目次 / データの分析と統計 / 数学I

第4章 散布図と相関係数

—— 2 つの変量の関係を 1 つの数で表す ——

第1章から第3章までは、1 つの変量の中での散らばりを調べてきました。この章では、2 つの変量の間に関係があるかどうかを調べます。まず 2 つの値の組を点で表した「散布図」をかき、そこから「共分散」「相関係数」という数へ進みます。相関係数は $-1$ から $1$ までの数で、2 つの変量が直線的にどれくらいそろって動くかを表します。最後に、相関係数だけを見ていると足をすくわれる場面(外れ値・見かけの相関・相関と因果)も扱います。

問題マップ記録を読み込み中…
未回答 25× 0○ 01か月定着 0

2 つの変量と散布図

第3章までは、テストの得点なら得点だけ、身長なら身長だけと、1 つの変量を見てきました。けれども、実際に知りたいことの多くは「2 つの変量の間に関係があるか」です。気温が高い日はアイスコーヒーがよく売れるのか。練習時間が長い人ほど記録がよいのか。

こういうときは、1 人(1 日、1 個)について 2 つの値を組にし、その組を点として平面に並べます。

公式1:散布図と相関

2 つの変量 xx,yy の値の組 (x1,y1),(x_1, y_1),(x2,y2),(x_2, y_2),…,\ldots,(xn,yn)(x_n, y_n) を、座標平面上の点として表した図を散布図という。

  • xx が大きいほど yy も大きい傾向があるとき、xx と yy の間に正の相関があるという。
  • xx が大きいほど yy は小さい傾向があるとき、xx と yy の間に負の相関があるという。
  • どちらの傾向もはっきりしないとき、相関がない(相関関係がない)という。

点が一直線に近く並ぶほど、相関が強いという。

「相関(そうかん)」は、たがいに関係し合っているという意味の言葉です。

散布図は、町の地図のようなものだと思ってください。東西の位置が xx、南北の位置が yy で、一人一人が自分の 2 つの値のところに家を建てます。家が北東から南西へ帯のように並んでいれば正の相関、北西から南東へ並んでいれば負の相関、町じゅうにばらばらに散らばっていれば相関がない、というわけです。

正の相関 y x 負の相関 y x 相関がない y x

散布図は 2 つの値の組を点で表した図で、点の並び方から、2 つの変量が同じ向きに動くか、逆向きに動くか、関係がないかを読み取るということです。

例題1:散布図をかいて読み取る

ある喫茶店で 8 日間、その日の最高気温 xx(∘C^\circ\mathrm{C})と、売れたアイスコーヒーの杯数 yy(杯)を調べました。

最高気温 xx2224252728303234
杯数 yy3142354448455862

このデータの散布図をかき、xx と yy の間にどのような相関があるかを求めなさい。


【解答】

横軸に xx、縦軸に yy をとり、8 つの組を点で打つと、下の図のようになります。

20 24 28 32 36 30 40 50 60 最高気温 x(℃) 杯数 y(杯)

点はおおむね右上がりに並んでいて、気温が高い日ほど杯数も多い傾向が読み取れます。よって、xx と yy の間には 正の相関がある‾\underline{\text{正の相関がある}} といえます。しかも点は帯のように細く並んでいるので、かなり強い相関です。

共分散

散布図をかけば相関の様子は目で見て分かりますが、「どちらの相関が強いか」を人によって違わない形で言うには、数が必要です。その数を作る手がかりは、やはり平均値です。

散布図に、xx=x‾{}= \overline{x} の縦線と yy=y‾{}= \overline{y} の横線を引くと、図が 4 つの区画に分かれます。右上の区画にある点は、xx も yy も平均値より大きいので、偏差 xkx_k−x‾{}- \overline{x} と yky_k−y‾{}- \overline{y} がどちらもプラスです。左下の区画では、どちらもマイナスです。どちらの区画でも、2 つの偏差の積はプラスになります。

一方、右下(xx は大きく yy は小さい)と左上(xx は小さく yy は大きい)では、偏差の符号が食い違うので、積はマイナスです。

x の平均値 y の平均値 偏差は − と + 積は − 偏差は + と + 積は + 偏差は − と − 積は + 偏差は + と − 積は − x が小さい x が大きい

そこで、この積をすべての点について平均してみます。正の相関があれば、プラスの区画に点が集まるので、平均はプラスの大きな値になります。負の相関があれば、マイナスの大きな値になります。関係がなければ、プラスとマイナスが打ち消し合って 00 に近づきます。

公式2:共分散

xx の平均値を x‾\overline{x}、yy の平均値を y‾\overline{y} とする。xx の偏差と yy の偏差の積の平均値を、xx と yy の共分散といい、sxys_{xy} で表す。

sxy\displaystyle s_{xy}=1n{(x1−x‾)(y1−y‾)\displaystyle {}= \frac{1}{n}\bigl\{(x_1 - \overline{x})(y_1 - \overline{y})+(x2−x‾)(y2−y‾)\displaystyle {}\qquad + (x_2 - \overline{x})(y_2 - \overline{y})+⋯+(xn−x‾)(yn−y‾)}\displaystyle {}\qquad + \cdots + (x_n - \overline{x})(y_n - \overline{y})\bigr\}

正の相関があるとき sxys_{xy}>0{}> 0、負の相関があるとき sxys_{xy}<0{}< 0 となる。

yy のかわりに xx を入れると、sxxs_{xx} は偏差の 2 乗の平均値、つまり xx の分散になります。共分散は分散の兄弟で、「分散」という名前に「共」が付いているのは、2 つの変量が共にどう動くかを測っているからです。

平均より上か下かを、シールの色で表してみましょう。数学の点が平均より上なら赤、下なら青のシールを、理科についても同じように貼ります。2 枚とも同じ色の人が多ければ、2 つの科目は同じ向きに動いていることになります。しかも、平均から大きく離れているほどシールを大きくするなら、共分散は「同じ色の大きなシールの合計」から「違う色の大きなシールの合計」を引いたようなものです。

共分散は 2 つの偏差の積の平均値で、その符号が正なら正の相関、負なら負の相関を表すということです。

例題2:共分散を求める

5 鉢の観葉植物について、1 か月の水やりの回数 xx(回)と、その間に伸びた高さ yy(cm)を調べると、次のようになりました。

水やりの回数 xx236910
伸びた高さ yy21859

このデータの共分散を求めなさい。


【解答】

まず平均値を求めます。

x‾\displaystyle \overline{x}=2+3+6+9+105\displaystyle {}= \frac{2 + 3 + 6 + 9 + 10}{5}=305\displaystyle {}= \frac{30}{5}=6,\displaystyle {}= 6,y‾\displaystyle \overline{y}=2+1+8+5+95\displaystyle {}= \frac{2 + 1 + 8 + 5 + 9}{5}=255\displaystyle {}= \frac{25}{5}=5\displaystyle {}= 5

偏差と、その積を表にまとめます。

x−x‾x - \overline{x}−4−3034
y−y‾y - \overline{y}−3−4304
積12120016

積の平均値が共分散なので

sxy\displaystyle s_{xy}=12+12+0+0+165\displaystyle {}= \frac{12 + 12 + 0 + 0 + 16}{5}=405\displaystyle {}= \frac{40}{5}=8‾\displaystyle {}= \underline{8}

sxys_{xy}>0{}> 0 なので、水やりの回数と伸びた高さの間には正の相関があります。

相関係数

共分散には、そのままでは比べにくいという弱点があります。xx を cm から mm に直しただけで、偏差が 10 倍になり、共分散も 10 倍になってしまうからです。単位の選び方で値が変わるものさしでは、「こちらのほうが相関が強い」とは言えません。

第3章の標準化を思い出しましょう。ものさしの違うものを比べるには、標準偏差で割って単位を消せばよいのでした。共分散も、xx と yy それぞれの標準偏差で割ってしまいます。

公式3:相関係数

xx,yy の標準偏差をそれぞれ sxs_x,sys_y(ともに 00 でないとする)とするとき

r\displaystyle r=sxysxsy\displaystyle {}= \frac{s_{xy}}{s_x s_y}

を、xx と yy の相関係数という。相関係数はつねに

−1\displaystyle -1≦r\displaystyle {}\leqq r≦1\displaystyle {}\leqq 1

を満たし、rr=1{}= 1 のときは点がすべて右上がりの一直線上に、rr=−1{}= -1 のときは点がすべて右下がりの一直線上に並ぶ。

rr が 11 や −1-1 に近いほど相関が強く、00 に近いほど相関が弱いと考えます。目安としては、∣r∣|r| が 0.70.7 を超えれば強い相関、0.40.4 前後なら弱い相関、0.20.2 以下ならほとんど相関がない、といわれることが多いのですが、これは分野によって変わる目安にすぎません。

2 人のダンサーが並んで踊っているところを想像してください。腕を上げる高さは人それぞれ違いますが、知りたいのは高さではなく、動きがどれだけそろっているかです。標準偏差で割るのは、「動きの大きさの違い」をならして、タイミングのそろい方だけを取り出す作業にあたります。ぴったりそろえば rr=1{}= 1、いつも逆向きなら rr=−1{}= -1、てんでばらばらなら rr は 00 に近くなります。

相関係数は共分散を 2 つの標準偏差で割ったもので、単位に左右されずに、−1-1 から 11 までの数で相関の強さと向きを表すということです。

例題3:相関係数を求める

5 人の生徒について、1 週間に行った英語のリスニング練習の回数 xx(回)と、小テストの得点 yy(点、10 点満点)を調べると、次のようになりました。

練習の回数 xx13457
得点 yy53769

このデータの相関係数を求めなさい。


【解答】

平均値は x‾\overline{x}=205{}= \dfrac{20}{5}=4{}= 4(回)、y‾\overline{y}=305{}= \dfrac{30}{5}=6{}= 6(点)です。偏差と、その 2 乗・積を表にまとめます。

x−x‾x - \overline{x}−3−1013計
y−y‾y - \overline{y}−1−3103
(x−x‾)2(x - \overline{x})^29101920
(y−y‾)2(y - \overline{y})^21910920
積3300915

