目次 / 指数関数・対数関数 / 数学II

第3章 指数方程式・不等式

—— 底をそろえて指数を比べる、置きかえて 2 次式に持ち込む ——

第2章で、指数関数のグラフは右上がり(または右下がり)の一本道だと分かりました。この章では、その性質を使って $2^x = 8$ や $\left(\dfrac{1}{3}\right)^x \geqq 9$ のような、指数に未知数を含む方程式・不等式を解きます。基本は「底をそろえて指数を比べる」こと。不等式では、底が 1 より小さいときに不等号の向きが逆になる点に気をつけます。$4^x$ と $2^x$ が混じる式は、$t = 2^x$($t > 0$)とおいて 2 次方程式・2 次不等式に持ち込みます。最後に、連立方程式と、文字を含む方程式の解の個数まで扱います。

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指数方程式——底をそろえて指数を比べる

2x2^x=8{}= 8 を満たす xx は何でしょう。88=23{}= 2^3 なので、2x2^x=23{}= 2^3。第2章で見たとおり、指数関数のグラフは右上がりの一本道なので、同じ高さ 88 になる xx はただ 1 つしかありません。したがって xx=3{}= 3 です。このように、指数の部分に未知数を含む方程式を指数方程式といいます。

x y O −3 −2 −1 1 2 3 4 5 4 8 1 y = 8 y = 2x (3, 8) x > 3
公式1:底をそろえて解く指数方程式

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 のとき

ap\displaystyle a^p=aq\displaystyle {}= a^q  ⟺  p\displaystyle {}\iff p=q\displaystyle {}= q

したがって、両辺を同じ底の累乗に書きかえれば、指数どうしを等しいとおいた方程式に直せる。11 は a0a^0、a\sqrt{a} は a12a^{\frac{1}{2}}、1a\dfrac{1}{a} は a−1a^{-1} として書きかえる。

長さを比べるとき、「1.21.2 km」と「15001500 m」の数字をそのまま並べても意味がありません。どちらかの単位にそろえて、12001200 m と 15001500 m にしてから比べます。指数方程式も同じで、4x4^x と 88 のままでは比べられませんが、単位にあたる底を 22 にそろえて 22x2^{2x} と 232^3 にすれば、あとは指数の数字を見比べるだけです。

底の条件 aa≠1{}\neq 1 が大事です。151^5=17{}= 1^7 ですが、55=7{}= 7 ではありません。底が 11 だと、指数がいくつでも値が変わらないからです。

指数方程式は、両辺を同じ底の累乗に書きかえてしまえば、指数どうしを等しいとおくだけの方程式になるということです。

例題1:底をそろえる

(1) 3x+13^{x+1}=127{}= \dfrac{1}{27}

(2) 4x4^x=8x−1{}= 8^{x-1}

(3) (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x=42{}= 4\sqrt{2}

上の各方程式の解を求めなさい。


【解答】

(1) 127\dfrac{1}{27}=3−3{}= 3^{-3} なので 3x+13^{x+1}=3−3{}= 3^{-3}。指数を比べて xx+1{}+ 1=−3{}= -3,x=−4‾\underline{x = -4}

(2) 底を 22 にそろえると 4x4^x=22x{}= 2^{2x},8x−18^{x-1}=23(x−1){}= 2^{3(x-1)} なので

2x\displaystyle 2x=3x\displaystyle {}= 3x−3\displaystyle {}- 3よって\displaystyle \text{よって}x=3‾\displaystyle \underline{x = 3}

(3) (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x=2−x{}= 2^{-x},424\sqrt{2}=22⋅212{}= 2^2 \cdot 2^{\frac{1}{2}}=252{}= 2^{\frac{5}{2}} なので

−x\displaystyle -x=52\displaystyle {}= \frac{5}{2}よって\displaystyle \text{よって}x=−52‾\displaystyle \underline{x = -\frac{5}{2}}

(3) の 12\dfrac{1}{2} を 2−12^{-1} と見るのは、第2章で大小を比べたときと同じ手です。底 12\dfrac{1}{2} にそろえても、(12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x=(12)−52{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-\frac{5}{2}} から同じ答えになります。

置き換え——tt=2x{}= 2^x とおいて 2 次方程式にする

4x4^x−2x+1{}- 2^{x+1}−8{}- 8=0{}= 0 は、項が 3 つあるので、両辺を 1 つの累乗にまとめることができません。ここで第2章の最大・最小で使った置き換えが役に立ちます。4x4^x=(2x)2{}= (2^x)^2,2x+12^{x+1}=2⋅2x{}= 2 \cdot 2^x なので、tt=2x{}= 2^x とおくと

t2\displaystyle t^2−2t\displaystyle {}- 2t−8\displaystyle {}- 8=0\displaystyle {}= 0すなわち\displaystyle \text{すなわち}(t−4)(t+2)\displaystyle (t - 4)(t + 2)=0\displaystyle {}= 0

tt=4{}= 4 または tt=−2{}= -2。ただし tt=2x{}= 2^x はつねに正なので、tt=−2{}= -2 にあたる xx はありません。残った tt=4{}= 4 から 2x2^x=22{}= 2^2,xx=2{}= 2 です。

公式2:置き換えで解く指数方程式

a2xa^{2x} と axa^x が混じる方程式は

  1. tt=ax{}= a^x とおく。このとき tt>0{}> 0
  2. tt の 2 次方程式を解く
  3. tt>0{}> 0 を満たす解だけを残し、axa^x=t{}= t から xx を求める

身長制限のあるジェットコースターを思い浮かべてください。チケット(2 次方程式の解)を持っていても、入口で身長を測って基準に届かなければ乗れません。tt=2x{}= 2^x のゲートでは、基準は「tt>0{}> 0」です。tt=−2{}= -2 はチケットを持っていても、ここで帰ってもらうことになります。この確認を飛ばすと、ありもしない解を答えてしまいます。

4x4^x と 2x2^x が混じる方程式は tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおいて 2 次方程式を解き、tt>0{}> 0 の解だけを xx に戻せばよいということです。

例題2:置き換えで解く

(1) 4x4^x−2x+1{}- 2^{x+1}−8{}- 8=0{}= 0

(2) 9x9^x−4⋅3x{}- 4 \cdot 3^x+3{}+ 3=0{}= 0

上の各方程式の解を求めなさい。


【解答】

(1) tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと t2t^2−2t{}- 2t−8{}- 8=0{}= 0,(t−4)(t+2)(t - 4)(t + 2)=0{}= 0。tt>0{}> 0 より tt=4{}= 4。2x2^x=4{}= 4=22{}= 2^2 なので x=2‾\underline{x = 2}

(2) tt=3x{}= 3^x(tt>0{}> 0)とおくと、9x9^x=(3x)2{}= (3^x)^2=t2{}= t^2 なので

t2\displaystyle t^2−4t\displaystyle {}- 4t+3\displaystyle {}+ 3=0\displaystyle {}= 0(t−1)(t−3)\displaystyle (t - 1)(t - 3)=0\displaystyle {}= 0

tt=1{}= 1,33 はどちらも正なので両方残ります。3x3^x=1{}= 1=30{}= 3^0 から xx=0{}= 0,3x3^x=3{}= 3 から xx=1{}= 1。

x=0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 0,} 1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 1}

(2) のように、tt の解が 2 つとも正なら xx の解も 2 つです。tt の解の数と xx の解の数の関係は、この章の最後でまとめて扱います。

指数不等式——底が 1 より小さいと向きが逆

次は 2x2^x>8{}> 8 です。88=23{}= 2^3 なので 2x2^x>23{}> 2^3。yy=2x{}= 2^x は右上がりなので、値が大きいのは指数が大きいほう、つまり xx>3{}> 3 です。図でいえば、グラフが直線 yy=8{}= 8 より上にある部分です。

