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第26章 準1級 積分法
—— 微分積分 第14〜15章の「置換積分・部分積分と定積分の応用」を、数検準1級の出題形式で ——
数検準1級の「積分法」の類題です。指数・対数・三角関数の不定積分、置換積分法と部分積分法、定積分の置換から、区分求積法、面積・回転体の体積・曲線の長さ、定積分で表された関数、定積分を含む極限までを20問にまとめました。2次(数理技能)では、置換したときの区間の対応を書くこと、面積の前にグラフの上下を確かめること、定積分の値を $a$ や $t$ の関数とみて最小値を求めること、部分積分で式を評価してはさみうちに持ちこむことを練習します。微分法は第25章で扱いました。
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未回答 20×× 0○○ 0◎1か月定着 0
出題のポイント
- 1次(計算技能):原始関数を整理した形で答え、不定積分には「C は積分定数」を添えます。e2x や cos2x のように中身が 1 次式のときは、中身の係数で割るのを忘れないようにしましょう。
- 2次(数理技能):置換したら、dx の置きかえと区間の対応表の両方を答案に書きます。面積では、どちらのグラフが上にあるかを先に確かめます(凹凸や差の関数の増減を使います)。
- 回転体で2つのグラフの間を回すときは π∫(f2−g2)dx です。π∫(f−g)2dx としてしまう誤りが典型的です。
- 定積分の値が文字 a や t を含むときは、それを a や t の関数とみて、平方完成や増減表で最小値を求めます。
- n を含む定積分の極限では、部分積分で「主要な部分」と「残り」に分け、残りを不等式ではさんで 0 に近づけます。
この章の問題は、「置換と部分積分を正しく使う計算力」と、「グラフの上下・区間の対応・不等式による評価で、答案の筋を通す記述力」の2本柱です。
類題(全20問)
難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=難問です。★から順に取り組みましょう。
問1 ★
不定積分 ∫exe2x−1dx を求めなさい。
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答え
ex+e−x+C(C は積分定数)
解説
分子の各項を ex で割ってから積分します。
∫exe2x−1dx=∫(ex−e−x)dx=ex+e−x+C
∫e−xdx=−e−x+C なので、引き算の符号がプラスに変わります。
自己採点:
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問2 ★
不定積分 ∫sin5xcos3xdx を求めなさい。
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答え
−161cos8x−41cos2x+C(C は積分定数)
解説
積を和に直す次の公式を使います。
sinαcosβ=21{sin(α+β)+sin(α−β)}
∫sin5xcos3xdx=21∫(sin8x+sin2x)dx=21(−8cos8x−2cos2x)+C=−161cos8x−41cos2x+C自己採点:
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問3 ★
不定積分 ∫sinxcos4xdx を求めなさい。
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答え
−51cos5x+C(C は積分定数)
解説
u=cosx とおくと dxdu=−sinx,つまり sinxdx=−du です。
∫sinxcos4xdx=−∫u4du=−5u5+C=−51cos5x+C自己採点:
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問4 ★
不定積分 ∫xcos2xdx を求めなさい。
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答え
21xsin2x+41cos2x+C(C は積分定数)
解説
x を微分する側、cos2x を積分する側にして部分積分します。∫cos2xdx=21sin2x です。
∫xcos2xdx=x⋅21sin2x−∫21sin2xdx=21xsin2x+41cos2x+C自己採点:
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問5 ★
定積分 ∫01x2+1xdx を求めなさい。
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答え
21log2
解説
分子 x は、分母の微分 2x の 21 倍です。∫f(x)f′(x)dx=log∣f(x)∣+C を使います。
∫01x2+1xdx=21∫01x2+12xdx=21[log(x2+1)]01=21log2自己採点:
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問6 ★
定積分 ∫1ex2logxdx を求めなさい。
つまずいたときは:
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答え
1−e2
解説
logx を微分する側、x21 を積分する側にします。∫x21dx=−x1 です。
∫1ex2logxdx=[−xlogx]1e+∫1ex21dx=−e1+[−x1]1e=−e1−e1+1=1−e2自己採点:
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問7 ★
極限値 n→∞limk=1∑nn2+k2n を求めなさい。
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答え
解説
分母・分子を n2 で割って n1 をくくり出します。
k=1∑nn2+k2n=n1k=1∑n1+(nk)21⟶ ∫011+x21dx
x=tanθ とおくと dx=cos2θ1dθ,1+tan2θ=cos2θ1 で、x が 0→1 のとき θ は 0→4π です。
∫011+x21dx=∫04πdθ=4π自己採点:
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問8 ★
曲線 y=ex と x 軸,y 軸,直線 x=1 で囲まれた部分を、x 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積を求めなさい。