分散と標準偏差は

sx2\displaystyle s_x^2=205\displaystyle {}= \frac{20}{5}=4,\displaystyle {}= 4,sx\displaystyle s_x=2,\displaystyle {}= 2,sy2\displaystyle s_y^2=205\displaystyle {}= \frac{20}{5}=4,\displaystyle {}= 4,sy\displaystyle s_y=2\displaystyle {}= 2

共分散は sxys_{xy}=155{}= \dfrac{15}{5}=3{}= 3 です。よって

r\displaystyle r=32×2\displaystyle {}= \frac{3}{2 \times 2}=0.75‾\displaystyle {}= \underline{0.75}

rr は 11 にかなり近いので、練習の回数と得点の間には強い正の相関があるといえます。

共分散のもう1つの求め方

平均値が小数になると、偏差がすべて小数になって計算が重くなります。分散に公式3(第3章)があったように、共分散にも同じ形の式があります。

公式4:共分散と積の平均値

x1y1,x_1y_1,x2y2,x_2y_2,…,\ldots,xnynx_ny_n の平均値を xy‾\overline{xy} と書くと

sxy\displaystyle s_{xy}=xy‾\displaystyle {}= \overline{xy}−x‾ y‾\displaystyle {}- \overline{x}\,\overline{y}

すなわち、(共分散)=(積の平均値)−(平均値の積)である。

確かめ方は第3章とそっくりです。積を展開すると

(xk−x‾)(yk−y‾)\displaystyle (x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})=xkyk\displaystyle {}= x_k y_k−y‾ xk\displaystyle {}- \overline{y}\,x_k−x‾ yk\displaystyle {}- \overline{x}\,y_k+x‾ y‾\displaystyle {}+ \overline{x}\,\overline{y}

これを kk=1,{}= 1,2,2,…,\ldots,nn について足して nn で割ると、第 1 項は xy‾\overline{xy}、第 2 項は −y‾⋅x‾-\overline{y} \cdot \overline{x}、第 3 項は −x‾⋅y‾-\overline{x} \cdot \overline{y}、第 4 項は x‾ y‾\overline{x}\,\overline{y} になるので

sxy\displaystyle s_{xy}=xy‾\displaystyle {}= \overline{xy}−2 x‾ y‾\displaystyle {}- 2\,\overline{x}\,\overline{y}+x‾ y‾\displaystyle {}+ \overline{x}\,\overline{y}=xy‾\displaystyle {}= \overline{xy}−x‾ y‾\displaystyle {}- \overline{x}\,\overline{y}

yy を xx に置きかえると、第3章の s2s^2=x2‾{}= \overline{x^2}−(x‾)2{}- \left(\overline{x}\right)^2 にちょうど重なります。分散の式の兄弟だと思っておけば覚えやすいでしょう。

共分散は、積の平均値から平均値の積を引いても求められ、平均値が小数のときはこちらのほうが計算が楽になるということです。

例題4:積の平均値から共分散と相関係数を求める

ある家の太陽光パネルについて、4 日間の日照時間 xx(時間)と発電量 yy(kWh)を調べると、次のようになりました。

日照時間 xx3456
発電量 yy6879

(1) 公式4を使って、このデータの共分散

(2) このデータの相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。


【解答】

(1) 平均値は x‾\overline{x}=184{}= \dfrac{18}{4}=4.5{}= 4.5、y‾\overline{y}=304{}= \dfrac{30}{4}=7.5{}= 7.5 で、どちらも小数です。積の平均値は

xy‾\displaystyle \overline{xy}=3×6+4×8+5×7+6×94\displaystyle {}= \frac{3 \times 6 + 4 \times 8 + 5 \times 7 + 6 \times 9}{4}=18+32+35+544\displaystyle {}= \frac{18 + 32 + 35 + 54}{4}=1394\displaystyle {}= \frac{139}{4}=34.75\displaystyle {}= 34.75

よって

sxy\displaystyle s_{xy}=34.75\displaystyle {}= 34.75−4.5×7.5\displaystyle {}- 4.5 \times 7.5=34.75\displaystyle {}= 34.75−33.75\displaystyle {}- 33.75=1‾\displaystyle {}= \underline{1}

(2) 分散も同じ要領で求めます。

sx2\displaystyle s_x^2=9+16+25+364\displaystyle {}= \frac{9 + 16 + 25 + 36}{4}−4.52\displaystyle {}- 4.5^2=864\displaystyle {}= \frac{86}{4}−20.25\displaystyle {}- 20.25=21.5\displaystyle {}= 21.5−20.25\displaystyle {}- 20.25=1.25\displaystyle {}= 1.25sy2\displaystyle s_y^2=36+64+49+814\displaystyle {}= \frac{36 + 64 + 49 + 81}{4}−7.52\displaystyle {}- 7.5^2=2304\displaystyle {}= \frac{230}{4}−56.25\displaystyle {}- 56.25=57.5\displaystyle {}= 57.5−56.25\displaystyle {}- 56.25=1.25\displaystyle {}= 1.25

sxs_x=sy{}= s_y=1.25{}= \sqrt{1.25} なので、sxsys_x s_y=1.25{}= 1.25 です。よって

r\displaystyle r=11.25\displaystyle {}= \frac{1}{1.25}=0.8‾\displaystyle {}= \underline{0.8}

標準偏差そのものは 1.25\sqrt{1.25} という半端な数ですが、相関係数を求めるのに必要なのは積 sxsys_x s_y だけなので、平方根を計算しなくても答えが出ます。

変量の変換と相関係数

第3章では、yy=ax{}= ax+b{}+ b と変換すると標準偏差が ∣a∣|a| 倍になることを学びました。相関係数はどうなるでしょうか。

公式5:変量の変換と相関係数

aa,bb,cc,dd を定数(aa≠0{}\neq 0,cc≠0{}\neq 0)とし、uu=ax{}= ax+b{}+ b,vv=cy{}= cy+d{}+ d とすると

suv\displaystyle s_{uv}=ac sxy,\displaystyle {}= ac\,s_{xy},ruv\displaystyle r_{uv}={rxy(ac>0 のとき)−rxy(ac<0 のとき)\displaystyle {}= \begin{cases} r_{xy} & (ac > 0 \ \text{のとき}) \\[2pt] -r_{xy} & (ac < 0 \ \text{のとき}) \end{cases}

とくに、x0x_0,y0y_0 と正の数 c1c_1,c2c_2 を決めて uu=x−x0c1{}= \dfrac{x - x_0}{c_1},vv=y−y0c2{}= \dfrac{y - y_0}{c_2} とおいたとき、uu と vv の相関係数は xx と yy の相関係数に等しい。

偏差を計算すると、bb と dd が消えて uku_k−u‾{}- \overline{u}=a(xk−x‾){}= a(x_k - \overline{x})、vkv_k−v‾{}- \overline{v}=c(yk−y‾){}= c(y_k - \overline{y}) となるので、共分散は acac 倍です。標準偏差は sus_u=∣a∣sx{}= |a| s_x、svs_v=∣c∣sy{}= |c| s_y なので、割り算をすると

ruv\displaystyle r_{uv}=ac sxy∣a∣sx⋅∣c∣sy\displaystyle {}= \frac{ac\,s_{xy}}{|a| s_x \cdot |c| s_y}=ac∣ac∣ rxy\displaystyle {}= \frac{ac}{|ac|}\, r_{xy}

となり、acac が正なら相関係数はそのまま、負なら符号だけが変わります。

気温と飲み物の売り上げの関係を考えるとき、気温を摂氏で測っても華氏で測っても、「暑い日ほど売れる」という結びつきの強さは変わりません。変わるのは目盛りの付け方だけだからです。相関係数が単位に左右されないのは、こういうことです。

この性質は計算の道具としても便利です。値が大きくて扱いにくいデータでも、切りのよい数を引いて割れば、小さい整数にしてから相関係数を求められます。

uu=ax{}= ax+b{}+ b,vv=cy{}= cy+d{}+ d と変換すると共分散は acac 倍になりますが、相関係数は acac の符号だけで決まり、大きさは変わらないということです。

例題5:変量の変換を利用して相関係数を求める

5 本の木について、高さ xx(cm)と幹の太さ yy(mm)を測ると、次のようになりました。

高さ xx160170175180190
太さ yy4450485652

uu=x−1755{}= \dfrac{x - 175}{5},vv=y−502{}= \dfrac{y - 50}{2} とおいて、xx と yy の相関係数を求めなさい。


【解答】

uu,vv の値は次のようになります。

uu−3−1013
vv−30−131

u‾\overline{u}=05{}= \dfrac{0}{5}=0{}= 0、v‾\overline{v}=05{}= \dfrac{0}{5}=0{}= 0 なので、uu,vv の値がそのまま偏差です。

su2\displaystyle s_u^2=9+1+0+1+95\displaystyle {}= \frac{9 + 1 + 0 + 1 + 9}{5}=4,\displaystyle {}= 4,sv2\displaystyle s_v^2=9+0+1+9+15\displaystyle {}= \frac{9 + 0 + 1 + 9 + 1}{5}=4\displaystyle {}= 4suv\displaystyle s_{uv}=9+0+0+3+35\displaystyle {}= \frac{9 + 0 + 0 + 3 + 3}{5}=155\displaystyle {}= \frac{15}{5}=3\displaystyle {}= 3

よって sus_u=sv{}= s_v=2{}= 2 で、uu と vv の相関係数は 32×2\dfrac{3}{2 \times 2}=0.75{}= 0.75 です。

xx=5u{}= 5u+175{}+ 175、yy=2v{}= 2v+50{}+ 50 で、5×25 \times 2>0{}> 0 なので、xx と yy の相関係数も 0.75‾\underline{0.75} です。

(ちなみに sxys_{xy}=5×2×3{}= 5 \times 2 \times 3=30{}= 30、sxs_x=5×2{}= 5 \times 2=10{}= 10、sys_y=2×2{}= 2 \times 2=4{}= 4 なので、rr=3010×4{}= \dfrac{30}{10 \times 4}=0.75{}= 0.75 と直接求めても同じです。)