では (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x>8{}> 8 はどうでしょう。88=(12)−3{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-3} と書けますが、yy=(12)x{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^x は右下がりなので、値が大きいのは指数が小さいほう。答えは xx<−3{}< -3 で、不等号の向きが逆になります。

公式3:底をそろえて解く指数不等式
a\displaystyle a>1 のとき\displaystyle {}> 1 \text{ のとき}ap\displaystyle a^p<aq\displaystyle {}< a^q  ⟺  p\displaystyle {}\iff p<q\displaystyle {}< q(向きはそのまま)\displaystyle (\text{向きはそのまま})0\displaystyle 0<a\displaystyle {}< a<1 のとき\displaystyle {}< 1 \text{ のとき}ap\displaystyle a^p<aq\displaystyle {}< a^q  ⟺  p\displaystyle {}\iff p>q\displaystyle {}> q(向きが逆)\displaystyle (\text{向きが逆})

両辺を同じ底の累乗に書きかえ、底と 1 の大小を確かめてから指数の不等式に直す。

ゴルフでは、打った回数(スコア)が少ない人ほど順位が上です。「スコア 7070 と 7272、どちらが上位か」と聞かれて、数の大きい 7272 を選ぶと逆になります。数の大小と順位の上下が反対に対応しているからです。底が 1 より小さい指数不等式もこれと同じで、指数の大小と値の大小が逆向きに対応しています。どちらのルールで順位が決まる競技なのか——底が 1 より大きいか小さいか——を最初に確かめる習慣をつけましょう。

底 12\dfrac{1}{2} の不等式は、底を 22 にそろえ直す手もあります。(12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x=2−x{}= 2^{-x} なので、(12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x>8{}> 8 は 2−x2^{-x}>23{}> 2^3、−x-x>3{}> 3、xx<−3{}< -3。向きが逆になるのは、最後に −1-1 で割るところで起きています。どちらの道でも答えは同じです。

指数不等式は底をそろえて指数の不等式に直せばよく、底が 1 より小さいときだけ不等号の向きを逆にすればよいということです。

例題3:底をそろえる不等式

(1) 2x−12^{x-1}>8{}> 8

(2) (13)x\left(\dfrac{1}{3}\right)^x≧9{}\geqq 9

(3) 4x4^x<23x−2{}< 2^{3x-2}

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) 2x−12^{x-1}>23{}> 2^3。底 22>1{}> 1 なので向きはそのままで xx−1{}- 1>3{}> 3,x>4‾\underline{x > 4}

(2) 99=(13)−2{}= \left(\dfrac{1}{3}\right)^{-2} なので (13)x\left(\dfrac{1}{3}\right)^x≧(13)−2{}\geqq \left(\dfrac{1}{3}\right)^{-2}。底 13\dfrac{1}{3}<1{}< 1 なので向きが逆になり、x≦−2‾\underline{x \leqq -2}

(3) 4x4^x=22x{}= 2^{2x} なので 22x2^{2x}<23x−2{}< 2^{3x-2}。底 22>1{}> 1 なので 2x2x<3x{}< 3x−2{}- 2,x>2‾\underline{x > 2}

(2) で xx=−2{}= -2 を入れると (13)−2\left(\dfrac{1}{3}\right)^{-2}=9{}= 9、xx=−3{}= -3 を入れると 2727 で、どちらも 99 以上です。答えの範囲から 1 つ選んで代入してみると、向きの間違いにすぐ気づけます。

置き換えの不等式——tt の範囲を求めて xx に戻す

4x4^x−5⋅2x{}- 5 \cdot 2^x+4{}+ 4≦0{}\leqq 0 も、tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおけば t2t^2−5t{}- 5t+4{}+ 4≦0{}\leqq 0、すなわち (t−1)(t−4)(t - 1)(t - 4)≦0{}\leqq 0 という 2 次不等式になります。解は 11≦t{}\leqq t≦4{}\leqq 4。これはどれも正なので、そのまま 11≦2x{}\leqq 2^x≦4{}\leqq 4、つまり 202^0≦2x{}\leqq 2^x≦22{}\leqq 2^2。底 22>1{}> 1 なので 00≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2 です。

公式4:置き換えで解く指数不等式
  1. tt=ax{}= a^x(tt>0{}> 0)とおき、tt の 2 次不等式を解く
  2. その解と tt>0{}> 0 の共通部分をとる
  3. tt の範囲を axa^x の範囲に戻し、公式3で xx の範囲にする(00<a{}< a<1{}< 1 なら向きが逆)

海外の市場で、値段の交渉を現地の言葉でするとします。日本語で考えたことを現地の言葉に訳し、向こうの言葉でやり取りして、決まった値段をまた日本語に訳して持ち帰る。置き換えも同じ往復です。xx の世界の不等式を tt の言葉に訳し、2 次不等式として解いて、最後に xx の言葉へ訳し戻します。訳し戻しを忘れて「11≦t{}\leqq t≦4{}\leqq 4」で止めると、答えになりません。

2 の「tt>0{}> 0 との共通部分」が効くのは、2 次不等式の解に負の部分が含まれるときです。たとえば t2t^2−2t{}- 2t−3{}- 3>0{}> 0 の解は tt<−1{}< -1 または tt>3{}> 3 ですが、tt>0{}> 0 と合わせると tt>3{}> 3 だけが残ります。

置き換えた不等式は、tt の範囲を tt>0{}> 0 と合わせて求めてから、xx の範囲に訳し戻せばよいということです。

例題4:置き換えで解く不等式

(1) 4x4^x−5⋅2x{}- 5 \cdot 2^x+4{}+ 4≦0{}\leqq 0

(2) 9x9^x−2⋅3x{}- 2 \cdot 3^x−3{}- 3>0{}> 0

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。


【解答】

(1) tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと (t−1)(t−4)(t - 1)(t - 4)≦0{}\leqq 0 より 11≦t{}\leqq t≦4{}\leqq 4(すべて tt>0{}> 0 を満たす)。202^0≦2x{}\leqq 2^x≦22{}\leqq 2^2 で、底 22>1{}> 1 なので 0≦x≦2‾\underline{0 \leqq x \leqq 2}

(2) tt=3x{}= 3^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2−2t\displaystyle {}- 2t−3\displaystyle {}- 3>0\displaystyle {}> 0(t−3)(t+1)\displaystyle (t - 3)(t + 1)>0\displaystyle {}> 0

より tt<−1{}< -1 または tt>3{}> 3。tt>0{}> 0 との共通部分は tt>3{}> 3。3x3^x>31{}> 3^1 で、底 33>1{}> 1 なので x>1‾\underline{x > 1}

(2) の tt<−1{}< -1 は、方程式のときの「身長制限で帰ってもらう解」と同じで、3x3^x がとれない値です。

連立方程式と、底がそろわない方程式

xx と yy の 2 つが未知数の連立方程式でも、考え方は変わりません。たとえば

{2x+1+3y=112x−3y−1=3\begin{cases} 2^{x+1} + 3^y = 11 \\ 2^x - 3^{y-1} = 3 \end{cases}

は、2x+12^{x+1}=2⋅2x{}= 2 \cdot 2^x,3y−13^{y-1}=3y3{}= \dfrac{3^y}{3} と分けると、2x2^x と 3y3^y の 2 つのかたまりしか出てきません。そこで XX=2x{}= 2^x,YY=3y{}= 3^y と別々の文字を当てると、ただの連立 1 次方程式になります。

また、3x−13^{x-1}=2x−1{}= 2^{x-1} のように底がそろわないときは、両辺を片方で割って (32)x−1\left(\dfrac{3}{2}\right)^{x-1}=1{}= 1 とします。11=(32)0{}= \left(\dfrac{3}{2}\right)^0 なので、xx−1{}- 1=0{}= 0 です。