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答え
2π(e2−1)
解説
半径が ex の円の面積 πe2x を積分します。
V=π∫01(ex)2dx=π∫01e2xdx=π[2e2x]01=2π(e2−1)自己採点:
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問9 ★★
t=x とおくことにより、定積分 ∫141+x1dx を求めなさい。
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答え
2−2log23
解説
t=x とおくと x=t2 なので dx=2tdt です。
∫141+x1dx=∫121+t2tdt=2∫12(1−1+t1)dt
分子の次数が分母と同じなので、1+tt=1−1+t1 と分けてから積分しました。
=2[t−log(1+t)]12=2{(2−log3)−(1−log2)}=2−2log23自己採点:
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問10 ★★
定積分 ∫01x2exdx を求めなさい。
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答え
解説
x2 を微分する側にして部分積分を2回行います。
∫01x2exdx=[x2ex]01−2∫01xexdx=e−2∫01xexdx
∫01xexdx=[xex]01−∫01exdx=e−(e−1)=1
よって
∫01x2exdx=e−2⋅1=e−2
1回の部分積分で x2 の次数が1つ下がります。2回目の結果を1回目の式に戻すとき、係数 2 を掛け忘れないようにします。
自己採点:
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問11 ★★
I=∫02πsinx+cosxsinxdx,J=∫02πsinx+cosxcosxdx とします。x=2π−t とおくことにより I=J を示し、I の値を求めなさい。
つまずいたときは:
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答え
I=4π
解説
x=2π−t とおくと dx=−dt で、sinx=cost,cosx=sint です。
I=∫2π0cost+sintcost(−dt)=∫02πsint+costcostdt=J
定積分の値は積分変数の文字によらないので、最後の式は J そのものです。一方、足し合わせると分母と分子が一致します。
I+J=∫02πsinx+cosxsinx+cosxdx=∫02πdx=2π
I=J なので 2I=2π,よって I=4π です。
I の原始関数を直接求めなくても、置換で「相棒」の J と結びつければ値が出ます。
自己採点:
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問12 ★★
等式 f(x)=ex−∫01tf(t)dt を満たす関数 f(x) を求めなさい。
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答え
f(x)=ex−32
解説
∫01tf(t)dt は定数なので、k とおきます。すると f(x)=ex−k です。これを k の定義に戻します。
k=∫01t(et−k)dt=∫01tetdt−k∫01tdt
部分積分で
∫01tetdt=[tet]01−∫01etdt=e−(e−1)=1
また ∫01tdt=21 なので、k=1−2k,つまり k=32 です。
f(x)=ex−32自己採点:
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問13 ★★
原点から曲線 y=logx に引いた接線を ℓ とします。ℓ の方程式を求め、曲線 y=logx と ℓ および x 軸で囲まれた部分の面積を求めなさい。
つまずいたときは:
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答え
ℓ:y=e1x,面積 2e−1
解説
接点を (t, logt) とします。(logx)′=x1 なので、接線は
y−logt=t1(x−t)
これが原点を通るので −logt=−1,つまり t=e です。接点は (e, 1),ℓ は y=e1x です。
y=logx は y′′=−x21<0 で上に凸なので、グラフは接線 ℓ の下側にあります。囲まれた部分は、0≦x≦e で ℓ と x 軸の間の三角形から、1≦x≦e で y=logx と x 軸の間の部分を除いたものです。
S=21⋅e⋅1−∫1elogxdx=2e−[xlogx−x]1e=2e−{(e−e)−(0−1)}=2e−1自己採点:
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問14 ★★
0≦x≦4π の範囲で、2曲線 y=cosx,y=sinx と y 軸で囲まれた部分を、x 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積を求めなさい。
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答え
解説
0≦x≦4π では cosx≧sinx≧0 です(等号は x=4π で、そこで2曲線が交わります)。
回転させると、半径 cosx の円から半径 sinx の円を除いたドーナツ形の断面ができます。断面積は π(cos2x−sin2x) です。
V=π∫04π(cos2x−sin2x)dx=π∫04πcos2xdx=π[2sin2x]04π=2π
π∫04π(cosx−sinx)2dx としてしまうと、別の立体(半径 cosx−sinx の円)の体積になります。
自己採点:
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問15 ★★
曲線 y=4x2−21logx (1≦x≦e) の長さを求めなさい。
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答え
4e2+1
解説
y′=2x−2x1 なので
1+(y′)2=1+4x2−21+4x21=4x2+21+4x21=(2x+2x1)2
x>0 では 2x+2x1>0 なので、根号がそのまま外れます。
L=∫1e(2x+2x1)dx=[4x2+21logx]1e=4e2+21−41=4e2+1
「1+(y′)2 が完全平方式になる」ように作られた曲線です。−21 が +21 に変わるところがポイントです。
自己採点:
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問16 ★★
極限値 n→∞limn1k=1∑nlog(1+nk) を求めなさい。
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答え
2log2−1
解説
f(x)=log(1+x) として区分求積法を使うと
n→∞limn1k=1∑nlog(1+nk)=∫01log(1+x)dx
log(1+x)⋅1 とみて部分積分します。積分する側 1 の原始関数を 1+x に選ぶと、後の計算が楽になります。
∫01log(1+x)dx=[(1+x)log(1+x)]01−∫01(1+x)⋅1+x1dx=2log2−1
2log2−1自己採点:
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問17 ★★★
a を実数の定数とします。定積分 I(a)=∫0π(sinx−ax)2dx を最小にする a の値と、I(a) の最小値を求めなさい。
つまずいたときは:
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答え
a=π23 のとき、最小値 2π−π3
解説
展開して a について整理します。
I(a)=∫0πsin2xdx−2a∫0πxsinxdx+a2∫0πx2dx
3つの定積分をそれぞれ求めます。
∫0πsin2xdx=∫0π21−cos2xdx=2π
∫0πxsinxdx=[−xcosx]0π+∫0πcosxdx=π+0=π
∫0πx2dx=3π3
よって I(a) は a の2次関数です。
I(a)=3π3a2−2πa+2π=3π3(a−π23)2−π3+2π
a2 の係数は正なので、a=π23 のとき最小値 2π−π3 をとります。
積分する変数は x で、a は定数として外に出せます。定積分を済ませると、a だけの関数が残ります。
自己採点:
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問18 ★★★
1≦t≦e とし、曲線 y=logx 上の点 (t, logt) における接線を ℓ とします。曲線 y=logx と ℓ,および2直線 x=1,x=e で囲まれた部分の面積を S(t) とします。S(t) を最小にする t の値と、その最小値を求めなさい。
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答え
t=2e+1 のとき、最小値 (e−1)log2e+1−1
解説
ℓ の方程式は y=tx−1+logt です。y=logx は上に凸(y′′=−x21<0)なので、1≦x≦e で曲線は ℓ の下側にあります。
S(t)=∫1e(tx−1+logt)dx−∫1elogxdx
∫1elogxdx=[xlogx−x]1e=1 なので
S(t)=2te2−1+(e−1)(logt−1)−1
t で微分します。
S′(t)=−2t2e2−1+te−1=2t2(e−1){2t−(e+1)}
1<2e+1<e なので、増減表は次のとおりです。
t=2e+1 のとき 2te2−1=e+1(e−1)(e+1)=e−1 なので
S(2e+1)=(e−1)+(e−1)(log2e+1−1)−1=(e−1)log2e+1−1
よって t=2e+1 のとき最小値 (e−1)log2e+1−1 です。
最小にする接点は、区間 1≦x≦e のちょうど真ん中です。上に凸な曲線では、区間の中点で接線を引くと、すき間の面積がいちばん小さくなります。
自己採点:
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問19 ★★★
a を正の定数とします。2曲線 y=logx,y=ax が接しています。a の値と接点の座標を求め、2曲線と x 軸で囲まれた部分の面積を求めなさい。
つまずいたときは:
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答え
a=e2,接点 (e2, 2),面積 3e2−1
解説
x=t (t>0) の点で接するとすると、y 座標と傾きが一致します。(ax)′=2xa なので
logt=at …①,t1=2ta …②
②より at=2。①に代入して logt=2,つまり t=e2,a=t2=e2 です。
a=e2,接点 (e2, 2)
次に上下を確かめます。h(x)=e2x−logx (x>0) とおくと
h′(x)=ex1−x1=exx−e
h(x) は 0<x<e2 で減少、x>e2 で増加し、最小値は h(e2)=2−2=0 です。よって y=e2x はつねに y=logx の上側にあり、共有点は接点だけです。
囲まれた部分は、0≦x≦e2 で y=e2x と x 軸の間から、1≦x≦e2 で y=logx と x 軸の間を除いたものです(logx は x≧1 で 0 以上)。
∫0e2e2xdx=e2[32x23]0e2=e2⋅32e3=34e2
∫1e2logxdx=[xlogx−x]1e2=(2e2−e2)−(0−1)=e2+1
S=34e2−(e2+1)=3e2−1自己採点:
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問20 ★★★
正の整数 n に対して In=∫011+xxndx とします。部分積分法により In=2(n+1)1+n+11∫01(1+x)2xn+1dx を示し、極限値 n→∞limnIn を求めなさい。
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答え
n→∞limnIn=21
解説
xn を積分する側、1+x1 を微分する側にします。(1+x1)′=−(1+x)21 です。
In=[n+1xn+1⋅1+x1]01+n+11∫01(1+x)2xn+1dx=2(n+1)1+n+11Jn
ここで Jn=∫01(1+x)2xn+1dx とおきました。これで等式が示せました。
次に Jn を評価します。0<x<1 では 1<(1+x)2 なので 0<(1+x)2xn+1<xn+1 で、
0<Jn<∫01xn+1dx=n+21
n+21→0 なので、はさみうちの原理より n→∞limJn=0 です。等式の両辺に n を掛けると
nIn=2(n+1)n+n+1nJn⟶ 21+1⋅0
n→∞limnIn=21
In 自体は 0 に近づきますが、n を掛けても 0 にならず 21 に落ち着きます。x=1 の近くの値 1+11 だけが効いてくる、というのが直感的な意味です。
自己採点:
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