相関係数を読むときの注意

相関係数は便利な数ですが、これ 1 つでデータのすべてが分かるわけではありません。使うときの落とし穴を 3 つ挙げます。

公式6:相関係数を読むときの注意

(1) 外れ値 ほかから極端に離れた点が 1 つあるだけで、相関係数は大きく変わることがある。

(2) 見かけの相関 性質の違う集団を混ぜると、本当はない相関が現れたり、相関の向きが逆に見えたりすることがある。

(3) 相関と因果 相関があることと、一方が他方の原因であることは別である。第 3 の変量がどちらにも影響していることも多い。

相関係数を求めたら、必ず散布図もかいて確かめる。

(3) は、とくに気をつけたい点です。小学生を集めて調べると、背が高い子ほど計算が速い、という強い正の相関が出ます。だからといって、背を伸ばせば計算が速くなるわけではありません。背の高さも計算の速さも、どちらも「年齢」が高いほど大きくなるだけです。このように、2 つの変量の両方に影響する裏の変量を潜伏変数(第 3 の変量)といいます。

また、相関係数が測っているのは直線的な関係だけだということも覚えておきましょう。きれいな放物線の上に点が並んでいても、その相関係数は 00 になることがあります。

相関係数は、外れ値・集団の混ざり・因果の取りちがえに弱いので、必ず散布図とセットで読むということです。

例題6:外れ値が相関係数に与える影響

6 人の部員について、1 週間の自主練習の回数 xx(回)と、大会での得点 yy(点)を調べると、次のようになりました。F さんは 11 回練習しましたが、大会当日にけがをして 00 点でした。

ABCDEF
練習の回数 xx2456811
得点 yy365970

(1) 6 人全員の相関係数

(2) F さんを除いた 5 人の相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。


【解答】

(1) x‾\overline{x}=366{}= \dfrac{36}{6}=6{}= 6、y‾\overline{y}=306{}= \dfrac{30}{6}=5{}= 5 です。偏差は次のようになります。

x−x‾x - \overline{x}−4−2−1025
y−y‾y - \overline{y}−21042−5
sx2\displaystyle s_x^2=16+4+1+0+4+256\displaystyle {}= \frac{16 + 4 + 1 + 0 + 4 + 25}{6}=506\displaystyle {}= \frac{50}{6}=253,\displaystyle {}= \frac{25}{3},sy2\displaystyle s_y^2=4+1+0+16+4+256\displaystyle {}= \frac{4 + 1 + 0 + 16 + 4 + 25}{6}=253\displaystyle {}= \frac{25}{3}sxy\displaystyle s_{xy}=8+(−2)+0+0+4+(−25)6\displaystyle {}= \frac{8 + (-2) + 0 + 0 + 4 + (-25)}{6}=−156\displaystyle {}= \frac{-15}{6}=−52\displaystyle {}= -\frac{5}{2}

sxs_x=sy{}= s_y=253{}= \sqrt{\dfrac{25}{3}} なので sxsys_x s_y=253{}= \dfrac{25}{3} で

r\displaystyle r=−52253\displaystyle {}= \frac{-\dfrac{5}{2}}{\dfrac{25}{3}}=−52×325\displaystyle {}= -\frac{5}{2} \times \frac{3}{25}=−0.3‾\displaystyle {}= \underline{-0.3}

(2) F さんを除くと x‾\overline{x}=255{}= \dfrac{25}{5}=5{}= 5、y‾\overline{y}=305{}= \dfrac{30}{5}=6{}= 6 です。

x−x‾x - \overline{x}−3−1013
y−y‾y - \overline{y}−30−131
sx2\displaystyle s_x^2=9+1+0+1+95\displaystyle {}= \frac{9 + 1 + 0 + 1 + 9}{5}=4,\displaystyle {}= 4,sy2\displaystyle s_y^2=9+0+1+9+15\displaystyle {}= \frac{9 + 0 + 1 + 9 + 1}{5}=4,\displaystyle {}= 4,sxy\displaystyle s_{xy}=9+0+0+3+35\displaystyle {}= \frac{9 + 0 + 0 + 3 + 3}{5}=3\displaystyle {}= 3r\displaystyle r=32×2\displaystyle {}= \frac{3}{2 \times 2}=0.75‾\displaystyle {}= \underline{0.75}

たった 1 人のためだけに、0.750.75 の正の相関が −0.3-0.3 の負の相関に変わってしまいました。散布図をかけば、F さんの点だけが遠くに離れていることがすぐ分かります。

0 2 4 6 8 10 12 0 2 4 6 8 10 練習の回数 x(回) 得点 y(点) A B C D E F(外れ値)

外れ値を見つけたら、まず「なぜその値になったのか」を調べます。この例のように理由がはっきりしていれば、断ったうえで除いて考えるのが自然です。理由も分からないまま、都合の悪い点を消してしまうのは、してはいけないことです。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

次の (1)、(2) の 2 つの変量の組について考える。

(1) 自動車の走った距離と、使ったガソリンの量

(2) 1 個あたりの値段と、その商品の売れた個数

上の (1)、(2) には、正の相関と負の相関のどちらがあると考えられるか、それぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 正の相関 (2) 負の相関

自己採点:
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問2

5 個のデータの組が次のように与えられている。

xx14578
yy346107

xx と yy の共分散を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

x‾\overline{x}=5{}= 5,y‾\overline{y}=6{}= 6。偏差の積は 12,12, 2,\ 2, 0,\ 0, 8,\ 8, 3\ 3 なので sxys_{xy}=255{}= \dfrac{25}{5}=5‾{}= \underline{5}

自己採点:
記録を読み込み中…

問3

2 つの変量 xx,yy について、共分散が 66、xx の標準偏差が 33、yy の標準偏差が 44 である。xx と yy の相関係数を求めなさい。

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答え

rr=63×4{}= \dfrac{6}{3 \times 4}=0.5‾{}= \underline{0.5}

自己採点:
記録を読み込み中…

問4

2 つの変量 xx,yy について、xy‾\overline{xy}=20{}= 20、x‾\overline{x}=3{}= 3、y‾\overline{y}=5{}= 5 である。xx と yy の共分散を求めなさい。

答えを見る
答え

sxys_{xy}=20{}= 20−3×5{}- 3 \times 5=5‾{}= \underline{5}

自己採点:
記録を読み込み中…

問5

身長 xx(cm)と体重 yy(kg)の相関係数が 0.60.6 であった。身長を m の単位で測り直した値 uu=x100{}= \dfrac{x}{100} と、体重 yy の相関係数を求めなさい。

答えを見る
答え

1100\dfrac{1}{100}>0{}> 0 なので相関係数は変わらず 0.6‾\underline{0.6}

自己採点:
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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

ある水族館で 5 日間、入場者数 xx(百人)と売店の売り上げ yy(万円)を調べると、次のようになりました。

入場者数 xx2425283132
売り上げ yy3736434044

このデータの xx,yy の平均値と、xx と yy の共分散を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x‾\overline{x}=28{}= 28(百人)、y‾\overline{y}=40{}= 40(万円)、sxys_{xy}=8{}= 8

解説

平均値は

x‾\displaystyle \overline{x}=1405\displaystyle {}= \frac{140}{5}=28‾,\displaystyle {}= \underline{28},y‾\displaystyle \overline{y}=2005\displaystyle {}= \frac{200}{5}=40‾\displaystyle {}= \underline{40}

偏差とその積を表にします。

x−x‾x - \overline{x}−4−3034計
y−y‾y - \overline{y}−3−4304
積1212001640

よって sxys_{xy}=405{}= \dfrac{40}{5}=8‾{}= \underline{8} です。共分散が正なので、入場者数が多い日ほど売店の売り上げも多い傾向があります。

自己採点:
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問2 ★

5 人について、1 週間のピアノの練習時間 xx(時間)と、発表会の得点 yy(点)を調べると、次のようになりました。

練習時間 xx147810
得点 yy6766707374

このデータの xx と yy の相関係数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

rr=0.9{}= 0.9

解説

平均値は x‾\overline{x}=305{}= \dfrac{30}{5}=6{}= 6(時間)、y‾\overline{y}=3505{}= \dfrac{350}{5}=70{}= 70(点)です。

x−x‾x - \overline{x}−5−2124計
y−y‾y - \overline{y}−3−4034
(x−x‾)2(x - \overline{x})^2254141650
(y−y‾)2(y - \overline{y})^2916091650
積158061645
sx2\displaystyle s_x^2=505\displaystyle {}= \frac{50}{5}=10,\displaystyle {}= 10,sy2\displaystyle s_y^2=505\displaystyle {}= \frac{50}{5}=10,\displaystyle {}= 10,sxy\displaystyle s_{xy}=455\displaystyle {}= \frac{45}{5}=9\displaystyle {}= 9

sxs_x=sy{}= s_y=10{}= \sqrt{10} なので sxsys_x s_y=10{}= 10 で

r\displaystyle r=910\displaystyle {}= \frac{9}{10}=0.9‾\displaystyle {}= \underline{0.9}

11 にかなり近いので、強い正の相関があります。

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問3 ★

次の (ア)〜(エ) は、それぞれ別の 2 つの変量の組について求めた相関係数です。

(ア) 0.62\displaystyle (ア)\ 0.62(イ)\displaystyle (イ) −0.85\displaystyle {}\ -0.85(ウ) 0.09\displaystyle (ウ)\ 0.09(エ)\displaystyle (エ) −0.31\displaystyle {}\ -0.31

(1) 負の相関があるもの

(2) 直線的な関係がもっとも強いもの

(3) 散布図の点がもっともばらばらに散らばっているもの

上の (1)〜(3) にあてはまるものを、(ア)〜(エ) のうちからそれぞれすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) (イ)、(エ) (2) (イ) (3) (ウ)

解説

(1) 相関係数が負のものが、負の相関があるものです。−0.85-0.85 と −0.31-0.31 なので (イ)、(エ)‾\underline{(イ)、(エ)} です。

(2) 直線的な関係の強さは ∣r∣|r| の大きさで比べます。∣−0.85∣|{-0.85}|=0.85{}= 0.85 がいちばん大きいので (イ)‾\underline{(イ)} です。0.620.62 より、符号は負でも −0.85-0.85 のほうが関係は強いことに注意しましょう。

(3) ∣r∣|r| が 00 に近いほど、点は直線から離れてばらばらに散らばります。∣0.09∣|0.09|=0.09{}= 0.09 がいちばん小さいので (ウ)‾\underline{(ウ)} です。