公式5:連立方程式・底がそろわない方程式
  • 連立方程式:XX=2x{}= 2^x,YY=3y{}= 3^y(XX>0{}> 0,YY>0{}> 0)のように、かたまりごとに別の文字でおく。XX,YY を求めてから xx,yy に戻す
  • 指数が同じで底が違う方程式:apa^p=bp{}= b^p(aa,bb は正で aa≠b{}\neq b)は、両辺を bpb^p で割って (ab)p\left(\dfrac{a}{b}\right)^p=1{}= 1。よって pp=0{}= 0

同じクラスに「田中さん」が 2 人いたら、呼び分けるために名札に下の名前を書いてもらいます。連立方程式に 2x2^x と 3y3^y という 2 種類のかたまりがあるなら、それぞれに XX,YY という名札を付けて区別すればよいのです。名札を付けたら、中学校で学んだ加減法・代入法がそのまま使えます。

連立の指数方程式は、かたまりごとに XX,YY と名前を付けて連立 1 次方程式にし、底が違う方程式は割り算で 1 つの底にまとめればよいということです。

例題5:連立方程式と底が違う方程式

(1) 連立方程式 2x+12^{x+1}+3y{}+ 3^y=11{}= 11,2x2^x−3y−1{}- 3^{y-1}=3{}= 3 の解を求めなさい。

(2) 方程式 3x−13^{x-1}=2x−1{}= 2^{x-1} の解を求めなさい。


【解答】

(1) XX=2x{}= 2^x,YY=3y{}= 3^y(XX>0{}> 0,YY>0{}> 0)とおくと

2X\displaystyle 2X+Y\displaystyle {}+ Y=11,\displaystyle {}= 11,X\displaystyle X−Y3\displaystyle {}- \frac{Y}{3}=3\displaystyle {}= 3

2 つ目の式を 3 倍して 3X3X−Y{}- Y=9{}= 9。1 つ目と足すと 5X5X=20{}= 20,XX=4{}= 4。すると YY=11{}= 11−8{}- 8=3{}= 3。どちらも正です。2x2^x=4{}= 4 から xx=2{}= 2、3y3^y=3{}= 3 から yy=1{}= 1。

x=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 2,} y=1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 1}

(2) 2x−12^{x-1}>0{}> 0 で両辺を割ると

(32)x−1\displaystyle \left(\frac{3}{2}\right)^{x-1}=1\displaystyle {}= 1=(32)0\displaystyle {}= \left(\frac{3}{2}\right)^0

よって xx−1{}- 1=0{}= 0,x=1‾\underline{x = 1}

(1) は、答えを元の式に入れて 232^3+31{}+ 3^1=11{}= 11,222^2−30{}- 3^0=3{}= 3 と確かめておくと安心です。

解の個数——xx と tt は一対一

最後に、文字(定数)aa を含む方程式 4x4^x−2x+2{}- 2^{x+2}+a{}+ a=0{}= 0 が、いくつ実数解をもつかを考えます。tt=2x{}= 2^x とおくと

t2\displaystyle t^2−4t\displaystyle {}- 4t+a\displaystyle {}+ a=0\displaystyle {}= 0(t>0)\displaystyle (t > 0)

ここで大事なのが、xx と tt の対応です。yy=2x{}= 2^x は右上がりの一本道で、値は正の数全体をとります(第2章 厳密定義の補足)。ですから、正の数 tt を 1 つ決めると、2x2^x=t{}= t となる xx がちょうど 1 つ決まり、tt≦0{}\leqq 0 には xx がありません。

公式6:解の個数の対応

tt=ax{}= a^x とおくと、tt>0{}> 0 の 1 つの値に xx の値がちょうど 1 つ対応する。したがって、xx の方程式の実数解の個数は、tt の方程式の正の解の個数に等しい。

tt の方程式を f(t)f(t)=k{}= k の形に直し、yy=f(t){}= f(t)(tt>0{}> 0)のグラフと直線 yy=k{}= k の共有点を数えると分かりやすい。

映画館の指定席では、1 枚のチケットに座席が 1 つずつ決まっています。チケットが 2 枚あれば座る人も 2 人、番号の存在しない「−3-3 番」のチケットでは誰も座れません。tt の正の解がチケット、xx の解が座る人です。だから xx の解を数えたいときは、tt の正の解を数えれば済みます。

0)のグラフと、3 本の水平な直線 y = k。点 (0, 0) は白丸。k = −4 では頂点の 1 点、k = −2 では 2 点、k = 2 では 1 点で交わる。"> t y O 1 2 3 4 5 y = t2 − 4t k = 2 1 点 k = −2 2 点 k = −4 1 点 (2, −4)

xx の解は tt の正の解と一対一に対応するので、tt の方程式の正の解を、グラフと直線の共有点として数えればよいということです。

例題6:解の個数

aa を定数とします。方程式 4x4^x−2x+2{}- 2^{x+2}+a{}+ a=0{}= 0 の異なる実数解の個数を、aa の値によって分類した結果を求めなさい。


【解答】

tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと t2t^2−4t{}- 4t+a{}+ a=0{}= 0、すなわち

t2\displaystyle t^2−4t\displaystyle {}- 4t=−a\displaystyle {}= -a

f(t)f(t)=t2{}= t^2−4t{}- 4t=(t−2)2{}= (t - 2)^2−4{}- 4 とすると、tt>0{}> 0 での yy=f(t){}= f(t) のグラフは、tt=0{}= 0 の端(値 00、ただし含まない)から下がり、頂点 (2, −4)(2,\ -4) を通って上がっていく曲線です。これと直線 yy=−a{}= -a の共有点の個数が、正の解 tt の個数、つまり xx の解の個数です。

  • −a-a<−4{}< -4,すなわち aa>4{}> 4 のとき:共有点なし
  • −a-a=−4{}= -4,すなわち aa=4{}= 4 のとき:頂点で 1 点
  • −4-4<−a{}< -a<0{}< 0,すなわち 00<a{}< a<4{}< 4 のとき:2 点
  • −a-a≧0{}\geqq 0,すなわち aa≦0{}\leqq 0 のとき:1 点(tt=0{}= 0 は含まないので、−a-a=0{}= 0 でも左側の共有点はない)
a>4 のとき 0 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}a > 4 \text{ のとき } 0 \text{ 個},}0<a<4 のとき 2 個,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\quad 0 < a < 4 \text{ のとき } 2 \text{ 個},}a=4,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\quad a = 4,} a≦0 のとき 1 個‾\displaystyle \underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ a \leqq 0 \text{ のとき } 1 \text{ 個}}

aa=0{}= 0 のとき、tt の方程式は t(t−4)t(t - 4)=0{}= 0 で tt=0{}= 0,44 ですが、tt=0{}= 0 はゲートを通れません。xx の解は tt=4{}= 4 からの xx=2{}= 2 の 1 個だけです。

この章のまとめ——3 つの作業

作業やること注意点
底をそろえるap=aqa^p = a^q,ap<aqa^p < a^q の形にする1=a01 = a^0,a=a12\sqrt{a} = a^{\frac{1}{2}},1a=a−1\dfrac{1}{a} = a^{-1}
向きを決める指数どうしの等式・不等式に直す底が 1 より小さいと不等号が逆
置きかえるt=axt = a^x(t>0t > 0)で 2 次式にするt>0t > 0 の解だけ残し、xx に戻す

どの作業も、指数関数が「右上がり(右下がり)の一本道で、値は正の数全体をとる」という第2章の性質に支えられています。ただし、ここで解けたのは、88=23{}= 2^3 のように両辺がうまく同じ底にそろう場合だけでした。2x2^x=5{}= 5 の解は、222^2=4{}= 4 と 232^3=8{}= 8 の間にあるはずですが、いまの道具では書き表せません。この「書き表せない指数」に名前を付けるのが、第4章の対数です。

