問1 ★
極限 を求めなさい。
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分母の最高次 で分母・分子を割ります。
分数の極限は、分母・分子の最高次の係数の比で決まります。
目次 / 数検対策(準2級・2級・準1級) / 数検準1級
—— 微分積分 第10章の「数列の極限」を、数検準1級の出題形式で ——
数検準1級の「数列の極限」の類題です。$\dfrac{\infty}{\infty}$ の形の処理、$\sqrt{\ }$ の差の有理化、$r^n$ の場合分け、はさみうちの原理、無限級数と無限等比級数までを20問にまとめました。2次(数理技能)の問題では、はさむ不等式や場合分けの根拠を答案に書き残す練習もします。関数の極限・$\dfrac{\sin\theta}{\theta}$・連続と中間値の定理は第22章で扱います。
この章の問題は、「式を変形して行き先の見える形にする」ことと、「変形できないものを不等式ではさむ」ことの2つに分かれます。2次ではその根拠を答案に残すことが、得点の分かれ目です。
難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=難問です。★から順に取り組みましょう。
問1 ★
極限 を求めなさい。
分母の最高次 で分母・分子を割ります。
分数の極限は、分母・分子の最高次の係数の比で決まります。
問2 ★
極限 を求めなさい。
の形なので、分子を有理化して分数に直します。
分母・分子を で割ります( なので です)。
「どちらも だから差は 」としてはいけません。
問3 ★
極限 を求めなさい。
いちばん大きい底の累乗 で分母・分子を割ります。, です。
より なので
問4 ★
無限等比級数 の和を求めなさい。
初項は ,公比は です。 なので収束し、
公比が負でも、絶対値が より小さければ和は求まります。
問5 ★
循環小数 を分数で表しなさい。
は、循環しない と、循環する部分に分けます。循環する部分は初項 ,公比 の無限等比級数です。
循環が小数第2位から始まるので、初項は ではなく です。
問6 ★
極限 を求めなさい。
は と を行き来しますが、いつも です。分母 は正なので
両端はどちらも に収束するので、はさみうちの原理より
問7 ★
無限級数 の和を求めなさい。
と差に分けると、部分和は次々に打ち消し合います。
問8 ★
極限 を求めなさい。
分子は です。
項の個数が 個あるので、1項ずつ極限をとって「 の和だから 」とするのは誤りです。
問9 ★★
を実数とする。極限 を、 の値で場合分けして求めなさい。
のとき , のとき , のとき
で、 なので振動は起こりません。 と の大小、つまり と の大小で場合分けします。
(i) のとき より なので
(ii) のとき で なので、数列の各項が となり、極限は です。
(iii) のとき なので、分母・分子を で割ります。
以上より、 です。
指数が なので、 が負でも は正です。 のときのような「 で振動」は起こりません。
問10 ★★
無限等比級数の和が であり、その各項を2乗して作った無限等比級数の和が であるという。もとの級数の初項 と公比 を定めなさい。
,
もとの級数が収束するので , です。各項を2乗した級数は、初項 ,公比 の無限等比級数で、 なのでこちらも収束します。
…① …②
② の分母を と分解し、① から を代入します。
よって です。① から なので
このとき です。, で条件を満たします。
問11 ★★
極限 を求めなさい。
,(どちらも 個の積)なので、分数を1つずつ対応させます。
右辺の2つめから最後までの分数はどれも 以下で、全体は正です。したがって
なので、はさみうちの原理より
答案では「 はすべて 以下」という一言を必ず書きます。ここがはさむ根拠です。
問12 ★★
, で定められる数列 の一般項と、極限 を求めなさい。
,極限は
が邪魔なので、両辺に を掛けます。
とおくと , なので、 は初項 ,公差 の等差数列です。
次に極限です。 のとき、二項定理より
( の展開のうち の項だけを残しました。)よって で
右辺は分母の次数が高いので に収束します。はさみうちの原理より です。
「 は より速く大きくなる」ことは、このように二項定理で不等式を作って示します。