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問4 ★

4 匹の犬について、体重 xx(kg)と 1 日のえさの量 yy(g)を調べると、次のようになりました。

体重 xx2345
えさの量 yy407060110

公式4を使って、このデータの共分散を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

sxys_{xy}=25{}= 25

解説

平均値は x‾\overline{x}=144{}= \dfrac{14}{4}=3.5{}= 3.5(kg)、y‾\overline{y}=2804{}= \dfrac{280}{4}=70{}= 70(g)です。x‾\overline{x} が小数なので、公式4(積の平均値 − 平均値の積)を使います。xx と yy の積の合計は

2×40\displaystyle 2 \times 40+3×70\displaystyle {}+ 3 \times 70+4×60\displaystyle {}+ 4 \times 60+5×110\displaystyle {}+ 5 \times 110=80\displaystyle {}= 80+210\displaystyle {}+ 210+240\displaystyle {}+ 240+550\displaystyle {}+ 550=1080\displaystyle {}= 1080

なので

xy‾\displaystyle \overline{xy}=10804\displaystyle {}= \frac{1080}{4}=270\displaystyle {}= 270

よって

sxy\displaystyle s_{xy}=270\displaystyle {}= 270−3.5×70\displaystyle {}- 3.5 \times 70=270\displaystyle {}= 270−245\displaystyle {}- 245=25‾\displaystyle {}= \underline{25}
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問5 ★

2 つの変量 xx,yy について、次の値を求めなさい。

(1) xx,yy の標準偏差がそれぞれ 55,44 で、相関係数が 0.60.6 であるときの共分散

(2) 共分散が −9-9、xx の標準偏差が 33、相関係数が −0.75-0.75 であるときの yy の標準偏差

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 1212 (2) 44

解説

rr=sxysxsy{}= \dfrac{s_{xy}}{s_x s_y} を、求めたいものについて解き直します。

(1) sxys_{xy}=r sxsy{}= r\, s_x s_y=0.6×5×4{}= 0.6 \times 5 \times 4=12‾{}= \underline{12}

(2) sys_y=sxyr sx{}= \dfrac{s_{xy}}{r\, s_x}=−9(−0.75)×3{}= \dfrac{-9}{(-0.75) \times 3}=−9−2.25{}= \dfrac{-9}{-2.25}=4‾{}= \underline{4}

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問6 ★

あるコンビニエンスストアで 5 日間、最高気温 xx(∘C^\circ\mathrm{C})とおでんの売れた数 yy(個)を調べると、次のようになりました。

最高気温 xx4581112
売れた数 yy4344374036

このデータの xx と yy の相関係数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

rr=−0.8{}= -0.8

解説

平均値は x‾\overline{x}=405{}= \dfrac{40}{5}=8{}= 8(∘C^\circ\mathrm{C})、y‾\overline{y}=2005{}= \dfrac{200}{5}=40{}= 40(個)です。

x−x‾x - \overline{x}−4−3034計
y−y‾y - \overline{y}34−30−4
(x−x‾)2(x - \overline{x})^2169091650
(y−y‾)2(y - \overline{y})^2916901650
積−12−1200−16−40
sx2\displaystyle s_x^2=10,\displaystyle {}= 10,sy2\displaystyle s_y^2=10,\displaystyle {}= 10,sxy\displaystyle s_{xy}=−405\displaystyle {}= \frac{-40}{5}=−8\displaystyle {}= -8

sxsys_x s_y=10×10{}= \sqrt{10} \times \sqrt{10}=10{}= 10 なので

r\displaystyle r=−810\displaystyle {}= \frac{-8}{10}=−0.8‾\displaystyle {}= \underline{-0.8}

気温が高い日ほどおでんは売れない、という強い負の相関があります。

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問7 ★

10 個の荷物について、たての長さ xx(cm)と重さ yy(g)を調べたところ、共分散は 600600、相関係数は 0.60.6 でした。次の値を求めなさい。

(1) 長さを m の単位に直した uu=x100{}= \dfrac{x}{100} と yy の共分散と相関係数

(2) すべての荷物の重さがそれぞれ 5050 g ずつ増えたときの、xx と重さの共分散と相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 共分散 66、相関係数 0.60.6 (2) 共分散 600600、相関係数 0.60.6

解説

(1) uu=1100x{}= \dfrac{1}{100}x は aa=1100{}= \dfrac{1}{100},bb=0{}= 0 の変換です。共分散は acac 倍(ここで cc=1{}= 1)なので

suy\displaystyle s_{uy}=1100×600\displaystyle {}= \frac{1}{100} \times 600=6‾\displaystyle {}= \underline{6}

1100\dfrac{1}{100}>0{}> 0 なので相関係数は変わらず 0.6‾\underline{0.6} です。

(2) 重さを vv=y{}= y+50{}+ 50 とすると cc=1{}= 1,dd=50{}= 50 です。定数を足しても偏差は変わらないので、共分散は 600‾\underline{600} のまま、相関係数も 0.6‾\underline{0.6} のままです。

単位をどう選んでも、5050 g ずつ足しても、2 つの変量の結びつきの強さは変わりません。これが相関係数の便利なところです。

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問8 ★

ある店で 5 日間、雨量 xx(mm)とかさの売れた本数 yy(本)を調べると、次のようになりました。xx の平均値は 77 mm です。

雨量 xx35aa911
売れた本数 yy109131216

(1) aa の値

(2) xx と yy の共分散

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) aa=7{}= 7 (2) sxys_{xy}=6{}= 6

解説

(1) 平均値の式から

3+5+a+9+115\displaystyle \frac{3 + 5 + a + 9 + 11}{5}=7\displaystyle {}= 7⟹28\displaystyle {}\Longrightarrow \quad 28+a\displaystyle {}+ a=35\displaystyle {}= 35⟹a\displaystyle {}\Longrightarrow \quad a=7‾\displaystyle {}= \underline{7}

(2) y‾\overline{y}=605{}= \dfrac{60}{5}=12{}= 12(本)です。

x−x‾x - \overline{x}−4−2024計
y−y‾y - \overline{y}−2−3104
積86001630

よって sxys_{xy}=305{}= \dfrac{30}{5}=6‾{}= \underline{6} です。

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問9 ★★

ある会社で 6 か月間、1 か月の広告費 xx(万円)と問い合わせの件数 yy(件)を調べると、次のようになりました。

広告費 xx147101313
件数 yy1139151117

このデータの xx と yy の相関係数を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

rr=0.6{}= 0.6

解説

平均値は x‾\overline{x}=486{}= \dfrac{48}{6}=8{}= 8(万円)、y‾\overline{y}=666{}= \dfrac{66}{6}=11{}= 11(件)です。

x−x‾x - \overline{x}−7−4−1255計
y−y‾y - \overline{y}0−8−2406
(x−x‾)2(x - \overline{x})^24916142525120
(y−y‾)2(y - \overline{y})^2064416036120
積0322803072
sx2\displaystyle s_x^2=1206\displaystyle {}= \frac{120}{6}=20,\displaystyle {}= 20,sy2\displaystyle s_y^2=1206\displaystyle {}= \frac{120}{6}=20,\displaystyle {}= 20,sxy\displaystyle s_{xy}=726\displaystyle {}= \frac{72}{6}=12\displaystyle {}= 12

sxsys_x s_y=20×20{}= \sqrt{20} \times \sqrt{20}=20{}= 20 なので

r\displaystyle r=1220\displaystyle {}= \frac{12}{20}=0.6‾\displaystyle {}= \underline{0.6}

0.60.6 は「やや強い正の相関」といえる程度で、広告費だけで件数が決まるわけではないことも読み取れます。

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問10 ★★

5 つの花壇について、植えた球根の数 xx(個)と咲いた花の数 yy(本)を調べると、次のようになりました。xx と yy の共分散は 66 です。

球根の数 xx13579
花の数 yy468aa12

(1) aa の値

(2) xx と yy の相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) aa=5{}= 5 (2) rr=0.75{}= 0.75

解説

(1) x‾\overline{x}=255{}= \dfrac{25}{5}=5{}= 5(個)、y‾\overline{y}=30+a5{}= \dfrac{30 + a}{5} です。公式4を使います。xx と yy の積の合計は

1×4\displaystyle 1 \times 4+3×6\displaystyle {}+ 3 \times 6+5×8\displaystyle {}+ 5 \times 8+7a\displaystyle {}+ 7a+9×12\displaystyle {}+ 9 \times 12=170\displaystyle {}= 170+7a\displaystyle {}+ 7a

なので

xy‾\displaystyle \overline{xy}=170+7a5\displaystyle {}= \frac{170 + 7a}{5} sxy\displaystyle s_{xy}=170+7a5\displaystyle {}= \frac{170 + 7a}{5}−5⋅30+a5\displaystyle {}- 5 \cdot \frac{30 + a}{5}=170+7a−150−5a5\displaystyle {}= \frac{170 + 7a - 150 - 5a}{5}=20+2a5\displaystyle {}= \frac{20 + 2a}{5}

これが 66 に等しいので 2020+2a{}+ 2a=30{}= 30、すなわち aa=5‾{}= \underline{5} です。

(2) aa=5{}= 5 のとき y‾\overline{y}=355{}= \dfrac{35}{5}=7{}= 7(本)です。

x−x‾x - \overline{x}−4−2024計
y−y‾y - \overline{y}−3−11−25
(x−x‾)2(x - \overline{x})^2164041640
(y−y‾)2(y - \overline{y})^291142540

sx2s_x^2=sy2{}= s_y^2=405{}= \dfrac{40}{5}=8{}= 8 なので sxsys_x s_y=8{}= 8 で

r\displaystyle r=68\displaystyle {}= \frac{6}{8}=0.75‾\displaystyle {}= \underline{0.75}
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問11 ★★

5 つの都市について、1 月の平均気温 xx(∘C^\circ\mathrm{C})と 1 世帯あたりの灯油の消費量 yy(L)を調べると、次のようになりました。

平均気温 xx−2061214
消費量 yy330340270300260

uu=x−62{}= \dfrac{x - 6}{2},vv=y−30010{}= \dfrac{y - 300}{10} とおいて、次の値を求めなさい。

(1) xx と yy の相関係数

(2) xx と yy の共分散

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) rr=−0.8{}= -0.8 (2) sxys_{xy}=−160{}= -160