基礎確認問題(全5問)

まずは公式をそのまま使う、ごく簡単な問題で確認しましょう。

問1

方程式 3x3^x=81{}= 81 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=4‾\underline{x = 4}(8181=34{}= 3^4)

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問2

方程式 2x2^x=18{}= \dfrac{1}{8} の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=−3‾\underline{x = -3}(18\dfrac{1}{8}=2−3{}= 2^{-3})

自己採点:
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問3

不等式 5x5^x>25{}> 25 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x>2‾\underline{x > 2}(5x5^x>52{}> 5^2 で、底 55>1{}> 1 なので向きはそのまま)

自己採点:
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問4

不等式 (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x<14{}< \dfrac{1}{4} を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x>2‾\underline{x > 2}((12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x<(12)2{}< \left(\dfrac{1}{2}\right)^2 で、底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので向きが逆)

自己採点:
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問5

方程式 4x4^x=8{}= 8 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

x=32‾\underline{x = \dfrac{3}{2}}(22x2^{2x}=23{}= 2^3 より 2x2x=3{}= 3)

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実践問題(全20問)

難易度マークは ★=基礎、★★=標準、★★★=入試レベルです。★から順に取り組みましょう。

問1 ★

(1) 2x+12^{x+1}=32{}= 32

(2) 9x9^x=27{}= 27

(3) (13)x\left(\dfrac{1}{3}\right)^x=81{}= 81

(4) 4x4^x=12{}= \dfrac{1}{\sqrt{2}}

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=4{}= 4 (2) xx=32{}= \dfrac{3}{2} (3) xx=−4{}= -4 (4) xx=−14{}= -\dfrac{1}{4}

解説

両辺を同じ底の累乗に書きかえ、指数どうしを等しいとおきます。

(1) 2x+12^{x+1}=25{}= 2^5 より xx+1{}+ 1=5{}= 5,x=4‾\underline{x = 4}

(2) 32x3^{2x}=33{}= 3^3 より 2x2x=3{}= 3,x=32‾\underline{x = \dfrac{3}{2}}

(3) (13)x\left(\dfrac{1}{3}\right)^x=3−x{}= 3^{-x} なので 3−x3^{-x}=34{}= 3^4。−x-x=4{}= 4 より x=−4‾\underline{x = -4}

(4) 4x4^x=22x{}= 2^{2x},12\dfrac{1}{\sqrt{2}}=2−12{}= 2^{-\frac{1}{2}} なので 2x2x=−12{}= -\dfrac{1}{2},x=−14‾\underline{x = -\dfrac{1}{4}}

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問2 ★

(1) 8x−18^{x-1}=4x+1{}= 4^{x+1}

(2) 25x25^x=(15)x−3{}= \left(\dfrac{1}{5}\right)^{x-3}

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=5{}= 5 (2) xx=1{}= 1

解説

(1) 底を 22 にそろえると 23(x−1)2^{3(x-1)}=22(x+1){}= 2^{2(x+1)}。

3x\displaystyle 3x−3\displaystyle {}- 3=2x\displaystyle {}= 2x+2\displaystyle {}+ 2よって\displaystyle \text{よって}x=5‾\displaystyle \underline{x = 5}

(2) 底を 55 にそろえると 25x25^x=52x{}= 5^{2x},(15)x−3\left(\dfrac{1}{5}\right)^{x-3}=5−(x−3){}= 5^{-(x-3)}。

2x\displaystyle 2x=−x\displaystyle {}= -x+3\displaystyle {}+ 3よって\displaystyle \text{よって}x=1‾\displaystyle \underline{x = 1}

(2) で xx=1{}= 1 を入れると、左辺 2525,右辺 (15)−2\left(\dfrac{1}{5}\right)^{-2}=25{}= 25 で一致します。

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問3 ★

(1) 2x⋅4x+12^x \cdot 4^{x+1}=64{}= 64

(2) 3x2−2x3^{x^2 - 2x}=27{}= 27

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=43{}= \dfrac{4}{3} (2) xx=−1,{}= -1, 3\ 3

解説

(1) 左辺を 1 つの累乗にまとめます。4x+14^{x+1}=22x+2{}= 2^{2x+2} なので

2x⋅22x+2\displaystyle 2^x \cdot 2^{2x+2}=23x+2\displaystyle {}= 2^{3x+2}=26\displaystyle {}= 2^6

3x3x+2{}+ 2=6{}= 6 より x=43‾\underline{x = \dfrac{4}{3}}

(2) 2727=33{}= 3^3 なので x2x^2−2x{}- 2x=3{}= 3。

x2\displaystyle x^2−2x\displaystyle {}- 2x−3\displaystyle {}- 3=0\displaystyle {}= 0(x−3)(x+1)\displaystyle (x - 3)(x + 1)=0\displaystyle {}= 0

x=−1,‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} 3‾\underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 3}。指数が 2 次式なら、方程式も 2 次方程式になります。

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問4 ★

(1) 3x3^x≧19{}\geqq \dfrac{1}{9}

(2) (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x>16{}> 16

(3) 0.2x0.2^x≦25{}\leqq 25

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx≧−2{}\geqq -2 (2) xx<−4{}< -4 (3) xx≧−2{}\geqq -2

解説

(1) 3x3^x≧3−2{}\geqq 3^{-2}。底 33>1{}> 1 なので向きはそのままで x≧−2‾\underline{x \geqq -2}

(2) 1616=(12)−4{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-4} なので (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x>(12)−4{}> \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-4}。底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので向きが逆になり、x<−4‾\underline{x < -4}

(3) 0.20.2=15{}= \dfrac{1}{5},2525=(15)−2{}= \left(\dfrac{1}{5}\right)^{-2} なので (15)x\left(\dfrac{1}{5}\right)^x≦(15)−2{}\leqq \left(\dfrac{1}{5}\right)^{-2}。底 15\dfrac{1}{5}<1{}< 1 なので向きが逆になり、x≧−2‾\underline{x \geqq -2}

(3) は小数の底を分数に直すのが第一歩です。底を 55 にそろえて 5−x5^{-x}≦52{}\leqq 5^2,−x-x≦2{}\leqq 2 としても同じ答えになります。

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問5 ★

(1) 4x4^x<2x+3{}< 2^{x+3}

(2) (13)2x−1\left(\dfrac{1}{3}\right)^{2x-1}≧(127)x{}\geqq \left(\dfrac{1}{27}\right)^x

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx<3{}< 3 (2) xx≧−1{}\geqq -1

解説

(1) 22x2^{2x}<2x+3{}< 2^{x+3}。底 22>1{}> 1 なので 2x2x<x{}< x+3{}+ 3,x<3‾\underline{x < 3}

(2) (127)x\left(\dfrac{1}{27}\right)^x=(13)3x{}= \left(\dfrac{1}{3}\right)^{3x} なので (13)2x−1\left(\dfrac{1}{3}\right)^{2x-1}≧(13)3x{}\geqq \left(\dfrac{1}{3}\right)^{3x}。底 13\dfrac{1}{3}<1{}< 1 なので向きが逆になり

2x\displaystyle 2x−1\displaystyle {}- 1≦3x\displaystyle {}\leqq 3xよって\displaystyle \text{よって}x≧−1‾\displaystyle \underline{x \geqq -1}
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問6 ★

方程式 4x4^x−2x{}- 2^x−12{}- 12=0{}= 0 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2{}= 2

解説

tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと、4x4^x=t2{}= t^2 なので

t2\displaystyle t^2−t\displaystyle {}- t−12\displaystyle {}- 12=0\displaystyle {}= 0(t−4)(t+3)\displaystyle (t - 4)(t + 3)=0\displaystyle {}= 0

tt>0{}> 0 より tt=4{}= 4(tt=−3{}= -3 は不適)。2x2^x=22{}= 2^2 より x=2‾\underline{x = 2}

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問7 ★

方程式 9x9^x−10⋅3x{}- 10 \cdot 3^x+9{}+ 9=0{}= 0 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=0,{}= 0, 2\ 2

