで、多角形の領域は ff−1{}- 1 個である。以下、この図で

v\displaystyle v−e\displaystyle {}- e+(領域の数)\displaystyle {}+ (\text{領域の数})=1\displaystyle {}= 1

を示す。

A B C D E F G H (1) 上の面 EFGH を外す E F G H A B C D (2) 平らに広げる(面は 5 つ) 頂点 8,辺 12,面 5 で 8 − 12 + 5 = 1。外した面を戻すと 2

② 三角形に分ける 三角形でない領域に対角線を 1 本引くと、辺が 1 本、領域が 1 個増えるので、vv−e{}- e+(領域の数){}+ (\text{領域の数}) は変わらない。これをくり返して、すべての領域を三角形にする。

③ 外側から三角形を 1 つずつ取り除く 図の外周に接している三角形を 1 つ選んで取り除く。

  • 外周に接する辺が 1 本の三角形なら、その辺を除くと、辺が 1 本、領域が 1 個減る。
  • 外周に接する辺が 2 本の三角形なら、その 2 本と、2 本の間の頂点を除くと、頂点が 1 個、辺が 2 本、領域が 1 個減る。

どちらの場合も vv−e{}- e+(領域の数){}+ (\text{領域の数}) は変わらない(−1-1+1{}+ 1=0{}= 0、−1-1+2{}+ 2−1{}- 1=0{}= 0)。取り除く三角形を選ぶ順番をうまく決めると、図は途中で 2 つに分かれたり穴があいたりせず、最後に三角形が 1 つだけ残る。そのとき

3\displaystyle 3−3\displaystyle {}- 3+1\displaystyle {}+ 1=1\displaystyle {}= 1

④ 外した面を戻す ②③で値は変わらなかったので、①の図でも vv−e{}- e+(f−1){}+ (f - 1)=1{}= 1。よって vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2。(証明終)

③の「順番をうまく決めると」の部分をきちんと示すには、もう少し準備が要ります。外周に接する辺が 3 本ある三角形や、取り除くと図が 2 つに分かれてしまう三角形を先に選ばないように注意する必要があるからです。オイラー自身の証明にも、この種のすき間があったことが知られています。小話1 の豆知識の額縁のように、穴のある立体では①の「平らに広げる」ができないので、この証明は使えず、実際に vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 も成り立ちません。

正多面体がちょうど 5 種類であること

本文では「1 つの頂点の角の和」で 5 通りに絞りました。ここでは、オイラーの多面体定理だけを使って、頂点・辺・面の数まで決まることを示します。

定理5:正多面体の数の組は 5 通り

各面が正 nn 角形で、各頂点に mm 枚の面が集まる正多面体の vv,ee,ff は、次の 5 通りのどれかである。

(n, m)(n,\ m)(3, 3)(3,\ 3)(4, 3)(4,\ 3)(3, 4)(3,\ 4)(5, 3)(5,\ 3)(3, 5)(3,\ 5)
ee612123030
vv4862012
ff4681220

証明 多角形なので nn≧3{}\geqq 3、立体の頂点なので mm≧3{}\geqq 3 である。公式6 (1) より nfnf=2e{}= 2e=mv{}= mv なので、ff=2en{}= \dfrac{2e}{n},vv=2em{}= \dfrac{2e}{m}。これを vv−e{}- e+f{}+ f=2{}= 2 に代入すると

2em\displaystyle \frac{2e}{m}−e\displaystyle {}- e+2en\displaystyle {}+ \frac{2e}{n}=2\displaystyle {}= 2⟹1m\displaystyle {}\Longrightarrow\quad \frac{1}{m}+1n\displaystyle {}+ \frac{1}{n}=12\displaystyle {}= \frac{1}{2}+1e\displaystyle {}+ \frac{1}{e}

右辺は 12\dfrac{1}{2} より大きいので 1m\dfrac{1}{m}+1n{}+ \dfrac{1}{n}>12{}> \dfrac{1}{2}。両辺に 2mn2mn を掛けて整理すると