解説

uu,vv の値は次のようになります。

uu−4−3034
vv34−30−4

(1) u‾\overline{u}=0{}= 0、v‾\overline{v}=0{}= 0 なので、uu,vv の値がそのまま偏差です。

su2\displaystyle s_u^2=16+9+0+9+165\displaystyle {}= \frac{16 + 9 + 0 + 9 + 16}{5}=10,\displaystyle {}= 10,sv2\displaystyle s_v^2=9+16+9+0+165\displaystyle {}= \frac{9 + 16 + 9 + 0 + 16}{5}=10\displaystyle {}= 10 suv\displaystyle s_{uv}=−12−12+0+0−165\displaystyle {}= \frac{-12 - 12 + 0 + 0 - 16}{5}=−405\displaystyle {}= \frac{-40}{5}=−8\displaystyle {}= -8

susvs_u s_v=10×10{}= \sqrt{10} \times \sqrt{10}=10{}= 10 なので、uu と vv の相関係数は −810\dfrac{-8}{10}=−0.8{}= -0.8 です。

xx=2u{}= 2u+6{}+ 6、yy=10v{}= 10v+300{}+ 300 で 2×102 \times 10>0{}> 0 なので、xx と yy の相関係数も −0.8‾\underline{-0.8} です。

(2) 共分散は acac 倍になるので

sxy\displaystyle s_{xy}=2×10×(−8)\displaystyle {}= 2 \times 10 \times (-8)=−160‾\displaystyle {}= \underline{-160}

値の大きいデータでも、切りのよい数を引いて割ってしまえば、1 けたの整数だけで計算が済みます。

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問12 ★★

あるチェーン店の 6 店舗について、最寄り駅からの距離 xx(百 m)と 1 日の来客数 yy(十人)を調べると、次のようになりました。F 店だけは、大きな駐車場をもつ郊外型の店です。

ABCDEF
距離 xx3567912
来客数 yy9673512

(1) 6 店舗全体の相関係数

(2) F 店を除いた 5 店舗の相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) rr=0.3{}= 0.3 (2) rr=−0.75{}= -0.75

解説

(1) x‾\overline{x}=426{}= \dfrac{42}{6}=7{}= 7、y‾\overline{y}=426{}= \dfrac{42}{6}=7{}= 7 です。

x−x‾x - \overline{x}−4−2−1025計
y−y‾y - \overline{y}2−10−4−25
(x−x‾)2(x - \overline{x})^21641042550
(y−y‾)2(y - \overline{y})^24101642550
積−8200−42515
sx2\displaystyle s_x^2=sy2\displaystyle {}= s_y^2=506\displaystyle {}= \frac{50}{6}=253,\displaystyle {}= \frac{25}{3},sxy\displaystyle s_{xy}=156\displaystyle {}= \frac{15}{6}=52\displaystyle {}= \frac{5}{2}

sxsys_x s_y=253{}= \dfrac{25}{3} なので

r\displaystyle r=52×325\displaystyle {}= \frac{5}{2} \times \frac{3}{25}=0.3‾\displaystyle {}= \underline{0.3}

(2) F 店を除くと x‾\overline{x}=305{}= \dfrac{30}{5}=6{}= 6、y‾\overline{y}=305{}= \dfrac{30}{5}=6{}= 6 です。

x−x‾x - \overline{x}−3−1013計
y−y‾y - \overline{y}301−3−1
(x−x‾)2(x - \overline{x})^29101920
(y−y‾)2(y - \overline{y})^29019120
積−900−3−3−15

sx2s_x^2=sy2{}= s_y^2=4{}= 4 より sxsys_x s_y=4{}= 4、sxys_{xy}=−155{}= \dfrac{-15}{5}=−3{}= -3 なので

r\displaystyle r=−34\displaystyle {}= \frac{-3}{4}=−0.75‾\displaystyle {}= \underline{-0.75}

F 店を入れると「駅から遠いほど客が多い」という正の相関に見えますが、性質の違う 1 店舗を除くと、本来の「駅から遠いほど客が少ない」という負の相関が現れます。

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問13 ★★

変量 xx のデータの標準偏差は 33 である。変量 yy を yy=−2x{}= -2x+7{}+ 7 で定めるとき、次の値を求めなさい。

(1) xx と yy の共分散

(2) xx と yy の相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) sxys_{xy}=−18{}= -18 (2) rr=−1{}= -1

解説

(1) y‾\overline{y}=−2x‾{}= -2\overline{x}+7{}+ 7 なので、yy の偏差は

yk\displaystyle y_k−y‾\displaystyle {}- \overline{y}=(−2xk+7)\displaystyle {}= (-2x_k + 7)−(−2x‾+7)\displaystyle {}- (-2\overline{x} + 7)=−2(xk−x‾)\displaystyle {}= -2(x_k - \overline{x})

よって、偏差の積は

(xk−x‾)(yk−y‾)\displaystyle (x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})=−2(xk−x‾)2\displaystyle {}= -2(x_k - \overline{x})^2

なので

sxy\displaystyle s_{xy}=−2⋅1n∑k=1n(xk−x‾)2\displaystyle {}= -2 \cdot \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}(x_k - \overline{x})^2=−2sx2\displaystyle {}= -2 s_x^2=−2×9\displaystyle {}= -2 \times 9=−18‾\displaystyle {}= \underline{-18}

(2) sys_y=∣−2∣×3{}= |{-2}| \times 3=6{}= 6 なので

r\displaystyle r=−183×6\displaystyle {}= \frac{-18}{3 \times 6}=−1‾\displaystyle {}= \underline{-1}

すべての点が直線 yy=−2x{}= -2x+7{}+ 7 の上に並ぶので、相関係数はちょうど −1-1 になります。yy=ax{}= ax+b{}+ b(aa≠0{}\neq 0)の形で決まる 2 つの変量の相関係数は、aa>0{}> 0 なら 11、aa<0{}< 0 なら −1-1 です。

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問14 ★★

5 個のデータの組が次のように与えられている。

xx367910
yy568129

zz=x{}= x+y{}+ y とおくとき、zz の分散を、次の 2 通りの方法で求めなさい。

(1) zz の値を求めてから、分散の定義で求める方法

(2) sz2s_z^2=sx2{}= s_x^2+2sxy{}+ 2s_{xy}+sy2{}+ s_y^2 を使って求める方法

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

どちらの方法でも sz2s_z^2=22{}= 22

解説

(1) zz の値は 8,8, 12,\ 12, 15,\ 15, 21,\ 21, 19\ 19 で、z‾\overline{z}=755{}= \dfrac{75}{5}=15{}= 15 です。偏差は −7,-7, −3,{}\ -3, 0,\ 0, 6,\ 6, 4\ 4 なので

sz2\displaystyle s_z^2=49+9+0+36+165\displaystyle {}= \frac{49 + 9 + 0 + 36 + 16}{5}=1105\displaystyle {}= \frac{110}{5}=22‾\displaystyle {}= \underline{22}

(2) x‾\overline{x}=355{}= \dfrac{35}{5}=7{}= 7、y‾\overline{y}=405{}= \dfrac{40}{5}=8{}= 8 です。

x−x‾x - \overline{x}−4−1023計
y−y‾y - \overline{y}−3−2041
(x−x‾)2(x - \overline{x})^216104930
(y−y‾)2(y - \overline{y})^294016130
積12208325

sx2s_x^2=6{}= 6、sy2s_y^2=6{}= 6、sxys_{xy}=5{}= 5 なので

sz2\displaystyle s_z^2=6\displaystyle {}= 6+2×5\displaystyle {}+ 2 \times 5+6\displaystyle {}+ 6=22‾\displaystyle {}= \underline{22}

zz の偏差が (xk−x‾)(x_k - \overline{x})+(yk−y‾){}+ (y_k - \overline{y}) になることから、(A+B)2(A + B)^2=A2{}= A^2+2AB{}+ 2AB+B2{}+ B^2 と同じ形で分散が分かれます。共分散は、この「2AB2AB」にあたる部分です。

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問15 ★★

ある市で、1 日ごとの「アイスクリームの売り上げ xx」と「水の事故の件数 yy」を 1 年分調べたところ、xx と yy の相関係数は 0.80.8 でした。

(ア) アイスクリームが売れた日ほど、水の事故が多い傾向がある。

(イ) アイスクリームを食べると、水の事故が起こりやすくなる。

(ウ) 水の事故が増えると、アイスクリームが売れるようになる。

(エ) アイスクリームの売り上げと水の事故の件数の散布図は、点が右上がりに並ぶ。

(オ) 気温のように、xx と yy の両方に影響する変量があるかもしれない。

この結果から正しくいえることを、上の (ア)〜(オ) のうちからすべて求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(ア)、(エ)、(オ)

解説

相関係数が 0.80.8 と正の値なので、xx が大きい日ほど yy も大きい傾向があり、散布図の点は右上がりに並びます。したがって (ア)‾\underline{(ア)} と (エ)‾\underline{(エ)} は正しい主張です。

(イ)、(ウ) はどちらも「一方が他方の原因である」と言っています。相関があるだけでは、原因と結果の向きは決まりません。実際には、気温が高い日にはアイスクリームがよく売れ、同時に水遊びをする人も増えるため事故も増える、と考えるのが自然です。このように両方に影響する変量(潜伏変数)があるかもしれない、という (オ)‾\underline{(オ)} は正しい主張です。

よって (ア)、(エ)、(オ)‾\underline{(ア)、(エ)、(オ)} です。相関は「いっしょに動く」ことしか教えてくれず、「どちらが原因か」は教えてくれません。

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問16 ★★

5 人について 2 つの変量 xx,yy を調べたところ、x‾\overline{x}=6{}= 6、y‾\overline{y}=8{}= 8、共分散は 55 でした。あとで、ある 1 人の値の組を (x,y)(x, y)=(4,6){}= (4, 6) と記録していたのは誤りで、正しくは (4,11)(4, 11) だと分かりました。正しい yy の平均値と共分散を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

y‾\overline{y}=9{}= 9、sxys_{xy}=3{}= 3

解説

個々の値が分からないので、総和に戻して考えます。

yy の総和は 5×85 \times 8=40{}= 40 でした。1 人の yy が 66 から 1111 に変わるので、総和は 4040−6{}- 6+11{}+ 11=45{}= 45 になり

y‾\displaystyle \overline{y}=455\displaystyle {}= \frac{45}{5}=9‾\displaystyle {}= \underline{9}