解説

tt=3x{}= 3^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2−10t\displaystyle {}- 10t+9\displaystyle {}+ 9=0\displaystyle {}= 0(t−1)(t−9)\displaystyle (t - 1)(t - 9)=0\displaystyle {}= 0

tt=1{}= 1,99 はどちらも正です。3x3^x=1{}= 1=30{}= 3^0 から xx=0{}= 0,3x3^x=9{}= 9=32{}= 3^2 から xx=2{}= 2。

x=0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 0,} 2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 2}
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問8 ★

不等式 4x4^x−3⋅2x{}- 3 \cdot 2^x−4{}- 4<0{}< 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx<2{}< 2

解説

tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2−3t\displaystyle {}- 3t−4\displaystyle {}- 4<0\displaystyle {}< 0(t−4)(t+1)\displaystyle (t - 4)(t + 1)<0\displaystyle {}< 0

より −1-1<t{}< t<4{}< 4。tt>0{}> 0 との共通部分は 00<t{}< t<4{}< 4。00<2x{}< 2^x はいつでも成り立つので、条件は 2x2^x<22{}< 2^2 だけで、底 22>1{}> 1 より x<2‾\underline{x < 2}

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問9 ★★

方程式 4x+14^{x+1}−9⋅2x{}- 9 \cdot 2^x+2{}+ 2=0{}= 0 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=−2,{}= -2, 1\ 1

解説

4x+14^{x+1}=4⋅4x{}= 4 \cdot 4^x です。tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと

4t2\displaystyle 4t^2−9t\displaystyle {}- 9t+2\displaystyle {}+ 2=0\displaystyle {}= 0(4t−1)(t−2)\displaystyle (4t - 1)(t - 2)=0\displaystyle {}= 0

tt=14{}= \dfrac{1}{4},22 はどちらも正です。2x2^x=14{}= \dfrac{1}{4}=2−2{}= 2^{-2} から xx=−2{}= -2,2x2^x=2{}= 2 から xx=1{}= 1。

x=−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -2,} 1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 1}
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問10 ★★

方程式 2x2^x+23−x{}+ 2^{3-x}=6{}= 6 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=1,{}= 1, 2\ 2

解説

23−x2^{3-x}=232x{}= \dfrac{2^3}{2^x}=82x{}= \dfrac{8}{2^x} です。tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと

t\displaystyle t+8t\displaystyle {}+ \frac{8}{t}=6\displaystyle {}= 6

両辺に tt(>0> 0)を掛けて t2t^2−6t{}- 6t+8{}+ 8=0{}= 0,(t−2)(t−4)(t - 2)(t - 4)=0{}= 0。tt=2{}= 2,44 はどちらも正で、xx=1{}= 1,22。

x=1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 1,} 2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 2}

23−x2^{3-x} のように指数に −x-x が入っていたら、定数2x\dfrac{\text{定数}}{2^x} と書きかえて tt を掛けるのが定番の流れです。

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問11 ★★

不等式 9x9^x−4⋅3x+1{}- 4 \cdot 3^{x+1}+27{}+ 27≦0{}\leqq 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

11≦x{}\leqq x≦2{}\leqq 2

解説

4⋅3x+14 \cdot 3^{x+1}=12⋅3x{}= 12 \cdot 3^x です。tt=3x{}= 3^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2−12t\displaystyle {}- 12t+27\displaystyle {}+ 27≦0\displaystyle {}\leqq 0(t−3)(t−9)\displaystyle (t - 3)(t - 9)≦0\displaystyle {}\leqq 0

より 33≦t{}\leqq t≦9{}\leqq 9(すべて正)。313^1≦3x{}\leqq 3^x≦32{}\leqq 3^2 で、底 33>1{}> 1 なので 1≦x≦2‾\underline{1 \leqq x \leqq 2}

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問12 ★★

不等式 (14)x\left(\dfrac{1}{4}\right)^x−6(12)x{}- 6\left(\dfrac{1}{2}\right)^x+8{}+ 8>0{}> 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx<−2,{}< -2,−1-1<x{}< x

解説

tt=(12)x{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^x(tt>0{}> 0)とおくと、(14)x\left(\dfrac{1}{4}\right)^x=t2{}= t^2 なので

t2\displaystyle t^2−6t\displaystyle {}- 6t+8\displaystyle {}+ 8>0\displaystyle {}> 0(t−2)(t−4)\displaystyle (t - 2)(t - 4)>0\displaystyle {}> 0

より tt<2{}< 2 または tt>4{}> 4。tt>0{}> 0 と合わせて 00<t{}< t<2{}< 2 または tt>4{}> 4。

底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので、xx に戻すときは向きが逆になります。

  • (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x<2{}< 2=(12)−1{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-1} より xx>−1{}> -1
  • (12)x\left(\dfrac{1}{2}\right)^x>4{}> 4=(12)−2{}= \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-2} より xx<−2{}< -2
x<−2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x < -2,} −1<x‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}{}\ -1 < x}

tt=2−x{}= 2^{-x} と見て底 22 で考えても同じですが、どちらにしても「戻すときの向き」の確認が必要です。

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問13 ★★

連立方程式 2x2^x+3y{}+ 3^y=17{}= 17,2x+22^{x+2}−3y+1{}- 3^{y+1}=5{}= 5 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=3,{}= 3,yy=2{}= 2

解説

XX=2x{}= 2^x,YY=3y{}= 3^y(XX>0{}> 0,YY>0{}> 0)とおくと、2x+22^{x+2}=4X{}= 4X,3y+13^{y+1}=3Y{}= 3Y なので

X\displaystyle X+Y\displaystyle {}+ Y=17,\displaystyle {}= 17,4X\displaystyle 4X−3Y\displaystyle {}- 3Y=5\displaystyle {}= 5

1 つ目を 3 倍して足すと 7X7X=56{}= 56,XX=8{}= 8。YY=17{}= 17−8{}- 8=9{}= 9。どちらも正です。2x2^x=8{}= 8 から xx=3{}= 3,3y3^y=9{}= 9 から yy=2{}= 2。

x=3,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = 3,} y=2‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ y = 2}

確かめ:88+9{}+ 9=17{}= 17,3232−27{}- 27=5{}= 5。

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問14 ★★

連立方程式 2x⋅4y2^x \cdot 4^y=32{}= 32,3x9y\dfrac{3^x}{9^y}=13{}= \dfrac{1}{3} の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=2,{}= 2,yy=32{}= \dfrac{3}{2}

解説

それぞれ底をそろえて 1 つの累乗にします。

2x⋅4y\displaystyle 2^x \cdot 4^y=2x+2y\displaystyle {}= 2^{x + 2y}=25,\displaystyle {}= 2^5,3x9y\displaystyle \frac{3^x}{9^y}=3x−2y\displaystyle {}= 3^{x - 2y}=3−1\displaystyle {}= 3^{-1}

指数を比べて xx+2y{}+ 2y=5{}= 5,xx−2y{}- 2y=−1{}= -1。足して 2x2x=4{}= 4,xx=2{}= 2。引いて 4y4y=6{}= 6,yy=32{}= \dfrac{3}{2}。

x=2,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}x = 2,} y=32‾\displaystyle \underline{\rule[-0.686em]{0em}{2.0074em}\ y = \frac{3}{2}}

こちらは置き換えではなく、各式の底をそろえて「指数の連立 1 次方程式」にするタイプです。

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問15 ★★

(1) 2x+1⋅3x2^{x+1} \cdot 3^x=72{}= 72

(2) 22x−12^{2x-1}=32x−1{}= 3^{2x-1}

上の各方程式の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) xx=2{}= 2 (2) xx=12{}= \dfrac{1}{2}