問13 ★★
無限級数 は発散することを示しなさい。
部分和が となるので発散する
各項を有理化すると、差の形になります。分母と分子に を掛けると、分母は になるので
部分和は次々に打ち消し合って
のとき なので、部分和は収束しません。したがって、この無限級数は発散します。(証明終)
各項は と に近づきますが、それでも和は発散します。「各項が に近づく」は収束の保証にならない、という例です。
問14 ★★
が成り立つように、定数 の値を定めなさい。
の形なので、分子を有理化します。
分母・分子を で割ります( です)。
これが に等しいので ,すなわち です。
有理化する前に「 の値で場合分け」と考える必要はありません。有理化してしまえば、どんな でも極限は になります。
問15 ★★
一辺の長さが の正方形を とし、 の各辺の中点を結んでできる正方形を , の各辺の中点を結んでできる正方形を とし、以下同じように限りなく続ける。正方形 について、面積の総和と周の長さの総和を求めなさい。
面積の総和 ,周の長さの総和
の一辺の長さを とします。一辺 の正方形の各辺の中点を結ぶと、できる正方形の一辺は直角をはさむ2辺が の直角三角形の斜辺なので
よって は初項 ,公比 の等比数列です。
面積 の面積は なので、初項 ,公比 の無限等比級数になります。
周の長さ の周は なので、初項 ,公比 の無限等比級数です。
どちらも公比の絶対値が より小さいので収束します。面積と周で公比が違う(面積は長さの比の2乗)ことに注意します。
問16 ★★
高さ の位置から真下に落としたボールが、床に当たるたびに、直前に落ちた高さの だけはね上がるとする。このボールが止まるまでに動く道のりの総和を求めなさい。
最初の落下は です。その後は、はね上がりと落下が同じ高さで対になるので、 回目のはね上がりの高さを2倍ずつ足します。 回目のはね上がりの高さは です。
この無限等比級数は初項 ,公比 で、 より収束します。
最初の落下だけは対になる相手がいないので、 倍する部分から外します。ここを 倍してしまうのがよくある誤りです。
問17 ★★★
,, で定められる数列 の一般項と、極限 を求めなさい。
,極限は
漸化式は ,つまり「次の項は前2項の平均」です。両辺から を引くと、階差が等比数列になります。
とおくと、 は初項 ,公比 の等比数列なので
のとき、階差数列の公式から
を代入すると となり、 でも成り立ちます。
より なので
前2項の平均をとり続けると、最初の2項 と を に内分する点 に落ち着きます。
問18 ★★★
二項定理を用いて、極限 を求めなさい。
と見て、二項定理で展開します。 のとき、展開した各項はすべて正なので、 の項だけを残した式より大きいか等しくなります。
よって のとき
右辺の分母・分子を で割ると
はさみうちの原理より
分子が なので、二項定理では3次の項 を残します。 なら 次の項を残す、と覚えておくと使い回せます。
問19 ★★★
無限級数 の和を求めなさい。
部分和 を、等差 × 等比の和の求め方(公比を掛けてずらして引く)で求めます。
上から下を引くと、 から までの等比数列の和が残ります。
両辺を2倍して
問18と同じ二項定理の評価から ,また なので
答案では、最後に の根拠(指数は多項式より速く大きくなること)を一言添えます。
問20 ★★★
, で定められる数列 について、すべての で であることと、不等式 が成り立つことを示し、極限 を求めなさい。
極限は
(1) の証明 漸化式を、分子を分母でくくる形に変えておきます。
数学的帰納法で示します。 なので では成り立ちます。 とすると なので となり
よって です。したがって、すべての で 、すなわち が成り立ちます。
(2) 不等式の証明 を引いて通分します。
分子は を使って因数分解できます。
よって、絶対値をとると( です)
(1) より なので となり
が示されました。(証明終)
(3) 極限 とおくと、(2) をくり返し使って
より なので です。はさみうちの原理より 、すなわち
極限値の見当は、漸化式で も も とおいた 、つまり からつきます。ただし「極限があるとすれば 」を示しただけでは答案になりません。(2) の不等式で、実際に近づくことまで示す必要があります。
この章の学習が終わったら
学習完了テストを受ける