次に、公式4 sxys_{xy}=xy‾{}= \overline{xy}−x‾ y‾{}- \overline{x}\,\overline{y} から、もとの積の平均値は

xy‾\displaystyle \overline{xy}=sxy\displaystyle {}= s_{xy}+x‾ y‾\displaystyle {}+ \overline{x}\,\overline{y}=5\displaystyle {}= 5+6×8\displaystyle {}+ 6 \times 8=53\displaystyle {}= 53

なので、積の総和は 5×535 \times 53=265{}= 265 です。その人の積は 4×64 \times 6=24{}= 24 から 4×114 \times 11=44{}= 44 に変わるので、正しい積の総和は 265265−24{}- 24+44{}+ 44=285{}= 285 です。よって

xy‾\displaystyle \overline{xy}=2855\displaystyle {}= \frac{285}{5}=57,\displaystyle {}= 57,sxy\displaystyle s_{xy}=57\displaystyle {}= 57−6×9\displaystyle {}- 6 \times 9=57\displaystyle {}= 57−54\displaystyle {}- 54=3‾\displaystyle {}= \underline{3}

xx の値は変わっていないので x‾\overline{x}=6{}= 6 のままです。

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問17 ★★★

大きさ nn のデータの組 (x1,y1),(x_1, y_1),…,\ldots,(xn,yn)(x_n, y_n) について、xx,yy の標準偏差を sxs_x,sys_y(ともに 00 でない)、共分散を sxys_{xy}、相関係数を rr とする。tt を実数とし

f(t)\displaystyle f(t)=1n∑k=1n{(xk−x‾)t\displaystyle {}= \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\bigl\{(x_k - \overline{x})t+(yk−y‾)}2\displaystyle {}\qquad + (y_k - \overline{y})\bigr\}^2

とおく。このとき −1-1≦r{}\leqq r≦1{}\leqq 1 が成り立つことを示しなさい。

つまずいたときは:
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答え

略(解説参照)

解説

f(t)f(t) は 2 乗の平均なので、どんな実数 tt に対しても f(t)f(t)≧0{}\geqq 0 です。中身を展開して nn で割ると、係数は次のようになります。

  • t2t^2 の係数:1n∑(xk−x‾)2\dfrac{1}{n}\sum (x_k - \overline{x})^2=sx2{}= s_x^2
  • tt の係数:2⋅1n∑(xk−x‾)(yk−y‾)2 \cdot \dfrac{1}{n}\sum (x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})=2sxy{}= 2s_{xy}
  • 定数項:1n∑(yk−y‾)2\dfrac{1}{n}\sum (y_k - \overline{y})^2=sy2{}= s_y^2

すなわち

f(t)\displaystyle f(t)=sx2 t2\displaystyle {}= s_x^2\,t^2+2sxy t\displaystyle {}+ 2s_{xy}\,t+sy2\displaystyle {}+ s_y^2

sxs_x≠0{}\neq 0 より sx2s_x^2>0{}> 0 なので、f(t)f(t) は tt の 2 次関数です。すべての tt で f(t)f(t)≧0{}\geqq 0 となるのは、判別式が 00 以下のときなので

D4\displaystyle \frac{D}{4}=sxy2\displaystyle {}= s_{xy}^2−sx2sy2\displaystyle {}- s_x^2 s_y^2≦0\displaystyle {}\leqq 0⟹sxy2\displaystyle {}\Longrightarrow \quad s_{xy}^2≦sx2sy2\displaystyle {}\leqq s_x^2 s_y^2

両辺は 00 以上なので、平方根をとると ∣sxy∣|s_{xy}|≦sxsy{}\leqq s_x s_y です。sxsys_x s_y>0{}> 0 で割って

∣r∣\displaystyle |r|=∣sxy∣sxsy\displaystyle {}= \frac{|s_{xy}|}{s_x s_y}≦1\displaystyle {}\leqq 1

すなわち −1-1≦r{}\leqq r≦1{}\leqq 1 が成り立ちます。

なお、∣r∣|r|=1{}= 1 となるのは判別式が 00 のとき、つまり f(t0)f(t_0)=0{}= 0 となる実数 t0t_0 があるときです。このとき 2 乗の和が 00 なので、すべての kk で (xk−x‾)t0(x_k - \overline{x})t_0+(yk−y‾){}+ (y_k - \overline{y})=0{}= 0、つまりすべての点が 1 つの直線上に並びます。

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問18 ★★★

2 つの変量 xx,yy の標準偏差がそれぞれ sxs_x=3{}= 3,sys_y=4{}= 4 である。zz=x{}= x+y{}+ y とおくとき、次の値を求めなさい。

(1) zz の分散が 3737 であるときの、xx と yy の相関係数

(2) zz の標準偏差 szs_z のとりうる値の範囲

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) rr=0.5{}= 0.5 (2) 11≦sz{}\leqq s_z≦7{}\leqq 7

解説

zz の偏差は (xk−x‾)(x_k - \overline{x})+(yk−y‾){}+ (y_k - \overline{y}) なので、2 乗して平均すると

sz2\displaystyle s_z^2=sx2\displaystyle {}= s_x^2+2sxy\displaystyle {}+ 2s_{xy}+sy2\displaystyle {}+ s_y^2=9\displaystyle {}= 9+2sxy\displaystyle {}+ 2s_{xy}+16\displaystyle {}+ 16=25\displaystyle {}= 25+2sxy\displaystyle {}+ 2s_{xy}⋯(∗)\displaystyle \cdots (*)

(1) sz2s_z^2=37{}= 37 より 2525+2sxy{}+ 2s_{xy}=37{}= 37、すなわち sxys_{xy}=6{}= 6 です。よって

r\displaystyle r=63×4\displaystyle {}= \frac{6}{3 \times 4}=0.5‾\displaystyle {}= \underline{0.5}

(2) −1-1≦r{}\leqq r≦1{}\leqq 1 で sxys_{xy}=12r{}= 12r なので、−12-12≦sxy{}\leqq s_{xy}≦12{}\leqq 12 です。これを (∗)(*) に入れると

25\displaystyle 25−24\displaystyle {}- 24≦sz2\displaystyle {}\leqq s_z^2≦25\displaystyle {}\leqq 25+24\displaystyle {}+ 24⟹1\displaystyle {}\Longrightarrow \quad 1≦sz2\displaystyle {}\leqq s_z^2≦49\displaystyle {}\leqq 49

szs_z≧0{}\geqq 0 なので 1≦sz≦7‾\underline{1 \leqq s_z \leqq 7} です。

両端は rr=−1{}= -1 のとき szs_z=1{}= 1(=4= 4−3{}- 3)、rr=1{}= 1 のとき szs_z=7{}= 7(=3= 3+4{}+ 4)です。長さ 33 と 44 の 2 辺からできる三角形の残りの 1 辺の長さの範囲と、ちょうど同じ形になっています。

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問19 ★★★

2 つの農園 A、B で、それぞれ 3 本ずつトマトの木を選び、与えた肥料の量 xx(kg)と収穫量 yy(kg)を調べると、次のようになりました。

農園AAABBB
肥料の量 xx123567
収穫量 yy543987

(1) 6 本全体の相関係数

(2) 農園 A の 3 本、農園 B の 3 本それぞれの相関係数

上の (1)、(2) の値をそれぞれ求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) rr=57{}= \dfrac{5}{7} (2) 農園 A、農園 B ともに rr=−1{}= -1

解説

(1) x‾\overline{x}=246{}= \dfrac{24}{6}=4{}= 4、y‾\overline{y}=366{}= \dfrac{36}{6}=6{}= 6 です。

x−x‾x - \overline{x}−3−2−1123計
y−y‾y - \overline{y}−1−2−3321
(x−x‾)2(x - \overline{x})^294114928
(y−y‾)2(y - \overline{y})^214994128
積34334320
sx2\displaystyle s_x^2=sy2\displaystyle {}= s_y^2=286\displaystyle {}= \frac{28}{6}=143,\displaystyle {}= \frac{14}{3},sxy\displaystyle s_{xy}=206\displaystyle {}= \frac{20}{6}=103\displaystyle {}= \frac{10}{3}

sxsys_x s_y=143{}= \dfrac{14}{3} なので

r\displaystyle r=103×314\displaystyle {}= \frac{10}{3} \times \frac{3}{14}=57‾\displaystyle {}= \underline{\frac{5}{7}}

57\dfrac{5}{7}≒0.71{}\fallingdotseq 0.71 なので、全体で見ると強い正の相関があります。

(2) 農園 A では x‾\overline{x}=2{}= 2、y‾\overline{y}=4{}= 4 で、偏差は xx が −1,-1, 0,\ 0, 1\ 1、yy が 1,1, 0,\ 0, −1{}\ -1 です。

sx2\displaystyle s_x^2=sy2\displaystyle {}= s_y^2=23,\displaystyle {}= \frac{2}{3},sxy\displaystyle s_{xy}=−1+0−13\displaystyle {}= \frac{-1 + 0 - 1}{3}=−23,\displaystyle {}= -\frac{2}{3},r\displaystyle r=−2323\displaystyle {}= \frac{-\frac{2}{3}}{\frac{2}{3}}=−1‾\displaystyle {}= \underline{-1}

農園 B も x‾\overline{x}=6{}= 6、y‾\overline{y}=8{}= 8 で偏差はまったく同じなので、rr=−1‾{}= \underline{-1} です。

全体では「肥料が多いほど収穫量が多い」と見えるのに、農園ごとに見るとどちらも「肥料が多いほど収穫量が少ない」という正反対の関係になっています。もともと農園 B のほうが土がよく、肥料も多めにまいているため、2 つの農園を混ぜると B が右上に固まって全体が右上がりに見えるのです。性質の違う集団を混ぜたときに現れるこうした食い違いは、見かけの相関の代表例です。

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問20 ★★★

xx,yy の標準偏差を sxs_x,sys_y(ともに 00 でない)、平均値を x‾\overline{x},y‾\overline{y}、相関係数を rr とする。