解説

(1) 2x+1⋅3x2^{x+1} \cdot 3^x=2⋅2x⋅3x{}= 2 \cdot 2^x \cdot 3^x=2⋅6x{}= 2 \cdot 6^x なので 2⋅6x2 \cdot 6^x=72{}= 72,6x6^x=36{}= 36=62{}= 6^2。x=2‾\underline{x = 2}

(2) 32x−13^{2x-1}>0{}> 0 で両辺を割ると

(23)2x−1\displaystyle \left(\frac{2}{3}\right)^{2x-1}=1\displaystyle {}= 1=(23)0\displaystyle {}= \left(\frac{2}{3}\right)^0

よって 2x2x−1{}- 1=0{}= 0,x=12‾\underline{x = \dfrac{1}{2}}

(1) は「指数が同じなら底を掛け合わせられる」axbxa^x b^x=(ab)x{}= (ab)^x を使いました。

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問16 ★★

(1) 2x22^{x^2}<8⋅22x{}< 8 \cdot 2^{2x}

(2) (12)x2\left(\dfrac{1}{2}\right)^{x^2}≦(12)x+2{}\leqq \left(\dfrac{1}{2}\right)^{x+2}

上の各不等式を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

(1) −1-1<x{}< x<3{}< 3 (2) xx≦−1,{}\leqq -1,22≦x{}\leqq x

解説

(1) 8⋅22x8 \cdot 2^{2x}=22x+3{}= 2^{2x+3} なので 2x22^{x^2}<22x+3{}< 2^{2x+3}。底 22>1{}> 1 なので

x2\displaystyle x^2<2x\displaystyle {}< 2x+3\displaystyle {}+ 3(x−3)(x+1)\displaystyle (x - 3)(x + 1)<0\displaystyle {}< 0

−1<x<3‾\underline{-1 < x < 3}

(2) 底 12\dfrac{1}{2}<1{}< 1 なので向きが逆になり

x2\displaystyle x^2≧x\displaystyle {}\geqq x+2\displaystyle {}+ 2(x−2)(x+1)\displaystyle (x - 2)(x + 1)≧0\displaystyle {}\geqq 0

x≦−1,‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}x \leqq -1,} 2≦x‾\underline{\rule[-0.2558em]{0em}{1.0117em}\ 2 \leqq x}

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問17 ★★★

aa を定数とします。方程式 4x4^x+a⋅2x+1{}+ a \cdot 2^{x+1}+a{}+ a+2{}+ 2=0{}= 0 が異なる 2 つの実数解をもつような aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

−2-2<a{}< a<−1{}< -1

解説

tt=2x{}= 2^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2+2at\displaystyle {}+ 2at+a\displaystyle {}+ a+2\displaystyle {}+ 2=0\displaystyle {}= 0⋯(∗)\displaystyle \cdots (*)

xx と正の tt は一対一に対応するので、条件は「(∗)(*) が異なる 2 つの正の解をもつ」ことです。(∗)(*) の 2 解を α\alpha,β\beta とすると、次の 3 つがそろえばよいです。

  • 異なる 2 つの実数解:判別式 D4\dfrac{D}{4}=a2{}= a^2−(a+2){}- (a + 2)=(a−2)(a+1){}= (a - 2)(a + 1)>0{}> 0 より aa<−1{}< -1 または aa>2{}> 2
  • 和が正:α\alpha+β{}+ \beta=−2a{}= -2a>0{}> 0 より aa<0{}< 0
  • 積が正:αβ\alpha\beta=a{}= a+2{}+ 2>0{}> 0 より aa>−2{}> -2

3 つの共通部分をとって

−2<a<−1‾\underline{-2 < a < -1}

和と積がともに正なら、2 つの実数解はどちらも正です(片方でも 00 以下だと、積が正にならないか、和が正にならない)。

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問18 ★★★

方程式 2(4x+4−x)2(4^x + 4^{-x})−9(2x+2−x){}- 9(2^x + 2^{-x})+14{}+ 14=0{}= 0 の解を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

xx=−1,{}= -1, 0,\ 0, 1\ 1

解説

tt=2x{}= 2^x+2−x{}+ 2^{-x} とおきます。相加平均と相乗平均の関係から tt≧22x⋅2−x{}\geqq 2\sqrt{2^x \cdot 2^{-x}}=2{}= 2 です(等号は xx=0{}= 0)。

t2t^2=4x{}= 4^x+2{}+ 2+4−x{}+ 4^{-x} より 4x4^x+4−x{}+ 4^{-x}=t2{}= t^2−2{}- 2 なので

2(t2−2)\displaystyle 2(t^2 - 2)−9t\displaystyle {}- 9t+14\displaystyle {}+ 14=0\displaystyle {}= 02t2\displaystyle 2t^2−9t\displaystyle {}- 9t+10\displaystyle {}+ 10=0\displaystyle {}= 0(t−2)(2t−5)\displaystyle (t - 2)(2t - 5)=0\displaystyle {}= 0

tt=2{}= 2,52\dfrac{5}{2} はどちらも tt≧2{}\geqq 2 を満たします。

tt=2{}= 2 のとき:等号の場合なので xx=0{}= 0。

tt=52{}= \dfrac{5}{2} のとき:uu=2x{}= 2^x(uu>0{}> 0)とおくと uu+1u{}+ \dfrac{1}{u}=52{}= \dfrac{5}{2}。2u2u を掛けて 2u22u^2−5u{}- 5u+2{}+ 2=0{}= 0,(2u−1)(u−2)(2u - 1)(u - 2)=0{}= 0 より uu=12{}= \dfrac{1}{2},22、すなわち xx=−1{}= -1,11。

x=−1,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}x = -1,} 0,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 0,} 1‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ 1}

tt=2x{}= 2^x+2−x{}+ 2^{-x} は xx と −x-x で同じ値になるので、xx=0{}= 0 以外の解は ±\pm の組で現れます。

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問19 ★★★

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とします。不等式 a2xa^{2x}−(a+1)ax{}- (a + 1)a^x+a{}+ a<0{}< 0 を満たす xx の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
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答え

00<x{}< x<1{}< 1(aa の値によらない)

解説

tt=ax{}= a^x(tt>0{}> 0)とおくと

t2\displaystyle t^2−(a+1)t\displaystyle {}- (a + 1)t+a\displaystyle {}+ a<0\displaystyle {}< 0(t−1)(t−a)\displaystyle (t - 1)(t - a)<0\displaystyle {}< 0

11 と aa のどちらが大きいかで場合分けします。

aa>1{}> 1 のとき:11<t{}< t<a{}< a、すなわち a0a^0<ax{}< a^x<a1{}< a^1。底 aa>1{}> 1 なので向きはそのままで 00<x{}< x<1{}< 1。

00<a{}< a<1{}< 1 のとき:aa<t{}< t<1{}< 1、すなわち a1a^1<ax{}< a^x<a0{}< a^0。底 aa<1{}< 1 なので向きが逆になり、11>x{}> x>0{}> 0。

どちらの場合も

0<x<1‾\underline{0 < x < 1}

tt の範囲では大小が入れかわり、xx に戻すときにもう一度入れかわるので、結果が同じになります。場合分けの途中で答えが違って見えても、最後まで進めることが大切です。

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問20 ★★★

aa を定数とします。方程式 9x9^x−2a⋅3x{}- 2a \cdot 3^x+a{}+ a+6{}+ 6=0{}= 0 がただ 1 つの実数解をもつような aa の値の範囲を求めなさい。