2n\displaystyle 2n+2m\displaystyle {}+ 2m>mn\displaystyle {}> mn⟺(m−2)(n−2)\displaystyle {}\Longleftrightarrow\quad (m - 2)(n - 2)<4\displaystyle {}< 4

mm−2{}- 2,nn−2{}- 2 は 1 以上の整数なので、積が 4 未満になるのは (m−2, n−2)(m - 2,\ n - 2)=(1,1),{}= (1, 1),(1,2),(1, 2),(2,1),(2, 1),(1,3),(1, 3),(3,1)(3, 1) の 5 通りで、(n, m)(n,\ m) は表の 5 通りである。それぞれ 1e\dfrac{1}{e}=1m{}= \dfrac{1}{m}+1n{}+ \dfrac{1}{n}−12{}- \dfrac{1}{2} から ee が決まり、vv=2em{}= \dfrac{2e}{m},ff=2en{}= \dfrac{2e}{n} も決まる。たとえば (n, m)(n,\ m)=(5, 3){}= (5,\ 3) なら 1e\dfrac{1}{e}=13{}= \dfrac{1}{3}+15{}+ \dfrac{1}{5}−12{}- \dfrac{1}{2}=130{}= \dfrac{1}{30} で ee=30{}= 30,vv=20{}= 20,ff=12{}= 12。(証明終)

本文の「角の和」の議論は、正多角形の内角という「長さと角度の情報」を使っていました。定理5 は、面の形が正多角形であることすら使わず、「nn 角形が、各頂点に mm 枚ずつ」という数え方の情報だけで同じ 5 通りにたどり着いています。

定理6:5 種類の正多面体は実際に存在する

定理5 の 5 通りのそれぞれについて、正多面体が実際に存在する。

証明の概略 座標空間を使って、頂点の位置を具体的に与える。

  • 正六面体:8 点 (±1, ±1, ±1)(\pm 1,\ \pm 1,\ \pm 1)。
  • 正四面体:立方体の 4 頂点 (1, 1, 1)(1,\ 1,\ 1),(1, −1, −1)(1,\ -1,\ -1),(−1, 1, −1)(-1,\ 1,\ -1),(−1, −1, 1)(-1,\ -1,\ 1)。どの 2 点も立方体の面の対角線の両端なので、6 本の辺がすべて 222\sqrt{2} になる(実践 j12)。
  • 正八面体:立方体の 6 つの面の中心 (±1, 0, 0)(\pm 1,\ 0,\ 0),(0, ±1, 0)(0,\ \pm 1,\ 0),(0, 0, ±1)(0,\ 0,\ \pm 1)(実践 j13)。
  • 正二十面体:φ\varphi=1+52{}= \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2}(φ2\varphi^2=φ{}= \varphi+1{}+ 1 を満たす)として、12 点 (0, ±1, ±φ)(0,\ \pm 1,\ \pm\varphi),(±1, ±φ, 0)(\pm 1,\ \pm\varphi,\ 0),(±φ, 0, ±1)(\pm\varphi,\ 0,\ \pm 1)。たとえば (0, 1, φ)(0,\ 1,\ \varphi) と (1, φ, 0)(1,\ \varphi,\ 0) の距離の 2 乗は
1\displaystyle 1+(φ−1)2\displaystyle {}+ (\varphi - 1)^2+φ2\displaystyle {}+ \varphi^2=2φ2\displaystyle {}= 2\varphi^2−2φ\displaystyle {}- 2\varphi+2\displaystyle {}+ 2=2(φ+1)\displaystyle {}= 2(\varphi + 1)−2φ\displaystyle {}- 2\varphi+2\displaystyle {}+ 2=4\displaystyle {}= 4

で、距離は 22。同じ計算で、どの点からも距離 22 の点がちょうど 5 個あり((0, 1, φ)(0,\ 1,\ \varphi) なら (0, −1, φ)(0,\ -1,\ \varphi),(±1, φ, 0)(\pm 1,\ \varphi,\ 0),(±φ, 0, 1)(\pm\varphi,\ 0,\ 1))、それらを結ぶと 1 辺 22 の正三角形 20 枚で囲まれた凸多面体になる。

  • 正十二面体:正二十面体の 20 個の面の中心を頂点とする立体(双対)。正二十面体の対称性から、面はすべて合同な正五角形で、各頂点に 3 枚ずつ集まることが確かめられる。

各場合に、面が合同な正多角形であること、凸であることの細かい確認は省略する。(証明終)

正二十面体の 12 点は、縦横の比が 1:φ1 : \varphi の長方形(黄金長方形)3 枚を、たがいに垂直に組み合わせたときの 12 個の角の位置です。第6章 j18 で作図した長さ 1+52\dfrac{1 + \sqrt{5}}{2} が、正二十面体と正十二面体の両方の骨組みに入り込んでいます。定理5 と定理6 を合わせて、「正多面体はちょうど 5 種類」がはじめて言い切れます。

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