(1) rr=1{}= 1 のとき、すべての kk について yky_k−y‾{}- \overline{y}=sysx(xk−x‾){}= \dfrac{s_y}{s_x}(x_k - \overline{x}) が成り立つこと

(2) xx のデータが 7,7, 9,\ 9, 10,\ 10, 11,\ 11, 13\ 13、yy の平均値が 2020、yy の標準偏差が 66、相関係数が 11 であるときの、yy のデータの 5 つの値

上の (1) を示し、(2) を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) 略(解説参照) (2) 11,11, 17,\ 17, 20,\ 20, 23,\ 23, 29\ 29

解説

(1) 問17の f(t)f(t)=sx2t2{}= s_x^2 t^2+2sxyt{}+ 2s_{xy}t+sy2{}+ s_y^2 を利用します。rr=1{}= 1 のとき sxys_{xy}=sxsy{}= s_x s_y なので

f(t)\displaystyle f(t)=sx2t2\displaystyle {}= s_x^2 t^2+2sxsyt\displaystyle {}+ 2 s_x s_y t+sy2\displaystyle {}+ s_y^2=(sxt+sy)2\displaystyle {}= (s_x t + s_y)^2

ここで t0t_0=−sysx{}= -\dfrac{s_y}{s_x} とおくと f(t0)f(t_0)=0{}= 0 です。一方、f(t0)f(t_0) は

f(t0)\displaystyle f(t_0)=1n∑k=1n{(xk−x‾)t0\displaystyle {}= \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\bigl\{(x_k - \overline{x})t_0+(yk−y‾)}2\displaystyle {}\qquad + (y_k - \overline{y})\bigr\}^2

という 2 乗の和なので、これが 00 になるのは、すべての kk で中身が 00 のときに限ります。よって

−sysx(xk−x‾)\displaystyle -\frac{s_y}{s_x}(x_k - \overline{x})+(yk−y‾)\displaystyle {}+ (y_k - \overline{y})=0\displaystyle {}= 0⟹yk\displaystyle {}\Longrightarrow \quad y_k−y‾\displaystyle {}- \overline{y}=sysx(xk−x‾)\displaystyle {}= \frac{s_y}{s_x}(x_k - \overline{x})

が、すべての kk で成り立ちます。これは、すべての点が傾き sysx (>0)\dfrac{s_y}{s_x}\ (> 0) の直線上にあることを表しています。

(2) x‾\overline{x}=505{}= \dfrac{50}{5}=10{}= 10 で、偏差は −3,-3, −1,{}\ -1, 0,\ 0, 1,\ 1, 3\ 3 です。

sx2\displaystyle s_x^2=9+1+0+1+95\displaystyle {}= \frac{9 + 1 + 0 + 1 + 9}{5}=4\displaystyle {}= 4⟹sx\displaystyle {}\Longrightarrow \quad s_x=2\displaystyle {}= 2

(1) より yky_k=y‾{}= \overline{y}+sysx(xk−x‾){}+ \dfrac{s_y}{s_x}(x_k - \overline{x})=20{}= 20+62(xk−10){}+ \dfrac{6}{2}(x_k - 10)=20{}= 20+3(xk−10){}+ 3(x_k - 10) なので

y\displaystyle y=11,‾\displaystyle {}= \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}11,} 17,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 17,} 20,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 20,} 23,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 23,} 29‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 29}

検算すると、yy の偏差は −9,-9, −3,{}\ -3, 0,\ 0, 3,\ 3, 9\ 9 で sy2s_y^2=81+9+0+9+815{}= \dfrac{81 + 9 + 0 + 9 + 81}{5}=36{}= 36、sys_y=6{}= 6 となり、条件に合っています。

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数学小話コーナー

「回帰」という不思議な名前の由来

相関の考え方を作ったのは、イギリスのフランシス・ゴルトン(1822〜1911)です。ゴルトンは 1880 年代、親の身長と子の身長の関係を、たくさんの家族について調べました。そして、背の高い親の子は親より少し低め、背の低い親の子は親より少し高めになり、全体として平均のほうへ引き戻される傾向があることに気づきます。彼はこれを「平凡への回帰」と呼びました。回帰とは「もとへ帰る」という意味です。

ゴルトンは 1888 年の論文で、2 つの量が結びついて動くことを co-relation(のちに correlation)と呼び、その強さを 1 つの数で表す方法を提案しました。今の相関係数そのものではありませんが、考え方の出発点はここにあります。その式を現在の形に整えたのが、第3章にも登場したカール・ピアソンで、相関係数が「ピアソンの積率相関係数」と呼ばれるのはそのためです。

おもしろいのは、「回帰」という言葉だけが独り歩きしたことです。今では、2 つの変量の関係を式で表すこと全般を「回帰分析」と呼びます。平均へ引き戻される現象とは直接の関係がないのに、ゴルトンがつけた名前がそのまま残ったわけです。

豆知識

相関係数に rr という文字を使うのは、ゴルトンが回帰(regression)や復帰(reversion)の頭文字として rr を使ったことの名残だといわれています(※諸説あり)。分散の s2s^2 や標準偏差の ss とは出どころが違うので、rr だけ仲間はずれのように見えるのです。

チーズを食べると寝具にからまる?

アメリカの学生だったタイラー・ヴィジェンは、2014 年ごろ「見せかけの相関」を集めたウェブサイトを公開して評判になりました。公開されている統計をかたっぱしから組み合わせ、年ごとの動きがよく似たペアを機械的に探したものです。

有名な例が、「アメリカ人のチーズの 1 人あたり消費量」と「寝具にからまって亡くなった人の数」で、相関係数はおよそ 0.950.95 でした。ほかにも、「プールでおぼれて亡くなった人の数」と「ある俳優が出演した映画の本数」など、笑ってしまうような組み合わせがいくつも並んでいます。

もちろん、チーズを食べたから寝具にからまるわけではありません。年ごとの数字を何百種類も用意して総当たりで組み合わせれば、たまたま形の似たペアはいくらでも見つかります。どちらも人口が増えれば増える数だった、というだけのこともあります。相関係数が大きいというだけでは、何の説明にもならないのです。

豆知識

では、原因かどうかはどうやって確かめるのでしょうか。いちばん確実なのは、調べたい条件だけをくじ引きで割り当てて、2 つのグループを比べる方法です。新薬の効果を調べるときなどに使われ、ランダム化比較試験と呼ばれます。くじ引きにすることで、年齢や生活習慣といった裏の事情が両方のグループに同じように散らばり、差が出れば原因だと言いやすくなります。

平均も分散も相関係数も同じ、なのに絵はまるで違う

1973 年、イギリスの統計学者フランク・アンスコムが、たった 11 個ずつの点からなる 4 組のデータを発表しました。この 4 組は、xx の平均値も yy の平均値も、それぞれの分散も、相関係数(およそ 0.8160.816)も、小数第 2 位まで一致します。数字の上では区別がつきません。

ところが散布図をかくと、まるで違う絵が現れます。1 つめはごく普通のばらけた点の集まり。2 つめはきれいな放物線。3 つめは点が一直線に並んでいるのに、1 つだけ大きく外れた点がある。4 つめにいたっては、xx がほとんど同じ値ばかりで、ただ 1 点だけが遠くに離れているために相関係数が生まれています。

アンスコムがこれを作ったのは、「計算より先に、まず絵を見よ」と言うためでした。当時は計算機で統計量を出すことが手軽になり始めたころで、散布図をかかずに数字だけで判断する人が増えていたのです。この 4 組は「アンスコムの四重奏」と呼ばれ、今でも統計の教科書に登場します。

豆知識

2017 年には、同じ発想をさらに推し進めた「データサウルス」という例が作られました。平均値・分散・相関係数をすべて保ったまま点を少しずつ動かしていくと、星形にも、十字にも、しまいには恐竜の絵にもなるというものです。数値が同じでも、散布図が同じとは限りません。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。高校の範囲では「共分散を 2 つの標準偏差で割ったものが相関係数」と、公式4・公式5の使い方が分かれば十分ですが、「なぜ −1-1 から 11 までに収まるの?」「相関係数が 00 なら本当に無関係なの?」が気になる人のために、少し厳密な見方を紹介します。記号は第1章・第3章の厳密定義ページにそろえます。

定義1:共分散と相関係数

大きさ nn のデータの組 (x1,y1),(x_1, y_1),(x2,y2),(x_2, y_2),…,\ldots,(xn,yn)(x_n, y_n) について、xx,yy の平均値を x‾\overline{x},y‾\overline{y}、標準偏差を sxs_x,sys_y とする。

sxy\displaystyle s_{xy}=1n∑k=1n(xk−x‾)(yk−y‾)\displaystyle {}= \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}(x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})

を xx と yy の共分散という。さらに sxs_x>0{}> 0 かつ sys_y>0{}> 0 のとき

r\displaystyle r=rxy\displaystyle {}= r_{xy}=sxysxsy\displaystyle {}= \frac{s_{xy}}{s_x s_y}

を xx と yy の相関係数という。また、xy‾=1n∑k=1nxkyk\overline{xy} = \dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n} x_k y_k と書く。

定義から sxxs_{xx}=sx2{}= s_x^2、sxys_{xy}=syx{}= s_{yx} です。共分散は分散を 2 変量に広げたもので、「共に散らばる度合い」を測っています。sxs_x=0{}= 0(xx の値が全部同じ)のときは、散布図の点が 1 本の縦線に並ぶだけで「傾き」を語れないため、相関係数は定義しません。

定理1:共分散の基本性質

(1) sxys_{xy}=xy‾{}= \overline{xy}−x‾ y‾{}- \overline{x}\,\overline{y}

(2) zkz_k=xk{}= x_k+yk{}+ y_k とおくと sz2s_z^2=sx2{}= s_x^2+2sxy{}+ 2s_{xy}+sy2{}+ s_y^2

(3) aa,bb,cc,dd を定数とし uku_k=axk{}= ax_k+b{}+ b,vkv_k=cyk{}= cy_k+d{}+ d とおくと suvs_{uv}=ac sxy{}= ac\,s_{xy}