つまずいたときは:
答えを見る
答え

aa<−6,{}< -6,aa=3{}= 3

解説

tt=3x{}= 3^x(tt>0{}> 0)とおくと

f(t)\displaystyle f(t)=t2\displaystyle {}= t^2−2at\displaystyle {}- 2at+a\displaystyle {}+ a+6\displaystyle {}+ 6=0\displaystyle {}= 0⋯(∗)\displaystyle \cdots (*)

xx の解がただ 1 つ   ⟺  \iff (∗)(*) の正の解がちょうど 1 つ、です。起こりうる場合を分けます。

(i) (∗)(*) が正の重解をもつ:D4\dfrac{D}{4}=a2{}= a^2−a{}- a−6{}- 6=(a−3)(a+2){}= (a - 3)(a + 2)=0{}= 0 より aa=3{}= 3 または aa=−2{}= -2。重解は tt=a{}= a なので、正になるのは aa=3{}= 3(tt=3{}= 3,xx=1{}= 1)。

(ii) (∗)(*) が正の解と負の解を 1 つずつもつ:放物線 yy=f(t){}= f(t) が tt=0{}= 0 で yy<0{}< 0 となればよく、f(0)f(0)=a{}= a+6{}+ 6<0{}< 0 より aa<−6{}< -6。

(iii) (∗)(*) の解の 1 つが tt=0{}= 0 で、もう 1 つが正:f(0)f(0)=0{}= 0 より aa=−6{}= -6。このとき t2t^2+12t{}+ 12t=0{}= 0 で、もう 1 つの解は tt=−12{}= -12<0{}< 0 なので不適。

以上から

a<−6,‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}a < -6,} a=3‾\displaystyle \underline{\rule[-0.1944em]{0em}{0.8389em}\ a = 3}

(ii) の「f(0)f(0)<0{}< 0 なら、正と負の解が 1 つずつ」は、下に凸の放物線が tt=0{}= 0 で tt 軸より下にあれば、左右で 1 回ずつ tt 軸を横切ることから分かります。

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数学小話コーナー

1 人が何人にうつすか——感染の広がりと底 RR

感染症の広がり方を考えるときによく使われるのが、「感染した 1 人が、平均して何人にうつすか」という数です。これを RR と書くことにします(流行の最初、誰も免疫をもたないときの値は基本再生産数と呼ばれます)。

最初の 1 人を第 0 世代とすると、第 1 世代は RR 人、第 2 世代は R2R^2 人、……第 nn 世代は RnR^n 人。底が RR の指数関数です。RR=2{}= 2 なら、第何世代で 1 世代だけの感染者が 1000 人を超えるでしょうか。これは不等式

2n\displaystyle 2^n>1000\displaystyle {}> 1000

で、292^9=512{}= 512,2102^{10}=1024{}= 1024 なので、第 10 世代です。うつるまでの間隔(1 世代)が 5 日なら、50 日ほどで、1 世代の感染者数が最初の 1000 倍を超える計算です。

ここで、この章の「底が 1 より大きいか小さいか」がそのまま意味をもちます。RR>1{}> 1 なら RnR^n は右上がりで流行は広がり、RR<1{}< 1 なら右下がりで、いずれ収まっていきます。手洗いや換気、ワクチンなどの対策は、どれも RR を小さくして「底を 1 より下に押し下げる」ための工夫だといえます。RR が 1.11.1 か 0.90.9 かのわずかな違いが、上り坂と下り坂を分けるのです。

なお、はしかの基本再生産数は 12〜18 程度とよく紹介されます(※推定の方法や地域によって幅があります)。

豆知識

「会員が 1 人ずつ新しい会員を 6 人勧誘すれば、みんなもうかる」という仕組みをねずみ講(無限連鎖講)といいます。6 人ずつ増えると、nn 段目の会員は 6n6^n 人。6106^{10}=60466176{}= 60466176,6116^{11}=362797056{}= 362797056 なので、11 段目だけで日本の人口(約 1 億 2000 万人)を超え、それより下の段は勧誘する相手がいなくなります。必ず最後の段の人たちが損をするしくみなので、日本では 1978 年の「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止されています。

64 枚の円盤を動かし終えると——ハノイの塔

3 本の棒と、大きさの違う穴あき円盤が何枚かあります。円盤ははじめ、1 本目の棒に大きい順に積まれています。これを、次のルールで 3 本目の棒にすべて移すパズルがハノイの塔です。

  • 1 回に動かせるのは 1 枚だけ
  • 小さい円盤の上に大きい円盤を置いてはいけない

円盤が nn 枚のとき、最少の手数は 2n2^n−1{}- 1 回です。理由はこうです。いちばん下の最大の円盤を動かすには、その上の nn−1{}- 1 枚をいったん 2 本目に移さなければならず、最大の円盤を 1 回動かしたら、また nn−1{}- 1 枚をその上に戻す必要があります。手数が「nn−1{}- 1 枚ぶんの 2 倍 +1+ 1」になるので、1,1, 3,\ 3, 7,\ 7, 15,\ 15, …\ \ldots と、ほぼ倍々で増えていくのです。

逆に「1023 手かかった。円盤は何枚?」と聞かれたら、指数方程式 2n2^n−1{}- 1=1023{}= 1023,2n2^n=1024{}= 1024=210{}= 2^{10} を解いて 10 枚、と分かります。

このパズルは、フランスの数学者エドゥアール・リュカが 1883 年に売り出したものです。「インドの寺院で僧たちが 64 枚の金の円盤を動かし続けていて、すべて移し終えたとき世界は終わる」という伝説がついていましたが、これはパズルを売るための作り話と考えられています(※伝説の出どころには諸説あり)。64 枚の手数は 2642^{64}−1{}- 1=18446744073709551615{}= 18446744073709551615 回。1 秒に 1 枚動かしても、約 5800 億年かかります。宇宙の年齢(約 138 億年)の 40 倍以上なので、世界の終わりを心配する必要はなさそうです。

豆知識

コンピューターの世界では、2102^{10}=1024{}= 1024 が 10001000 に近いことから、1024 バイトを「1 キロバイト」と呼ぶ習慣がありました。ところが、ふつうの「キロ」は 10001000 なので、容量の表示に食い違いが出ます。そこで、10241024 を表す専用の呼び名として「キビ(Ki)」が定められ、1024 バイトを 1 KiB(キビバイト)と書く方法もあります。

優勝までに何勝?——トーナメントと 2n2^n

勝ち抜き戦(トーナメント)は、1 回戦ごとに残るチームの数が半分になります。2n2^n チームが出場すれば、nn 回勝てば優勝です。

テニスのウィンブルドン選手権の男女シングルスは、本戦に 128 人が出場します。128128=27{}= 2^7 なので、優勝するには 7 回勝つ必要があります。2 週間の大会で、7 試合を勝ち抜かなければならないわけです。

では、出場チームの数が 2 の累乗でないときは? 夏の全国高校野球(甲子園)は、47 都道府県から 49 校が出場します(北海道と東京が 2 校ずつ)。

25\displaystyle 2^5=32\displaystyle {}= 32<49\displaystyle {}< 49≦64\displaystyle {}\leqq 64=26\displaystyle {}= 2^6

なので、全チームを 6 回戦で 1 校にしぼることはできても、5 回戦では足りません。そこで一部の学校だけが 1 回戦を戦い、ほかの学校は 2 回戦から登場する組み合わせになります。1 回戦から出た学校は 6 勝、2 回戦から出た学校は 5 勝で優勝です。「2n2^n≧49{}\geqq 49 となる最小の nn」を求める指数不等式が、組み合わせ表の段数を決めているのです。

豆知識

トーナメントの試合数の合計は、組み合わせ方によらず「出場チーム数 −1- 1」です。1 試合ごとにちょうど 1 チームが負けて去り、最後に優勝の 1 チームだけが残るからです。甲子園なら 4949−1{}- 1=48{}= 48 試合、ウィンブルドンのシングルス本戦なら 128128−1{}- 1=127{}= 127 試合になります。