証明 (1) ∑xk\displaystyle \sum x_k=nx‾\displaystyle {}= n\overline{x}、∑yk\displaystyle \sum y_k=ny‾\displaystyle {}= n\overline{y} を使って展開すると

∑k=1n(xk−x‾)(yk−y‾)\displaystyle \sum_{k=1}^{n}(x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})=∑xkyk\displaystyle {}= \sum x_k y_k−y‾∑xk\displaystyle {}- \overline{y}\sum x_k−x‾∑yk\displaystyle {}- \overline{x}\sum y_k+n x‾ y‾\displaystyle {}+ n\,\overline{x}\,\overline{y}=nxy‾\displaystyle {}= n\overline{xy}−n x‾ y‾\displaystyle {}- n\,\overline{x}\,\overline{y}

両辺を nn で割ればよい。

(2) z‾\overline{z}=x‾{}= \overline{x}+y‾{}+ \overline{y} より zkz_k−z‾{}- \overline{z}=(xk−x‾){}= (x_k - \overline{x})+(yk−y‾){}+ (y_k - \overline{y}) である。2 乗して kk について足し、nn で割ると

sz2\displaystyle s_z^2=1n∑{(xk−x‾)2\displaystyle {}= \frac{1}{n}\sum\bigl\{(x_k - \overline{x})^2+2(xk−x‾)(yk−y‾)\displaystyle {}\qquad + 2(x_k - \overline{x})(y_k - \overline{y})+(yk−y‾)2}\displaystyle {}\qquad + (y_k - \overline{y})^2\bigr\}=sx2\displaystyle {}= s_x^2+2sxy\displaystyle {}+ 2s_{xy}+sy2\displaystyle {}+ s_y^2

(3) 第1章の定理2より u‾\overline{u}=ax‾{}= a\overline{x}+b{}+ b、v‾\overline{v}=cy‾{}= c\overline{y}+d{}+ d なので、uku_k−u‾{}- \overline{u}=a(xk−x‾){}= a(x_k - \overline{x})、vkv_k−v‾{}- \overline{v}=c(yk−y‾){}= c(y_k - \overline{y}) である。積をとって平均すれば suvs_{uv}=ac sxy{}= ac\,s_{xy} を得る。(証明終)

(2) で yy のかわりに −y-y を考えれば sx,−ys_{x,-y}=−sxy{}= -s_{xy} なので、差の変量 wkw_k=xk{}= x_k−yk{}- y_k については sw2s_w^2=sx2{}= s_x^2−2sxy{}- 2s_{xy}+sy2{}+ s_y^2 です。分散は「2 乗」の仲間なので、和や差をとると (A±B)2(A \pm B)^2 と同じ形にほどけ、共分散がその交差項として現れます。

定理2:コーシー・シュワルツの不等式と相関係数の範囲

sxs_x>0{}> 0,sys_y>0{}> 0 のとき

sxy2\displaystyle s_{xy}^2≦sx2sy2,\displaystyle {}\leqq s_x^2 s_y^2,すなわち\displaystyle \text{すなわち}−1\displaystyle {}\qquad -1≦r\displaystyle {}\leqq r≦1\displaystyle {}\leqq 1

が成り立つ。等号が成り立つのは、ある定数 p (≠0)p\ (\neq 0),qq によって、すべての kk で yky_k=pxk{}= p x_k+q{}+ q と表せるとき、またそのときに限る。さらに rr=1{}= 1 なら pp>0{}> 0、rr=−1{}= -1 なら pp<0{}< 0 である。

証明 実数 tt に対して f(t)=1n∑k=1n{(xk−x‾)t+(yk−y‾)}2f(t) = \dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\left\{(x_k - \overline{x})t + (y_k - \overline{y})\right\}^2 とおくと、定理1 (2) と同じ計算で

f(t)\displaystyle f(t)=sx2t2\displaystyle {}= s_x^2 t^2+2sxyt\displaystyle {}+ 2 s_{xy} t+sy2\displaystyle {}+ s_y^2

である。f(t)f(t) は 2 乗の平均なのでつねに f(t)f(t)≧0{}\geqq 0 であり、sx2s_x^2>0{}> 0 だから判別式について sxy2s_{xy}^2−sx2sy2{}- s_x^2 s_y^2≦0{}\leqq 0 が成り立つ。sxsys_x s_y>0{}> 0 で割って ∣r∣|r|≦1{}\leqq 1 を得る(実践 問17)。

等号のとき判別式は 00 なので、f(t0)f(t_0)=0{}= 0 となる実数 t0t_0 がただ 1 つある。f(t0)f(t_0) は 00 以上の数の和なので、すべての kk で (xk−x‾)t0(x_k - \overline{x})t_0+(yk−y‾){}+ (y_k - \overline{y})=0{}= 0、つまり yky_k=−t0xk{}= -t_0 x_k+(y‾+t0x‾){}+ (\overline{y} + t_0\overline{x}) である。sys_y>0{}> 0 より t0t_0≠0{}\neq 0 なので、pp=−t0{}= -t_0≠0{}\neq 0 とおけばよい。逆に yky_k=pxk{}= px_k+q{}+ q のときは、定理1 (3) より sxys_{xy}=p sx2{}= p\,s_x^2、また sys_y=∣p∣sx{}= |p| s_x なので

r\displaystyle r=p sx2sx⋅∣p∣sx\displaystyle {}= \frac{p\,s_x^2}{s_x \cdot |p| s_x}=p∣p∣\displaystyle {}= \frac{p}{|p|}=±1\displaystyle {}= \pm 1

である。(証明終)

この不等式は、ベクトルの内積についての ∣a⃗⋅b⃗∣|\vec{a} \cdot \vec{b}|≦∣a⃗∣∣b⃗∣{}\leqq |\vec{a}||\vec{b}| とまったく同じ形をしています。実際、偏差を並べたものを nn 次元のベクトルと見ると、共分散は内積、標準偏差は長さ、相関係数は 2 つのベクトルのなす角の余弦(コサイン)にあたります。rr=0{}= 0 は「2 つの偏差ベクトルが直交している」という意味で、これが相関係数を「直交していない度合い」と読める理由です。

定理3:変量の変換と相関係数

aa≠0{}\neq 0,cc≠0{}\neq 0 とし、uku_k=axk{}= ax_k+b{}+ b,vkv_k=cyk{}= cy_k+d{}+ d とおくと

ruv\displaystyle r_{uv}=ac∣ac∣ rxy\displaystyle {}= \frac{ac}{|ac|}\, r_{xy}

が成り立つ。とくに acac>0{}> 0 なら ruvr_{uv}=rxy{}= r_{xy} である。また、xx,yy を標準化した zkz_k=xk−x‾sx{}= \dfrac{x_k - \overline{x}}{s_x},wkw_k=yk−y‾sy{}= \dfrac{y_k - \overline{y}}{s_y} について szws_{zw}=rxy{}= r_{xy} である。

証明 定理1 (3) より suvs_{uv}=ac sxy{}= ac\,s_{xy}、第3章の定理2 より sus_u=∣a∣sx{}= |a| s_x,svs_v=∣c∣sy{}= |c| s_y なので

ruv\displaystyle r_{uv}=ac sxy∣a∣sx⋅∣c∣sy\displaystyle {}= \frac{ac\,s_{xy}}{|a| s_x \cdot |c| s_y}=ac∣ac∣⋅sxysxsy\displaystyle {}= \frac{ac}{|ac|}\cdot\frac{s_{xy}}{s_x s_y}

後半は aa=1sx{}= \dfrac{1}{s_x},cc=1sy{}= \dfrac{1}{s_y} の場合で、szws_{zw}=1sxsysxy{}= \dfrac{1}{s_x s_y}s_{xy}=rxy{}= r_{xy} である。第3章の定理2 (2) より szs_z=sw{}= s_w=1{}= 1 なので、zz と ww の共分散がそのまま相関係数になる。(証明終)

つまり相関係数とは、標準化したあとの共分散にほかなりません。第3章で「ものさしをそろえてから比べる」ために導入した標準化が、ここでも同じ役割を果たしています。

最後に、相関係数の限界について 2 つ述べておきます。

1 つめは、相関係数が測るのは直線的な関係だけだということです。たとえば xx のデータを −2,-2,−1,{}-1,0,0,1,1,22、yky_k=xk2{}= x_k^2 すなわち 4,4,1,1,0,0,1,1,44 とすると、x‾\overline{x}=0{}= 0,y‾\overline{y}=2{}= 2 で、偏差の積の合計は

(−2)⋅2\displaystyle (-2)\cdot 2+(−1)⋅(−1)\displaystyle {}+ (-1)\cdot(-1)+0⋅(−2)\displaystyle {}+ 0 \cdot(-2)+1⋅(−1)\displaystyle {}+ 1 \cdot (-1)+2⋅2\displaystyle {}+ 2 \cdot 2=0\displaystyle {}= 0

です。よって sxys_{xy}=0{}= 0 となり rr=0{}= 0 です。yy は xx から完全に決まるのに、相関係数は「無関係」と答えます。rr=0{}= 0 が意味するのは「直線的な関係がない」ことだけで、「関係がない」ことではありません。

2 つめは、順位だけを見る測り方もあるということです。値そのものではなく順位に置きかえてから相関係数を計算したものをスピアマンの順位相関係数といいます。曲がった関係でも、増え続けてさえいれば 11 になり、外れ値にも強いという利点があります。

なお、共分散にも第3章の分散と同じく nn で割るものと nn−1{}- 1 で割るものがあり、表計算ソフトでは COVARIANCE.P と COVARIANCE.S として区別されています。この章では、分散と同じく nn で割るほうを使いました。

散布図の点の並びに、いちばんよく沿う直線を引くこともできます。点から直線までの縦方向のずれの 2 乗の和を最小にする直線を回帰直線といい、その式は

y\displaystyle y=sxysx2(x−x‾)\displaystyle {}= \frac{s_{xy}}{s_x^{2}}(x - \overline{x})+y‾\displaystyle {}+ \overline{y}

となります。傾きに共分散が現れるところが、この章の内容とのつながりです。「ずれの 2 乗の和を最小にする」という考え方(最小二乗法)は、二次関数の第3章ですでに顔を出していました。回帰直線そのものは高校の数学Iの範囲外ですが、統計の実務ではもっともよく使われる道具の 1 つです。

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