厳密定義(発展)

※ここは発展ページです。本文では「底をそろえて指数を比べる」「tt=ax{}= a^x とおいて tt>0{}> 0 の解だけ残す」を手順として使いました。この手順で答えが過不足なく求まるのはなぜか、また、底がそろわない 3x3^x+4x{}+ 4^x=5x{}= 5^x のような方程式について何が言えるかを確かめます。第2章 厳密定義の定理2(単調性)と補足(値域が正の数全体であること)を前提にします。

まず、「同値」という言葉を確認します。

定義1:同値な変形

2 つの条件 P(x)P(x),Q(x)Q(x) について、どの xx に対しても「P(x)P(x) が成り立つ」と「Q(x)Q(x) が成り立つ」が一致するとき、P(x)P(x) と Q(x)Q(x) は同値であるといい、P(x)P(x)  ⟺  Q(x){}\iff Q(x) と書く。方程式・不等式を同値な式に書きかえることを同値変形という。同値変形では、解を失うことも、余分な解が混じることもない。

定理1:底をそろえる変形は同値変形

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とし、f(x)f(x),g(x)g(x) を xx の式とする。

  1. af(x)a^{f(x)}=ag(x){}= a^{g(x)}  ⟺  f(x){}\iff f(x)=g(x){}= g(x)
  2. aa>1{}> 1 のとき af(x)a^{f(x)}<ag(x){}< a^{g(x)}  ⟺  f(x){}\iff f(x)<g(x){}< g(x)
  3. 00<a{}< a<1{}< 1 のとき af(x)a^{f(x)}<ag(x){}< a^{g(x)}  ⟺  f(x){}\iff f(x)>g(x){}> g(x)

証明 xx を 1 つ固定し、pp=f(x){}= f(x),qq=g(x){}= g(x) とおく。aa>1{}> 1 とする。

pp<q{}< q なら単調性(第2章 定理2)より apa^p<aq{}< a^q。逆に apa^p<aq{}< a^q とし、もし pp≧q{}\geqq q なら、pp=q{}= q のとき apa^p=aq{}= a^q、pp>q{}> q のとき単調性より apa^p>aq{}> a^q となり、どちらも仮定に反する。よって pp<q{}< q。これで 2 が示せた。

1 について、pp=q{}= q なら apa^p=aq{}= a^q は明らか。逆に apa^p=aq{}= a^q で pp≠q{}\neq q とすると、pp<q{}< q でも pp>q{}> q でも 2 より apa^p≠aq{}\neq a^q となり矛盾する。よって pp=q{}= q。

00<a{}< a<1{}< 1 のときは bb=1a{}= \dfrac{1}{a}>1{}> 1 とおくと apa^p=b−p{}= b^{-p} なので、bb について示したことを −p-p,−q-q に使えば 1 と 3 が得られる。(証明終)

次は置き換えです。本文の公式6では、映画館のチケットと座席にたとえて「xx と正の tt は一対一」と言いました。これを正確に述べるための言葉を用意します。

定義2:全単射(一対一対応)

集合 AA の各要素に集合 BB の要素を 1 つずつ対応させる関数 φ\varphi が、次の 2 つを満たすとき、φ\varphi を AA から BB への全単射(一対一対応)という。

  • 単射:x1x_1≠x2{}\neq x_2 ならば φ(x1)\varphi(x_1)≠φ(x2){}\neq \varphi(x_2)(行き先がかぶらない)
  • 全射:BB のどの要素 tt にも、φ(x)\varphi(x)=t{}= t となる xx∈A{}\in A がある(行き先に空きがない)
定理2:置き換えと解の個数

aa>0{}> 0,aa≠1{}\neq 1 とし、φ(x)\varphi(x)=ax{}= a^x とする。

  1. φ\varphi は、実数全体から正の実数全体への全単射である。
  2. F(t)F(t) を tt の式とする。方程式 F(ax)F(a^x)=0{}= 0 の実数解の個数は、方程式 F(t)F(t)=0{}= 0 の正の解の個数に等しい。

証明 1:axa^x>0{}> 0 なので、行き先はたしかに正の実数である。単射であることは定理1の 1(ax1a^{x_1}=ax2{}= a^{x_2}⇒x1{}\Rightarrow x_1=x2{}= x_2 の対偶)による。全射であることは、第2章 厳密定義の補足(どんな正の数 cc にも axa^x=c{}= c となる xx がある)そのものである。

2:F(t)F(t)=0{}= 0 の正の解の集合を TT、F(ax)F(a^x)=0{}= 0 の実数解の集合を XX とする。xx∈X{}\in X なら tt=ax{}= a^x は正で F(t)F(t)=0{}= 0 を満たすので φ(x)\varphi(x)∈T{}\in T。逆に tt∈T{}\in T なら、1 の全射性から axa^x=t{}= t となる xx があり、F(ax)F(a^x)=F(t){}= F(t)=0{}= 0 なので xx∈X{}\in X。さらに単射性から、異なる xx は異なる tt に移る。したがって φ\varphi は XX と TT の要素を過不足なく一対一に対応させ、個数は等しい。(証明終)

F(t)F(t)=0{}= 0 の負の解や 00 が TT に入らないことが、本文の「tt>0{}> 0 の解だけ残す」にあたります。また、第2章 j17 や本章 j18 の tt=2x{}= 2^x+2−x{}+ 2^{-x} は、xx と −x-x が同じ tt に移るので単射ではありません。そのため、1 つの tt(tt>2{}> 2)に 2 つの xx が対応し、解の個数の数え方が変わります。

最後に、底がそろわない方程式を 1 つ見ておきます。3x3^x+4x{}+ 4^x=5x{}= 5^x は、xx=2{}= 2 で 99+16{}+ 16=25{}= 25 となって成り立ちます(直角三角形の 3 辺 33,44,55 です)。ほかに解はあるでしょうか。

定理3:単調な関数の方程式の解は高々 1 つ

関数 h(x)h(x) が x1x_1<x2{}< x_2⇒h(x1){}\Rightarrow h(x_1)>h(x2){}> h(x_2)(つねに減少)を満たすとき、どんな定数 cc に対しても、方程式 h(x)h(x)=c{}= c の解は高々 1 つ(1 つ以下)である。

証明 解が 2 つ x1x_1<x2{}< x_2 あったとすると h(x1)h(x_1)>h(x2){}> h(x_2) となり、h(x1)h(x_1)=h(x2){}= h(x_2)=c{}= c に反する。(証明終)

3x3^x+4x{}+ 4^x=5x{}= 5^x の両辺を 5x5^x>0{}> 0 で割ると

(35)x\displaystyle \left(\frac{3}{5}\right)^x+(45)x\displaystyle {}+ \left(\frac{4}{5}\right)^x=1\displaystyle {}= 1

左辺を h(x)h(x) とすると、底 35\dfrac{3}{5},45\dfrac{4}{5} はどちらも 1 より小さいので、2 つの項はどちらもつねに減少し、その和 h(x)h(x) もつねに減少します。定理3から解は高々 1 つで、xx=2{}= 2 が解なので、解は xx=2{}= 2 だけです。

この「解を 1 つ見つけて、単調性で他にないことを示す」という論法は、底をそろえられない方程式に対する数少ない武器の 1 つです。

ちなみに、問いの向きを変えて「指数を 3 以上の整数に固定したとき、ana^n+bn{}+ b^n=cn{}= c^n を満たす正の整数 aa,bb,cc はあるか」と聞くと、まったく別の難問になります。これが「フェルマーの最終定理」で、答えは「ない」。17 世紀にフェルマーが書き残してから 350 年以上たった 1995 年に、ワイルズが証明を完成させました。こちらは単調性ではとても太刀打ちできない、はるかに深い数学を必要とします。

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